マガランの観てきた!クチコミ一覧

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つかまえてごらんなさい、箸で

つかまえてごらんなさい、箸で

GORE GORE GIRLS

王子小劇場(東京都)

2013/11/01 (金) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度★★★★

生き方を決める人たち
劇団初見。
一緒に演劇を学んでいる方が客演されていて観に来ました。
久々、王子小劇場。やっぱり良い劇場。
上演時間、80分。

ネタバレBOX

シェアハウスにて。
35歳の誕生日を迎えるコウキ(望月雅行)のために
同居人で、同い年のミズキ(久保雄司)や天(大西聖志)、
イクオ(秋瀬拓)、同居二年目の新米タカヒロ(柴田順平)は
誕生会の準備をしていた。
数名が買い出しで離れた時、
メイ(森山彩美)名乗る女性がが現れて・・・

シェアハウス内の世界は閉鎖された
ある厳正なルールの下で成り立っていた。

厳しい管理人マユミ(小谷陽子)の審査を通った
住人たちに共通すること、それは・・・

「独身であること」
そして決して家族以外の女性の立ち入りを
徹底して排除(動物、幽霊もメスの立ち入りを禁じる)。

そんな中、コウキが彼女というか出逢って一か月で
結婚した奥さんのメイを連れて
シェアハウスの皆に認めてもらうよう説得に来た。

シェアハウスの皆のリアクションや、
独身でいることに対する誇り、
結婚、恋愛、異性に対する憎悪(笑)や
嫌悪感などなど、
突き詰めた世界感が面白く、楽しい。

キャッチボールや独身を極めると妖精になるとか、
設定が楽しいなって。

多少葛藤を抱かせる部分はあったけど、
もっと各キャラの葛藤が強くなると
さらに良くなるのでは。

あとラストのオチについては、
それまでの展開も変えなきゃだけど、
逆(残る者を入れ替え)にしたら、
さらに良いかなとは思った。

上演時間、80分。
コンパクトにまとまり、
ほぼ一場の良いコメディだった。
未来を忘れる

未来を忘れる

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2013/10/18 (金) ~ 2013/11/01 (金)公演終了

満足度★★★★

忘れるような未来なら
演劇を観ていてやはり観ていてスカッとするものを当然欲するが、
色々観てきた中で何か不快であったり気味悪い、胸糞悪いものも
欲するようになった。

松井周さんの劇団サンプルの「地下室」を先日観て
こういう世界があるんだと思って
松井さんの新作が文学座でやると聞いて来てみた。

上手い表現が見つからないけど、何かどよーんと胸に残る作品。

ネタバレBOX

話が上手くまとまらないですが・・・

隣国からミサイル攻撃を受け、
その一発が原発を破壊し甚大な被害をもたらし、
さらに大規模な地震が頻発し、
百万単位の避難民を出す、絵にかいたような
最悪の事態が起こった近未来の日本。

富裕層は日本を脱出するが、貧困層などは留まるしかなく、
そこで生きていくために製薬会社が開発した薬を投与し、
ゴキブリとして生きていくか、
己の肉体のみを残す手段として、ゴキブリに寄生された
ゴキブリ人間として生きていくか、
それでも人間のまま生きていくかを
迫られている中での物語。

人間として生きる者たちを従える宗教団体「キョウリュウの会」、
のちの「カイコの会」とゴキブリ陣営は争っているが、

やっぱりそんな地獄のような世界でも
自分達の主義主張で争ってしまうんだなーと。

進化しようが結局やっていることが同じならゴキブリになっても
意味がないようにも思え、
ただそのゴキブリたちから人間以上の人間っぽさが
垣間見えたりもする。

生死ということに関しても、
死者が登場したり、人間であるかどうか以外にも
生物として生きていくこと、死ぬことその両方について
改めて考えを巡らさせられた。

人間は宗教に、またはゴキブリの力に
それぞれすがって死ぬか、生きるしかないならば、
先の未来のことなんて考え過ぎない方が楽なのかも。

舞台がシンプルなのは良かった。
他の舞台でも観たことあったが、
床に落ちたピンポン玉を踏まないかはすこし気になった。
『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

『うれしい悲鳴』/『太陽とサヨナラ』(終演しました! ご来場ありがとうございました!)

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

「うれしい悲鳴」
昨年3月に上演された「うれしい悲鳴」。
アマヤドリの前身、ひょっとこ乱舞の最終公演で
初めて観たのに衝撃を受けた。
その世界、表現、俳優など魅力的な作品が、
1年半後に新たなキャストで再演。

ネタバレBOX

やっぱりこの作品は好きだなと思った。
初演とどうこう比較するのは、本来おこがましい。

あえてそれを踏まえて初演に比べて
今回の再演の特徴をあげるとするなら、

・作品世界の背景が理解しやすくなった。
・初演が「動」なら再演は「静」のイメージ。

オープニングのシークエンスは初演が好き。
だけど今回はリーディング形式で
作品の世界を語る感じ、これはこれで良いなと。

マキノ(西村壮悟)の痛覚を持たない男の鈍感さ、
何でも過敏症という病気を抱えるミミ(藤松祥子)の
性格に及ぶまで神経質になる過敏さが
より明確に伝わった気がする。

ミミが素晴らしいなと。
初演では二人で演じた役を、
今回は主に一人で演じていたが、
終盤のミミと母親(百花亜希)の
繋がりを示す回想シーンが
ワークインプログレスから観てきても、
本当に良くて揺さぶられる。

この再演で素晴らしいのはラストで、
降る雪が、静のイメージを濃く表し、
そしてその後で一気に躍動する群舞に
ガツンと持っていかれた!

衣装も、舞台美術もよりシンプルで
戯曲的内容も含め良かったと思う。
『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』

『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』

アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★

「千両みかん」/「屋上庭園」
それぞれ、アイディアが面白い。

ネタバレBOX

「千両みかん」

古典落語の演目を二人の役者が演じる。

<あらすじ>
上方の呉服屋の若旦那が急な患いにつき、
「明日をも知れぬ」状態となった。
医者に見てもらった結果、
「気の病」で何か心の悩みが解消すれば治るのではと言われる。
旦那は息子の若旦那を救うため、
番頭に若旦那の悩みを聞き出すよう命じる。
番頭は渋る若旦那を言いくるめ、白状させると、
若旦那は一言、「みかんが食べたい」と告げる…

ちょっと後に調べたら、
落語の話自体に東京と上方で違いがあるという。
(今回は上方版の話)

通常の落語では、一人で複数人を演じるが、
今回は二人。

しかも役柄を固定せずに、
同じ役を入れ替わり演じ分けたりもする。

ただの会話劇というより、
落語そのものを二人で演じ分けたという印象。

面白かったのは、役者の位置取り。
会話劇のように相手と向き合って話すことはほとんどない。
互いに正面を切ったり、その場に応じた、
その場を表すような位置取りが、面白い演出だと思った。

中村早香さんが良かった。
落語自体が昔の言葉、口調で作られたもので、
彼女から発せられる台詞が軽快で楽しい。

全体的に動きも忙しく、身体を使ったものもあるが、
そこもやはり軽快で飽きない。

「屋上庭園」

岸田國士原作の短編。
貧しい並木(糸山和則)とその妻(榊奈津美)、
並木の友人で裕福な三輪(沼田星麻)とその妻(毛利悟巳)の
二組の夫婦の会話劇。

面白いのは、衣装。
この二組の夫婦の違いを衣装で見ると、

単純に裕福な三輪は白いシャツ→ホワイトカラー。
貧しい並木は青いシャツ→ブルーカラー。

で階級の違いを表しているように見えた。
それぞれ妻も夫と同じようにシャツが同じ色、
スカートが逆の色で青と白のコントラストが綺麗だった。

もしかしたら、他にも意味が込められているのかもしれない。

スタジオ空洞が基本まっさらなスタジオなので、
ブロックを置き、板を渡して色々な場所に見立てるのが
シンプルな半面、役者の動きが大変そうだった。

三輪の親切を出来るだけ遠ざけようとし、
卑屈な感じを妻の前だけにさらけ出す
糸山和則の醸し出す陰の雰囲気が残った。
劇作家女子会!

劇作家女子会!

劇作家女子会×時間堂presents

王子小劇場(東京都)

2013/06/13 (木) ~ 2013/06/16 (日)公演終了

満足度★★★★

少し特徴の異なる物語たち
どの作品も全く毛色の違うもの。
コンセプト上、女性目線で語られる作品たちが
集まったということだが、
それはもちろん劇作家女子の皆さんだから、
当たり前。

観た後に思ったのは、男性の劇作家が作った物語と
差異が物凄くあるとは感じなかった。

ただ取り上げるポイントとか
細かい特徴が面白いなっていうのが
それぞれの作品の色んなところにあった。

ネタバレBOX

「彼女たち」は、
女性の視点を持って
二股をかけられた女性同士が
思いがけず出会ったら、という話。
普通ならその後は修羅場を予想するが、
ただ争うにしても、
自分がどれだけ相応しいかを相手に示す、
そこで変に見栄を張ってでも
自分が優位であることを示すというのが、
今の女性の実態のように思わせる。
本当にそういう傾向なのかもしれないが、
そのやり取りの可笑しさが面白い。

「Compassion」では、
男を翻弄する女について、
何を目的としているのか、
打算はあるのか、純粋な本心だけなのか、
そういうことを考えることが野暮なのか、
色々思わせるところがあり、
ストーリー自体が観る者の想像によって
変化できるなってところに見入った。
阿波屋鮎美さんのイメージが
良い意味で変わったなと。

「バースデイ」では
作者のモスクワカヌさんの創作のスタンスが
かなりネガティブなところから始まっているようで、
それ故か、ぱっと観た感じの印象にない、
不気味さ、恐ろしさもあった。
それだけに終わらないと感じさせるところもあって
もう少々長く観たかったな。

「親指姫」では、
メールを代筆するというのと、
学校のクラスでのポジションのギャップ、
そういったちょっとした社会テーマを
ポップに扱っているのが面白い。
小学生だけれども、そこですでに
恋愛において何が大事なのかを突きつけられるとは、
なかなか早熟だな~なんて思ったり。

長瀬みなみ、阿波屋鮎美の時間堂新メンバー陣が
良かったな。
客演の佐々木なふみ、木内コギトも良かった。

イベントとしても初日は、
オープニングパーティーがあったけど、
行き当たりばったり感が逆に良かった。
プルーフ/証明(谷 演出ver.)

プルーフ/証明(谷 演出ver.)

DULL-COLORED POP

シアター風姿花伝(東京都)

2013/05/24 (金) ~ 2013/05/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

プルーフ/証明
最初に5/25(土)13:00~の回
2回目に5/26(日)19:00~の回を観た。

とても良い芝居を観れた。

ネタバレBOX

必要以上に強調せずとも、
数式とか証明を言葉に乗せるだけで
魅力が伝わる一遍の物語。


話もシンプルで良いし、何より役者の演技が良かった。

百花亜希さんが素晴らしかった。

「くろねこちゃんとベージュねこちゃん」から
劇団公演とか客演を観てきた印象として、
どんな作品にも馴染むし、
それでいて周囲に埋もれずに
自分の役柄を演じられる女優さんだと思ってた。

ただ今回は、作品に馴染むというより、
彼女の中にあるキャサリンという、
常に不安定でコントロールしづらい人格を
必死で生きているように感じられて
そこが素晴らしいなと。

ロバート役の中田顕史郎さんは、存在感が大きい。
キャサリンと似た不安定さも持っているが、
父親という安定感は絶妙だった。
第二幕の序盤のシーンが良かった。

ハル役の東谷英人さんは、最初に見た2公演目くらいから
何かを掴まれたようで、
他の主張が強い3人の間で
タイミングが悪く不器用に、けれども
皆に真摯に向き合う様子が伝わってきた。

クレア役の境宏子さんは、
下手をすればただ嫌味な役を
良い塩梅で現実を見させてくれる
キャラクターにされていたのが良かった。
あと立ち姿、しぐさが凛として美しかった。


場面転換として使われる楽曲が、
爆音で少々驚くものの、
芝居を重くし過ぎないように感じられた。

舞台美術も混沌としていて
DULL-COLORED POPらしいというか、
使い方、収め方が面白かった。
くじらのおなか

くじらのおなか

ぬいぐるみハンター

荻窪小劇場(東京都)

2013/02/08 (金) ~ 2013/02/10 (日)公演終了

満足度★★★★

シンプルに様変わり
初日の初回に行きました。舞台セットもなく、劇団員のみのシンプル。
かつ、当日行ったら内容が様変わりしているという。

ネタバレBOX

「くじらのおなか」というこれまでのタイトルは影も形もなく、
「ポテサラパニック ピクニックパーティー」という
奇抜なものに生まれ変わった。

池亀さんの初案を劇団員の意見を入れて
全く別物に変わったということで、
ぬいぐるみハンターの純度は高い。

浅利さん、石黒さんはテンション高めで突っ走る。
竹田さんがそれらに呼応する。
猪股さんはちょっと違った落ち着いた感じでアクセント。
そして何より神戸さんのパワー。

中盤登場してからキレッキレ。
歌っても、長台詞でもがっつり笑った。

このパワーとスピード感は、
ぬいぐるみハンターの持ち味だろう。
前回公演、前々回と比べて客演がなく、
人数が減っても基本それは変わらない。

今後さらにキレのある劇団員のみ公演を期待!
ゴリラと最終バス

ゴリラと最終バス

ぬいぐるみハンター

駅前劇場(東京都)

2013/01/07 (月) ~ 2013/01/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

観やすく楽しい
ぬいぐるみハンター2回目。

全体的に走り、飛び、舞い踊り、
芸達者な役者陣が揃い、
終始楽しい作品だった。

個人的にはあのキャラクターたちが再登板したことと、
舞台の作りで冒頭、わずかな暗転で
全員が揃い出てくるところが良かった。

地下室

地下室

サンプル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/01/24 (木) ~ 2013/02/03 (日)公演終了

満足度★★★★

関係の歪み
舞台美術が凝った作りになっていて、
それを見た複雑な印象以上に、
人々の歪みが気味の悪い感じになっていた。

ネタバレBOX

店を舞台として、血のつながりは無くても
集まったものたちで家族のような共同体を作っていて
一見すると、誰もが穏やかな印象。

ただ視点を変えると、
この共同体の関係の歪みが徐々に分かってきて、
良い意味で気持ち悪さや怖さを感じた。
隔たりが大きいからこそ、笑いも度々起きたように思える。

共同体の要である森男(奥田洋平)と彼の作る水が
外部から入ってきた酒井エリ(富田真喜)という女性によって
徐々に変化し、みんなの関係が壊れ、
これまで穏やかに見えた人々の別の一面が表れてくる。

店長の相川(古舘寛治)がいう、
「毒を出す」という意味の懺悔のような仕組み、
立派な家族の一員となるための店長と繋がる儀式。
最初から少しずつ感じてはいたが
まさにカルトなどの新興宗教に繋がる。
個人的にビリビリと警戒感が走った(笑)
執筆当初は、オウムなどのカルトが意識されていたという。

ただここで普段から、
どれだけ曖昧な言葉を多用しているかは身に染みた。

あと巷で聞こえの良い、
「リサイクル」「毒を出すこと(≒デトックス)」
「自然食品」などを扱って別の解釈で表すこと自体が
痛烈な皮肉であるように感じた。
シェイク!!

シェイク!!

ゲキバカ

王子小劇場(東京都)

2012/09/20 (木) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

演劇を見るにあたって
やっぱりシェイクスピアは切っても切れないと痛感。
色んなアプローチのシェイクスピアを見れて
飽きは来ない。

ネタバレBOX

相撲とシェイクスピアを掛け合わせたら。

シェイクスピアを演じる劇団を舞台に、
劇団の馴れ初めや劇団員の関係を描きつつ、
そして相撲世界へとアレンジされた
ロミオとジュリエットを上演する。

ちょっと無茶なミッションも
おバカで楽しいエンターテインメントになって
面白かった。

ゲキバカ劇団員も個性派ぞろいなら、
客演も個性派が揃っていた。
無差別

無差別

柿喰う客

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2012/09/14 (金) ~ 2012/09/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

無差別
圧巻の舞台だった。神に捧げるという意味で、
重厚かつ濃密な時間だった。

ネタバレBOX

舞台セットが奇抜な柿喰う客で、
鉄棒のような、やぐらを見立てたもののみ。

あえて客席と舞台を分断し、
神へ奉納する意味合いを込める。

そういった日本古来の神話、民話を
ベースにした妖しさと不気味さと
時折ある柿喰う客らしい言葉による笑い。

作品全体の力強さを体現した玉置玲央。
菩薩のようにも見える七味まゆ味。
理不尽な中にも健気さを見せる葉丸あすか。
どん底から這い上がる野心を表現した深谷由梨香。
奇妙さの中に可笑しさが混じる大村わたる。
哀れな神を淡々と表現した中屋敷法仁。
言葉使いと体で表現しつくす永島敬三。

まさに全員の力が結集した舞台だった。
ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!

ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!

おぼんろ

ゴベリンドン特設劇場(東京都)

2012/09/11 (火) ~ 2012/10/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

とにもかくにも
このこりっちでの評判が高く、
リピート率が高い。
廃工場で一ヶ月のロングランということで
気になって観ました。

ネタバレBOX

東京埋立地の外れ。
本当に工場が立ち並ぶ界隈の廃工場。
そこだけちょっと違う空間でした。

始まりからもう劇団おぼんろの世界。
夢に入り込むってこういうことかと思った。
アクシデントで突然の豪雨があり、
台詞が聞こえないということもあったが、
これにも温かいアドリブで応えていた。

エンターテインメントとして画期的で
とにかく凄かった。
くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

DULL-COLORED POP

アトリエ春風舎(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

気になって
初めてでしたが、観ました。シンプルでかつ深い物語でした。

ネタバレBOX

開演前には、配役のネコちゃんが舞台上で
お茶のサービスをしてくれるという、カフェがあり
何やらアットホームな感じ。

そこからぬるっと自然に始まった。

家族の話で、夫を失った母の視点から
息子や娘、家政夫を交えて描いている。

この主人公の母がイライラさせるが、
時折見せる表情や演技で
一様には感情移入できないことを感じた。

リアルさで重い中に
母の幻覚として登場するネコちゃんたちの
ポップさがよいアクセントになっていた。

シンプルに、時折ポップで、
それでいて家族についてを描ききった秀作だと思う。
組曲『回廊』

組曲『回廊』

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2012/07/19 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

玉手箱のように
色んな物語を楽しめて飽きが無い。
笑って、ジーンときて。
繋がりがある男性と女性が出会って
すれ違う「回廊」は秀逸。

ただやはり今回も小玉久仁子さんにしてやられる。

カナヅチ女、夜泳ぐ

カナヅチ女、夜泳ぐ

悪い芝居

王子小劇場(東京都)

2012/07/10 (火) ~ 2012/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

初めてでしたが、
雑多なリアルさに突如出てくるファンタジーな部分。
現実なのか、夢なのか。
一様には理解できない不思議な空間が広がっていた。

関西の劇団で全体的に芝居のテンションが高いと感じた。

特に客演の村上さんと大塚さんが
東西のコメディリリーフの代表になっているようで
面白かった。

傷は浅いぞ

傷は浅いぞ

柿喰う客

東京タワー フットタウン1F 特設ステージ(東京都)

2012/11/09 (金) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

まるで
怒涛のように迫りくる台風のような作品。

ネタバレBOX

とにかく全編通して笑い、圧倒されつくした。

柿喰う客を知ったのが昨年(2011年)からなので、
それより前の作品を新たに生で観れるのは嬉しい。

主人公アユミの突っ走り感がただただ見事な深谷由梨香。

周囲に翻弄されてもなお
身体能力の高さと言葉巧みさでついて来る永島敬三。

徹底的なダークさを出して
物語の過酷さを体現する葉丸あすか。

相変わらずの怪しく不思議な感じで
一瞬で空気を一変させる大村わたる。

テンポの良さ、笑いの応酬、
傾いた円盤上のステージを駆け巡る
圧巻の舞台だった。
「俺とあがさと彬と酒と」第1回公演『ふたりマクベス、マボロシ兄妹、ほか短編』

「俺とあがさと彬と酒と」第1回公演『ふたりマクベス、マボロシ兄妹、ほか短編』

DULL-COLORED POP

アトリエ春風舎(東京都)

2012/12/27 (木) ~ 2012/12/31 (月)公演終了

満足度★★★★★

2012年の最後
観劇納めには相応しい濃い時間。

ネタバレBOX

「マボロシ兄妹」
谷さんの演技は初めて観ました。
山崎さんの作品が深いので、
自分には十分理解しきれなかったとは思う。
それでも何か引き付ける力がある。

「ふたりマクベス」
今年、次ごう3作品のマクベスを観てきて
濃い~なと感じ、魅了された。
マクベスとマクベス夫人のふたりだけに
焦点を絞ったのが、女優、岡田あがさの魅力を
存分に表現していた。
山崎さんも堕ちていくマクベスがハマっていた。

他には芝居の裏側として
終演後のバラシを経験し、
年越しの打ち上げにまで参加して
さらに演劇を堪能した年末年始となった。
すべての夜は朝へと向かう

すべての夜は朝へと向かう

劇団競泳水着

サンモールスタジオ(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

たとえるなら・・・
大のアラサー男である、
自分がキュンキュンして恋したくなってしまう、
そんな作品でした。

リアルな部分はごくごくそこにあるかのように自然。
主人公の修(武子太郎)が同じ年の設定でなおさら共感。

女優陣は、それぞれ異なる魅力で全員に魅了された。

それぞれの夜明けへ向かう物語が
端々で繋がっていることで
現実でも自分たちは何かしらで繋がっていることを
改めて思い知らされたりもして。

うれしい悲鳴

うれしい悲鳴

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

圧倒される
ひょっとこ乱舞は初めて、なのに最終公演で大爆破!

ネタバレBOX

劇団の特徴である、群舞に圧倒される。
規律が整っているようで、雑多なようで、
けれど「舞い」になっていて、
物語のアクセントになっている。

観劇慣れしていないからか、
演劇の始まりのよくあるシークエンス、
たとえば幕が開く、または劇場が暗転するでもなく、
役者が次々にぞろぞろ出てきて
準備するところから始めるのに
単純にワクワクさせられた。

ストーリーも、感覚を持たない「鈍感」な男と
何に対しても感じすぎてしまう「敏感」な女の話で、
女は2人の役者が、時にさらに多くの役者演じられ、
一面からでなく多面的に物語を

「アンカ」、「オヨグサカナ」など、別世界を描いて
政治風刺的な内容もありつつ、
究極の矛盾(天皇をアンカの対象として扱うか)に
翻弄されるというアイディアは面白かった。

印象としては、言葉がすら~っと流れるようで、
男の独白などは、力強く感じた。

また舞台が階段を介して
ロフト部分から地下にまで繋がり
縦方向の立体感も使って
視覚的にも圧倒された。
否定されたくてする質問

否定されたくてする質問

箱庭円舞曲

駅前劇場(東京都)

2012/11/01 (木) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

創作すること
この作品を観れて良かったと思います。

ネタバレBOX

作業場をシェアしているマンガ家、それらを取り巻く人々の話。

誰一人として間違ってもいないが、完璧でもない登場人物たちの
葛藤と卑屈と悩みのやり取り。

時折混ぜられる意味のないやり取り、笑い、シュールなギャグも
良い感じのアクセントになっていて観やすい。

壁一枚隔てたところで同じマンガを描いているのに、
お互いを理解できていない、
原作者の吉富(小野哲史)と作画担当、門馬(久保貫太郎)。

連載打ち切りに危機を感じ、
奥の手に出るマンガ家、庄司(片桐はづき)と
エロ路線を常に加えようと厳しいダメ出しをする
編集担当者の江橋(鷲尾直人)。

他の登場人物たちもそれぞれの関係において
コミュニケーションが欠如している。
全く会話しないとか無口とかではなく、
肝心な部分が抜けていたり、噛み合わなかったり。
ネット上や見えない相手の評判ばかり気にして、
身近にいる同僚とは話をしなかったり。

どれも相手との枠線を越えてみようとすることで
解ること、変わってくることがあるのだと感じた。

かつてマンガ家で、
今は編集者となった羽生(爺隠才蔵)の叱咤から、
社会に出ていく、働くといったことを遠回しに感じた。
厳しさもある、けど夢というか理想もある。
どちらも完全にダメだとか否定するわけでなく、
とにかく今為すべきことをしないといけない。

それだけでない幾多のものを感じ、
その綿密な群像劇、会話劇からは想像しない
熱いものを観終わった後から感じだした。

創作から見えてくるもの、
根源的な問い、つまらないこととか色々ある。

面白いとは何か?
それは良く分からないけれど、
僕個人としてはとても面白い作品でした。

あと、アシスタントの手塚(須貝英)と
新人編集者の古渡(白石廿日)が、
抜けてるのか鋭いのかわからない
絶妙なキャラで面白かった。

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