1bitの深呼吸
劇団銀石
ギャラリーLE DECO(東京都)
2013/12/10 (火) ~ 2013/12/15 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
人間は愚かだ。だが、一人でも違えば可能性は拡がる
人間とロボットの違いは何か?
そう問われれば、多くの人は「心」と答えるはずである。では、話題を変えてみよう。
人間と動物の違いは何か?
このように問われれば、例えば「知性」「道徳」「科学技術」「言語」等、実に様々な方向から解説するはずである。もちろん、その中には「心」も含まれる。
私たちが注視しなければならないのは、「知性」「道徳」「科学技術」「言語」等は近未来、ロボットに備わる能力という事実だ。コンピュータで制御さえすれば、「知性」「道徳」の面はクリアできる。「科学技術」「言語」は言うまでもない。スマートフォンの小さな板ですら 今しゃべった内容を理解してくれる。
つまり、ロボットと動物を比べると、前者の方が人間に近しい存在なのである。これは重大だ!進化論者によれば人間はサルの進化系ということになっている。しかし、DNAの生物構造から外れたレアアースやマイクロチップ、シリコンで造ったロボット=アンドロイドの方が人間に近いのだから!
人間とロボットの違いを舞台化すればするほど、「人間とは何か?動物とな なぜ違うか?」を浮き彫りにする。演出の意図はともかく、これは画期的であり、不思議な試みである。
♪~ご観劇ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。~♪ ミュージカル座ガラコンサート
ミュージカル座
六行会ホール(東京都)
2013/12/03 (火) ~ 2013/12/06 (金)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
年末恒例行事になるだろう
ミュージカル座創立19周年初のガラコンサート。作曲も山口琇哉/木村直樹、玉麻尚一/藤倉梓 等、これ以上ない布陣だろう。
人は誰しも、「あの舞台(ミュージカル)の あの場面を もう一度観たい」、「あの映画の あのシーンを もう一度観たい」といった想いがある。その欲求がDVD(ビデオ)販売のシステムを造った。ただ、映像で再現するより、「あの時の感動」は今、実際に体感できた方がいい。ミュージカル座が年末に贈る「ガラコンサート」は きっと観客ごとで違う初恋の味である。
むろん、「総特集」のみならず、意外な組み合わせも期待したい。これは華麗だ、これは実力だ、これは特別だ…。ミュージカルの力強さ、歌唱のしなやしさ はもちろん、ミュージカル座「ベテラン勢の意地」を再確認できそうな公演。
トリコロールバッドエンド
劇団MAHOROBA+α
ギャラリーLE DECO(東京都)
2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
むしろ破壊だ。暗闇にこそ人間の本性は写される
「完全暗転」を強調するが、「暗闇演劇」という表現なら大川興業が先だろう。特許庁から特許を貰った結果、それを維持しなければならず、「やりたくてやってるわけではない」公演を毎年続行(10周年)
つまり、「暗闇演劇」「完全暗転」なるコンセプトは、ブラジルの新首都・ブラジリアのごとく、真新しい建造物だが住み心地は劣るのだ。ギャラリー公演ともなれば密閉空間が加わり もはや「押し入れ」だろう。コンクリートと、金属パイプのなか、観客の「妄想」が拡がるはず。狭ければ狭いほど、「暗闇」の世界では どんな懐よりも広い「妄想」が拡がる。
そして、演劇という一種のリアリズムー現実の事象が巻き起こってしか、観客の自由な「妄想」を越えた「空想」は対応しえない。同時間的体感を最も共有しやすいコンセプトが「暗闇演劇」「完全暗転」なのである。
劇場が持つ社会的位置付けを、「見えなくする」演出で 逆に成立させてしまう。それは「役者の存在」を掘り出す作業でもある。
さあ、「完全暗転」の意義は述べた。次は、暗闇に詰める物語自身である。
『タガタリススムの、的、な。』
舞台芸術集団 地下空港
ギャラリーSite(東京都)
2013/11/14 (木) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
歴史を手にした道先案内人
細い。大きい。
針金のような細かな表現で、アフリカ象も負けてしまうダイナミズムの舞台を造り出す。
彼らのスタイリッシュな身体観を、現実社会 と交じり合せ、見事に融合できたら…。
そこに現れるのは “外国”だろう。
See You 【観客総動員数1000人突破!】
LIPS*S
新宿シアターモリエール(東京都)
2013/11/20 (水) ~ 2013/11/24 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
アクションに、全力。
アクションとは何なのか…?
身体アクロバットなら中国雑技団に負ける。
ソワソワ感ならジェットコースターに負ける。
アクション、それは いかに物語の展開や関係性、身体を駆使し、観客を引き込ませることができるか、に尽きる。大切なのは設定だ。
「機械都市」の響きは灰色の つくし…。これぞSF…。
アクションを繰り広げるシチュエーション設定として 適した〈場〉である。
場外乱闘!
lovepunk
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2013/11/06 (水) ~ 2013/11/10 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
女優という女子レスラー…
先日、はじめて「女子プロレス」なる興業イベントを観戦した。
肉弾戦の中、判ったことが ある。
それは、実は舞台上の女優、リング上の女子レスラーは似た生き物なのではないか、と…。
ヒール役を買い、観戦席からブーイングを浴びようとも、それを貫く肉弾。細身の若いレスラーが闘う姿は一種のドラマだろう。
この劇団、風の便りによれば 壮絶な肉弾戦らしい。
すなわち観客との一本勝負である。
【韓国】第12言語演劇スタジオ『多情という名の病』
BeSeTo演劇祭
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2013/11/05 (火) ~ 2013/11/06 (水)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「僕」という緻密な言語圏と向き合う…
一夫多妻性に疑問を持つ…。
それは、中東アフリカ地域等の人々を別にして、多くの人が抱く感情である。
特筆すべき点は、その疑問が「タジョン」(多情)の愛人へ結びつくらしい脚本だろう。明らかに「僕」の視点は 特異で あって、別の書き方をすれば、感情移入は易しくない。一方、…「僕」の視点へ浸ることが新たな「言語」の可能性でもある。
「タジョン」の愛人はバイリンガルだ…「僕」という言語圏で暮らした後、別の「僕」という言語圏にバカンスへ旅立つ。
これは、一つの巨大湖から様々な支流が枝分かれしていく光景である。他の川へ流れるのを阻止したければ堤防を建設するか、自ら大流となるしかない。
緻密な言語性で今日まで の男女観を覆してほしい。
ハムレット異聞
DANCETERIA-ANNEX
あかいくつ劇場(神奈川県)
2013/11/01 (金) ~ 2013/11/02 (土)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
古典に塗りたぐるLIVE劇
新しい切り口で古典『ハムレット』を造り上げる…。
演劇とLIVEのコンセプトを融合した「音楽劇」は今まで 少なかなったように思う。その意味は、演劇の中に断絶された、異質な、「音楽」を挟むことにある。
『ハムレット』という古代のパンを、現代ミュージックや照明というブルーベリージャムで塗りたぐった光景だろう。
照明に関していえば、限度を越えた使い方をするべきではない。通し稽古をじっくり行い観客の安全も考慮してほしい。
【ご来場ありがとうございました!】退カヌコビヌカエリミヌヌ
ロ字ック
サンモールスタジオ(東京都)
2013/11/02 (土) ~ 2013/11/10 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
自己に対するムチの振動を共有したい
スーパーマーケットから出たばかりの手提げ袋を持った若い女性…。
特売品の豚肉、スポーツ飲料の粉末剤が 入っていれば、男の子のいる家族を思い浮かべる。
グミが入っていれば、一人部屋で寝転んだ女子を思い浮かべる。
しかし、世の中、結婚できない女性もいれば、独身女子を謳歌しない女性も大勢だろう。
そうした女性を主体とした場合、果たしてスマートフォンを包み込むように全肯定できるのかがテーマになりそうだ。すなわち、格差社会と【わたし】のバトルである。
うちゅうのひと
アンティークス
OFF OFFシアター(東京都)
2013/10/30 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
帰属とは「他者」が生む
「バラモン教」は、インドに住む現地人をアーリア人が制服したうえ築いた宗教である。
『ヴェーダ聖典』が自然を操る祭典の方法であり、そうした ある種のバラモン(祭官)中心思想は、日本の自然観と大きく違う。
国連から非難される「カースト制度」も その頂点にあたるバラモンが出発点だ。
なぜ、インドの話を持ってきたのかといえば、かつて冷戦構造が人種や地域ではなく政治経済体制で人々を
分けたように、「人類」の他に 特定の集団を認めることは、今までとは異なる帰属意識を私たちへもたらす可能性である。
【中国】浙江京劇団 京劇『オイディプス王』
BeSeTo演劇祭
新国立劇場 中劇場(東京都)
2013/10/23 (水) ~ 2013/10/23 (水)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
東洋と西洋の水滴が交じ合った末の「身体観」
壮大な新•スペクタクル•エンターテイメント
京劇とギリシャ劇の交わりは、私たちに どのような新しい世界をみせてくれるのか。
可憐な舞の数々、大地に根を下ろした身体性が、数千年の歴史の生き証人である。
それは、劇場へ流れ出す大河…。
水滴一粒ひと粒が、一大スペクタクルを形成する。
私的家族ベスト
元東京バンビ
Geki地下Liberty(東京都)
2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
舞台の秘訣を、どどーんと大公開?
「思うんだけどさ、同じ公演チラシを何回 使えば気が済むんだろう」
「落書きから察するに3回目ですね…。
肉体だけさらけ出したアフリカ系の男性は、3回を経て今どこで何をしてるのか、大変 気になります」
「もしかすると、もしかすると、彼はペコちゃん人形の胴体をやらされている可能性は あるな。不二家側は毎日シュークリーム5個を支給してよ。次第に文句を言い始めて、次の日いきなりカーネルおじさん の胴体やっててね…」
「…まあ、彼は さておき、今YouTubeで『女子高生女優化計画』なる映像を配信中だそうで。僕も少し拝見したのですが、とてもカワイイ女の子が駐車場に立ってましたよ」
「『女優』なんて、一昔前は普通の女子高生が軽々しく語る領域じゃなかったけど、『女優化』と言われればポピュラーな雰囲気 出すよね」
「解散、旗揚げ で混乱続きのなか、普通の女子高生を相手に製ったYouTube作品を配信すること自体、劇団としての体力を僕は感じます」
「ていうか、体力どうこうじゃなく、新しい劇団名の元って何だよ?
東京ドームでクジ引いて決めましたって発表しても、参加費 出した奴いたのかよ?
劇団員しか写ってないぞ、たぶん」
「…いや、あれは凄い…。東京ドームでイベントやっちゃうバンビは凄いですよ。…武道館ライブを強行したビートルズ級ですよ、もう…」
「それじゃあ、前座はジャイアンツかよ!
ってね、こんな感じで舞台の内容についても 最後に語りたいと思いますが、どう?」
「
「‘フィクション’を作る人たちを‘ドキュメント’していくフィクション」だとか。
稽古場とか、そういった舞台裏をドキュメンタリータッチでお届けするらしいです」
「新しいよ、君!『元』の冠を被る一方、今まであり得なかった演劇が展開されるわけだね!」
「これは期待できますか」
「うーむ。すなわち、倍返し でしょうな」
「なぜですか?」
「公演チラシに出演中の彼が乗り込んでくるからね」
ニッポンヲトリモロス
劇団チャリT企画
王子小劇場(東京都)
2013/10/25 (金) ~ 2013/10/30 (水)公演終了
とりあえず応援しよう
目指す「三丁目」のブロック塀には、「一億総動員」のポスターが貼られるのだろう。
全国の電気事業者は「日本発送電株式会社」へ統合され、東京電力はネームを変えて存立し続けるのかもしれない。
記しておかなければならないのは、新聞社、テレビ局、週刊誌らが「政治批判」を止めた時代に現れた挑発的な公演である。
たとえば、消費増税の賛否にかかわらず、「税制度」の方向性として読売新聞ー朝日新聞まで がスクラムを組む構造は 狂ってる。
多くの世論調査の上でも、かつて国民の40%対40%が拮抗していた政策テーマである。
「税制度」の対立構造を言い換えると「大きな政府」「小さな政府」の違いにあたり、「税制度」で報道機関がスクラムを組む ことは、民主主義社会の形態の一つである「二大政党制」へ現実の政治が至らない少なからざる所以だ。
大手新聞社は公共事業をめぐる建設事業者の談合を批判するべきではないし、1938年以降の戦時国家体制における「下からの忖度」が与えた責任を自覚すべきである。
朝日新聞の姿勢は、戦後 歴代の記者が記し継いだ「検証記事」を真っ向から否定する流れで あって、日本人の矜持を失った記者(一部?)は極めて残念だ。
と、ここ まで挑発的なことを書いたのも、全ては挑発的な公演の せい です。
コメディで政治を笑い飛ばすのは米国が本番・一流ですが、日本でも 波及する可能性を感じます。
インターネットには 絶対できない、舞台の真髄ですね。
この世の楽園
鵺的(ぬえてき)
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2013/10/23 (水) ~ 2013/11/03 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「現代社会」という溜め池を泳ぐ人々
女3人と、独りの青年による「閉ざされた会話」
70分という短い時間の中で、現代的テーマを取り入れ、なおかつ長大のトンネルを突破できるか。
その見せ方が全てだ。
タイトルは泳がない。
2番目の女たち。
崖っぷちウォリアーズ
劇場HOPE(東京都)
2013/10/08 (火) ~ 2013/10/14 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「女子会時代」の関係性を提唱できるか
「ブスじゃない。むしろ美人」という。
しかし、「本命の彼女にはなれない。いつも2番手」らしい。
近頃、「女子の本音」を扱った舞台が多くなってはいないか。
逆に、秋葉原の女性ユニットを蔑む形でデフォルト化し、「本音」と「建前」の ギャップを笑う傾向すら ある。
「本音」と「建前」を 社会的な くくりで表せば、「お約束」(価値観の共有事項)に他ならない。
つまり、「プンプン♡」を裏切らない さとう珠緒は 典型的な日本人であり、こうした女子を蔑む傾向は 何を意味するのだろうか。
「女子会」や「女子力」というキーワードが日本中を飛び交う。
そして、「女子会」の意味はサラリーマンに欠かせない『飲み会』だし、「女子力」は『力』を含む点で女子のイメージとは相違がある。
すなわち今、テレビや雑誌、SNSで流行中のキーワードを読み解けば、女子という「お約束」を破ることを良い意味で解釈することとイコールなのだ。
共通するのは、「内側の論理」である。社会(外側)に向けたものではなく、自己(または属するグループ)のブラッシング欲求といえる。
反対に典型的な日本人=秋葉原の女性ユニットや さとう珠緒は「お約束」を守り、その言動も「外側」へ向けた ものだ。
舞台上で かなりデフォルメ化される背景には、こうした潜在的な対立構造が作用しているのは明白だろう。
しかし、私は「本音」の舞台に関しては対立構造の反動として出現した類ではないと考える。
それはリアリズムであって、関係性を軸とした深い内容のケースが占めるからだ。
今回の作品は、「2番手」のテーマを踏まえると、また ひと味違った関係性を提唱してくれるのではないかと期待する。
同じステージに立つ(2番手)女こそ、“複雑に絡み合い”、“手を取り合う”はず 。
小説などを読み、見慣れた光景でもある。
演戯団コリペ『小町風伝』
BeSeTo演劇祭
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/10/17 (木) ~ 2013/10/20 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「ラーメンを すする」姿に、人生を。
日本と韓国は、演劇を通した文化交流が盛んである。
2年ほど前、韓国の高校生たちによる「再会」の舞台を観劇させて頂いた。
「日本語訳の要旨ペーパー」こそ配られたが、高校生たちの動き・表情だけでもメッセージ性は十分伝わってくる。
今夏にはケンブリッジ大学公認の劇団が来日し、東京芸術劇場で公演を行った。
一方、草の根・演劇交流の中心は伝統的に東アジア地域で あって、 今回も その一環だと思う。
小劇場の名作・『小町風伝』を、韓国からやってきた劇団は いかに調理するのか…。
ラーメンを すするシーンは なくてはならない。
それが屋台の酔っ払い だとすれば、世界観の否定だろう。
老婆の人生を写し出す、極めて文化的な描写が求められるのだ。
あんかけフラミンゴ11【ご来場ありがとうございました】
あんかけフラミンゴ
王子小劇場(東京都)
2013/10/11 (金) ~ 2013/10/15 (火)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
『二郎』を賭した戦いー“飛びますか?”
『ラーメン二郎』、『はちみつ二郎』、『坂上二郎』…。
数々の強者たち が挑んだ『二郎』の称号(タイトル)に、またしても新たな劇団(おとこたち)が名乗りを上げた。
『あんかけ二郎』。
彼等は、行列を造れるのか。
“笑い”を生み出せるか。
そして…飛べるのか。
あのポスターを破り捨て、『二郎』の名前を賭した公演だろう。
もしも僕がイラク人だったら
カムヰヤッセン
東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)
2013/10/03 (木) ~ 2013/10/06 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「従属の構造」を読み解け!
タイトルに惹かれた。
「僕がイラク人だったら」という仮定の考えを、日本人の何パーセントが したのだろう。
私たちは先の戦争において、「アメリカ人だったら」(それも兵士)という立場だったかもしれない。
宗派、人種、性別を越えることは困難だ。
だが、「◯◯だったら」という考え方は誰にでもできる。
そして、考えの上では、「イラク人」も「アメリカ人」も両方可能だろう。
どういった物語が待っているのか。
少なくとも、タイトルを掲げた以上、国家論を語らないわけにはいかないのだ。
名探偵はじめました!
アリスインプロジェクト
銀座みゆき館劇場(東京都)
2013/10/23 (水) ~ 2013/10/27 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
探し出すのは、「眼差し」
それは、童話。
それは、成長。
それは、出会い。
それは、冒険。
それは、ひと休み。
それは、掟。
今、踏み出したことのない、セカイが はじまる。
「一歩目」は、私だと思う から。
イッヒ リーベ ディッヒ【全公演完売の為、当日券の発売を中止いたします】
劇団東京イボンヌ
ワーサルシアター(東京都)
2013/10/01 (火) ~ 2013/10/06 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
舞台という名の第一楽章
クラシック音楽には、その曲に込められた「魂」がある。
復活を果たした「東京イボンヌ」が奏でる楽聖•ベートーヴェン…。
どのような「愛の形」になるのか、全く分からない。
ベートーヴェンの名言を紹介したい。
「私は何度も絶望し、
もう少しで自殺するところだった。
だが、彼女が…芸術が…
引き止めてくれた。
私は、自分に課せられている
と思っている創造を全てやり遂げずに、
この世を去るにはいかないのだ」
今作は、引き止めた“彼女”を繊細なタッチで描く。
ベートーヴェンは現代に通ずる名言も残している。
「25歳。
それは男のすべてが決まる年だ。
悔いを残してはいけない」
駅に設置中のフリーペーパーで、この数字を ご覧になったことはあるでしょうか。
そう…配布数国内No.1の『Rー25』です。
もちろん、仕事、地位、ライフ スタイル、女性観などを含む。
物語は、2013年東京。
末期のベートーヴェン研究家と娘の再会だ。
それを、ベートーヴェンー“彼女”とリンクさせた構図らしい。
親子、恋人の関係性は「似て非なる」ものだと思う。
また、いずれも「愛の形」だとすれば、この世の理想郷ではないか。
あらすじ には こう記されている。
「父はベートーベン研究家であり、研究に没頭するあまり、娘が幼い頃に家族を捨てた。一方、娘は父を失って以来、何を信じて生きれば良いのかわからない」
そうだ。人間は「愛の形」で狂うのだ。
そうした繊細な世界観を、ピアノ、声楽 等を交え表現する試みは斬新であり、クラシックファンこそ観劇するべきである。
音楽劇ではない。
クラシック音楽の持つ心象世界が、声と、手と、足と、顔(つまり身体性)により具現化される…。
おそらく60パーセントの割合で。
日頃 コンサート会場へ赴き、鑑賞する身だ。
多くのパンフレットは、曲の解説を載せるが、叙情的かつ難解である。「前半に掛け、フランス軍の勢いを表現」は強弱を聴き比べれば、誰でも理解できるだろう。
しかし、作曲者や時代の「内面性」は そうはいかない。
なら、60パーセントの割合で具現化するのも「有り」ではないか。
「内面性」=「愛」を、演劇と音楽で表現する。
その響きは、小劇場をコンサートサロンへ変える。
私たちを安心させ、時に 躍動させる力である。