只野の観てきた!クチコミ一覧

141-160件 / 185件中
窓からは夏の空が・・・

窓からは夏の空が・・・

演劇集団Nの2乗

「劇」小劇場(東京都)

2012/08/21 (火) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

人の生き方様々なれど
静かに流れていくお話に思えます。といっても、起承転結はあり、話の分岐点や伏線も張られていたり面白いです。音響にこだわりありそう。結婚に離婚、みんな色々あるんだろうなぁ。観ながら我が身に当てはめてる人もいるのだろうなぁと思ったりしました。

ネタバレBOX

夫婦を巡る離婚のお話。大家さんと先輩のメガネコンビ、面白かったです。住む人みな離婚に関わってはいるけど、曰く付きということもなさそうでした。現代日本では蔓延してるんでしょうか、離婚。
このお芝居ではSEとマイムが合ってこだわりを感じました。話の分岐が同性愛で入ってくのは思ってもみなくて驚きました。奥さんが、椅子で殴ろうとまでしたり、同性愛だからって気持ち悪いとか言ったり、離婚しなきゃと追い込まれてなのかはわかりませんがメンタルな感じがした。シャキッとしない夫に対して不満がつまり積もったなら、その描写で引き込んで欲しいのはありました。
自分の考えでしかないですが、昨今は家庭よりも子どもよりも自分というのが、欧米化を言い訳に増えてきてる気がします。このお話の夫は流石に情けないけど、子どもの場合なら普通は見捨てないはず。相手の未熟は自分の未熟だと実体験してるので、そこまでの視点がより脚本、演出、役者が意識して臨んだら、深みは増すけど只々ドロっとしちゃうのかな。
バンブー・サマー

バンブー・サマー

アナログスイッチ

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2012/08/24 (金) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

わちゃわちゃ犇く
高校生ではないでしょうが、実際に若い役者さんが多かったです。本当の生徒のような若さパワーを感じた。平均年齢などおいくつでしょうか。グダグダした感じがあるのですが、それがかえって面白いです。途中から話が急展開します。

ネタバレBOX

夏休み前の一週間が、女生徒の転校で青春真っ盛りになりながら、夏祭りを機に急展開していくお話。
実際の竹取物語のお話は出てこないようですが、宇宙人設定が急に降って出てきたり、意外性も高いです。かぐやと言う名前からいなくなってしまう予感はしましたがびっくり。生徒達の濃さも良く絡まっており、お客さんの空気もありましたが微妙な間が楽しかったです。宇宙兄弟とか出しても良かったかも。女性の先生は滑舌が気になり、かぐやさんはもう少し表現欲しかったと思いました。お母ちゃん、冷蔵庫は100リットルサイズでも結構重いはず。剛腕です。
若い方も多く、それぞれのこれからが楽しみです。
シュガー×ペッパー

シュガー×ペッパー

ハグハグ共和国

劇場MOMO(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

濃い人物達の濃い時間
哲学的なーなど書きながら、大分違った模様。愛という不確定なものに足掻く様は哲学的だったかも知れませんが、勢いある濃ゆい人々が織り成す舞台はでした。板上のセットは色々と変化し、懐かしいサウンドも多い。尺的な課題もありつつ、場内では笑うお客さんも多く自分も楽しめました。

ネタバレBOX

スタッフの方にはよく対応して頂きました。
オープニングのダンサー2人がキレと滑らかさ、両方魅せれたと思います。登場人物は多いですが、妄想の世界の住人として上手く登場させていたなーと。甘い声や素っ頓狂なキャラ、個性の勢いは良し。場を盛り上げてくれます。白紙の純白と、恋愛歴の純白を掛けて何か欲しかったかもです。
他の方も言われているような転換など。懐メロは個人的に良かった。TMとか。。時間が掛かり過ぎるのは課題だと思うし、その分口パク部分とリアル歌唱は分けずに統一、歌詞が抜けたり声量のバランスなど徹底さがあった方が良かったと思います。現実、学生時代の同期でもそれぞれの物語がありながらも、それぞれは繋がりがそんな密ではなかったりするのでしょうが、転換を通して、ストーリーの連結の薄さというものはあったと思います。話そのものは、愛について藻掻いていたのが身近な場所に到るので、連結的なものを濃くすれば、キャラの濃さと合わさり面白さ倍増になるかも。
ゴミくずちゃん可愛い

ゴミくずちゃん可愛い

ぬいぐるみハンター

王子小劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/27 (月)公演終了

満足度★★★★

アクティブ
動き回って沢山シャウトして、非常にアクティブな舞台でした。シンプルだが用途が多い舞台セット。濃すぎるキャラクター。踊りにわかりやすい話。など、長丁場ではありますが、打ち解けやすい空間であったと思います。

ネタバレBOX

世紀末ゴミだらけな、谷というか山を土台に世界が動いていくお話。役者のエネルギー、話の展開、とてもエネルギッシュ。特にキングの石黒さんは声量が出て響きます。ゴミ山ならぬ谷の規模や詳細はイマイチ掴み切れませんでしたが、物はいつか壊れる真理が組み込まれ、主人公もやがて死ぬという展開も良い。設定の描写がもう少し欲しかったり、
勢いが凄くて面白いから、無理にキスや下ネタも持って来なくていいとも思いました。
ゴウトクジ浅見さんは特に面白く、クニマツの工藤さん、ハプニングに対して笑いに変えるアドリブ力が非常に高いと感じました。コムスビの橋口さんは、次の相撲舞台に出る方でしょうか。とにかくキャラが本当に濃かった。写真撮影のシーンは、ベタなのかも知れないけど、各々の不自然さがとても笑えました。
劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』

劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』

こまばアゴラ劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/08/17 (金) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

すごすぎる
観客との距離が近い演劇があると思いますが、これは零距離演劇と言えるような参加型演劇だと思います。正直言葉は、一部日本語で話してくれる箇所もありますが、全く解りません。物凄く頭を使って観る芝居だと思います。雰囲気は伝わります。話の概要が書かれた用紙があるので、知らない人は先に読んで観るのも、観てから読むのもどちらでも良いかと。
色んな意味で凄い。初体験が多かったです。お客さんを巻き込む、魅せる、考えさせるという意味で、演劇らしさが沢山詰まってました。

ネタバレBOX

惨たらしい報復が繰り広げられる悲劇ですが、開演前に役者さんが既に出ていて音楽交流を求めてきたり、ワインのようなものを振舞ったりと、韓国人役者さんだからなのか斬新過ぎました。観客はローマ人や元老院議官という設定なのかと思っていたら、黒子の如く動く板を抑えたり、小道具を渡したりします。一見、客に対する扱いかよ!と思う方もいるでしょうし賛否別れそうです。けど僕は凄い面白かった。板上の席から観ることはあっても、立ち見もありで黒子役までやらされるのはそうないです。僕は絶対観る側に徹するぞと思いつつ、いくつかやらされてしまいました。
劇場の空間を全面に使い、多方面から観れます。口封じに舌と手首を切り落とすシーンは理解出来たし怖かったです。女性の胸元が露出しそうになる、食い物や水が観客まで飛び散る、終わりには膝から出血しているなど、放出されるエネルギーが半端なかった。結局言葉はわからないですが、ここは意識を置いている、ふざけた所、トチったなど何となくはわかります。国が違っても、演劇なのだと感じました。
レジスタンス

レジスタンス

サウザンドワークス

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2012/08/16 (木) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★

懐かしかったり
ナンセンスな展開ですが、知っている人は知っている、懐かしいネタもあったりと、面白かったです。力量も差があったように見受けられましたが、身体も張って若さ溢れるパワーが伝わるお芝居でした。

ネタバレBOX

謎の新興宗教を中心に、宇宙からの来訪者と世紀末な隕石から感動で救うお話。
意外と言いにくい、大日本すっぽんぽん教。理念も意外と筋が通っています。教祖様と信者がよいキャラをしていました。短い時間に収めにきて良かったのですが、もう少し感動のエネルギーについて深く追求したり、基本的な発声も出来たらより良くなるのではないかと思いました。ぶっ飛んだものを作るなら、前張りのような挑戦も欲しかったです。
学生さんでも葉っぱ隊はギリギリ知っているラインだったのか、非常に懐かしさを覚え、若さを感じながら観れました。股間から声はシュールでした。
今夜此処での一と殷盛り

今夜此処での一と殷盛り

風雷紡

サンモールスタジオ(東京都)

2012/08/11 (土) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

ゆやゆよん
怖い話ですがコミカルな部分も多く楽しんでも観れます。2時間以上の長時間に関わらず、空間の使い方、暗転の使い方、実に面白く楽しめます。役者さんに話の展開も魅入らされる所が多くお勧めです。

ネタバレBOX

終始、簾の向こうから出ずに進む現代の舞台。オープニングではタイトルがダブって見えて残念なところもありましたが、時間軸が違うのが視覚的にもわかりやすく良かったです。時が止まっているような針金を巻いた時計など、細かなところを見るのも楽しい。また薄暗転でも話が続いていること、ハケにも役柄を意識してるのがわかり好印象です。
及川さんの声は艶がありましたが、キューブ所属ということで実力も納得しました。谷仲さんのキレは面白くも僕はくどいとは思わず、狂言のような重みのある声、良かったです。首吊りのぶらーんが、席の角度が悪くほとんどわからなかったのが悔やまれます。最後の方、孝子さんの血塗れ笑顔が実に不気味で鳥肌が立った。個人的には5なのですが、早苗役の吉水さんの芝居が若過ぎなのもあってか、自然な絡みが欲しかったと思います。それでも台詞の覚えや動きなど、これから期待できる女優さんだと思います。推理をする材料としては足りない気もするのですが、長い時間も気にならないほど、書き込みたいこともたくさん。充分楽しめました。
空に哭く【満員御礼!ご来場誠にありがとうございました!】

空に哭く【満員御礼!ご来場誠にありがとうございました!】

ポムカンパニー

OFF OFFシアター(東京都)

2012/08/09 (木) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

切なくて
千秋楽に伺いました。
席がいっぱいで少し息苦しかったですが、芝居では違う意味で苦しくなる話の構成。生きることと死ぬこと、家族の溝と和解などがセンチメンタルに描かれていると思います。

ネタバレBOX

セットの沢山の張り紙や星が小宇宙を思わせ、開演前からの演出も面白い。誰かの側のあの世っていうのは、あんな感じなのだろうかと思いました。
誰かの死に対しては、どこか他人事であることなど細かい描写が見受けられ、経塚さん演じるおじいさんは、肉体の若々しさが出てくるのを抑え、取り組まれてた感じが伝わります。ギャグ的なパートは、あんまり、馴染めなかったです。終盤で姉妹の亀裂が修復されるところは、もっと絡みと深みがあって欲しかった。お父さんの流れでグッと惹き込まれ、父とすずのリアルな涙にもっとお客さんたちは涙していたかも。
最後残念なのが、客出しで役者がタバコ吸いながら駄弁っていたこと。。そういう人たまにいますが、感動する話のあと、狭いし臭いしあれはマイナスではないでしょうか。千秋楽だし、その時だけならお疲れ様でしたと言いたいんだけど、僕はお客出しするならそれもしっかりやるのが役者の仕事だと思います。
辛口気味になってしまいましたが、面白かったし、これからもっと伸びる劇団さんだと期待です。
【ご来場ありがとうございました!】西日、新車に直撃【舞台写真UPしてます】

【ご来場ありがとうございました!】西日、新車に直撃【舞台写真UPしてます】

トリコロールケーキ

シアター711(東京都)

2012/08/08 (水) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★

時間差の笑いと
相変わらず遅くなりましたが。。。時間など余裕があったので、近くに寄った時見に行きました。何の舞台だったっけ?と思うファンタジーなセット。ヌルいのかユルいのか、不思議な進行を楽しむ舞台。

ネタバレBOX

職場で起こる、男の記憶を巡るのか刑事ものなのか、ナンセンスなお話。時間は90分と程よく好きな尺。
始まると、ウルトラマンタロウのような角が生えた人たちが普通に出てくる。誰も突っ込まないのでデフォルトなのかと思いながら、謎の妹達、何の薬なのか、不思議なまま進んでいく。謎な展開ですが、ストーリーや繋がりはあって良かったです。変な間が面白かったけど、僕は後ろの方の席だったので、板上の低い芝居や手前側は何も見えず残念。見えないと面白くてもわからないです。
宇佐美さんは美人ですね。僕としてはその美人に、後で付け足されるイボとか切れ痔を最初から出して、伏線である膝枕に痛みをプッシュしたり、早百合さんにブレイクダンスかますくらい激しいのが欲しかったです。佐藤さん、モリサキさん、大迫さんといった役者さんは落ち着いて見れました。変な間と世界観をほわんと観てると楽しいです。We are theworld.
アルジャーノンに花束を

アルジャーノンに花束を

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2012/07/21 (土) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

揺さぶられる
アクアを拝見しました。有名劇団なのに直接の舞台を観るのは初見。どんな感じなのかと思っていましたが、その名を語るだけのクオリティだと実感できます。元々好きな作品であったので、相乗効果もあってか素晴らしく感銘を受けました。気持ちを揺さぶられる。
最後、あれだけカーテンコールを繰り返し、観客の涙を誘えるのは恐ろしいです。非常に勉強になりました。

ネタバレBOX

役者さん一人一人レベルが高い。良い声をしていて滑舌もしっかりしている。時間は長かったですが時計も気にせず観てました。退行していくオープニングのダンスも良かったです。急激に加速していく脳の進化を時計回りで表してたのか解りませんが、退行への伏線込めて逆回りの動きも入れたりしたいなぁなど、やたらと頭を駆使して観ていた気がします。チャーリーの多田直人さんの段階的な知能に沿ったお芝居の使い分けや研究者の方々の経過報告など、細かいところを見てもポテンシャル高いと感じました。
僕が感じたのは、パン屋のメンツの最初の対応のように、EQのようなものが低い人間は世の中いっぱいいること。詰まらない自己を保つ為の差別、侮蔑は溢れているのかなと。大人から子供まで弱者を虐げるそんな中で、馬鹿正直に笑っていられるのは、強さでもあり今の社会に必要ではないでしょうか。
前説の映像は正直面白くはなかった。あと物品の宣伝で値段ばかり強調して嫌だったです。あれでは僕は感動しても買わないと思う。
好きな作品ということもあるし、値段で言えば安くはないですが、ベテランの劇団として納得のいくものを感じれるとは思います。
往断歩道、その川岸で【公演終了致しました。ご来場いただき、誠にありがとうございました。】

往断歩道、その川岸で【公演終了致しました。ご来場いただき、誠にありがとうございました。】

カミグセ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/08/10 (金) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★

若さの味
初日に拝見しました。適度な時間、用事で見れませんでしたがアフターイベントなど、良き詰め込み具合に感じます。役者陣の硬さも含めてみなさん若いなぁと思いながら、面白さと課題の両面を感じました。

ネタバレBOX

15の時のほろ苦い初恋、当時の少女と大人になった少女。今と昔の彼女が交錯する回想のお話。
タイトルにもある横断歩道が板の床に絵が変えている。その上にはパネルがパズルのように乗せられていて、話が進むごとに横断歩道が見えてくる。パネルが机になっていったり、お兄さんの偵察土台になったり、使い方がとても面白かったです。組み立てのバリエーションがもっとあれば更に面白いのに。
初回もあってか、全員での動きには硬さがどうも見られたこと、雑踏を表現したかったのかもしれませんが、声が混ざりすぎて雑音になっているように思えたことなどがありました。ラストは素っ気なく見えました。発声などはもう少し丁寧さが欲しいです。そして恋や劣情としてそれぞれの心理状態が出るのは良いですが、やたらと生理について連呼しすぎて、ちょっと、と思った。ロリコン、生理、エロ本など用語ばかり飛び交って、題材的にはオブラートな表現でよいのではないか。その割に、交際に関して性行為の有無といった生々しさがなかった気がします。性に対して半端な表しにしか見えずに軽い感じがして、折角の面白い演出ももったいない気がしました。未成年との未成年との性行為と法、実際の悪い大人とか結婚、要素やメッセージ性は多いので面白く切り込んで欲しいなと思いました。深く扱いにくい題材かもしれないけど、若さ特有の吸収力など、楽日までお芝居に深みが増しそうです。
iPhoneネタの使い方などは、学生さんのセンスかな。自分が使ってるので妙に面白かったです。
虹色サラウンド

虹色サラウンド

Knocturn

シアター風姿花伝(東京都)

2012/08/04 (土) ~ 2012/08/06 (月)公演終了

満足度★★★

押しと引き
ワークショップ公演ということで、どういう経緯での公演なのか気になりました。
話の題材としては悪くない。そして熱い。それは良いんですが、個人的には、うーんという所も正直多かったです。新しい劇団さんというのもあるためか、発展途上な感じはします。けれども、舞台に対する一生懸命さは凄く伝わって来て、やはり熱い。それは芝居における根本なので高評価です。

ネタバレBOX

田舎の町のボーイが、東京に夢見て足掻くなかで命を落とし、そこに天使達も絡んでくる青春のお話。
最初と最後のダンスは、無駄に筋肉をいじめ抜く過酷さだなぁと。元気一杯で良かったです。しかし前説は、正直寒かった。頑張りはわかるけど、今まで観て来た中で結構な具合でした。前半や所々の勢いある箇所にも言えますが、元気が良かったり活発なのと別じゃないかと思います。ひたすら騒いで押しているように見えるので、僕としてはあまり面白く感じれない。将来への不安や夢、そういったしっとり感の雰囲気は出ていたので、もっと深みを出せると思います。あの世のルール、各キャラクターの生い立ちなど、できれば細かい描写がもっと欲しいと感じました。オカマの天使さん、木村さんは動きがミュージカルやオペラのような雰囲気がして、基礎ができている感じがしました。
話の最後の方では笑いも出てきたけど、会場の温まりに時間が掛かり過ぎてもったいない。そしてたまたま知り合いの方が出ていたんですが、客出しに来なかったのは寂しい。
点描の絆

点描の絆

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI(東京都)

2012/08/02 (木) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白い話の流れに
引き込まれます。
台詞の掛け合いの面白さがあり、徐々に繋がっていく話の流れには、2時間弱の刑事ドラマを見ている感じでもありました。暖かい話も組み込まれ、見応えのある作品であったと思います。次回作も気になります。

ネタバレBOX

絵画の巨匠が亡くなり、その直弟子も失踪。その弟子を遠方より尋ねる男によって、少しずつ明らかになるミステリーなお話。
第一は、台詞の掛け合いが面白く感じました。言葉自体が難しそうで、役者さんが完全には掴み来れてない箇所も見受けられました。天才の子息は大抵ブレるものなのかな。本物の息子、晃一さんの死亡しやすさにはサスペンスドラマもビックリなベタでしたが、暖かい家族の絆、それがある日を境に狂信的なまでの敬愛になり歪んでいく経過など、面白く描かれていました。
家政婦さんの昔の外見、現代の滑舌、少年今村のノリ、一部のシーンや全体の尺など、気になる所が結構ありながらも、最後に繋がっている全体的な作り、そして脚本の面白さで充分カバー出来ます。九州弁のクオリティはわかりません。
ネタバレパンフレットという、登場人物の詳細を観劇後に配るのも、家に帰るまで作品を意識しそうで良い図らいでした。
人間なんてラララのラ

人間なんてラララのラ

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/08/01 (水) ~ 2012/08/10 (金)公演終了

満足度★★★★

ほっこり
Aチームを観ました。だるま座さんは大分ハイペースで上演されてますよね。だからといって質が落ちることなく、暗転での動きや照明、音響など、場数を踏んでいる故なのか、細かい所の技術を感じました。流れの良いストーリーで、ベテランさんのお芝居もあり、最後は心がほっこりする脚本で観ていて楽しかったです。

ネタバレBOX

前説の方は話の組み立てがクオリティ高く、そんな所を見ていたり。他にも会場の温度を聞いていたり、ブランケットを貸し出ししていたり、観客への配慮がしっかりしていると思いました。
お芝居の方では、塚本さんや剣持さん、ベテランのニオイとでも言うのか、よく伝わりました。斎藤さんは自殺しなくていいと思うイケメンぷりだった。漫才も面白かったし、白の死神さんのお二人、ハモりは結構なレベルとお見受けしました。お話も面白いですが、どこかあと一歩欲しいという所もあり。ですが、他にもハケや暗転の早さ、静かさなど5でもよいくらい、細かな所で見るものがあると思います。ベタなのかもしれないけど、最後にミスチルのラララは雰囲気にマッチしていました。その為に開演前からミスチルなら実に計画的ですね。別の作品も観てみたいです。
少女仮面

少女仮面

劇団俳小

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2012/08/01 (水) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★

肉体への羨望
塚ガールを目指す少女と老婆が、肉体という名の喫茶店でハチャメチャやるお話。僕にはアングラや舞台を不条理系はまだ早いのかな。「そういうもの」なのかもしれませんが、話としては難しく感じました。宝塚のような眩さと地下の怪しい店を混ぜ合わせて、ハデなお芝居が出てくるのは面白かった。

ネタバレBOX

セットの面白さにまず目が惹かれました。手前には蛇口、沢山のペットボトル、裏で色々繋がっているであろう階段、風呂。話の流れは前述の通り易しいものではないですが、春日野役の吉野さんや、おばあさんの勝山さんのキャラっぷりは面白く、ベテランさんの味が伝わります。大鶴さんの声は非常にクリアで聞き取りやすく、腹話術の人形さんの動きは凄く無機質に見えました。途中から口調が入れ替わるのも良かったです。
能の掛け声?を使った音響は新鮮で、ちょうど狂言の方と話をした後に観たので面白かったです。照明も自然でしたが、スポットライトの照明は難しいのでしょうが、ズレが少々気になりはしました。汚物入れバラまくのは、清らかな肉体と処女性が年月によって朽ちていくことへの抵抗だとか、何かメッセージ的なものあるのかなと、?マークの中で感じつつも、女性目線からしたら重いのかなぁと思ったりしました。生きていくことの生や、男の女の性については諸々組み込ませていて、頭を働かせながら観ることが出来ました。
カンガルー

カンガルー

世の中と演劇するオフィスプロジェクトM

Space早稲田(東京都)

2012/08/01 (水) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★

不条理の最北端
別役先生のは他にも観たり関わったことはありますが、このカンガルーは流石に難解でよくわからないところも多かったです。会話の掛け合いのテンポでは好きな箇所、訳のわからない空気を楽しめるところもありますが、謎過ぎて観ていて「?」だったり。良く思えるところ、うーんというところが主観では差がある舞台に思えました。お芝居自体も短編の多い中で長かったと思います。

ネタバレBOX

会場は手狭感があり、暑い日だったので少し息苦しさもありました。
セットは街灯にベンチがポツンとしていて、波止場の雰囲気がありました。ワンシーンが長いので、もっとコンパクトにしていった方が僕には観やすかったように思えます。男の断末魔、棺のそれぞれ役者がのろりと動くところは非常に良かった。語尾が聞き取りにくいのがそこそこあった。娼婦の横澤さん動きのキレは凄いですが、ヒステリーな声が耳にキツかったところもあったので、静かでありながらもコロっと変わる謎さも混ぜたらより魅せれると思います。老人の小林達雄さん、舎弟の小川さんの雰囲気が素敵でした。
ものにはウラがある。ウラには犬がいる。これは物事には裏があって、その裏にはナニカの番犬とも言える黒幕が潜んでいるのだ。的なニュアンスもあり内側には入って来ます。犬よりも、ウラでは縁側に猫が寝転がって手招きしているかもしれないと思う。など自分で考えたり、必死で頭を働かすか、ひたすら何となく観ている時間だったようにも思えます。
浮遊するfitしない者達

浮遊するfitしない者達

劇団TEAM-ODAC

紀伊國屋ホール(東京都)

2012/07/26 (木) ~ 2012/07/30 (月)公演終了

満足度★★★★

地に足つけて生きているか
我々の身近な日常にありそうな、ヒトとしてブレた人々。それは過度かもしれないが、確実に存在し、感覚に敏感な主人公のような人間を確実に貪っていく。タミフル摂取で飛び降りる事故が多発した事を思い出し、浮遊する人( fit )・しない者達。という語呂のイメージがありました。現代社会の歪み、捻じれ、感じ取るものの脆い心。他にも観客のマナーなど、色々なものが見え、思うところがあった作品でした。

ネタバレBOX

気合はとても感じ取る事ができ、セットのモニュメントは主人公の歪んだ心の壁なのかなと思いました。奥の精神世界とも言える無人島の作りは原始を感じさせ、芝居と合わさって躍動感を与えます。
慌ただしく動く都会の人々の感じ、悪魔と天使のキャラのズレも好きでした。会場が広いので、全体的に声の響きが足りない気がしました。また主人公の無人島での暴力には、先生はじめ誰も敵わないという細かい描写など、いくつか欲しかった箇所がありました。出演者の方は有名な役者さんが幾人も出られていて、多く面白い箇所も多かったものの、その知名度ゆえの笑いなのかもとしれないと思ったりもしました。それは大きな舞台ではみな課題なのかもしれません。
別な話なのかもしれませんが、自分が観た公演では、携帯弄り、子どもが静かにしていない、果ては暗転中まで携帯でメールしてる人までおり、非常にマナーが気になりました。人として何か欠けている人間を表現していたりするのに、何を思って観ているのか謎です。中には何人分もチケット購入してきたり、とても楽しみにしていらした方もいたかもしれません。観る側の常識としても考えさせられました。
面白かったですが、考えさせられるものも多かったです。人は空を夢見たりフワフワするのもいいけど、現実を受け止めて変わっていく主人公のように、地に足つけてしっかり生きなきゃいけないと思えた作品でした。
ドラマティック

ドラマティック

カラスカ

戸野廣浩司記念劇場(東京都)

2012/07/27 (金) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

謎の生物
ベタな展開を押し通し、笑いを呼ぶ舞台でした。コテコテやベタキャラも面白いですね。ですがいつか訪れる死や、正直であることについても含まれてて、深いお話でもあると思います。

ネタバレBOX

とある街の家族を中心とした、謎の生物ミネユキが絡むお話。ミネユキに対する野良だとか固定観念がまず楽しい違和感ですね。食パンや暑苦しい友情、狙いすぎな展開も、良い選曲と合わせて徹底してやっていると清々しく感じます。時系列のある3本立てで良かったのは最初のやつかな。食パン散らかしすぎでしょと思いながらも、ミネユキさんがあとで拾って食べる姿に脱帽です。不審者オーラが凄い。葬儀屋としてより、ミネユキ=ペットがいつか死んでしまうという事実に僕は意識が向きました。ミネユキの解説など、アクセントは少し気になりました。
また失くし物をしてしまったんですが、事務の方が丁寧に対応してくれて良かったです。
小鳥遊さん、29歳、レズビアン

小鳥遊さん、29歳、レズビアン

Island

遊空間がざびぃ(東京都)

2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

リアリティを感じる会話の掛け合い
テーマは同性愛という、あるけど周囲に紛れている、扱いにくいかも、しれないもの。それを面白く、しかし深くも表していると思います。
色んな恋愛はある分、性の形も様々あるのだろうと意識が広がります。本物のそっちの人なのかわからない雰囲気が出ていたり、面白さだけでなく会話のテンポが軽快です。照明や音響を用いたバーの空気も良かったです。重みもあるけど、硬くなり過ぎず観れます。

ネタバレBOX

聞き心地のよい会話の掛け合いがある役者さんがいて、非常に自然でした。エロティックなニオイが醸される芽衣子さん、大ちゃん、店長さんのカマっぷりは本物か否なのか。女性を愛する女性、バイにノンケ、子どもが欲しい、体裁を重視する、現実社会にあるであろう、少し普通からズレた性の幅の多さ、その複雑さが垣間見れました。
スペーストラベラー ~LOVE is in the Mother Ship!~

スペーストラベラー ~LOVE is in the Mother Ship!~

スーパーグラップラー

あうるすぽっと(東京都)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

話の展開が面白い
照明や音響、舞台セットが近未来を思わせる作りで最初から期待できました。前説や芝居の中でチラシを配ったり、飽きさせない試みが多かったです。オープニングの迫力には惹きつけられ、宇宙の話と思いきや、途中から作品の流れがわかり、最後はジーンときます。途中の別芝居や諸々所感ありますが、断然5の内容に思います。

ネタバレBOX

軽快なダンスや演技は動的で観ていて楽しい。卵子と書いてランコ、受精や生命の誕生に因んだ何かは思いましたが、最後の新しい宇宙、世界が出生というのは面白かったです。精子の受精までの競争なら3億とかですが、乗客はそんなに乗れるの?とは思いました。名前は明らかなのでカタカナで良かったかも。より脳が閃いて楽しくなりそうです。途中の別のお芝居は、何パターンもあるようで凝っています。僕が観たのはベタを通して楽しいものの、練習不足も感じました。三井氏の名前はピカソでしたでしょうか。よく言えるなぁと思いました。最後のシーンは音響と合わさって感動します。

このページのQRコードです。

拡大