SEMICONの観てきた!クチコミ一覧

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アイドル~失われたキミを求めて~

アイドル~失われたキミを求めて~

劇団スパイスガーデン

ザ・ポケット(東京都)

2009/09/01 (火) ~ 2009/09/06 (日)公演終了

満足度★★★★

これは、拾い物!
久々の拾い物!完成度の高い作品でした。
小劇場は、たまに、こういうことがあるから見逃せない。

出演者も制作陣も、全くなじみがないのだが、
縁があって観劇。
今流行りのイケメン物に比べれば、
年齢も高いし(子持ちバツイチも違和感がない)、
お約束の割れたお腹も目立たない。
ハンサムだけど、それほど華がある訳でもなければ、
わざとかどうか踊りや歌もキレがない。
これが、10年間鳴かず飛ばずのアイドル像にピッタリ。
こりゃ売れないやって哀愁が伝わってきます。
そんな彼らが綴る、定番に近い芸能舞台裏話を、
出演者の汗と涙をスパイスにテンポよく運び、
あっという間の110分。

荒削りな内容ではあるけども、これは小劇場ならではの醍醐味。
青田買いした気分でした。
(チラシのプロフィールからすると、ひょっとしたら、結構メジャー?)

長ぐつのロミオ

長ぐつのロミオ

昭和芸能舎

SPACE107(東京都)

2009/09/02 (水) ~ 2009/09/09 (水)公演終了

満足度★★★★

初日観劇、作風に変わりなし
お気に入りの劇団で、劇団名変更した初公演の初日に、
ワクワクして観劇。

劇場が大きくなっても、この劇団の勢いは負けず。
いい意味、お約束の展開で、てんこ盛りの内容。
上演時間をきっちり守るのも◎
つかこうへい芝居を噛み砕いて、エンターテイメント性を
強調したこの劇団。
今回は、ショーアップした本格的な部分もあり、
見応え十分。
正直、ちょっと説明不足な部分や、消化不良な部分もあるけど
勢いに乗って、充実感あふれる2時間。

ちゃんと、お見送りもありました。

ネタバレBOX

フィナーレでのお約束の、男優陣の裸ショーがなくないなぁと
思ったら、フィナーレで登場

ただ、倉貫氏から佐野氏に代わり、そこがつらいところ。
初日ということを差っぴいても、物足らない。
劇団名が変わったからかなぁと思ったら、近所のスペースゼロで
他の作品に出演してました

あと、笠原氏
なんで、この作品に出演したのかなぁ
カラーと違うと思うけど。
一生懸命、がんばってはいたけど、やや痛々しい・・・

新しい人も入れて、新陳代謝を促しているのか、
年末の「パッチギ」も楽しみです。
あ、これは演出は違うのか
天翔ける風に

天翔ける風に

TSミュージカルファンデーション

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2009/08/21 (金) ~ 2009/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★

薄味寄せ鍋に、カレー粉
国産オリジナルミュージカルの最高峰の一つと言えよう。
音楽、踊り、構成、そして演技力が、
バランスよく練りこまれていて、非常に見ごたえがあった。

野田色が前面に出ており、あのノダワールドに、
ちょっとスパイスがされているだけかと思っていたら、
歌で綴る話であるから野田節の「言葉遊び」の影は
すっかり潜めており、代わりに強烈なのが、
山崎氏から発せられる「つか節」である。

これが、薄味のキャストの中にカレー粉のように降りかかるから
ぜーんぶ、つか味

それも、幕末の雰囲気には似つかわく
いつの間にか、世界はすっかり幕末純情伝!

赤とうがらし帝国【東京公演】

赤とうがらし帝国【東京公演】

劇団鹿殺し

駅前劇場(東京都)

2009/08/12 (水) ~ 2009/08/23 (日)公演終了

満足度★★★

口当たりが良くなった鹿殺し
メンバーの入れ替えがあったせいか、
フレッシュさが際立っております。
チョビ嬢の好みなのか、藤原竜也を、
骨太にしたようなイケメン(父親役)を始め、
非常に体が綺麗(筋肉質で肌もスベスベ)な男の子達と、
エネルギッシュで個性豊かな女の子(チョビ嬢を
食っちゃいそうな活躍ぶり)が参加していて、
マッスルミュージカルより、はつらつとしています。
オレノグラフティ氏も、萌え系な草食っぽいキャラに
なっておりました。

鹿殺しも10年・・・オリジナルメンバーも
30歳を超えてきて、丸くなってきているのか、
これまでの攻撃的で野蛮で陰湿な面を抑え、
作風に涼風を吹き込んでいる展開なのでしょうか?
非常に口当たりのよい内容となっておりました。

鹿殺しカラーとも言える、
つかこうへい節のよう、台詞をたたみ掛けるような
押せ押せな構成というよりも、
バランスのよいファンタジー色が強くなっている
印象でした。

チョビ嬢の怪演は凄味を増し、これまで以上に、
見た目や演技だけではなく、存在感が抜群です。
ますます、飛龍伝 神林美智子状態に見えてきました。

ただ、歌はいらないなぁ。
お約束というか、この劇団のカラーかもしれませんが、
かなり多すぎ。

サダオのサダメ

サダオのサダメ

劇団たいしゅう小説家

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2009/08/19 (水) ~ 2009/08/25 (火)公演終了

満足度★★★★

劇団たいしゅうは、良作を提供し続けているなぁ
劇団たいしゅうは、良作を提供し続けるなぁ。

確か、キティフィルムだったか芸能事務所が、
プロデユースして、アイドル的の女の子や
イケメン俳優を、漫画チックに見せることが得意な
池袋を中心に上演しているグループと思ってました。

今回は、実力派なベテラン男優をそろえ、
小劇団の登竜門的シアターグリーンで上演するって
ちょっとイレギュラーな感じがしましたが、
これが、悪くなかった。

ゲイものということで、偏った内容かなって
ちょっと横目で足を運んだ部分はありましたが、
その部分はスパイスというか、エッセンス程度で、
基本的には人間群像劇です。

主役の曽世という方は、スタジオライフだし、色も白いから、
なよなよした、線の細い方かと思っていましたら、
以外や以外、マッチョで骨太な体型で、役柄に必要な
逞しさ、ダイナミックさを体現し、あわせて繊細さも、
かもしだしている。

相手役の平野という方は、柴俊夫に似てますね。

今年に入って、不思議と3回も見ている、
宮原って人が、曽世氏の弟役で出演。
前回サンモールで見た豆腐屋さんの作品と
殆ど同じようなキャラで、
「これは、稽古いらないから連続登板も可能なんだな」って
思わせるマンネリ。
栃木弁だか、群馬弁でオロオロするキャラ、
ちょっと鼻についてきました。
イケメンはイケメンらしく、その道を進んでほしいと
思います。
でも次から次へと作品が決まるって、
事務所の力が強いか、本人がスタッフに好かれるキャラ
なんだろうな。

途中で軽い演奏を入れて2幕構成にしている点も◎
作品全体にメリハリがあって、集中力が保てます。
ご都合主義な点が多かったり、
登場人物が、皆富裕層で、生活に余裕があったり、と
華やかさと現実離れさはあるけど、
あっという間の95分、後味よろしい95分でした。
石丸・畠中のゲイカップルも爽やかでしたが、
今回のカップルも清清しかったです。

難をいえば、カーテンコールのときに
曽世氏が
「男ばかりの稽古場はうっとうしかった」とか
「暑苦しくて、近寄ることに抵抗があった」とか、
「キワモノな題材で抵抗があった」とか・・・
急に現実に戻すような発言が多かった点。
カーテンコールも芝居のうち!
観客に夢を残すような
余韻を残すようなパフォーマンスで
幕引きをするのがプロの仕事と思いました。

ネタバレBOX

ジャイアン役の人、いやに黒くて健康的でエネルギッシュで、
内容の設定からして、ひょっとしたら詐欺師なんじゃないかと
思ってしまいました。
あれで余命数ヶ月?ホスピス?いやに元気良すぎ。
元気にふるまっているのでしゃなく、
顔色が良すぎです。あれはミスキャスト。
千手観音-My夢Dream-

千手観音-My夢Dream-

中国障害者芸術団

東京厚生年金会館 大ホール(東京都)

2008/03/09 (日) ~ 2008/03/12 (水)公演終了

満足度★★★

とてもデリケートな題材です。
2009年8月23日 新宿文化センターで観劇。
登録がなかったので、この項目に記載します。
ポスターも内容も同じと思います。

なんとも非常にデリケートな題材で、
コメントが難しい。
書くか、どうか迷いますが、投稿します。

ご招待されて、友人と一緒に足を運びました。
清水寺が後援になっており、とても説法と福祉の色が強い。
ありがたいお言葉が、合間合間に差し込まれ、
見ていて、とっても心が痛みます。

S席は1万円近くするチケット代金、
これは寄付と思うべきなのか、素直に観劇代と思うべきなのか。

体に障害や不自由がある方とは思えないほどの
自然な、パフォーマンスをしてます。
ただ障害がない人が演じていたら、単なるお遊戯です。
ここが、微妙なとこなんだよなぁ。
心の狭い、器のちっちゃい人間なんです。

博覧会とか、何かのフェスティバルでのパフォーマンス、
パラリンピックのセレモニーなんかで見れば
感動するに違いないけど、
わざわざ、これを見るためだけにチケット代金払って、
時間を作ってというのは・・・

個人的な意見です。
変な思想家ではありません。何卒、ご了承を。

ネタバレBOX

終演後、出演者によるサイン会があります。
手がない男のダンサーの人は、足の指で起用にサインをしたり、
耳が不自由な人が、目もうつろにサインをしている姿に、
とてもせつない気持ちになって、
早足で会場を去りました。
遙かなる時空の中で 朧草紙・再演

遙かなる時空の中で 朧草紙・再演

オデッセー

なかのZERO(東京都)

2009/08/12 (水) ~ 2009/08/16 (日)公演終了

満足度★★★

イケメン キラキラ パラダイス
ご縁があって、観劇。
これが、いわゆる「テニスの王子様」を筆頭とした、
イケメンパラダイスな一連の作品なんだろう。
漫画チックな舞台と、歌謡ショー、観劇した日は30分に及ぶ、
アフタートークショー&バラエティショーがついて、
お腹いっぱいな3時間30分。

初めて入った中野スペースゼロ。
ホールの前のスペースでは、若者達がブレイクダンスをしていて、
「これ、プレビューショーかな」って、
真面目に見ちゃいました。普通の踊りたいだけの人達でしたが。
このホールは、公共施設なんでしょう・・・
とても演目を上演する環境とは思えない、音響設備は低め。
まぁイケメンを見る演目だから、いいんでしょう。

前作があるのか、話の背景や筋書きは全くわからず、
「八雲」を演じていた男の子がアクロバティックな殺陣をしたり、
8頭身くらいあるであろう顔の小さな男の子達が、
町長八兆してますが、何が何だか訳わかりません。
でも、前のほうの席を陣取っている女性客は、
どっかんどっかん受けてましたので、きっと伏線がある?内容なんでしょう。
見てない僕がいけないのです。

非常に簡素な舞台装置で、1200席を誇る大きな会場の
観客を魅了させようとする、この作品。
夢のある作品なんでしょう、きっと。

すこし離れて、そこに居て

すこし離れて、そこに居て

散歩道楽

シアターサンモール(東京都)

2009/08/05 (水) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★

何とも後味悪し・・・
いろんな人達のドラマが、しっかり描かれており、
テンポよく、しっかり2時間で、おさめる。
よく出来た作品と思います。
でも、ラストのオチが・・・これは、ないぜよ。
終わりよければ全て良し。終わり悪けりゃ全て台無し・・・

ネタバレBOX

なんとも後味の悪い結末。
このオチで「周囲が温かく見守る」って、ありえないですよ。
壁に落書きしたとか、何かを盗んだとか、ならともかく、
これはちょっとなぁ
強姦でしょ!ようは。

ギリギリまで見応えがあっただけに非常に残念。
オペラ・ド・マランドロ

オペラ・ド・マランドロ

アトリエ・ダンカン

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2009/07/25 (土) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★

B級顔見世ミュージカル
これ、出演者の顔見世興行というか、
プレゼンテーションのような作品だなぁって感じました。
ミュージカルなのにチケット代金が安いから、
(でも客席はガラガラ、確かに四季同様、カラオケミュージカルですが)
どんなかなぁとは思ってましたが、
きっと稽古とか役作りに時間をかけなくていい分もあって
コストダウンが図れたのでしょう。

この作品も、先週見た「異人たちとの夏」同様、
鈴木って人の作品。この人、人気あるんだなぁ。
正直、話の構成、ラストの持ってき方とか、
めっちゃめちゃなんだけど。

装置はシュール(=簡素)、照明はシック(=煌びやかさがない)、
と、非常に低予算チックに構成している。
低予算でも、派手に豪華に見せるのがミュージカルのお家芸なんだけど
地味に地味に行くって、それはそれで、この人の味なんだろうな。
僕は出来ることなら、口にしたくないけど!いや絶対食べたくない。

このデフレの時代、
ローコストオペレーションはしなきゃいけないし、
歩留まりも悪いのを想定しなきゃいけないから、
こんな倹約家の制作陣は重宝されるんだろうな。

ネタバレBOX

さて、役者陣ですが、
別所哲也って、スターの貫禄がついてきたな。
背格好の大きさもあって、
舞台の真ん中に立つと見栄えして、オーラがついてきた。
「レミゼ~」や「ミスサイゴン」の経験が利いているのだろう。
いや、これで秋の別所バルジャンの日にも
お客さんが入るでしょう。

マルシアは、最初から
マルシアオンステージ。
得意なことだけしているから、何ら目新しさはない。

真央様一座に捨てられた(!)石井氏は、
きっと両雄、Wバルジャンを魅せる為だけにキャスティング
されてるのだろう。

石川リカリンはかわいい。
歌も芝居もめちゃめちゃというか下手の度合いも
甚だしいけど、
そのへんにいる若手ミュージカル女優なんて
足元に及ばないほどの、キラキラがある。
流石、モー娘。

杜けやきは自由
田中ロウマは、いかにもステレオタイプで、うっとうしい。
D/Dは、アンサンブルがお似合い。

個人としての実力と個性が感じられた珍品でした。
舞台版 イタズラなkiss~卒業編~

舞台版 イタズラなkiss~卒業編~

K Dash Stage

博品館劇場(東京都)

2009/07/29 (水) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★

最近の若い子は、みな器用だなぁ
最近のアイドルは大したもんだ。
ニコニコ笑っていればいいだけじゃなく、
芝居もソコソコ頑張れば、音痴もいない、当然ダンスの
キレもいい。
しかも笑いやセンスも良くなきゃいけない。
気取って、おすまししているだけじゃ商売にならないんだろうな。
一昔前の「飛び出せ!アイドル学園」調の内容だけど、
まぁ出演者達は頑張っている。
特にヒロインの女の子は、一歩間違うと、
とってもウザい役柄になりそうなキャラを嫌味なく演じていて、
好感度◎
夏休み、中学生らに向けて上演するにはピッタリな作品と思うが客席は半分も埋まっていなくてガラガラ。
テレビの公開録画のような内容に、アイドルのコンサート以上のチケット代は払えないか。
実際やけに客層の年齢は高い??
あれ、みんな出演者達の親族かなぁ。
それとも銀座で働く女性達への癒し系?

ご縁があって、この手の作品を見る機会が多いけど、
この暗く重いストレス社会のご時勢、
劇場の中くらいは、陽気でオメデタイ気分で
過ごせる作品は貴重ですな。

異人たちとの夏

異人たちとの夏

東宝

シアタークリエ(東京都)

2009/07/04 (土) ~ 2009/07/25 (土)公演終了

満足度★★

暗く、静かなホラー
暗いなぁ…

シュールと言う名の簡素で陰湿な舞台セットの中、
コマ切れに描かれた古めかしい話が綴られているから、
いやに暗転が多く、テンポが悪い。
そして、とにかく静か。

設定を現代の都会に置き換えているから、
原作や映像で描かれている風情やバタ臭さがない代わりに、
ドライでクールな殺伐感がある。
いわば「四谷怪談」のような人肌や感情が篭った幽霊ではなく、
「リング 貞子」や「JUON」のようなホラー感覚に見える、
恐さや哀しみの方向性が違う

狙いは伝わらないが、挑戦している感はあり、
模索してるんだろうなって感じはするけど、
それは、製作者側の問題。
製作者の勉強に、高いチケット代払わされてる観客はいい迷惑。

相変わらずクリエは、観客そっちのけで自己満足な興行をしているな。

その結果が、来年の「放浪記」上演なんだろうな

ミートボールの花束を

ミートボールの花束を

天然工房

劇場MOMO(東京都)

2009/07/23 (木) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度

覚悟をもって、観劇を
小劇場ならではの、冒険心溢れる青春グラフィックな
内容と言えるでしょう。

しかし、この息苦しさ、圧迫感はなんだろう?と
1時間40分の上演時間が4-5時間以上にも感じられながら
不快感と戦っていました。

以下ネタバレへ

ネタバレBOX


答えは、カーテンコールで、わかりました。
過齢臭、漂いかけな、アラフォー(っぽく見える)
キャスト陣が、
20歳そこそこの若者が上演するような内容を
暑苦しく演じているので、その臭さと鬱陶しさで
不愉快な気分になっていたんです。

話の大方は、キャストは御面をつけて演じているので
若いのか、年食っているのか、わからなかったのですが、
男性キャストが、薄い衣装だったので
「貫禄のあるビールっ腹だなぁ」とは思いました。

「目は口ほどに物を言う」とは言ったもので
目を隠して演技をするって、きっと相当なベテラン役者でも
ハードル高いんじゃないでしょうか?
ミュージカルで言えばファントムみたいに。
小劇場役者が、そんな部分に手を出しちゃっているから、
どうにもこうにも、見ていてストレスがたまりました。
表現力もないのに、よく、こういう無茶を
ワークショップではなく、有償公演でやるなぁと
感じたのでしょう。

でもラストでわかりました。
そりゃ、オっさん、オバさんが、
あんな青い話を演じていたら、全くリアリティもなければ
シラけてしまいますから
ずっと御面はかぶらなきゃいけないでしょう。

帰ろう帰ろうと思っても、
小劇場は特に上演中は出れないんですよね。
これも、ツラい作品でした。

セットも、ステンレスの杭が立ち並んでいるのですが、
チラチラ光って、目が痛くなります。
これも、キャスト陣の高齢化を隠す演出でしょうか?
ブロードウェイ・ミュージカル「スペリング・ビー」

ブロードウェイ・ミュージカル「スペリング・ビー」

天王洲 銀河劇場

天王洲 銀河劇場(東京都)

2009/07/17 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★

漢字検定ミュージカル
巷で話題の「漢字検定」のアルファベット版です。
ペーパーテストで点数を競うのではなく、
あぁいう風にショーアップして、
モチベーションをあげるってスタイルは、
いかにもアメリカっぽい。

ブロードウェィでは、新しいビルの中で
「ウィキッド」と一緒に隣同士の劇場で上演してました。
劇場の前を通りかかったときは(ブロードウェィに行ったのは)
、上演開始の年で、
結構派手に演出していましたし、賞レースでも、
騒がれていたので、注目していました。
でも、あまり題材が華やかそうではなく、見ませんでした。

なので、オリジナルと比べて、どうなのかって
視点では判りませんが、
非常にこじんまりとした、地味な作品です。
ダイナミックさや、ゴージャスさは全くありません。

あらゆるプレイガイドで提供されている半額チケットで鑑賞。
その値段、相応の内容です。
いつものように、銀河劇場×ホリプロだから、
コストを抑えているのか、もともと、そういう雰囲気なのかは、
定かではありませんが・・・。

しかし、内容は、そこそこ面白い。退屈はしない2時間です。
新妻・梶原・風花の子供役は、決して嫌味ではなく
キュートな感じで微笑ましい。
高田聖子の、オチになるキャラっぷりも
はじけていて楽しい。
また、大人3人も安定した演技で、しっかりと支えています。
特に安寿ミラは、こういう脇で締めと笑いとを、
受け止める器の広さのある演技で存在感を放ちます。
彼女は主演ではなく、こういうポジションのほうが、
より彼女の良さが出せるのではないかな。

子供に見えないのは二人、坂本健児と藤井隆。
坂本は、ライオンキング・シンバっぷりでサービスするも、
どっぷりと生活感が溢れてきており、
一つ一つに軽やかさがない。
山口ぐっさんのほうが、上手く演じられたのではないか?
藤井隆は、吉本新喜劇のような庶民ぽさが強く、
演技の一つ一つに丁寧さ、重みがなく
とても雑であり、役作りへの深みが感じられなかった。
時間をかけて練り上げる(はず1)の、
ブロードウェィミュージカルには不向き。
特にクライマックスでは、本来はもっと
ドラマティックになるはずなのに、
サラーっとして終わってしまっている。
少々臭くでも、泣かせの演技は大事なんだよな。

楽曲は耳覚えするようなナンバーもなく、
一応生バンドが入っていますが、あまり効果的ではありません。

国の文化の違いもあるので、
この作品が日本で受けるのは、とっても難しいと思う。
それこそ、お笑いタレント総出演で、
アドリブがバンバンで上演されたほうが楽しいと思う。
(そんな無茶ぶりをー!って感じで)

ただ、そんな作品でも上演してくれる
ホリプロの姿勢には、いつもながら感謝。

ガブリエル・シャネル

ガブリエル・シャネル

松竹

新橋演舞場(東京都)

2009/07/03 (金) ~ 2009/07/27 (月)公演終了

満足度★★★

真央様 奮闘公演
真央様の新作。
お祝いの意味を(個人的に!)込めて、初日に観劇。

3時間30分あるんだよね、しかも演舞場だからテンポも非常にゆっくり。
何度も寝てしまいました・・・

そんな失礼はともかく、
その長時間の上演時間、真央様は出ずっぱり。
客寄せで今井翼や高橋恵子も出演してますが、
とにかく真央様の喜怒哀楽を楽しむ作品です。

シャネルでもブルガリでもかまわない。
これは、真央様の一代記ですから。
そんな心構えで鑑賞すべき、珍品です。
なにせハイライトはカーテンコールですから。

ダンス・オブ・ヴァンパイア

ダンス・オブ・ヴァンパイア

東宝

帝国劇場(東京都)

2009/07/05 (日) ~ 2009/08/26 (水)公演終了

満足度★★★

キャッチコピーに偽りあり!
前回公演は3回見ましたが、決して完売なんかしてません。
ガラガラでした。全席完売って「SHOCK」じゃあるまいし。

夏はやっぱりホラーってことで、素直に楽しめます。
子持ちで離婚をしている知念が純潔の18歳の娘役とか、
市村正親が演じてナンボのプロフェサーを石川禅が地味に演じて
全然貫禄がなくなった、とか目に余る部分はあるにしても、
ポップコーン・ミュージカルとして肩の力抜いて、はしゃげます。

久しぶりの帝劇でした。クリエや銀河劇場で、
チンケや舞台装置や、簡素なオケばかりだったので、
「やっぱり豪華絢爛、厚みのある音楽で見れる劇場って、
贅沢だなぁ」と実感。
あれでこぞ、別世界、芝居の世界に浸ることができます。

残念なのは、キャストが似たりよったりなところ。
来年「レベッカ」を再演するみたいだけど、これなんか、今回と殆ど同じキャストだなぁ。
これじゃ、劇団東宝ぜよ。

「エリザベート」-愛と死の輪舞(ロンド)-

「エリザベート」-愛と死の輪舞(ロンド)-

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2009/07/10 (金) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★

こんな、つまらないエリザって・・・
いろいろなバージョンで、おそらく10回以上見ている、この演目。
確かに、もう古いってのはあるでしょう。
でも楽曲の持つ力には、まだまだ素晴らしさがあるんだけど。

瀬名じゅんが座頭の、今回は、本当に間延びして、
舞台から迫力の感じられない、オーラが伝わらない仕上がりであった。
1階の前のほうの席は、良いのかもしれない。
でも、2階のA席には、全く感じられない。
この2000席の劇場を包み込む求心力がなかった。

去年のミーマイも、そうであったが、
既に出来上がっている作品で、誰が演じても、そこそこ楽しめるはずなのに、
もちろん、比較されるハンディはあるにしても。

宝塚の人材不足を、とても感じた日曜の昼下がりでした。

桜姫 ー現代劇

桜姫 ー現代劇

松竹/Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/06/07 (日) ~ 2009/06/30 (火)公演終了

満足度★★

闇鍋状態(-。-)
生うに、トロ、キャビア、フォアグラ、トロに松阪牛、
世の中の高級食材を全部、寄せ鍋(ん、、雰囲気はカレー鍋?)に
入れたら、こんなに不味い闇鍋になっちゃったって感じ。
おせち料理のような、鮮やかな色合いの、おもてなしを期待いったら、
何だか、この世のものとも思えない!ような色をして、
強烈な匂いを放つスープが出てきちゃって、驚きました。

それぞれの美味しい食材は、それぞれ単品で食べたほうが、
美味しいよね。

クセの強い役者と演出家が、中村家の器の中に一度に入ったけど、
それぞれの個性がヤリたい放題でやっているから、
結局、誰の為の何の話か、わからなくなっちゃった。
タイトルロールを中心に織り成す話のはずなのに、
みんなが前へ前へ出て、盛り上げる、彩る芝居ではないから、
ひっちゃかめっちゃか。

どの世界にもなれず、かといって顔見世興行的な
バラエティショーにもなれず、とっても退屈な3時間強。
日に日に、流通チケットが増えてきたり、
当日券が全く売れなくなってきていたのも納得。

お芝居って、素材をそろえればいいってものではない、と
改めて実感しました。この作品の場合は、もう罠だろうけど(笑)

PureBoys act.3「7 Color Candles ~セブン・カラー・キャンドルズ~」

PureBoys act.3「7 Color Candles ~セブン・カラー・キャンドルズ~」

東京音協

サンシャイン劇場(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

これも、商業演劇
90分の寸劇と、30分の歌謡ショーで綴るバラエティショー!
これも、商業演劇なんでしょう、演歌歌手の座長芝居と構成は一緒。
しかし東京ドームのオープンスペースで昨日までサイン会していたような
ユニットが、サンシャイン劇場で立派に興行を打つなんて、
たいしたものです。

チンケで安っぽい寸劇、いやいや青春群像劇が終わったあと、
簡素な舞台装置を古臭いラメのカーテンで隠して、その前で、
バタバタとカラオケで歌って、一丁あがり。
とっても、利益率の高い興行なんでしょう。

手前味噌的なネタが豊富な芝居はファンには
たまらないんでしょう。僕には全くわからないけど。
それはそれで、いいとして、歌謡ショーのフリートークが下手くそ。
「初日の感想を」と振られた相手は、
「まぁなんていうか今日の気持ちはブログに書くから、
そっちで見てください」って、

なんというか、ライブをナメておりますな。
こういうところ、やっぱジャニーズは上手というか、
センスがいいですな。
いろんなアイドル的タレントを集めたショーが盛んですが、
全てにおいてエンターテイメントを貫くジャニの意識の高さを
改めて感じさせてくれた内容でした。

まぁこれはこれで、いいのかもしれないけど。

女信長

女信長

RUP

青山劇場(東京都)

2009/06/05 (金) ~ 2009/06/21 (日)公演終了

満足度★★★

いろいろ盛り込んで
つかこうへい芝居に、中川(天才モーツァルト)君の歌を添えて、
アクロバットで飾り付けた作品
まぁ、黒木メイサ主演で紀伊国屋ホールあたりで\4000程度の
作品を、青山劇場へ格上げしなきゃいけないための、
苦肉の策って感じ。
久々に舞台復活の中川君は、
暑苦しい・つかワールドに染まることなく、
逆に言えば空気読まずマイペースで奇奇怪怪な芝居をしておりますが、
歌は流石。
いやぁ中川節は健全!
突拍子もなく歌い始めるんだけど、
彼の特徴である高音の伸びが響くと、鳥肌物である。

作品の内容は、強引ではあるけど、以外と説得力のある内容で、
見応えのある2時間30分。
楽しく拝見しました。
後には何も残らないけど。

ミュージカル シラノ

ミュージカル シラノ

東宝

日生劇場(東京都)

2009/05/05 (火) ~ 2009/05/28 (木)公演終了

満足度★★

ホリプロ・ミュージカルは、せこすぎる!!!
予定が合わず、観劇が千秋楽になってしまいました。
いや、先般の「回転木馬」につづき、
ホリプロミュージカルは、せっこいねぇ~
舞台美術が簡素という名の安っぽい作りなら、
アンサンブルの数、オケの数も、リストラ気味というか、
東宝の同クラスの作品に比べ2/3~半分位でしょうか。
これじゃ、夢の世界に浸れないというか、
ゲンナリっすよ、ホリプロさん。
「スペリングビー」も、安っぽい舞台になるんだろうな。

内容ですが、
恐ろしいほど、今回強調されていたように見えた切り口は
「フェチおばさんの、憂鬱」
って感じでしょうか。
単なる、愛の言葉フェチな朝海ひかる。
言葉責めで濡れちゃうタイプなんだろうなって
下世話なイメージしか出てこない。

しかも、エリザベートで親子の役柄だった浦井君とのコンビじゃ、
マダムのホスト遊びにしか見えてこない。
まぁ頭の悪い中身のない役柄の浦井君はハマリ役でしたが。

そして肝心の鹿賀丈史
パワーなくなっちゃったなぁ、声は通らないし、
芝居はちっちゃくなっちゃって。
もう大劇場の真ん中に立つ人じゃなくなっちゃった。
脇に回ってください。

ミュージカルの主役とも言える楽曲は素晴らしい分、
主催者のセコさも原因で、
とってもレベルの低い作品になっちゃった。

こういう作品を、観劇体験の少ない人が見ると、
興味なんて持ってくれなくなっちゃう。
最近、興行数も多すぎるし、
ホリプロさんは市場から退場して頂きたいっすね。

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