満足度★★★
漢字検定ミュージカル
巷で話題の「漢字検定」のアルファベット版です。
ペーパーテストで点数を競うのではなく、
あぁいう風にショーアップして、
モチベーションをあげるってスタイルは、
いかにもアメリカっぽい。
ブロードウェィでは、新しいビルの中で
「ウィキッド」と一緒に隣同士の劇場で上演してました。
劇場の前を通りかかったときは(ブロードウェィに行ったのは)
、上演開始の年で、
結構派手に演出していましたし、賞レースでも、
騒がれていたので、注目していました。
でも、あまり題材が華やかそうではなく、見ませんでした。
なので、オリジナルと比べて、どうなのかって
視点では判りませんが、
非常にこじんまりとした、地味な作品です。
ダイナミックさや、ゴージャスさは全くありません。
あらゆるプレイガイドで提供されている半額チケットで鑑賞。
その値段、相応の内容です。
いつものように、銀河劇場×ホリプロだから、
コストを抑えているのか、もともと、そういう雰囲気なのかは、
定かではありませんが・・・。
しかし、内容は、そこそこ面白い。退屈はしない2時間です。
新妻・梶原・風花の子供役は、決して嫌味ではなく
キュートな感じで微笑ましい。
高田聖子の、オチになるキャラっぷりも
はじけていて楽しい。
また、大人3人も安定した演技で、しっかりと支えています。
特に安寿ミラは、こういう脇で締めと笑いとを、
受け止める器の広さのある演技で存在感を放ちます。
彼女は主演ではなく、こういうポジションのほうが、
より彼女の良さが出せるのではないかな。
子供に見えないのは二人、坂本健児と藤井隆。
坂本は、ライオンキング・シンバっぷりでサービスするも、
どっぷりと生活感が溢れてきており、
一つ一つに軽やかさがない。
山口ぐっさんのほうが、上手く演じられたのではないか?
藤井隆は、吉本新喜劇のような庶民ぽさが強く、
演技の一つ一つに丁寧さ、重みがなく
とても雑であり、役作りへの深みが感じられなかった。
時間をかけて練り上げる(はず1)の、
ブロードウェィミュージカルには不向き。
特にクライマックスでは、本来はもっと
ドラマティックになるはずなのに、
サラーっとして終わってしまっている。
少々臭くでも、泣かせの演技は大事なんだよな。
楽曲は耳覚えするようなナンバーもなく、
一応生バンドが入っていますが、あまり効果的ではありません。
国の文化の違いもあるので、
この作品が日本で受けるのは、とっても難しいと思う。
それこそ、お笑いタレント総出演で、
アドリブがバンバンで上演されたほうが楽しいと思う。
(そんな無茶ぶりをー!って感じで)
ただ、そんな作品でも上演してくれる
ホリプロの姿勢には、いつもながら感謝。