SEMICONの観てきた!クチコミ一覧

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アイ・ラブ・坊っちゃん

アイ・ラブ・坊っちゃん

音楽座ミュージカル

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2007/06/01 (金) ~ 2007/06/10 (日)公演終了

満足度★★★

音楽座が劇団四季の受け皿?
音楽座の通常公演のチケットって結構高いんですよ。
オケというより生バンドは入っているものの、1万円近くする。
立派なパンフレットも自動的についてくるけど、それも料金の内?

その立派なパンフレットを見て驚いたのが
劇団員の半分近くが元劇団四季の人ばかり。
主役級の人もいて、驚きです。
一般社会同様、即戦力、実践力ある人の中途採用に積極的って
とこなんでしょうか?

また宣伝も「日本のオリジナルミュージカルの到達点」とか四季並みの
大げさなキャッチコピーをつけているので
スタッフも根こそぎ四季から転職されてるのでしょうか?

そんな実力派(?)が束になっても敵わない魅力を
発揮していただが、坊ちゃん「吉田朋弘」、
彼は凄いね、前回の「星の王子さま」のキツネでも
かなり光る存在感がありましたが
坊ちゃんはアテ書きかと思う位、ぴったりで
井上ルドルフ、中川アマデウスモーツァルト、浦井アルジャーノン、
阿久津ラダメスなんかと並ぶ程の当たり役。
まだまだ歌も芝居も踊りも荒削りな部分があるけど
それを吹き飛ばす、キラキラ光るオーラと愛嬌がある。
特に男前って訳でもないんだけど、昔風な風貌の雰囲気の中にも
今時の垢抜けたセンスがあり、勢いがある。
これから背負っていく役者だろうなぁ。

音楽座ミュージカルというより、完全に「吉田朋弘ミュージカル」に
なっていた感じがする、それだけ彼の個性が光っていた。

肝心の内容ですが、この作品も10年以上昔の話を
そのまま再演しているのでしょう、
やっぱりテンポが遅いというか、古臭さは否めません。
10年前は、それでよかったのかもしれませんが
今の時代の感覚、アナログではなくデジタルな感覚では
ややズレテいると感じます。
新喜劇や、新派のように、逆にゆっくりとした
古き良き時代を反映させて、それを懐かしむ作品に
足を運ぶなら、その時代の流れを守るべきと思います。
しかし、ミュージカルは、いわばトレンド劇。
レミゼもマイフェアレディも、30分近く時間を短くして
テンポよくしているし、この作品も、あと30分短くしてくれれば
もっと楽しめたと思う。

舞台の構成、演出なんか、とても良く出来ていると
思います。
「金のない奴は知恵を出せ、知恵もない奴は体を使え」と
言ったものですが、まさにそれを実行しているようで
安っぽい舞台装置さながら、とても魅力ある作りで
自然に作品の中に入り込めます。

よくわからないけど、時々音楽座の公演って
協賛がついて本公演の半値で普通に販売されたりしてます。
昨年新宿文化センターで見た「星の王子さま」が、それでした。
それでも豪華パンフレットは付いてました。
今の本公演の半値なら気軽に見に行こう、また見に行こうと思うけど
(S席5000円以内)
ちょっと今の値段は高いなぁ。やっぱり値段に見合っているとは
思えない。
豪華パンフレットはいらないから、その分チケット安くして欲しいです。

ネタバレBOX

終演後、音楽座の役者は、みんなロビーでお見送りするんですよ。
これはいいですよねぇ。
しかもざっくばらんに写真とったりサインしたり握手したり。
ユタ上演中の四季もしてましたが
「立ち止まらないで下さい」「写真は御遠慮下さい」って結構
後生な事行ってましたが、それに比べて、とても親近感あり◎。
主役の吉田でさえ、御付の人なしで、
「おそれいります」「ありがたいです」って謙虚な姿勢で
一生懸命写メの相手してます。
田舎芝居というか大衆演劇っぽいかもしれませんが
あぁいうファンサービスをされると、また行きたくなりますね。
小さい頃、握手してもらった野球選手、僕は今でも好きです(^^)。
われもの注意

われもの注意

ハラホロシャングリラ

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2007/06/07 (木) ~ 2007/06/10 (日)公演終了

満足度★★

何故に紀伊国屋?
芝居に行くと配られる厚いチラシの束は、ちゃんと見ているし
シアターガイドなんぞ定期購読して、そこそこ色々な劇団、話題の
劇団は確認しているつもりでしたが、
この「ハラホロシャングリア」って劇団は知りませんでした。
ツテから声をかけてもらった縁で見に行きましたが
「何故に紀伊国屋・・・?」と不思議に思った2時間でした。

決して退屈な訳ではないんです。
ほのぼのとした、バランスの取れた
丁寧に作られた作品とは思います。
わざとらしいドタバタも、それほど不自然ではありません。
構成も、まとまっていると思いました。

しかし紀伊国屋サザンシアターって、メジャーな役者とか
劇団とかの作品が上演される劇場って先入観があったので
「この劇団は、何者なんだろう?」って思いが
終始ついてまわってしまいました。

特別、話に個性や挑発や刺激はなく、勿論話の流れに目新しさもなく役者も目を惹く方がいらっしゃる訳でもなく
シアタートップスやスズナリで十分じゃないかって
(サンモールでも中野ポケットでもいいんですが)
そういう小劇場の匂いがプンプンします。

「なんじゃこりゃ!」って後ろ向きな印象はないですが
きっと明日には忘れてしまう程度、
そしてこれから注目して行こうとは思わない作品のレベル。

劇場って2年前位には、予約しなきゃいけないって
聞いたことがありますが
2年前には注目の劇団だった役さんがいたのかなぁ、
それとも、やはり自分の認識不足・・・?

あと不思議な客層でした、学生のようなグループがいれば
煎餅食べて見ている御高齢の方もいて
(この芝居は煎餅見て楽しむような作品です)
ガハハって笑い声が劇場を包んでいました。

本当、この劇団は何者なんだろう・・・?

ネタバレBOX

離婚するって、大変なパワーがいるんですよ。
結婚の100倍、パワーを使う。
引越しの時なんて、あんな微笑ましい事は想像できないし
人知れず引っ越していくものですから
設定自体が、かなり非現実的。
そういう意味では、なかなかチャレンジャーな劇団かもしれませんね。

しかし吉本新喜劇ほど、笑えるわけでも、松竹新喜劇ほど
しんみりくるわけでではなく・・・!?
まぁ非日常的なシチュエーションで、ありえないテンションの
登場人物がいたほうが、話は作りやすいのでしょう。
その辺りが、B級というか、やっぱり小劇場作品っぽいというか。
アイーダ

アイーダ

劇団四季

新名古屋ミュージカル劇場(愛知県)

2007/05/12 (土) ~ 2008/01/05 (土)公演終了

満足度★★★★

ノリにノッてる井上智恵が最高!
2年前の秋「京都劇場」で見た以来の「アイーダ」。
その時、井上アイーダ登場を見ているのですが、あれから
キャリアと経験を積まれたのでしょう、今回名古屋で見た
井上アイーダは京都とは比べ物にならない程の圧倒的存在感で
大きな役が続いていてノリにノってる感が伝わる。
鳥肌モノの歌と迫力と表現力に、すっかり魅了されて
「こんなに素晴らしい作品だったんだ」と見直しました。

井上智恵の歌は、山口祐一郎と双璧をなすほどの
素晴らしい歌です。
以前「美女と野獣」と福岡で見た時、偶然ファンの集いみたいな
ものが閉幕後にあり、井上智恵を間近で見て
「素顔は、とっても綺麗なお姉さん」「本当にお人柄もよい
お姉さん」とヒイキ目では見ていましたが
ここまでの感動はありませんでした。
阿久津ラダメスは3-4年前と変わらず少年漫画のヒーローみたいで
格好いいですし、素顔が由紀さおりに似ている五東アムネリスは
あくまで井上アイーダの引き立てとしてバランスが取れている。
歴代で一番クセがなければアクもなく歌も綺麗でした。

この作品は3人の登場人物が中心に進められていく
非常に役者の力に依存する作品と思います。
同じディズニーでも「ライオンキング」や「美女と野獣」
のように舞台装置や数々の登場人物に気持ちが分散される
ことなく繊細な心境や人間関係を楽しむ作品。
逆に云えば3人に魅力を感じなければ全く話に入り込めない作品で
自称「神の声を持つ」濱田アイーダには
僕は魅力を感じなかったので、退屈はしなくても劇画感が強かった。
(濱田自身がポカホンタスみたいな風貌なんだけど)
京都の時のシルビア.アムネリスも素敵でしたが、シルビアが
目立ってしまい舞台上では地味な顔立ちな井上アイーダが
負けてしまっていて、傾いた船のようでした。

そういう意味で、今回は本当にバランス的にも
素晴らしい組み合わせで充実した観劇。
これがカラオケじゃなくって、ちゃんとしたオケなら
満点です。

ネタバレBOX

名古屋ミュージカル劇場のC席¥3150は本当にお値打ち。
2階は6列しかなく、うち、5列6列がC席。
その2階席も1階席真ん中あたりまでセリ出ているので
京都の遠い遠い遠い2階席と違い非常に見やすい。
もちろん舞台上部も切れません。
自由劇場2階よりも見やすいかもしれません。
四季劇場秋の5列目6列目と同じような感覚で見れるので
普通で云えばS席並。
これは本当にお値打ちです。
Damn Yankees -くたばれ!ヤンキース-

Damn Yankees -くたばれ!ヤンキース-

フジテレビジョン

青山劇場(東京都)

2007/05/25 (金) ~ 2007/06/06 (水)公演終了

満足度★★★★

適材適所!ぶっちゃけ拾い物!
宝塚のトップだった人、特に男役の退団後の初芝居って
女性役に無理が残っているのに、
大きいヒロインの役を演じる事が多くて、
あまり良い作品に出会った事がありません。
今回も、「湖月わたるーさん」のファンの方が
「湖月わたるーさん」の退団後初公演に空席があると
気の毒だから、と格安でチケットを譲っていただき見に行きました。

僕はミューカルコメディが大好きで
「マンマミーア」「ミー&マイガール」や一連の大地真央コメディなど
必ずチェックしているんですが、
正直、この作品は期待していませんでした。
キャストは地味だし、作品内容も、よくわからないので
単なる「つきあい」で行ったんです。

これが、期待を嬉しく裏切る、とても楽しい作品でした。
地味なキャストも、非常に適材適所で
「この人以外は考えられない!」と思うほど
見事に、はまってました。
(詳しくはネタバレへ)

「解ってたまるか」や「ハウトゥサクシード」同様
この作品も古い作品なんですが
上手く「クラシック」な雰囲気を舞台に醸し出しており
とても上質な感じがしました。

オリジナルは見ていませんが
自然に上手に「湖月わたるーさん」ショーっも
組み込まれており、彼女の退団後第一作を飾るに
とても良い、今後の宝塚退団後の作品として
お手本となるような作品と思います。

「レミゼ」や「オペラ座~」程、スケールの大きい作品ではありませんが
青山劇場の雰囲気ともピッタリ合う
とても嬉しい誤算、拾い物な作品です。

※ミュージカルファンの方、特に宝塚のファンの方って
  役者の事をメールなんかで話すときに、
  殆ど「~さん」ってつけますね。
  とても礼儀正しいというか、お上品というか
  独特ですね~
  

ネタバレBOX

湖月わたるが、なかなかいい。
彼女は悪魔の役なんで、数多いカラフルな衣装で
登場したり、オーバーな振る舞いをしても
そもそもマンガチックな役だから違和感なしっていうか
嫌味じゃない。
きっと彼女は、いいプロデューサーがついたんだろうな。
単純な恋愛とか生活感とか感じさせなきゃいけない役なら、
きっと無理があると思う。
いい役での退団後第一作と思う。

その分、現実味ある生活臭のある役は
杜けあきが丁寧に演じている。
歌も上手くなったし、難しいけど彼女、マンマミーアの「ドナ」も
出来そう。見てみたいなぁ。
四季さん、あんな大部屋女優を主役にしているから
福岡、客が入らないんですよ。

大澄賢也も、「創り者」的な役で
不自然にツヤツヤした風貌やロボットみたな立ち振る舞いが
ピッタシ。
また現実の役だった青山明、この人、四季辞めたんだ
風貌はパっとしないんだけど
芝居には平凡な風貌な人が必要なんです、しかも
歌には安定感があり、とてもいい。
出すぎず引っ込み過ぎず、貴重です。

同様なのが、監督の旧ペドロ光枝、デビル光枝でもいいけど。
この人ほど、四季辞めてから、いい仕事してるなぁと
思う人もいないっすねぇ。あの位の年代の人で
ちゃんと歌えてステップが踏める人、貴重ですよ。
この人も、自分自分って出しゃばらないから
品がある。

モー娘、矢口も、従来真ん中に立っていた人なのに
主役でない、脇の役で
しかも周りはミュージカルの達人ばかりで
歌の下手さやダンスの下手さ、芝居の下手さが
目立ってしまうのに
実際、酷いんだけど
ちゃんと頑張ってました、与えられた役を、ちゃんと演じていました。
彼女の登場シーンで
「やぐちー!」って声をかけるファンには、びっくりしましたが
是非是非ミュージカル界で頑張ってほしい。
彼女はマンマのソフィで。

川崎マヨマヨは、久しぶりに見ました、本田ミナミナと
真央様の十二夜で猫か何かで見た以来かなぁ、
しかし悪魔が似合いますねぇ、この人も現実感というか
生活臭のない人なんで、こういう役、お似合い。

いやぁ商業演劇で、ここまで適材適所のキャスティング
ある意味、思いきったキャスティング、
プロデューザーは大したもんです。
でもチラシやポスター、雑誌記事など
宣伝からは、この面白さが伝わってこなかった。
これが、この作品の致命傷・・・。



解ってたまるか!

解ってたまるか!

劇団四季

自由劇場(東京都)

2007/05/22 (火) ~ 2007/06/21 (木)公演終了

満足度★★

広告に意義あり、全く笑えない。
時代設定の説明がないので詳細はわかりませんが
おそらく昭和30年代が舞台なのでしょうか?
何でも50年近く昔の作品のようです。
しかしながら、その時代の雰囲気が、まるで伝わらない。
セットは殆どないし、役者の服装も大して時代を表していないし
なにより役者陣が、みな飽食の時代を映しているような
垢抜けた顔立ちをしているので、現代劇に見える。
何より主役の加藤敬二が、努力はしているでしょうが
全く苦労をしている雰囲気が出ていないので、
この作品の本質である、反骨精神のような姿が、まるで解らない。
そりゃ最近まで「コンタクト」でスタイリッシュな役をしていたんだから
無理もないでしょうが、そんなものは我々には関係ありません。
だから全く作品に入りきれない、
3時間と、長い長い長い公演時間の間、とにかく違和感に
戸惑いを感じ続けました。

何より一番不愉快なのは大量に宣伝されている、この作品。
「笑劇」という触れこみをしておきながら
全く笑えない。
表情の乏しい大部屋役者達が、随分古いベタなギャグというか
「ズッコケ」をして、笑えるんでしょうか?
物凄くベタネタで、観客に強制的に「笑い」を強制するような雰囲気で
四季シンパ(と思う)
の方が「作品に参加する」的(手拍子みたいなもの)で
笑っていましたが、これがまたわざとらしい。

しかしながら、再演で、しかも追加公演までされるよう。
実際客席はいっぱい。
作品的には俳優座劇場あたりで、4000円程度の芝居ですが
毎日2000人以上行き交うのに、
何もない浜松町東口で、大部屋俳優しか出ていない芝居で
チケット代も(四季の中でも無名揃い)
7500円もするのに
1ヶ月以上観客を入れている。
四季の営業力というか動員力って、凄いんだなぁと
思いながら帰りました。

ネタバレBOX

50年近く前の初演は、日下さんが、加藤敬二の役を
演じていたそうです。
今でも「苦節00年」感が抜け切れない日下さんが演じた役を
デビュー当時からスター、しかもミュージカルの中の
芝居の部分でさえも出来ない加藤敬二が早々こなしたら
それはそれでビックリ。まぁ期待通りでしょう。
クライマックスの独白のシーンも、とにかく、大根。

四季の人って、セリフをしっかり伝えるためでしょうか
みんなセリフが一本調子で感情が伝わらない、
ラジオドラマじゃないんだから、
もっと感情込めて演じて欲しいものです。

黒椿洋裁店

黒椿洋裁店

萬國四季協曾

中野光座(東京都)

2007/05/17 (木) ~ 2007/05/20 (日)公演終了

満足度

なんだ、この臭さは!
生活圏内にありながら、一度も入ったことのない
中野光座。時々芝居をしているのは知っていたけど
機会がなくて、入ったことがなかった。

たまたま時間が空いて、フラっと見てみたんだけど
これが、酷い。あまりにも醜く、酷い。
昔の映画館か何かの廃墟を、そのまま利用して
「レトロっぽい」とか「昭和っぽい」とか
雰囲気楽しむ人もいるのかもしれないけど
とにかく、まず館内が臭い、ションベン臭い。
トイレの臭いが充満していて、
「なんだ、この臭さは!」と、息苦しさにむせる。

そして、劇場の椅子が、汚いというか、脂っぽい。
殆ど壊れた椅子を、そのまま使っているんだろうけど
ギーギー音がなるのは、目をつぶるにしても
クッションが破れていたり背もたれが脂きっているのは
あまりにも観客に対して失礼。

出演者やスタッフが、掃除くらいすべき。
本当、帰ろうかと思ったけど、辛抱して観劇。

話が始まると
これが、劇場に負けないくらい、とにかく臭い、腐敗しきった
大芝居というか、あまりにもワザとらしい芝居らしきものと
臭い臭い臭い芝居で、古臭い話を進めていく。
なんか、田舎の健康ランドでも、お目にかかれないような
くっさーい話を、ポっと出のアイドル以下の下手な芝居で
進められて、
とてつもない拷問。

防音が全く出来てなくって、外のサイレンや街頭演説が
筒抜け、まる聞こえなのはいいんです。
その程度の事じゃ動じません。
空調の音が少々ガーガー鳴っても、そんな事はいいんです、
面白い芝居が見れるなら、でも臭いのだけは許せません。
さらに芝居が、あまりにも学芸会以下の
わざとらしい、不愉快な演技と芝居内容で、
本当に辛かった。

本当、これなら、とっとと帰ればよかった。
お金は返してもらわなくてもいいから
時間だけでも返して欲しい。

どんないいと言われる作品が上演されようが
ションベン臭い匂いが充満する中野光座で上演されたら
絶対行かない。

☆1つって最低ですよね。
人生たぶん1000本以上、有料無料合わせて芝居は見ているけど
今日が一番最低です。

ネタバレBOX

出演者は、みんなオカマなのかなぁ。嬉々奇奇怪怪と舞台に立ってる。汚い女装だらけの芝居なんです。
オカマがいけないのではなんです。
むしろセンスが良いし、耽美で清潔感もあって
芸術にはふさわしいと思います。支えていると思います。
しかし、あぁいう何ているのかなぁ、昔の映画に出てくるような
汚いオカマなんです、しかも老け込んだオッサンが厚化粧しており、
ゲテモノです。しかもセリフがカミカミで
趣味の世界です。
こんな公演、ぴあを通じて売るような事は
犯罪です。
舞台版「美味學院〜デリシャス學院〜」

舞台版「美味學院〜デリシャス學院〜」

avex live creative

青山劇場(東京都)

2007/05/15 (火) ~ 2007/05/20 (日)公演終了

満足度★★★★

おもちゃ箱ひっくり返したみたいに楽しい!
偶然機会があって見に行きました。
行った事はないけど巷で話題の「テニスの王子様」とか
戦隊モノみたいな作品かなぁと、ちょっとビビって(汗)行ったんだけど
いやいや、なになに、とっても楽しい、ショーでした。
耽美な世界を想像したんだけど、いやいやとても
気取らずに親しみのあるチャーミングな作品です。

思ったより、女性客でいっぱい、アンドルファンの若者でいっぱいって
雰囲気でもなく、サラリーマンが一人でいても
それほどツラくはなく、存分にショーを楽しめました。

出演者のAAAってグループとかDreamってグループも
全然知らないんだけど、大西ライオンは分かりました。
とにかく若い少年少女達が生き生きと歌って踊って芝居(コント)してって姿が非常に爽やかで、嫌味がない。

青山劇場の舞台装置を利用しての大規模な演出や
チープなんだけど個性豊かなセットも、それはそれで自然な
感じで違和感がない。
あれが、かえって凝った作りだと返ってバランスが悪いかもしれない。
あの位が丁度コミック的でいいと思う。

又、脇を締めている北区つかこうへい劇団の方々や
大人の人達が、とても安定した演技で話を支えているんで
少年少女達が、のびのび演じているのが、感じられる。

大人数でダンスをする姿は、かなり迫力があるし
主役の女の子なんて歌もお上手。
前知識がなかったり、期待感が低かったってのもありますが
僕は個人的には「SHOCK」より好きです。
出演者の少年少女の魅力を十分に見せた上で
観客へのサービスも忘れない、
あっという間の2時間30分、
青山劇場なのに¥6800、これはお得です。

ネタバレBOX

話の筋は何となく「We Will Rock You」に
似ていている。
それでも、クライマックスにフライパンを手にした姿は
カタルシスまで感じました。

おそらく限られた予算や時間の中で作られた作品だと思うけど
これだけの作品に仕上げた演出、制作、脚本、振り付けなどの
スタッフは、かなり優秀な方々と思う。
ラヴ

ラヴ

キョードー東京

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2007/05/10 (木) ~ 2007/05/20 (日)公演終了

満足度★★

異種交流会は見事に空中分解!?
ロック歌手と宝塚とコンポンテトラリダンサー、全く畑の違う
土壌で育った逸材が一つの舞台に立つ芝居。
異種交流の組み合わせの芝居って、生ハムメロンのように
不思議な化学反応を起こして
魅力的な空気が流れる場合が多いけど、
今回は不幸にも見事に空中分解してしまっていた。
プラスの酵素は働かず、後味の悪い支離滅裂な芝居になっている。

個々のパーツは悪くないんですよ。
特に、初めてみたんですがAccess貴水は、
期待を遥かに超える器用さでユニークでキュートな
キャラクターを作り上げている。
歌も、ロック調で金切り声を想像していましたが
いやいや落ち着いた低音を持っており、高音も太い声で
聞かせてくれる。これは、かなり嬉しい拾い物。

フィギアのようになっていっている安寿は
いつものように「高め」の女性像を安定して作っていて
「私を見て!私って素敵!」オーラをバンバン放っている。

僕は、このコンポンテトラリダンスってものが
よくわからないから、森山の踊りが上手いのか下手なのか
型にはまっているのか、何なのか良くわからない。
こないだの「となり町戦争」の男もそうだけど。
でも見た目が格好いいわけじゃないし、
歌も芝居も出来ないんだから、きっと踊りは上手いんだろうな。
でなきゃ人前に立てないだろうし。

そんな組み合わせが揃って、誰か芯になる人がいればいいんだけど
みんな「自分が主役!」とばかりに、lてんでばらばらに
芝居を進行していくから、全く面白みがないというか味わいが
ないというか、共感できないというか、芝居に入り込めないというか、
見た目のアンバランスさで肩が凝ってしまいました。

1人あたり3000円程度の魅力はあるんだけど、
それが3人揃ったからといって、9000円になる訳じゃないんですよ。
この料金は高すぎる。


ネタバレBOX

キャストは地味、セットもシンプル、芝居の内容も1幕、
勿論登場人物も少ない、生オケと言えどもミュージシャンは5人、
そして客はガラガラ、
この芝居をルテ銀で上演する理由が、どこにあるのでしょうか?
博品館で十分だと思うんだけど。
大きな劇場でやっているから、いろんな面で空回りしているとしか
思えない。必要以上に舞台の上を動き回ったり
飛び跳ねたり。

あとAccess貴水の芝居は、まるっきし市村正親のコピーなんですよ。
ひょっとしたら同じ演出って感じかもしれないんだけど。
コピーが悪いわけじゃないんだけど、あまりにもダブって。
10年以上も前にサンシャインで見た姿がダブるって事は
今更ながら市村さんは、記憶に残る芝居をしていたんだなぁ。
ヒデキは出てこなかったもんなぁ。

この芝居の一番の問題点は、安寿ミラが老けすぎってこと。
森山とは10歳以上はなれているんじゃない?
伊藤美咲で見てみたい。
ユタと不思議な仲間たち

ユタと不思議な仲間たち

劇団四季

四季劇場 [秋](東京都)

2007/04/14 (土) ~ 2008/03/09 (日)公演終了

満足度★★★

フレッシュなユタ登場!
なんとも、フレッシュでキャラクターにピッタリなユタが登場した!
色白で線が細く小顔でナイーブな雰囲気、そして少し暗いまなざしを
持った主役の彼はユタにピッタリ!
吉沢梨絵のピコ(「夢から醒めた夢」)と合わせ
新世代を感じさせる配役となっている。
こういう新鮮な配役をミュージカルファンは楽しみにしているんです。

確かに新星ユタは、台詞は棒読み、表情はたどたどしく
演技もぎこちない。プレビュー公演や新人公演ではないんだから
これで正規公演分の料金で見せるには値しない。
いいとこ半値だろう。
今回は200回公演以上あるから、何度も演じていけば
そのうち芝居もこなれていくだろう。来年の東京凱旋公演時は
立派になっているかもしれない。
ただ大抵の人はリピートせずに1作品に1回足を運ぶだけなんです。
大抵の人は「作品の成長」なんて目で芝居なんか見ない。
まさに一期一会。
だから新しい人に演じさせるのは
勿論大切だが、その辺りの料金設定は検討して欲しい。

でも、演技や歌がうまいから、と、
ベテラン勢が、いつまでも少年ユタを演じるには
基本的に無理がある。
四季には、その傾向は多分にある。
従来の田辺ユタが、今でも演じていれば
オープニングの「いじめ」のシーンが
「リンチ」となり無邪気さではなく陰湿な内容に見えてしまう。
それに、いじめっこより十分強そうな望月ユタでは
それだけでリアリティがない。
そもそも彼らは体が大きいから、いじめられっ子には
ならない。加えて顔立ちが垢抜けていないから東京っ子には見えない。

そういう、いわゆる「見た目」が新星ユタはぴったりです。
カーテンコールで真ん中に立つ姿は、
小さいけど華さえもある。

肝心の話なんだけど、いかんせん古臭い。
中途半端に古臭い。
特定の時代を描いた作品でもなく
現代劇のつもりで上演しているのだから
今時、いくら田舎でも、あんな光景はねぇよなぁと
安っぽいセットを見ながら思いました。
ファミリーミュージカルとはいえ1万円近くしてるんだから
立派な商業演劇です。
少しくらい手を加えてもよいかと。。。
まぁ判りやすい話ですし、強引なフライングなんかもあるんで
それなりに楽しめます。

今回は新星ユタを見ただけで十分堪能できました。


ネタバレBOX

終演後、役者陣がお見送りサービスをしています。
ロビーの外にも役者は出ているんで
チケットがない人も握手が出来ます。

となり町戦争

となり町戦争

ALGO

ザムザ阿佐谷(東京都)

2007/05/08 (火) ~ 2007/05/13 (日)公演終了

満足度

「わけわかんない」
主人公が劇中何度も叫ぶ「何これ、わけわかんない」が、とても
共感できる本当にわけわかんない作品。
原作を読むか映画を事前に見るという事を前提に作られた
芝居なのかもしれないですね。
ただ無名キャスト無名劇団が上演しているのに
そんな横暴な事をしているなら、フジテレビに踊らされているかも
しれません。

初日だからかもしれませんが、役者も台詞カミカミ、
舞台の上の動きもチグハグ、昼間見た、青果鹿に比べ
あまり、まとまりや舞台の上の情熱が伝わりずらい作品。

ザムサ阿佐ヶ谷って200人程度収容の普通の小劇場で
椅子が階段上の座布団なんです。
こんな背もたれのない座布団椅子で、しかも
知名度のせいでしょう、ぎゅんぎゅん満員で隣の人と
膝を寄せ付けながら1時間45分、しかも話は訳わかんない、
更にチケット値段が、なんと5000円以上!アングラな
小劇場で無名のキャストで5000円以上してます。
これは、もう制作陣の暴走でしょう。

でも作品名に踊らされて(僕はイープラスのハーフプライスですが)
見に行く客を見越しての足元を見たのか
お客は入ってましたが、
3000円程度で十分な芝居と思う。

ネタバレBOX

美青年のダンサーが、コンポンテラリィ的に
芝居の導入部や幕間に、踊っているんですよ。
これが、また意味不明。
最初、妖精か何かかな?って思ったんだけど
そんなこともなく、薄い衣類を身につけて踊っているだけ。
キャスト表では「男」となってました。
本当に、訳のわからない芝居でした。
めくるめく沈酔金魚

めくるめく沈酔金魚

青果鹿

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2007/05/02 (水) ~ 2007/05/09 (水)公演終了

満足度★★★★

Wキャストの醍醐味
こんな小さな芝居でありながらWキャストの醍醐味を味わえるとは
嬉しい驚きでした。
先週見た、この作品が何となく頭にひっかかっていて
もう一組の配役と、あと見る席の位置を変えて鑑賞。
いやいや、モーツァルトの中川・井上コンビ以上の
新鮮さがあった。
こんなにカラーの違う作品に仕上がるとは、演出家恐るべし。

小劇場芝居を2回も足を運ぶなんて、めったにないんだけど
それだけ自分にとって本能的に好きな作品なのかな。
話の筋や、導入部など、初めて見たときには
よくわからなかったり退屈なくだりが、今回はくっきりと
輪郭や骨組みがわかり、改めて「よく出来た作品だなぁ」と
思いました。
1時間30分という上演時間も◎。
話を膨らまそうとすれば個性的なキャラクターの登場人物が
多いから、いくらでも膨らませられるんだろうけど
それをバサバサ切って、すっきりさせた演出力、改めて注目。
今後も見ていきたい劇団です。

ネタバレBOX

キャストはみんな魅力的なんだけど、ただ一人
乞食をやっていた人だけが
なんというか、品があるというか育ちがよさそうというか
知性が溢れているというか、
汚れていないんだなぁ。
健やかさのオーラが出てしまっていて、ちょっとそこだけが
アンバランス。

連日の2回公演のせいか、役者の方の疲れが顔に出ている点は
ご愛嬌、お客さん10人そこそこしかいなくても
頑張る姿は好感度◎!
ハウ・トゥー・サクシード

ハウ・トゥー・サクシード

フジテレビジョン

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2007/04/21 (土) ~ 2007/05/13 (日)公演終了

満足度★★★

西川TMレボレボショー!
座長芝居とは、こうあるべき!と言った感じの内容。
話の大筋なんて、刺身のツマで、あくまでも
TMレボレボのファンが楽しめる内容のようになっている。
非常に古い作品なんで
構成や雰囲気も埃が立ち込めているような感じだけど
そんな中TMレボレボが喜怒哀楽たっぷりに
走り回っていた。
ミュージカルファンとしては押さえておかなきゃって気持ちで
見に行ったけど、これはミュージカルというより
ある種のショー。
周りのファンらしき女性陣が、ドカドカ笑っていても
手前味噌ネタなんでしょうか、全然わからない、どころか
何をやっているのかが、わからない。
強引すぎる展開や、ベタなギャグを入れるのも
彼が魅力的に見えればいいんでしょう。
でも、脇を固めている
大塚ちひろや、本間ひろし達の小さな扱われ方は
座長芝居なら仕方ないのでしょうか?
ある程度、実績や実力のあるミュージカル俳優が
そろっているんだから、もう少し配慮があっても
いいと思う。
彼ら彼女らのソロも、まるでレボレボの衣装替の場つなぎにしか
見えないってのは、
これはこれでいいのかなぁ?

でも、非常にわかりやすいシンプルな作品です。
セットも、カラフルだし
ミュージカル初心者には、レミゼやキャッツ見るより
オススメです。

ネタバレBOX

アンサンブルの男の子達が、みな長身で若いです。
これは、わざと背の低いTMレボレボが光るように
揃えているのでしょうか?
こういう舞台でも、彼らは一生懸命笑顔でがんばっている
姿には、本当に好感が持てますね。
めくるめく沈酔金魚

めくるめく沈酔金魚

青果鹿

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2007/05/02 (水) ~ 2007/05/09 (水)公演終了

満足度★★★

なんとも濃厚で、窒息しそうな・・・
新宿ゴールデン街劇場に入ると、そこはすでに異空間、
なんともいえないアングラ感漂う空間になっていた。
満席でも30人程度しか入れない空間で繰り広げられる
異次元のような話は、とても緊張感あふれる1時間30分。
観客もくつろぐ事、気を抜くことを強制的許されない状況は
まさにアングラの醍醐味と言えるでしょう。
劇場も芝居の内容も含めて
「小劇場、アングラ芝居」の典型。
こういうジャンルを楽しむには最適と言えるでしょう。

ネタバレBOX

足を組んでいると、役者にひっかけてしまうんじゃないかと
体を縮めて見てなきゃいけない。
開演前から、役者が席案内とかしているのは
まるでテーマパークのような感じで
いかがかなとは思う。
客席が、おそらく劇団員の友人なんでしょうか、
若い人ばかりというのも、30人位しか入らない劇場の中では
30半ばの自分は何だか肩身が狭い。
作品の内容は悪くないんだけど、
居心地は、とても悪かった。
終演後はいそいそと帰りました。。。
マリー・アントワネット

マリー・アントワネット

東宝

帝国劇場(東京都)

2007/04/06 (金) ~ 2007/05/30 (水)公演終了

満足度★★

支離滅裂 五里霧中
小劇団、小劇場で役者の体温を感じながら見る芝居は、
それはそれで楽しいけれど、やっぱり日常を忘れさせてくれる
豪華絢爛、重厚騒乱な作品を見て、目を潤さないと、と
帝劇へ。
11月の初日、12月の中旬と2回見ており、
なかなかなクセ者とは思っておりましたが
今回鑑賞し、作品は整理されたり見直しをされたりしたようなのですが
それによって更に支離滅裂、五里霧中な様子が鮮明。
セットは豪華ですし、ライティングなんか最高。
やっぱり役者は華があるし、見ていて世俗を忘れさせてくれは
しますが、
半年以上上演されて、作品は昇華するのではなく
どんどん堕落していっておりました。
そんな中、東宝アンサンブルの方々だけは、常に安定して
玄人、職人のように、作品を包んでおりました。
ここが四季との違い。
四季のアンサンブルは下積みの丁稚だらけ、
東宝は職人。

ネタバレBOX

演じている人も、なんだか飽きてきているのでは?と
感じさせられるほど、情熱が感じられない。
涼風真世なんて、完全に演じているんじゃなくって
涼風節でやっていて鼻につくどころか不快感が募って仕方ない。
誠実さが顔に出ている鈴木宗馬は、無理に悪役を演じている感が
強くアンバランスで、今のフェルゼンは涼風とはバランスはいいが
なんとも華や個性がない。最初のパーティのシーンじゃ
フェルゼンがちっともわからなかった。
やりようによっては、本当に良い作品になると思うんだけど。
ヴァーサス~霧のなかにキミがいた~

ヴァーサス~霧のなかにキミがいた~

東京音協

青山円形劇場(東京都)

2007/04/20 (金) ~ 2007/04/27 (金)公演終了

満足度★★★

面倒臭い女の話
青山円形劇場の特徴をフルに活用した演出が冴える、
なかなかな逸品。
360度、全てを上手く利用した魅力あふれる作品になっています。

出演している男の子達は皆んな清潔感があり
「ザ・青春」な熱いやりとりで話が進んでいく。
同じシチュエーションを4つの視点で繰り広げられていくのだが
微妙な演技の変化が印象に残る。
特に、映画「リリィシュシュのすべて」で市原隼人の同級生を
演じていた(と思った)笠原秀幸のナイーブさと
力強さは、なかなか。
狂言回し的な、賀集は、やや位置づけが中途半端。
若いんだか兄貴分なのか、
ちょっと良くわからず、主役(らしい)としての影は薄い。

しかし、純粋で素直な男の子達が、ああいう訳わかない
面倒な女に振り回されている話は、何だか本当にせつない。
社会を毒しているの諸悪の根源は女性と、痛感する逸品です。

話の内容は薄っぺらで、
深夜放送の低予算ドラマを見ているような感じで
全く中身はないんだけど、
キラキラ輝く少年達を見て元気をもらえる作品です。

ネタバレBOX

とにかく自己中心的な女性が
純粋な少年達を惑わしていく姿はイライラします。
あぁいうのぼせあがったような
雰囲気に酔っている女、本当に見ていて不愉快。
きっと扱いやすそうな男に寄生していくんだろうな。

「いたいのいたいのトンデゆけ!」

「いたいのいたいのトンデゆけ!」

劇団Birth

シアター風姿花伝(東京都)

2007/04/13 (金) ~ 2007/04/15 (日)公演終了

満足度

素敵な劇場 シアター風姿花伝
目白通りと山手通りの交差点にある、シアター風姿花伝、
舞台の間口が広いけど、客席と一体感のある構造で
小劇場なのにパルコ劇場で芝居を見ているような雰囲気になれます。
パイプ椅子でもクッションが別で用意してあったりして
安っぽさは、ありません。とても素敵な劇場と思います。
芝居と劇場のバランスって大事ですよね。
芝居の演出の一部は劇場と、僕は常々感じてます。
この劇場で上演するから、見に行こうって思います。
交通の便の悪さはかなりのハンディだけど(僕は自転車で行きましたが)、いろんな芝居をこの劇場で見たいと思いました。

と、劇場の良さの話ばかりになってしまいました。

肝心の芝居の話なんですが、
なんといいますか、飛び技のような設定の登場人物ばかりを
配置し、何だか食傷気味、
挙句の果てに、韓国人を登場させて、「徴兵問題」とか
ちょっと社会派チックな内容を混ぜてみましたって感じでしょうか。
何だか、今時昼メロや女性誌の漫画でも、
こんな安易な設定の話なんて採用されないんじゃないかって
思うほど、安っぽい。

日常の話であっても、全くありえない、加えて、韓国との社会問題を
軽々しく取り上げたりして
趣味の演劇、奥様サークル、自己満足的な感じが
バンバン伝わる安っぽい作品。
まぁ、小劇団が自腹切って上演するんだから
趣味でいいんだろうけど。

劇場の良さだけで、星一つです。

ネタバレBOX

.小劇団だからでしょう、30過ぎの女が平気で20そこそこの
女子大生演じてみたり、娘より母親のほうが若かったり
明らかなオッサンが留学生とか浪人生とか、いわゆる20そこそこの
役を演じていて、非常に息苦しい。
大きな劇場では何ら問題ないんですが
それこそ、舞台と客席が一体となるような空間では
非常にしんどい...
現代能楽集I「AOI/KOMACHI」

現代能楽集I「AOI/KOMACHI」

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2007/04/11 (水) ~ 2007/04/15 (日)公演終了

満足度

何がなんやら・・・
アメリカ公演もされたと聞いて
トークショーも付くお値打ちな回で観劇。
とにかく劇場の大きさに対し、舞台の中身が
小さい芝居なので、間延びして間延びして。
それ以上に、話をわかっていなければ、
何がなんやら、訳がわかりません。
有名な三島戯曲ですから演劇ファンは
知っていて当然という事でしょうか。

「AOI」、麻美れい様は、とても大きなオーラをお持ちなので
れい様が登場すれば、舞台にパっと光が広がる。
いやいやお見事です。
以前、山田洋次の「学校Ⅳ」という映画の初日の舞台挨拶に
れい様がご参列され
「私のような見てくれの女を普通の役で配役してくれて
大変感謝しております」と大変つつましく
おっしゃりながらも、他の映像俳優を全てケチらせてしまった
時を思い出します。
「ゲゲゲの鬼太郎」の次は是非「妖怪人間ベム」を映画化して
もらい、れい様のベラで見てみたいものです。
ベロは氷川きよし、ベムは大地康夫でベストキャスト。
話がそれました。
「AOI」は、とにかく、れい様だけを見る芝居で
全く無表情な長谷川博己(たまにミッチーに見える)や
大芝居な剣持たまきと、アンサンブルはバラバラ。
スタイリッシュでクールと言えば聞こえがいいですが
あまりにも舞台に説明がないので
付いて行けれません。

それ以上に、訳わからないのが「KOMACHI」
そもそも、現代舞踊が僕の守備範囲外なので
とにかく、つらい1時間だった。
これは自分の好みの問題なので、本当はとても素晴らしのかも
しれません。
でも舞台でチョコチョコ踊っていても
1階席の一番後ろの席から見ていたら、
何がなんやら、よくわかりません。
正直、寝てしまいました。

もともと隣のトラムで作られた作品なので
それを倍以上大きい劇場で上演しては、
無理があるのは当然でしょう。
でも、とんな作品も、地方公演は
1000人以上入る市民会館とかで上演されるのですから
贅沢な悩みかです。
東京で芝居を見れて、良かった。


ネタバレBOX

長谷川博己って文学座出身と、プロフィールに書いてありました。
男前だから、モデル上がりか何か人気商売から出てきた人かと
思っていたら、ちゃんと芝居の勉強をしてきた人なんですね。
それにしでは、全く無表情で、セリフも棒読み。
文学座で何していたんでしょう。
その後のトークショーで演出家が
「初演に比べたら、随分ましになった」と言ってましたが
初演は相当酷かったんでしょうか。
トークショーの間も、全くインタビューの受け答えが出来ず
「彼は不思議キャラなんだろうか」と思いました。
単純な質問「アメリカは、いかがでしたか?」でも
「いや、特に」と、やる気がないのか、受け答えせず。
半分しか出番ないんだから疲れてもいないでしょうに。
それに対し剣持たまき。
いやぁ大女優ぶっていらっしゃって、
自然体なれい様を相手に
小難しい事を朗々と話されてらっしゃいました。
東宝の大作ミュージカルで大きい役をやってると
やはり大きくなるのでしょうか。
何だか時代錯誤な気がします。
エリザベート

エリザベート

梅田芸術劇場

梅田芸術劇場メインホール(大阪府)

2007/03/28 (水) ~ 2007/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

スタイリッシュでクール!
東宝ミュージカルでも宝塚でもない、本場「エリザベート」、
ブロードウェィでもロンドンミュージカルでもない
ウィーン版ミュージカル。
華やかさはなく、退廃的で、非常にダークな感じ。
これは、日本版を愛している観客達に
「こんなんもありますよ」って紹介しているような作品。
この作品を、この演出で始めてみたら
何がなんだかわからないかもしれない。
でも、金髪の出演者達は、みな優雅で貫禄があり
ヨーロッパの雰囲気をかもし出している。
演出は非常に研ぎ澄まされた雰囲気があり、
ベタで説明的なセンチメンタル調な台詞回しもなく
舞台装置も洗練されていて、垢抜けた感じはする。
もちろん、話を全部知っているのが前提ですが。
日本国産のエリザベートを何回も見ている僕にとっては
瑞々しさはないものの
わざわざ大阪まで行って見る価値がある作品だった。

ネタバレBOX

ベテランのマヤなんたらって主役の女性、なんでも10年以上
エリザベートを演じているようなんだけど、ベテランな分だけ
正直ババァです、貫禄がありすぎて、ゾフィ(姑)のほうが
似合ってる。風格はあるから、真ん中に立つと
光ってはいるんだけどね。
何もない一路真輝とは雲泥の差。
でもやっぱりね、一つの役に執着しちゃだめだよ。
役は与えられりゃ、ダレでも数を重ねていけば
それなりになるんだから。
映画「フラガール」で、しずちゃんが、それなりにフラダンサーに
見えるようになったじゃない。
役柄にあった世代の人に、どんどん循環させていってこそ
作品が進化するってもの、その役者さん自身もね。


Angels in America

Angels in America

TPT

ベニサン・ピット(東京都)

2007/03/20 (火) ~ 2007/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★

第二部
「RENT」の来日公演を昨年見たとき、
どうにも設定の時期が中途半端というか
懐かしむわけでも新しいわけでもない。
そうパソコン通信はあるけど電子メールは未だないって
ビミョーな頃。振り返るには未だ早いって時期で、
単に古臭い!って感じてしまったんだよな。
それでも「RENT」はミュージカルだから楽しめたんだけど
この作品は・・・。

「RENT」では中毒の象徴として出てきた「AZT」って薬が
未だプレミアだった頃だから更に5年位前でしょうか。
第二部になって、やっとタイトルの「エンジェル」が作品の中に
組み込まれてきます。
「RENT」の影響で最初、このタイトルの「エンジェル」って
ドラッグクイーンの事をさしているのかと思ったけど
本当のエンジェルが出てきて、劇場の中を右往左往と
飛び回ります。

この作品の世界観は好きです。
最後まで楽しめました、十分楽しめました。
僕は日本の次にニューヨークが大好きなんですが
そのニューヨークの街の持つ魅力もフンダンに盛り込まれている。
都合7時間程度、彼らと一つの空間で過ごせた体験は
自分の中でも印象深く残ると思う。

でも、こう恋愛芝居にありがちなんだけど
あまりにも偶然の出会い、近い登場人物同士で関係が生まれる、
こういうのは安っぽいスープオペラになっちゃうんだよね。
「昔の恋人と家の近所のコンビニでバッタリ」なんて
事は、ありえません。どちらかが意識しない限り。
そんな出会いとか縁が2部では頻繁に出てきて
作品を都合のいいほうに、ご都合主義になって行きます。
携帯もメールもない時代なのに、やけに連絡が取りやすかったり。

あと、説明的な台詞が、いやに耳につきました。
特にルイスとジョーのやりとりは、まるで「つかこうへい」。
ギラギラして熱い思いを全身でぶつけあってる姿は
決してニューヨーカーには見えません。
完全に「ロマンス」丑松です。

沢山社会的な問題部分を描いていて、でも、ちゃんと整理をされている
構成は見事です。

見に行ってよかったと思います。
でも年間10本以上芝居を見て感動したって思いがない方には
拷問かもしれません。
説明的な台詞も多いし、あの世界に関心を持てなかったら
わけわからないと思う。


ネタバレBOX

ラスト、大団円なはずなのに
ジョーだけが、よくわからない終わりの描かれ方なんだよね。
どうみても、みんなの人気者になりそうな雰囲気と
人柄の良さそうな表情を持つパク・ソヒ君だけが最後貧乏くじを引いたみたいな感じです。
ひょっとしたら、内面の暗さや性格の曲がったところがある役どころなのかもしれないけど、子犬のような表情で、クウゥーンって感じで
いたら、周りの人がほっとかないよなぁ。

ルイスとは職場が同じなんだから、必然的に会う事も多いだろうし
喧嘩別れしても友人として、あの噴水の輪の中に入っていても
いいんじゃないでしょうか?
Angels in America

Angels in America

TPT

ベニサン・ピット(東京都)

2007/03/20 (火) ~ 2007/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★

第一部
10年位前、まだ銀座セゾン劇場の名前だったルテアトル銀座で
見たときは、正直さっぱりわかりませんでした。
一部も二部も。
麻美れい様のゴージャスな天使姿と、いやに瞳が怖い佐藤オリエが
印象に残った位。あとは何だか舞台の真ん中でゴチャゴチャしていたなぁって印象がありました。主役を第三舞台の人達と、男闘呼組の
高橋和也が、すったもんだの口論していたって感じで、
正直、同じTPT作品だし「~賞」とか取ってなかったら見る事も
なかったと思う。
踊らされているかもしれないけど、やっぱり「~賞」とか取る
作品とか再演を繰る返す作品って何か良い訳で、自分の好みの作品ではなくても何か評価される部分があると思って、演劇ファンとしては
見に行きました。

自分が年をとって、登場人物達と同年代を過ぎたという事もあり
前回よりも、とても親近感を持ってみる事が出来ました。
3時間30分もあるのに、ダレる事なく、ずっと作品に、ノメリ込めれたのは作品の戯曲の持つ力か演出の力か、演技力の力か。
とにかく退屈せずに、飽きることなく、NYの魅力も感じながら
楽しむ事が出来ました。
前回は、芝居の大きさに対して劇場が大きすぎたのかなぁ、
それとも単に散漫なだけだったのかなぁあ・
ほとばしる熱気が手に取るように伝わる空間で
手垢の付いていない新鮮な出演者達が等身大に演じている姿は
とても好感があり、まるで自分も芝居の中にいる気分にいなりました。

ラスト、え?これで終わり?って感じで幕が終わります。
必然的に第二部を見たい、いや見なきゃいけない気分になります。

リピータの方か、誰かが暗転の中で拍手をするから「あぁこれで終わりなんだ」ってわかってしまいました。
少し余韻に浸らせてもらえれば、いいのに、これも鑑賞マナーと思う。

この作品は、生活の中における信仰の役割や、宗教観、他民族国家であるが上の差別、政治、など
アメリカならではの問題点の影響や背景が強く出ています。
島国で単一民族、単一宗教、単一政権な日本で生活している人間は、
ちょっとやそっとの感覚っていうか感触で
「共感」とか「感動」は出来ないと思う。軽々しく「共感した、感動した」なんて言えない重い作品です。

言うなればパリのオペラ座で海老蔵を見たフレンチが
「私は日本人のワビサビに感動した」って言ってるような感じです。
どっかから持ってきた言葉で作られた適当な感想してる
(「感動した」って言ってる自分が好きって人みたいな)
人も多いんだけど、それは僕の視点とは違う。

それでも一つの戯曲として大変完成度の高い作品です。
3時間半、駅のホームにあるような硬い椅子に
じっと座れる人、NYに行ったことがありNYが好きな人、
世の中の出来事に関心のある人には、オススメです。




ネタバレBOX

ジョーを演じていたパク・ソヒって人だけが
とても作り物みたいで違和感があるんですよ。
そう人間社会にアンドロイドが紛れえているような感じ。
愛嬌のある不自然な笑顔、
顔も体もツルツルすべすべでヒゲも体毛も全然ないうえ
完璧なマッチョな身体、まるで
ボディースーツを着ているみたい。しかも
表情も言葉の起伏も一本調子でいるもんだから
まるでフィギア。
2部の蝋人形、あれ、そのまんまですよ。
だから、どうもジョーの感情の動きが伝わって来ない。
ゲイに目覚める過程が、どうも良くわからない。
男でも女でも人を好きになるって、あんな感じじゃないでしょ。
まるでルイスの事をゲイだから好きって感じ。
モルモン教ってのもわからないし、彼がねぇ、もう少し
人間味があれば・・・。

このページのQRコードです。

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