満足度★★★★
第二部
「RENT」の来日公演を昨年見たとき、
どうにも設定の時期が中途半端というか
懐かしむわけでも新しいわけでもない。
そうパソコン通信はあるけど電子メールは未だないって
ビミョーな頃。振り返るには未だ早いって時期で、
単に古臭い!って感じてしまったんだよな。
それでも「RENT」はミュージカルだから楽しめたんだけど
この作品は・・・。
「RENT」では中毒の象徴として出てきた「AZT」って薬が
未だプレミアだった頃だから更に5年位前でしょうか。
第二部になって、やっとタイトルの「エンジェル」が作品の中に
組み込まれてきます。
「RENT」の影響で最初、このタイトルの「エンジェル」って
ドラッグクイーンの事をさしているのかと思ったけど
本当のエンジェルが出てきて、劇場の中を右往左往と
飛び回ります。
この作品の世界観は好きです。
最後まで楽しめました、十分楽しめました。
僕は日本の次にニューヨークが大好きなんですが
そのニューヨークの街の持つ魅力もフンダンに盛り込まれている。
都合7時間程度、彼らと一つの空間で過ごせた体験は
自分の中でも印象深く残ると思う。
でも、こう恋愛芝居にありがちなんだけど
あまりにも偶然の出会い、近い登場人物同士で関係が生まれる、
こういうのは安っぽいスープオペラになっちゃうんだよね。
「昔の恋人と家の近所のコンビニでバッタリ」なんて
事は、ありえません。どちらかが意識しない限り。
そんな出会いとか縁が2部では頻繁に出てきて
作品を都合のいいほうに、ご都合主義になって行きます。
携帯もメールもない時代なのに、やけに連絡が取りやすかったり。
あと、説明的な台詞が、いやに耳につきました。
特にルイスとジョーのやりとりは、まるで「つかこうへい」。
ギラギラして熱い思いを全身でぶつけあってる姿は
決してニューヨーカーには見えません。
完全に「ロマンス」丑松です。
沢山社会的な問題部分を描いていて、でも、ちゃんと整理をされている
構成は見事です。
見に行ってよかったと思います。
でも年間10本以上芝居を見て感動したって思いがない方には
拷問かもしれません。
説明的な台詞も多いし、あの世界に関心を持てなかったら
わけわからないと思う。