tamaki86の観てきた!クチコミ一覧

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ゴミくずちゃん可愛い

ゴミくずちゃん可愛い

ぬいぐるみハンター

王子小劇場(東京都)

2012/08/22 (水) ~ 2012/08/27 (月)公演終了

満足度★★

それなりに楽しくはあったんですが
ここから面白くなるのか!ってとこで終わっちゃったような・・・。

幕開けの、「宇宙」について、「地球」について、「ゴミ」について、それぞれの切り出しが鮮やかで期待したのですが、そのあとの描き方が煮え切らなかったかなあ。
もっと踏み込んで、もっと切り込んで、そこからぐわっと流れ込んでくるであろう激流を観て見たかったなあ、っていうのが正直なところ。

ぬいぐるみハンターの芝居を観るのは初めてなのですが、役者の良くも悪くも「小劇場」っぽい芝居と、中途半端に行儀のいいストーリーとが、あまりうまく噛み合ってなかった印象が。
脚本や演出が、もっと弾けた無鉄砲なものか、もしくはもっと空間的・図像的に精緻な作りこみがなされたものであれば、あの役者陣が生きたのではないかなあと。
逆に、この脚本演出は、もっと表現にすぐれた役者陣であればちゃんと生かせたのでは?とも。

あと、セリフに於いてのサブカル用語の盛り込みかた、どうにも居心地悪かったかなあ・・・。

135分を長いと思わせない作りは、さりげなくすごい。

ネタバレBOX

戦場カメラマン関係の辺りは、初日前日にああいうことが起きてしまったのは、なんかちょっと劇団として運がなかったなあ、と^^;
止まらない子供たちが轢かれてゆく

止まらない子供たちが轢かれてゆく

Cui?

新宿眼科画廊(東京都)

2012/09/11 (火) ~ 2012/09/16 (日)公演終了

満足度★★★

良くも悪くも「若い」
見ごたえは十分。
ただパワフルというか雑というか、良くも悪くも「若い」作品だったなあと。

とにかく印象的だったのは、筆圧の高さを感じさせる脚本の勢い。
パワーのこもったセリフの、頭が追い付かないほどの連打・乱打には、どこか惹きこまれるものを感じました。

ただ、イマイチだったのは役者陣。
作品の要求に身体が追い付いていないのに、または、身体的にセリフが腑に落ちてないのに、うわべだけ「上手く見せよう」としているように見える役者が少なくなかったのはどうにも。
若いのだし、もっと捨て身でぶつかってほしかったというか、作品世界を成立させるような説得力がほしかったところ。
演出面で、役者にもっと負荷をかけてもよかったのではないかと。

照明・音響のクオリティは高かったと思います。

今回のコラボ、どちらの劇団も初めましてでしたが、脚本の綾門さんの劇団「Cui?」に関しては、他の作品も観てみたいなあと思いました。

無差別

無差別

柿喰う客

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2012/09/14 (金) ~ 2012/09/24 (月)公演終了

満足度★★★

「劇団力」を感じる
さすがオール劇団員による公演!って感じの、「密」なステージ。
始まりから終わりまで、空気の「濃さ」はさすがとしか言いようがない。

「これぞ、柿」っていう感じの、柔軟性とダイナミクスに満ちた身体表現の一挙一動に見ごたえがあって楽しい。
照明や美術も印象的。

ただ脚本はいろいろな意味で新鮮さがなかったような。
「作:中屋敷法仁」とあるにもかかわらず、作劇や「神話」や「戦後」についての語り・視座が、女体化シリーズのような「語り直し」の域を出てなかった気がする。

また5月に結成当時からのメンバーが抜けてしまったことによって、良くも悪くも劇団員の「均質性」が(特に「声」の面で)高くなってしまっていた印象があり、そのことが今回の作品では「軽いシーンが全体から浮いてしまう」という悪い方向に作用してしまったような感が。
今までの柿喰う客とは違う、メンバーチェンジを経た現・柿喰う客のための新しい表現方法を模索してもよいのではないかなあと、思ってしまいました。

役者として観るのは初めてだった中屋敷さん。アンサンブルとしての身体は面白かったんですが、台詞となると・・・^^;
他の方に比べて、声が「後ろ」に行ってしまっているような印象も受けました。

まあ、いろいろ書いてきましたが間違いなく満足度は高い作品だと思います。
千秋楽まで、怪我のないように祈ります。

ネタバレBOX

脚本でちょっと違和感あった個所が。
大楠古多万に生えた「キノコ」を、そのまま「キノコ雲」へスライドさせる展開、演劇としては面白かったんですが、その接続は「ポリティカリーに考えてどうなのか/歴史的に考えてどうなのか」ということについて納得できなさが残ってしまった感じです。

にしても、観終わってこれほどまでにジャングルジムで遊びたい気分になる作品も、そうそうないような・・・w
シェイク!!

シェイク!!

ゲキバカ

王子小劇場(東京都)

2012/09/20 (木) ~ 2012/09/30 (日)公演終了

満足度★★★

初・ゲキバカ
荒唐無稽というか、良くも悪くもテキトーな脚本は、好き嫌い分かれるかな・・・。
「出来る」役者たちの“から騒ぎ”がほどよく楽しめる作品でした。

好みとしては「土俵の上のシェイクスピア」だけで一本の作品でもよかったかなあ、と。

「俺とあがさと彬と酒と」第1回公演『ふたりマクベス、マボロシ兄妹、ほか短編』

「俺とあがさと彬と酒と」第1回公演『ふたりマクベス、マボロシ兄妹、ほか短編』

DULL-COLORED POP

アトリエ春風舎(東京都)

2012/12/27 (木) ~ 2012/12/31 (月)公演終了

満足度★★★★★

「演劇って、やっぱり面白い!」と改めて思わせてくれる50分×2
公演タイトルのある種「ふざけてるの?」感からは想像できないほど、真摯で鋭くて刺激的な50分×2。
どちらの作品も、それぞれの形で人間の抱える「謎」に全力でぶつかってったような印象で、かっこよかった。

まだいろいろと消化しきれてないけど、今年の観劇締めをこれにしたのは正解だったと思う&脚本を買ってこなかったのは失敗だったか。

岡田あがささんがここまで魅力的な女優だったとは知りませんでした。すいません。

マクベスは、ってかシェイクスピア作品は、またちゃんと読まなくちゃ、ってか読みたいなだなあ

ネタバレBOX

「俺」と「あがさ」と「彬」の成分が濃すぎて、あまり「酒」要素は感じられなかったような・・・
ポリグラフ

ポリグラフ

東京芸術劇場

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/28 (金)公演終了

満足度★★★★★

マトリョーシカのように
何かを「演じる」という役者としての身体と、幾重にも映し出される映像を通して、(作中で語られるように)多次元的に「真実」を隠し込んだマトリョーシカのように展開する物語に魅せられた90分。
あれはなんだったのか。これはどこにつながるのか。頭の中でいつまでも噛み続けていたくなる、そんな面白さに満ちた舞台でした。

役者、映像、照明、音楽、その一つ一つが、切れ味鋭く、かつ肉感的でざらざらしたノイズに富んで、そして何と言ってもスタイリッシュ。
一面ブルーの壁をバックに、全裸の役者によって無言で演じられるシーンは、エロティックさより美しさが際立っていて特に印象的。

エンドクレジット(これもホントかっこよかった)が終わっての最後に役者三人が「素」に戻って見せちゃう辺りも、作品の構造的な面白さをさらに深めいていて、実に心憎いというかなんというか。

祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

祈りと怪物~ウィルヴィルの三姉妹~【KERAバージョン】

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/12/09 (日) ~ 2012/12/30 (日)公演終了

満足度★★★★

蜷川バージョンも楽しみ。
評判通り、4時間10分の長さを全く感じさせない推進力と、それでいて悪夢のような世界を確かにじっくり魅せてくれる説得力の両方を持った舞台だなあ、と。

にしても、合唱隊の使いかた、神と人間位置づけetc、「古典」としての強度すら感じさせる脚本だったなあ・・・。
そこら辺を強く見せつけてくるであろう来月の蜷川バージョンも観に行きたくなってしまった。

毎度のことながら映像、音楽ともハイクオリティ。今回は若干場面転換にスムーズさが足りなかった気もしないでもないけど。

当日券狙う人には、パスカルズのピットが見える下手側の席がお薦め。

RUR

RUR

演劇集団 砂地

上野ストアハウス(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/18 (火)公演終了

満足度★★★★★

初・砂地
こんなに面白いならもっとちゃんと早くから観ておきたかったな・・・。
『RUR』の1920年の作品とは思えないほどの現代性と普遍性、そして役者勢の火花散る熱演から生まれる、ヒリヒリとした濃密な空気に圧倒される120分でした。

ネタバレBOX

どうでもいい話、あとから上野ストアハウスの構造考えると、最初に奥のドアから半袖姿で登場した藤井さんって、季節的にかなり無駄な(失礼)我慢を強いられていたような気がしないでもない・・・^^;
図書館の自由に関する戦線 ~北の大地・クマ死闘編~

図書館の自由に関する戦線 ~北の大地・クマ死闘編~

ENBUゼミナール

シアター風姿花伝(東京都)

2012/12/11 (火) ~ 2012/12/12 (水)公演終了

満足度★★★★

この脚本、高校演劇界隈あたりでスタンダードになってほしいな
あらすじ読んだときはなんじゃそりゃだったけど、実際に観てみると谷さんらしい綿密さと大胆さでかなりガチに攻めていて見ごたえ十分な作品。
単なる「社会派」なだけに終わらない、一人一人の登場人物に息づく確かな「生きざま」が印象的。「共生」ということについての、普遍的でそして力強い問いかけも感じました。

出演してた生徒さんたちがちゃんと生き生きとしていて、未熟なところも含め好感が持てました。今後の活躍に是非とも期待。

不変の価値

不変の価値

集団:歩行訓練

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/11/21 (水) ~ 2012/11/24 (土)公演終了

満足度★★★★

面白かったけど
中盤以降の情報量の多さに、ぜんぜん頭が追い付かなかった・・・^^;

前半油断させておいて後半あそこまでグッと引っ張ってく鮮やかさはお見事。

キメラガール アンセム/120日間将棋

キメラガール アンセム/120日間将棋

The end of company ジエン社

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/11/07 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

すいません
風邪っぽい体調のせいかしょっぱなから乗り損ねて、90分間集中力も持たず、完全に置いてかれちゃいました。
役者へのキャラクターの乗せ方とか空間のスライスとか、普段だったら結構楽しめただろうに、もったいないことをしたなあ・・・。

作品の世界に入っていけなかった分、扱っている震災云々についてのモノの見方に、作者と客席の自分との決定的なズレを感じちゃったってのはあるなあ・・・。
前作『アドバタイズドタイラント』ではあんまし気にならなかったのに。

完全版・人間失格

完全版・人間失格

DULL-COLORED POP

青山円形劇場(東京都)

2012/11/01 (木) ~ 2012/11/07 (水)公演終了

満足度★★★★

帰り道でじわじわくる
3日に女バージョン、7日に男バージョンを観劇。

「人間」を対象にした科学実験のような演劇。座組みで期待しすぎていた分、若干の食べたりなさは残るものの、客席にいて確かに植えつけられる「人間」への疑念が、観終わって渋谷の街に出てからジワジワ効いてくる感覚が面白い。

後半の小道具を使った見立てを、演劇的なレトリックとしてだけでなく、生活の中での「人間」が異様な「動物」に見えてくるように使っているような演出も面白かった。

女バージョンと男バージョンは、葉蔵とヨウゾウとの重さ/軽さのバランスが正反対に思えたのが印象的。幕切れの違いだったりを考えると、女バージョンのほうが葉蔵の痛々しい生きざまが強く感じられた分、好き度が強いかも。

にしても、劇団員はじめとするさすがの役者陣、照明、ターンテーブルを使用した音楽、スタッフワークetc同じ年代の劇団の中じゃ確実に頭一つ二つ抜けてるよなあ。

『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!

『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!

劇団チョコレートケーキ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/10/31 (水) ~ 2012/11/11 (日)公演終了

満足度★★★★

『あの記憶の記録』観劇
初めてとなる劇団チョコレートケーキ。
脚本、演出、照明、音響etc噂に違わないハイクオリティさ、見ごたえ十分、十二分で、観終わってドッと疲れました。

アウシュビッツ強制収容所を生き延びた男によって、正視するにはむごたらしすぎる事実が語られていく、観客がまずその重さに打ちのめされながらも、そのショッキングさに留まらず、その先の、人間がもつ憎しみの感情の得体の知れなさにひきずりこまれていく作りはお見事。
ただ「戦争」「憎しみ」といった大きな言葉の分量が心なしか多かったのではないかとは思いました。そうした言葉によってあらかじめ構えて作品を観てしまえる分、作品が観客に突き付けてくるものから客席の自分を割と容易に守れてしまう、そんなように感じました。
個人的に観劇するときには作品にフルボッコにされたいと思ってしまうたちなので、もっと「優しくない」、逃げ場を残さないような罠に満ちた作劇だったほうが好きだったかもなあと。

役者陣は熱演の岡本さんはじめ、目や声の濃さ、芝居の丁寧さが印象的。
演出は動線まわりに違和感が。場面転換の際に、最初に出てくる登場人物と同じ出入口から次に出てくる(直前に出てきた登場人物を追いかけていたわけではない)登場人物が出てくるようなところ、登場する出入り口を変えるなど、もう少し上手く出来たのではないかとは思いました。

最後に劇場ですが、やっぱりこういう静寂が求められる作品でルデコ、というのは違うのではないかと思いました。床の様子や客席とステージとの近さなどは今回の作品とも合っていたと思うのですが、あまりに外の音が入りすぎてところどころ集中をそがれてしまいました。

日々の暮し方

日々の暮し方

アトリエ・ダンカン

あうるすぽっと(東京都)

2012/10/18 (木) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★

10月22日観劇
小野寺さんの方法論と別役実の言葉の切り口が合わさると、身体論とか現象学とか辺りの現代哲学めいたものがこんなにも生き生きと広がっていくんだなあ、と。

まさに人間の「日々の暮し方」ってものが、さまざまな断片の集まった「迷路」のように思えてくる、そんな面白さが印象的。

あうるすぽっとの空間はデラシネラ作品には合ってない感じが。
音響はよかったけど、客席の傾斜がある程度ないと、あのミザンスの美しさが生きないんじゃないかと。

傘月(サンゲツ)

傘月(サンゲツ)

乞局

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/10/10 (水) ~ 2012/10/17 (水)公演終了

満足度★★★★

面白かったものの、不完全燃焼の感
ドキッとさせられる、胸をえぐられるようなキレのいいシーン/台詞が数々あり「いいものを観た」という感じではあるものの、観終わって不完全燃焼の感が結構あり。
個々の要素はよかったのに、それぞれがぶつかり合うような化学反応というかスパークがあまり感じられず、もったいないなあという印象が。
前半のヒリヒリするような居心地の悪さが、後半にじんでぼやけてしまっていたようにも感じられ。

それでも震災に於いてのにんげんの在り様を、既存の枠内に押し込めようとせず正直に描いた脚本には好感。
震災という「事件」を神の視点でまとめるのではなく、それぞれどうしようもなく距離や断絶のある「当事者たち」のものとして綴られた物語からは、人間のどうしようもない無様さや滑稽さ、そしてその向こうにいとおしさすら感じてしまった。
 
役者陣の芝居、美術、照明、音効など、クオリティの高さが光る。

幕末スープレックス(東京公演)

幕末スープレックス(東京公演)

劇団子供鉅人

ザムザ阿佐谷(東京都)

2012/10/04 (木) ~ 2012/10/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

「気持ちいい」作品
子供鉅人を観るのは去年の『バーニングスキン』と二度目。こんな気持ちのいいエンターテイメント作品もやっちゃえる集団だったとは、驚き。
幕末に生きる三姉妹の運命を、圧倒的な熱量で遊び心満載に綴る、140分があっという間な賑やか音楽劇。

時代劇としての面白さに加えて、この劇団にとっての「演劇とはなんなのか」的な意志が垣間見えて印象的。

役者やミュージシャンについて。確かな力量の高さが、作品をこじんまりとさせる方向には向かわずに、ちゃんとパワーや猥雑さにつながってるのが素晴らしい。
人によって若さや粗さはあるものの、そうした「雑味」が却って空間の異様なドライブ感を生じさせていて気持ちよかった。
ゲストの黒田育世さんのしなやかさ/自由さも、見ていて楽しい。

終盤、機材から明らかにトラブルで煙が上がってたけどあれは大丈夫なんだろうか・・・。
ちょっと見ていてハラハラしてしまったのは否定できない・・・^^;

子供鉅人、また東京に来るときは、是非ともまた劇場に足を運びたい

ライフスタイル体操第一

ライフスタイル体操第一

はえぎわ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2012/09/28 (金) ~ 2012/10/08 (月)公演終了

満足度★★★★

9月29日19時の回
あまりにも「普通」な結論が不思議と鮮やかに響いてくる、そんな素敵さがあった。
どの登場人物にも作家の愛情が注がれているなあっていうのが感じられて好印象。
シニア勢の存在感も面白い。

ただもうすこし、がっつり切り込んだり密に作りこんだりする余地があったような気がして、ちょっといろいろもったいなかったかなあと思わなくも。

滝さんにつけたマイクからの声が印象的だったな。

フリル

フリル

アマヤドリ

王子小劇場(東京都)

2012/09/08 (土) ~ 2012/09/17 (月)公演終了

満足度★★★★

「第0回公演」に納得
もっとずっと目の前のこの世界を観察していたい、そう思える100分。

観終わって、まだいろいろ消化しきれてないけども、ひょっとこ爆破→幸せはいつも以下略→今回の第0回公演と来て、この劇団のこの先がなんとも楽しみになる、そんな不思議なおもしろさがある作品だったなあ、と。
乱舞はなくとも、ストーリーはなくとも、ちゃんと脚本と役者と演出でグッと惹きこんでくれるのはさすが。
(ただ広田さんが「飽きた」と言っていた、「ひょっとこ乱舞」の洗練された「物語」や「ケレン」が、もう見られないっていうのはちょっとさびしいかもしれない・・・^^;)

アフタートークでも話題になっていたように、照明と美術の素敵さは印象的。

スケジュールが合えば、リピートしたいところ。

エッグ

エッグ

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了

満足度★★★★

リピート予定
いかにも初日!な未完成感/とっちらかり感はありつつも割と満足感が高かったのは、それぞれのパーツの豊かさゆえか。
日を重ねタイトに収斂していくにつれて「刺さる」作品になるんだろうなあ、と。

椎名林檎書き下ろしってことで押してた音楽。曲自体は悪くなかったけど、歌のシーンで空気が停滞してるのがちょっと気になった。
そのせいか野田作品特有の賑やかさ的なのは今回薄かったかなと。

中盤以降にまたリピートしたい。踏み込んだ感想は、その時にでも。

【初ツアー公演終幕致しました!】都道府県パズル

【初ツアー公演終幕致しました!】都道府県パズル

北京蝶々

王子小劇場(東京都)

2012/08/30 (木) ~ 2012/09/05 (水)公演終了

満足度★★★★

初・北京蝶々
噂に違わず、上質なエンタメ作品だったなあ、と。

設定的に「県民キャラVS県民キャラ」的な、ケンミンショー的な感じだったら嫌だなあという事前の不安は全くの杞憂。一人ひとりの登場人物が生き生きとしてて面白かった。

また最近の演劇界で「(言葉は悪いですが)トレンド」なネタを扱った作品でありながら、その向こうへの目線がちゃんとある、というところにも(自分としては当たり前であってほしいことですが)好感を。社会を語ることが最終目的じゃない芝居はやっぱり楽しい。

役者陣の身体性の違いから、それぞれの生きる土地がにじみ出てくる、そんなキャスティング&演出が見事。
堅牢な質感でありながら空間に歪みや裂け目を感じさせる美術、照明も印象的。

個人的な好みで言えば、腹八分目すぎてものたりなかったり、もうちょっと締めかたはシニカルでもよかったんじゃとも思わなくもなかったりけど、これはこれで。

ネタバレBOX

「フェスティバルで何が変わるのか」というセリフとその後の展開は、作り手の「演劇で社会的なメッセージを発して何になるのか」という自問自答と「それでも演劇を信じてみる」という想いのようなものを感じて、印象に残る。

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