トリプル・ビル
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2015/03/14 (土) ~ 2015/03/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
『ドゥエンデ』『トロイ・ゲーム』一見の価値あり!
とにかく『ドゥエンデ』が息をするのももったいないくらいに美しく、そのあとの『トロイ・ゲーム』のアホマッチョなパワフルさに癒された。
ドゥエンデ→トロイと、ベクトルは違えど独特な空気の中でダンサーの魅力が爆ぜるいい流れだったんで、一本目の演目も『テーマとヴァリエーション』ではなく(バランシン作品の中でも『アポロ』や『シンフォニーインスリームーブメンツ』のような)もう少しコンテコンテしたものでもよかったような気もする。
福岡さん本島さん福田さんetcクラシック全幕でも魅力的なダンサーのいつもと違う面が見られたり、輪島さん小口さんetc普段はバリバリ踊らないようなダンサーのキレッキレの舞いが見れたのもうれしい。
『トロイ』のエンディング、池田武志さんの「10時10分!」なジャンプ、すごい。
空席がちょいちょい目立ってたのは勿体なかったかな。
コンテンポラリー作品は敷居が高く思われがちだけど、『ドゥエンデ』も『トロイ』も肩張らずに観られる作品なんで、もっといろんな人に見てほしいところ。演劇ファンの人が見ても十分に楽しめちゃうと思うし。
モナコ公国 モンテカルロ・バレエ団「LAC~白鳥の湖~」
公益財団法人日本舞台芸術振興会
東京文化会館 大ホール(東京都)
2015/02/27 (金) ~ 2015/03/01 (日)公演終了
満足度★★
うーん・・・
物語的にも、音楽的にも、「白鳥の湖」である必然性が感じられず。
(エックやノイマイヤー、マシューボーンが白鳥やってるから自分も!くらいのノリ?)
演出的にも「バレエにしては比較的“新しい”ことにチャレンジしてる、のかなあ・・・」程度で。
振付は面白かった部分も多し。
ただまあ、なんつーか、あれなのよね、チャイコフスキーの音楽が持ってるドラマ性と、振付の様式が持ってるドラマ性が、それぞれ全然噛みあってない印象があったっていうかなんていうか。
とりあえず、会場である東京文化会館の空間とは全然合ってない作品だったのは確実。
やっぱりっていうかなんというか、東京文化会館のあの空間でコンテ作品、しかも録音テープ音楽のコンテ作品って時点でちょっといろいろと「死んじゃう」モノってあると思うのよね、いろいろと。(いい加減、NBSは海外のコンテを東京文化会館のハコでやるのはやめてほしい)
各ダンサーのレベルは相当に高いものの、ステージと客席の遠さもあってか「芝居」がなかなか届いてこないのも、結構やきもき。
いろんなことが等価で置かれすぎてて、どこを見てればいいのか判らないところも、チャイコフスキーの音楽でそれってのはあまりあっているとは思えず。
録音テープ公演であることも手伝ってか、「あたかもダンサーが音楽をその場で生み出してる」ような感覚が希薄すぎて。
あと振付のためにチャイコフスキーの音楽を随分と大胆に切り貼りしてるんだけど、「そこ入れ替える必要性あった?」ってな部分も多い。
録音された音楽自体も、演奏が軽すぎるような。
音楽的な「タメ」があまりにも少なかったのは何だったんだろう?ダンサーがタイミングをミスらないため、とかだったり?でもダンサーがちゃんと音楽を掴んでるようにも見えなかったり。
ラ・バヤデール
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2015/02/17 (火) ~ 2015/02/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
小野絢子vs米沢唯!
小野絢子と米沢唯、新国立劇場が誇る二大プリンシパルによる、昼ドラよろしく女と女の火花散る圧巻のステージ。面白かった!
社会制度による抑圧・束縛を見事に体現する一~二幕の小野ニキヤ。対するすべてを当然のように自らの手に収めているかのような生れついたクイーン気質を体現する米沢ガムザ。
台詞もないなか確かに伝わってくるそれぞれ二人の女傑っぷり、見ごたえ十分だったです。
奪い合われる優柔不断なイケメンことソロルを演じたワディム・ムンタギロフの超絶技巧な馬鹿男っぷり、マイレン・トレウバエフ演じる煩悩まみれの金ピカ坊主も最高でした。
にしても牧阿佐美演出の白鳥の湖が合わず、今までスルーしてきた新国立の牧版バヤデール、こんなに面白かったなんて。
芝居の進行自体はあっさり感が強いんだけども、「デキる」ダンサーたちがそれぞれキャラクターに息を吹き込む余地があって、他のダンサーによる上演も観てみたくなる気分に。
「顔がカッコいいだけの優柔不断オトコ」ことソロルが単純に救われはしないラスト、粋で素敵。
東京交響楽団のオケも、音楽それ自体のなんとも言えない艶さが気持ちよかった!
夏目漱石とねこ
DULL-COLORED POP
座・高円寺1(東京都)
2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了
満足度★★★★
初日と金曜マチネで観劇
観終わってしばらくいろいろ考えがまとまんなかったんだけど、ちょうど、こうピンと張りつめた寒さのなか、雨上がりの夜空にぼんやりと浮かぶ月を眺めてる、ような芝居だったなあ、と。
夜の真っ黒な水面を思わせる美術、シックながら鮮やかなコントラストの照明がなんとも印象的。
そこに「すっ」と立って見せる役者陣も、これまた美しく、一つ一つの所作に登場人物の日常生活が見えてくるようで。
一番印象的だったのは、漱石の妻・鏡子。
「俗」の人間として、漱石の「孤独」とずっと平行線を描く、そのさみしさとつよさ。
演じる木下裕子さんも、冒頭シルエットから素敵だった。
こうもり
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2015/01/29 (木) ~ 2015/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★
初・オペレッタ鑑賞
アドリブギャグとか字幕どうすんのかなあって思ってたら海外ゲスト歌手が片言日本語でちょこちょこ笑わしに来ててびっくり。
アカデミック39チケットでまさかの1階3列目という位置もあってか、細かいお芝居も楽しめ満足(音響的な部分や字幕の見易さにはやや難はあったんだけども^^;)。
どの役者も佇まいになかなかのおかしみがあって面白かったんだけども、なかでもアドリアン・エレート、こないだのドンジョバンニとはまた違った色気が素敵。
二カ所あるバレエだけど、「雷鳴と電光」で踊るところはあんまし曲が生きてる振付に思えなかったのは残念。
あの曲だとどうしても(バレエ団のレパートリーでもあるところの)プティ版こうもりのヨハンのソロと比べちゃうわねー、と。
クラシックなトランプの絵柄のような舞台美術、なかなかにかわいらしくて結構好み。
エッグ
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2015/02/03 (火) ~ 2015/02/22 (日)公演終了
満足度★★★★
それほど期待せず観に行ったものの
2015年2月というタイムリーさからか、いや、より強度を増した役者勢の熱演からか、表現されているものをやや掴み損ねた感のある初演時とは比べ物にならないくらい作品に惹かれ、歴史のなかで容易にすりつぶされてしまうところの「普通の人々」に思いを馳せる、そんな135分。
再演ってことであまり期待してなかったものの、これは観てよかった、っていう芝居だったことは確か。
ただ、役者のつくりだした盛り上がりを音楽が足引っ張ってるんじゃ?っていうのは初演時も思ったけど、今回の再演、役者陣のアンサンブルが魅力的なモノになってる分、余計に椎名林檎の音楽の不要さが際立ってしまっていたような印象。
特にラストでの深津演じる苺イチエの歌の流し方には疑問。
最近の野田地図、エッグ→MIWAと終盤の大事なシーンに録音テープで歌を流すのが続いてるけど、正直野田秀樹の芝居とかなり食い合わせが悪いように感じる、ってか言っちゃなんだけど観てて萎える。
なんだろう、「あらかじめ録音されてる言葉」が「予定通り」流れてる感じが気に入らないのかも。
DANCE to the Future ~Third Steps~ NBJ Choreographic Group
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2015/01/16 (金) ~ 2015/01/18 (日)公演終了
満足度★★★★
どの作品もそれぞれ見ごたえあり
高橋一輝さん振付の「The Lost Two in Desert」が自分は結構ヒットしたかな。いろんなダンサーで観たいパドドゥだったかも。
宝満直也さん「はなわらう」も、ダンサー同士の「触れる/触れない」「手を取る/手を放す」の瞬間がひとつひとつ素敵。ほろほろ来るような瞬間も。
完成度では貝川鐵夫さんの「Chacona」かなと。一番長尺?の作品だったと思うけど、ずっと惹きつけられっぱなしだった。堀口さんの美しさも素敵。
マイレントレウバエフさん振付の湯川麻美子さんソロは、もうこれあと30分くらい観ていたくなるような感じ。一個一個の動きの説得力が、いい。
小口邦明さんの「Dancer Concerto」はステージが狭く感じちゃったかな。もっと広いステージで観てこその作品って感じがしました。
来年は中劇場の公演ってことで、楽しみにしてます。
テンペスト
劇団山の手事情社
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/01/14 (水) ~ 2015/01/18 (日)公演終了
初めて観る劇団
第一印象は「何このすごい足腰!?あと声!?」。
どういう訓練をやったらあそこまで重心の低い粘った動きが実現できるんだろう?
照明や音響もあいまって夢をみてるようなストレンジさ、クセになりそうな100分間。
声の気持ちよさに前半うとうとしてしまったとこが何カ所か。次この劇団観るときは体調管理に気を付けたい。
・・・にしてもうろ覚えだけどテンペストってこんな話だったっけ?。
キレイ
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2014/12/05 (金) ~ 2014/12/30 (火)公演終了
満足度★★★★
再演のときに比べだいぶパワーアップしてたような
スルーのつもりだったけど、オケに今堀恒雄さんが参加してるとのことで観劇。
二階立見席しか残ってなくて、かなり観づらく、台詞も聞きとれない箇所が多かったものの、密度の濃い役者陣のアンサンブル、よりグルーヴ感を増したバンド隊。前回の再演に比べて、劇場空間の「圧」みたいなものがより強く感じられたような、満足感の高い3時間40分。
小劇場的なスラップスティックと普遍的な「物語」とのバランスも、とても気持ちのいい塩梅に感じられ。
今回の演出のトーンで、また再演を重ねていってほしいなあと。
前回まで秋山菜津子さんだった役を今回演じていた田畑智子さん。どうなることかと思ったけど、そりゃ技術的には及んでない部分や役どころとして上品さに欠けるような部分はあるものの、ザラっとしてるんだけど不思議と透明感のある佇まい、キャラクターの「純」な部分が際立っていて予想外によかった。
シンデレラ
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2014/12/14 (日) ~ 2014/12/23 (火)公演終了
満足度★★★
18日(米沢・菅野)と19日(長田・奥村)に鑑賞
結構久しぶり(10年ぶりくらい?)に見るアシュトン版シンデレラ。
良くも悪くも「あれ?こんな作品だったけ・・・」っていう感じが。
あれだなあ、プロコフィエフの音楽に対してこんなに「素直じゃない」(否、「合ってない」なんだけど)振り付けだったっけ・・・?っていう印象。
ダンサーが綺麗に振りを当ててるのに、イマイチこう、気持ちが良くなれないなあ、と。
四季の精とか、なんでこうもわざわざ踊りづらい振付にしちゃったんだろう感。星の精とかのアンサンブルはかなり計算されていて見蕩れちゃうんだけども。
あとやっぱり好きな曲とかがカットされちゃってたり、曲中の余計な切り貼りも目立つなあ、と。(これは初めて観たときから思ってたけど)
ただいい意味でも「こんなんだったっけ?」っていうのはあって、「意地悪な姉たち役、こんなに魅力的な役だったけ?」っていうkとなんだけど、前に観たときはただただお笑いなだけの役に感じたんだけど、今回の上演ではどこか「ちゃんと魅力的な女の子」な部分も感じられて面白かった。
これは18日19日ともに演じていた古川和則さん高橋一輝さん両名の役作り故でもあるんだろうけど、演劇的に作品を作り上げることを大切にしてたビントレー体制時代の名残なのかなあ、とか。
18日、主演・米沢唯さん、三幕の演じ方がめっちょ好み。
舞踏会の余韻に浸りながらキラキラオーラ満点なんだけども、それでもちょっとだけどこか「あーあ、楽しい一晩の夢だったなあ^^;」みたいに醒めてる、そのバランス感覚。舞踏会から意地悪な姉たちが帰ってきて、これからまたいつものつまらない日常だっていう「さっ、気持ち切り替えなきゃ^^;」っていう、諦めてるんだけどでもちゃんと前向きっていう振る舞いもグッとくる。
19日は、八幡さんが大健闘。あそこまでキレッキレで踊られるとやっぱり気持ちがいい。THE・王子な奥村さんもいい。
ただ鑑賞教室で入ってた学校団体の鑑賞態度がとても悪かったのは大いに不満。パドドゥの最中に着信音が大きな音で鳴ってたりして、演者の集中力も心なし途切れてたような。
仙女役、湯川さんか本島さんで観たかったんだけど、18日の堀口さんも19日の細田さんも初役とは思えないくらいハマってて見蕩れちゃう。
特に堀口さんのパドブレの美しさ、ステキ。
夜光
わっしょいハウス
SNAC(東京都)
2014/12/06 (土) ~ 2014/12/09 (火)公演終了
すみません
コンディション調性に失敗しちゃって、途中から睡魔が・・・
最前列だったんで寝落ちしないように必死でこらえたけど、美味しい台詞を結構スルーしちゃってたような気が・・・
次回からは気を付けたいです(´・ω・`)
変身
SPAC・静岡県舞台芸術センター
静岡芸術劇場(静岡県)
2014/12/06 (土) ~ 2014/12/21 (日)公演終了
満足度★★★★
往復バスに乗って静岡まで日帰り観劇
当たり前のように魅力的な役者、当たり前のようにかっこいいステージ。
実際ステージ上で行われていたことはとても「凝った」もののはずだったのに、こう、いたって普通な、スタンダードな、「カフカとはこう演じられるものである」くらいのことを感じちゃうような、そんな『変身』だったとすら。
デラシネラの観客として変な「慣れ」みたいなのができちゃってるのか、面白くはあったのに「変身としては普通だったかなー」くらいのことどっかで思っちゃてる自分が(´・ω・`)
観れば観るほど発見があるような作品なんだろうけど、東京近辺じゃないとリピートかけられないのがちょっと・・・^^;
『海の夫人』/『水』
アマヤドリ
シアター風姿花伝(東京都)
2014/12/04 (木) ~ 2014/12/07 (日)公演終了
満足度★★
12月5日『海の夫人』
『水』の感動の勢いを受けて、そのまま続けて観たのですが・・・
これがまあ、どう反応していいか困ってしまうような演出で・・・^^;
アマヤドリの魅力であるところのセリフのやり取りの緻密さは全くなく、かわりにつねに張った声とコッテコテの節回しによる奇妙なステージ・・・
何らかの意図があってのコレなんだろうけど、そこら辺まったく理解できずでした^^;
終盤のエリーダの芝居が妙にリアリティをもって感じられはした、かなあ・・・
一応、話的に『水』と対をなしてる、っていうのは把握したのですが、これ、こっちだけ観た客は絶対にアマヤドリって劇団を誤解しちゃうような気がw
『海の夫人』/『水』
アマヤドリ
シアター風姿花伝(東京都)
2014/12/04 (木) ~ 2014/12/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
12月5日『水』
間違いなく「好き」な芝居だったんだけど、それをどう表現したらいいかよくわかんない、ってより表現しようとした段階でこの芝居の「好き」をどっかで裏切っちゃいそうな、そんなめんどくさいタイプの芝居だなあ、と。
もう一回観たいんだけども日程的に厳しい・・・(´・ω・`)
ちょっと遅れて着いたせいで最前列での観劇だったんだけど、それが予想外に大正解。空間を下から捉える姿勢が、作中に出てくる「あるイメージ」にそのままリンクして思わずグッと来たり。まあその分、観劇終盤は尻がちょいちょいキツかったりしたんだけどもw
にしても「雨天決行」と本公演、クオリティの差がほとんどわかんないレベルだなあ。
観るたびにぐんぐん魅力的になっていく役者陣も素敵。
ドン・カルロ
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2014/11/27 (木) ~ 2014/12/09 (火)公演終了
鴉よ、おれたちは弾丸をこめる
彩の国さいたま芸術劇場
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2014/11/23 (日) ~ 2014/11/26 (水)公演終了
満足度★★
ふーん、こういう世界もあるのねー(´・ω・`)
何をやってんのかさっぱりだったし、セリフもよく聞き取れない部分多かったし、なんで今これなのかもピンと来なかったし。
周りの観客が泣いたりしてる中、ひとり客席で取り残されてポカーン状態。
印象的なオープニングとエンディングは好きだった、かも。
トーキョー・スラム・エンジェルス
Théâtre des Annales
青山円形劇場(東京都)
2014/11/14 (金) ~ 2014/11/24 (月)公演終了
満足度★★★★
とりあえず自分はラーメンよりお赤飯が食べたくなった(´・ω・`)
なんつーか、この芝居、観終わって劇場を出て夜の渋谷の空気に放り出されてから、それからが「はじまり」の芝居なんじゃないかなあ・・・などと帰り道に。
(アマヤドリの『非常の階段』のときも思ったけど)「演劇」で語るには一見むつかしく感じられてしまう「経済」だけど、いざ真摯に芝居にしてみると、これほど「人間たち」を描くのに適したテーマもそんなにないんじゃないか、とか思ったり。
それほど派手にトリッキーなことをやってるわけではないのに、舞台上で語られるセリフ以上に、登場人物たちの積み重ねてきた「時間」が見えてきちゃうような瞬間がいくつもあり。かなりの見応え。
ひとりひとりの設定自体はややベタであるようには感じる物の、そこに彫りこまれたリアリティたるや。
谷賢一の芝居は役者の背中が素敵!ってのはくろねこちゃんあたりから思ってることなんですけど、今回のトーキョースラムエンジェルスは何つっても屋上のシーンの南果歩の「背中」力がなんともすばら。
あの背中が見られる円形劇場のあの席のチケット送ってきた制作さんにすぺしゃるさんくす。
眠れる森の美女
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2014/11/08 (土) ~ 2014/11/16 (日)公演終了
白神ももこ(演出・振付)× 毛利悠子(美術)× 宮内康乃(音楽)『春の祭典』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2014/11/12 (水) ~ 2014/11/16 (日)公演終了
満足度★★
・・・で?
最初のほうは「おっ!」と思うも、その後は特に面白いものがなく・・・
パンフレット読んで「あー、こういうことだったのねー」「あー、アートだわー」とか思いつつ、「じゃーこのパンフ読んどきゃ実際にステージ観る必要なくね?」とも。
上演が完全に「サブ」扱いされてる感。
少なくともあーしは「思想」を観に来たつもりはなかったんだけどなあ・・・(´・ω・`)っていうモヤモヤが。
ストラヴィンスキーのこの『春の祭典』って音楽を前にして、そんな「言語」や「思想」で割り切れるような表現になっちゃうっていうのは、この表現者たちは根本的に自分と「合わない」んだろうなあ・・・と。
ニジンスキーも、ベジャールも、プレルジョカージュも、平山素子も、まずはそこに「絶対にことばでからめとりきることのできない身体」を用意してたのよね。
あーしは今回の舞台に、白神ももこなりのそうした「身体」を期待してたんだけども、ねえ・・・。
ピーター・ブルック、マリー=エレーヌ・エティエンヌ[フランス]『驚愕の谷』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2014/11/03 (月) ~ 2014/11/06 (木)公演終了
満足度★
ピーターブルック初体験。で、これっすか・・・
初日以降、明確な意思を持った酷評とぬるい賞賛ばかりが目に入ってきてたんで覚悟はしてたものの、その覚悟のさらに下を行くつまらなさ、どーでもよさ。
「生ける伝説」ってことになってるらしいピーター・ブルック、観るのはこれが初めて。
若いころにはとんでもない「最先端」だったんだろうなーってのはなんとなくわかったけど、少なくとも今日の舞台はその手クセをなんも現代の演劇としてアップデートしないで作られたもんなんだろうなーって印象がどうしても。
あの程度の(「見立て」ですらない)演出、野田秀樹とかの芝居を観てる人間だったら新鮮味もないだろうに。
「脳」をテーマにしたってことだけど、こんな程度の話、養老先生や鷲田清一先生、アハモジャ茂木センセーの本をブックオフあたりで買って読んでた方がよっぽど面白いし、よっぽど詩的な世界に満ちてると思う。
せめて字幕見ないでもセリフを理解できるくらいの英語力があれば、「すごい」役者3人の演技を楽しむだけでも5500円分の元は取れた、のかもなあ・・・感はアリ。