満足度★★★★
初日と金曜マチネで観劇
観終わってしばらくいろいろ考えがまとまんなかったんだけど、ちょうど、こうピンと張りつめた寒さのなか、雨上がりの夜空にぼんやりと浮かぶ月を眺めてる、ような芝居だったなあ、と。
夜の真っ黒な水面を思わせる美術、シックながら鮮やかなコントラストの照明がなんとも印象的。
そこに「すっ」と立って見せる役者陣も、これまた美しく、一つ一つの所作に登場人物の日常生活が見えてくるようで。
一番印象的だったのは、漱石の妻・鏡子。
「俗」の人間として、漱石の「孤独」とずっと平行線を描く、そのさみしさとつよさ。
演じる木下裕子さんも、冒頭シルエットから素敵だった。