蓼喰う蟲
イエローケーキ
ラ・グロット(東京都)
2015/02/20 (金) ~ 2015/02/22 (日)公演終了
満足度★★★
初期の目的は果たした。で?
谷崎をどうにも受け入れられない人々が、彼の作品を演劇化したら、どうなるか? という点では、成功していると言えるかも知れない。彼の作品の良さが殆ど全部削がれているのだから。ただ、その先に何を表現したかったのか? それも伝わってはこない。
「戯作 肉体だもん」
劇団ドガドガプラス
浅草東洋館(浅草フランス座演芸場)(東京都)
2015/02/20 (金) ~ 2015/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★
華のある舞台
作者は、ドガドガを立ち上げてエンタメと時代とをシャッフルしているように感じる。無論、エンコを舞台にしてである。何故、浅草なのか? 野暮なことを聞くバチが居る。エンコは、関東大震災でめちゃくちゃになり、1945年3月10日の東京大空襲で廃墟と化した。大震災の被災地地図と大空襲の被害地地図を重ねてみるがいい。その上で、戦中・アジア侵略への道も含めて歴史を鏤めているのだ。(追記後送)
金色の翼に乗りて
ピープルシアター
シアターX(東京都)
2015/02/18 (水) ~ 2015/02/22 (日)公演終了
満足度★★★★
所在なさ
フィリピーナと日本人の偽装結婚に端を発したセンチメンタルな物語かと思いきや、そこはピープルシアター、そうは問屋がおろさない。(追記後送)
男の壁/女の壁
劇団献身
RAFT(東京都)
2015/02/19 (木) ~ 2015/03/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
男の壁を拝見
早大演劇部出身の奥村 徹也氏がリーマン生活後に立ち上げた劇団献身の第4回公演は、二本の異なる作品を日替わりや回替わりで上演するという贅沢な企画。初見の劇団だが、「男の壁」を拝見した。上演中故、ネタバレはしないでおく。ただ、バイアスの掛からない、柔らかいがしなやかな感性と適度な距離をとった観察から生まれた作品の手作り感と必要な要素をキッチリ手作りしている緻密で知的な表現は今後を期待できる内容である。
恋桜
演劇ユニット 金の蜥蜴
ブディストホール(東京都)
2015/02/18 (水) ~ 2015/02/22 (日)公演終了
満足度★★★★
桜の木の下には
原作は能の「通小町」である。原作で四位の少将が、通った百夜目、その日を迎えた少将は、発作を起こし亡くなってしまった。ただ小町と会って飲む祝いの酒や愉しみについて考えるた時、戒律を守って飲まないことにしたので、それまでの罪が許され二人ともに成仏できた、という話だ。
今作では、原作にあるように僧の所へ小町の亡霊が現れ、市原野に住む小野と告げる。僧は、それが小町であると心得た。その原野には、桜の古木が一本。散っても散り切らず、花をつけたままだという。その不思議からか、その木の根元には不老不死の妙薬が埋まっているとの噂があった。(追記後送)
さくらさくらさくら~うちの長屋(バカども)を紹介します~
劇団皇帝ケチャップ
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2015/02/12 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了
満足度★★★
平板
楽日で在りながら、結構かむ役者がいたことは残念。本来初日に完璧に仕上げているか、かむかまないがどうでもよい、というレベルの舞台を創っていれば兎も角、観客に分かり易いということを理由として、自ら研鑽を積むレベルを低く設定しているのではあるまいか? 時代設定がめちゃくちゃなのは兎も角として、其処まで現実を無視するのであれば、笑いに徹し、源四朗などは、関西弁が流暢なのだから、星と言葉レベルで舌戦を展開するとか(この場合、星は無論、東京下町の方言を用いる。それがさくらであっても良いが)、無理なくシナリオの筋に溶け込みつつ、全編を通して使うことができ、且つ、面白くて飽きないようなギャグセンスが欲しいのだ。捻りが殆ど無いのが退屈である。役者達の個々の力を発揮させるのは演出である。その辺り、演出の工夫も欲しい。無論、シナリオにも、もっと次元の異なる笑いを鏤めて欲しい。役者達にとっては、その本領を充分に発揮したとは言えないような演出だったのではあるまいか? ダメダシについても、蜷川氏ではないが、初日に完璧に科白が入っていなければ帰らせる位の厳しさが欲しい。
自ら慰めて☆
ウンゲツィーファ
新宿眼科画廊(東京都)
2015/02/13 (金) ~ 2015/02/18 (水)公演終了
シキサイ
裏庭巣箱
スタジオ空洞(東京都)
2015/02/12 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了
満足度★★★
本当に表現したかったのは何?
作家は敢えて分かり難く作っているのだろうが、分かられてたまるか! というのでなければ、不必要にプレシオジテを使用する必要はあるまい。そんなものは、もう、とうの昔に滅んだ。フランスで流行したのは、18世紀であるから、フランス革命を準備したものだった、などという見方をする者があるかもしれない。いずれにせよ、デモデである。
観客を混乱させる為に使われているノウハウは、終演後に明かすとして、上演中故、今回はこれまで。
u-you,company 14th STAGE『UTSUKE』三部作
u-you.company
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/02/11 (水) ~ 2015/02/15 (日)公演終了
満足度★★★
うつけを拝見
少女5人アイドルユニットは、解散寸前。マネージャーが社長に直談判して、もう1公演打たせて貰えることになったが、失敗すればオシマイ。で、少し勉強することになった。テーマは信長の居た戦国時代だ。ところが、出掛けて行った山梨の樹海で彼女らは、(以下追記)
deprived
shelf
さくらWORKS<関内>(神奈川県)
2015/02/13 (金) ~ 2015/02/14 (土)公演終了
満足度★★★★★
ゆったりした空間で考える 必見の舞台
depriveは“奪う”ということだから、その形容詞形の今タイトルはpoorの婉曲表現である。我ら日本人が、現在置かれた被植民地の状況を以下のテキストの中から選ばれた言葉で重層的・多面的に描いた今作は、役者の「語り」を眼目とした作品だが、テキストのセレクトが、実に的確で緊張感のある構成になっており、役者達の存在感によって肉化された言葉が、永い歴史を秘めた旧オフィスビルをリノベーションした空間に響く。この響きは観客を深い思索に誘う。思索を行為する稀有で濃密な時間を過ごせる。
日本国憲法前文、太宰 治『おさん』・『人間失格』、1977年10月の岩手県東山町公民館「丸山 真男先生と語る会」公演記録から『デモクラシーとは』、『君が代』、武者小路 実篤『ますます賢く』、『星条旗よ永遠なれ』、武田 泰淳『ひかりごけ』、ベルナルド・ブレヒト『セツアンの善人』、ウィルフレッド・エドワード・ソールター・オーエン『たたかいの記憶』
丘の上、ただひとつの家(全公演終了・ご来場ありがとうございました)
鵺的(ぬえてき)
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2015/02/11 (水) ~ 2015/02/16 (月)公演終了
僕の内定先は、ショッカーです
劇団サラリーマンチュウニ
上野ストアハウス(東京都)
2015/02/12 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
爽快 明るい笑い
ショッカーって、あの仮面ライダーのショッカーである。当然、世界征服を画策する秘密結社なのだ。だから挨拶はヒトラーに対してするハイルみたいな形で、鋭く“イーッ”と叫ぶ。(更なる追記後送)
ゾンビ沼袋
lovepunk
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2015/02/10 (火) ~ 2015/02/15 (日)公演終了
満足度★★★
”どどいつ”がレビューには出てくるにゃ
皆、一所懸命なのだ。闘いのシーンや闘いに向けて闘争心を燃え上がらせるシーンでは三白眼になる役者も居て、中々迫力がある。
あたしゃあなたの、
ぐらうんど・れべる
荻窪小劇場(東京都)
2015/02/04 (水) ~ 2015/02/11 (水)公演終了
満足度★★★★★
タイゼツ ベシミル!!
日常を演劇化することは難しい。ドラマがともすれば日々の繰り返しに埋もれてしまうからである。その難しさに今回“ぐらうんど・れべる”は、挑戦し見事成功を収めた。
銀河鉄道の夜~ミヤザワケンジ・モディファイド~
めがね堂
RAFT(東京都)
2015/02/06 (金) ~ 2015/02/08 (日)公演終了
完熟リチャード三世
柿喰う客
吉祥寺シアター(東京都)
2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了
満足度★★★
権力闘争
シェイクスピアの描いた薔薇戦争終結部に当たる今作であるが、薔薇戦争自体が、諸侯の権力闘争であった以上、史実は、シェイクスピアが今作を書くに当たって資料としたものとは異なる可能性がある。本当は、その点に注目して、埋もれた史実のかけらを隋所に鏤めながら作劇すると、革命的なシナリオたりえたであろう。
蛍の頃
ペテカン
あうるすぽっと(東京都)
2015/02/06 (金) ~ 2015/02/11 (水)公演終了
満足度★★★★
ほろにが
昭和30年代初頭、九州は宮崎、延岡、酒が飲めない体質の母、絹子はキャバレー、シスターのママをしていた。叔母の静江がチーママ。(追記後送)
『Fermat's Last Theorem』(フェルマーの最終定理)
ユニークポイント
シアター711(東京都)
2015/02/04 (水) ~ 2015/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
理解からないということが分かれば楽しめる
アンドリュー・ワイルズが証明をして見せるかも知れないと思われたフェルマーの最終予想を描いている時点で、世界中から数論の世界的権威がケンブリッジにたくさん集まっていたことぐらい“フェルマーの最終定理”という知的響きに引き寄せられて見に来る観客には周知の事実だろう
狂騒曲
47ENGINE
タイニイアリス(東京都)
2015/02/05 (木) ~ 2015/02/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
歌舞く
芸能に対する深く的確な見方と芸能者の何たるかを矢張り深く理解したシナリオ作者の力量を見せつけるシナリオに、物語の運びの上手さ、役者たちの好感の持てる演技が加わり、良い舞台に仕上がっている。
Manhattan96 REVUE
Manhattan96
d-倉庫(東京都)
2015/02/04 (水) ~ 2015/02/08 (日)公演終了