ハンダラの観てきた!クチコミ一覧

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八月納涼公演  松井誠・池畑慎之介

八月納涼公演  松井誠・池畑慎之介

新歌舞伎座

大阪新歌舞伎座(大阪府)

2012/08/03 (金) ~ 2012/08/18 (土)公演終了

満足度★★★★

きっちり
 原作もメリハリのきいた作品であるが、舞台に工夫を凝らして、様々なトリックを上手に見せている。もともと、「四谷怪談」は「仮名手本忠臣蔵」外伝として描かれたと説明にある通り、主君切腹、お家断絶と公の恨みが、忠臣蔵で描かれているとすれば、四谷怪談は、この公に翻弄される私の恨みを表現したととることができよう。この辺りの関係を視覚化し得た舞台であった。裾捌き、時と所によって異なる刀の置き場所など、細かい点にも配慮がなされ、楽しめる舞台になっている。

アンダーグラウンドワンダーランド

アンダーグラウンドワンダーランド

ハイバネカナタ

サンモールスタジオ(東京都)

2012/09/06 (木) ~ 2012/09/10 (月)公演終了

満足度★★★★

演出
 効果の強い視覚表現を多用していて、初めて見ると驚かされるのだが、
視覚的効果の高い物は飽きられやすいのも事実である。

ネタバレBOX

 導入部、アンダーグラウンドへの道行で用いられる凸面鏡に映るクイズ王のimageは、光で彼の足もとに楕円が描かれるだけでも新鮮なのに、更に凸面鏡に反射させることで、不思議の国への導入部として鮮烈な印象を与えるのだが、クイズショウの放射状緑光線の多用などで、折角の効果が意味を減殺してゆくのはいかがなものか。
 また、シナリオには、もう少し明晰さが欲しい。ドッジソンの作品を下敷きにしているのだから、数学的明晰さをベーシックな部分で忍び込ませて欲しいのだ。
Overruled/悪魔のいるクリスマス(二本立て)

Overruled/悪魔のいるクリスマス(二本立て)

もんもちプロジェクト

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2012/09/06 (木) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

英国風紳士の厭らしさ
 イギリス紳士たちの気取った厭らしさが男女のカップルの欺瞞的な会話の中に描かれて楽しめる。swapのような汚い言葉は使わず、互いの相手を取り替えるという遊戯で取り繕う辺り、如何にも狡賢いイギリス風である。皮肉な見方をすると、とても楽しめる。

Overruled/悪魔のいるクリスマス(二本立て)

Overruled/悪魔のいるクリスマス(二本立て)

もんもちプロジェクト

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2012/09/06 (木) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

Lucifer
 神よりも人を知るのは悪魔なのかも知れぬ、との思いが根差してくるような舞台であった。実際、神などよりヒトの心を知るのは悪魔であろう。このシナリオでも神の側の要求は、スタティックであるのみならず、ドグマティック且つ無責任であった。それにひきかえLuciferの何と人間的なことか。この作品を題材に神学論争など始まると面白い。

「消える魔球」(第23回池袋演劇祭【大賞】受賞作品・再演)

「消える魔球」(第23回池袋演劇祭【大賞】受賞作品・再演)

ラビット番長

あうるすぽっと(東京都)

2012/09/07 (金) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

風格
 流石に前年度の大賞作品だけあって、主張の明確さ、演技、しょっぱなの投球フォームを後ろ姿で見せて観客を引き込む手際など感心するシーンも多く、役者の演技もキャラが立っていて良いのだが。

ネタバレBOX

 タイムスリップが、余りにも唐突な印象は免れない。無論、主人公と沢村との比較などの振りはあるのだが、それだけでは、時空の歪みを物語化するのは難しかろう。
 胸を衝くシーンも後半にはたくさん出てくるし、野球好きのメンタリティーも具現化していて、野球には縁の無かった自分でさえ、野球も面白そうだ、と思わせるだけの力のある作品なのだから、初回のタイムスリップだけは、もう少し必然性を持たせて欲しいのである。
沈没のしらぬゐ【池袋演劇祭にて豊島区町会連合会会長賞受賞!!有難う御座いました!!】

沈没のしらぬゐ【池袋演劇祭にて豊島区町会連合会会長賞受賞!!有難う御座いました!!】

蜂寅企画

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2012/09/05 (水) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

バランスのとれた作品
 芝居自体は、バランスも良く、シナリオが推理仕立てになっていて、ぐいぐい観客を引っ張ってゆくので飽きない。更に神霊の依代として用いられた人形と隗儡師を配して狂言回しと怨霊怪異とを巧みに結びつける手並みは鮮やかだ。
 怪奇現象を顕在化させるのに用いられる方法としては、時空の歪みがあろうが、ここでは、依代としての人形を利用して輻輳化された空間が、必然的に時間を歪ますことを利用している。具体的には、フラッシュバック的手法を用いながら、怨霊の無念を明かし、死の原因を追及してゆくのだが、この辺りが推理小説のように巧みな展開を見せる。
 舞台美術も左右シンメトリカルに舞台の上手、下手の縁に蜘蛛の巣を配置することによって空間の結界を作り、あやかしが成立する舞台を現出せしめている。と同時に蜘蛛の糸に絡まれた因果律をも暗示していよう。音響、照明も効果的である。欲を言えば、和服姿の江戸時代の女性であれば、歩き方はもう少し内股になるのが自然なのではないか、ということだ。膝までを締め、膝から下を内股に歩くのである。すると、和服の裾さばきがより美しくなるはずである。

【初ツアー公演終幕致しました!】都道府県パズル

【初ツアー公演終幕致しました!】都道府県パズル

北京蝶々

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/08/30 (木) ~ 2012/09/05 (水)公演終了

満足度★★★★

日本のレベル 自らの立ち位置
 アイロニカルで面白い。あちこちでボトムアップでは無い代表の連中の話を聞かざるを得ないようなことも経験してきたが、実際、レベルは、この作品に描かれている代表と同等もしくは低い連中が多い。建前社会のこの国で、「代表」なるものが、3つの看板をしょっているに過ぎない能無しであることは、誰にでも分かる道理だろう。
 シチズンシップを持たない人々が、このような「代表」を居座らせることに一役買っていることも、また。
 従って、北京蝶々が、このシナリオをこのような形で演じたことの意味を、観客は自らの立ち位置の問題として考える必要があろう。我々、故郷喪失者への問いかけでもあるであろうから。その上で、論じるべき主題であり、テーゼであるという具合にラスト部分を解釈すると、活きる作品と見た。

手話版「天気と戦う女」

手話版「天気と戦う女」

長内まゆこプロデュース

【閉館】(東京都)

2012/09/04 (火) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

全体的な優しさ
 手話バージョンと通常バージョンがある。通常バージョンを拝見。舞台は、5層のホリゾント構造になっており、最奥部以外は、左右シンメトリカルに配置されている。最奥部と奥から2層目までは、雨の流れた跡が、赤、青、黄の3色で描かれ、客席側3層は、同じ赤、青、黄の水玉模様。地は総て白である。通常バージョンでは、無論、音曲も普通に使われ、科白は下手の手話通訳が訳す形だ。
 シンプルな内容のストーリーだが、設定がちょっとコミカルで同時にストレートである。このような設定が、愛の強さを嫌味なく表現することに役だっているのが、好印象を齎す原因だろう。
 手話バージョンと通常版の2種の表現形態を採っていることから明かなように、ハンデを負った方々にも楽しめる内容になっている。手話版では、役者自身が、手話を用いて科白表現をするような形を採るのであろう。ハンデの無い方々からもハンデのある方々からも、想像力をどのように具現化するのか、の具体的問いかけが為されるはずである。できれば、どちらのバージョンも見て比較したい作品である。
 両タイプの作品を見れば、ごっこではない、優しさを考える縁になると思う。

うつろな肖像

うつろな肖像

演劇プロデュースユニット コモレビ

中野スタジオあくとれ(東京都)

2012/08/30 (木) ~ 2012/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

あえて苦言
 良い作品なので敢えて苦言を呈したい。問題が深刻であればあるほど、その原因を掴む為に、地獄くだりをしなければならない。これは、きちんと問題を捉えようとすれば避けられない。この作品は、その意味では、地獄くだりをしている。それもかなりきちんと。
 一方、人間は、地獄に生きることを完全な喜びとするには、弱いように思う。例外はあると思うが、フーコーの狂気に関する定義、”純粋な錯誤”に踏み込むことは、多くの危険を伴う為たいていの人は避けて通る。ここに欺瞞、偽善が屯するのは事実でも、やはり、知のパラダイムシフトこそ肝要だろう。その底に蠢く地獄は表現する者だけが負えば良いのだ。そのうえで、ここで展開されている演繹的手法を帰納的手法に変えてみることの中に、未来という言葉を肯定的に捉えうる縁が隠されているように思う。世界の広がりを捉える自分なりの方法を編み出してほしい。今回は、頭でっかちになり過ぎたので、減点1。

背水の孤島

背水の孤島

TRASHMASTERS

本多劇場(東京都)

2012/08/30 (木) ~ 2012/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

また見たい
 核武装もそれに必要なプルトニウム生産に役立つ原発も、言ってみれば、不信感と不信感に基づく恐怖が支えているのだろう。その不信感を信頼への希望に変えることによって終わらせているシナリオの詐術が素晴らしい。3時間15分の長丁場で休憩なしだが、パート1~パート3まで、全然、飽きさせず、ぐいぐい引っ張ってゆく力は流石である。金銭的余裕さえあれば、ぜひともリピートして見たい舞台であった。

うつくしい革命

うつくしい革命

劇団フルタ丸

「劇」小劇場(東京都)

2012/08/31 (金) ~ 2012/09/09 (日)公演終了

満足度★★★★

役者の業
 業界人向けか。日本の演劇人の多くが、我が事として見れるような内容である。小劇場演劇に携わる殆どの演劇人が、演劇では食えない。これは現前たる事実である。而も、ぽっと出の何の取柄も無いような連中が、アイドル扱いされて事務所のプッシュだけで大金を稼ぎ、すぐ飽きて捨てられる、スターシステムも間近にある。夢と現実の狭間で、演劇を諦める者も多くいる。業界人なら誰でも知っていることであろう。
 そんな背景があるから、この物語は、変にカッコイイ。革命の仕方がクールなのである。演出レベルのちぐはぐがあったが、まあ、許容範囲である。何より、役者のみならず、表現する者の業を描いたのだから。

ラ・カヌビエール~奇跡のディナー

ラ・カヌビエール~奇跡のディナー

演劇プロジェクト・Decca(デッカ)

シアターサンモール(東京都)

2012/08/29 (水) ~ 2012/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

大人の芝居
 セットを上手に利用し内容的にも深みのある舞台であった。多用されたギャグは洗練されないもので自分の好みではなかったが。ジャズ楽団が、ちゃんとした楽器で演奏しなかったのは、調理器具との合奏をするために敢えてやっていたのかもしれないが、音的には、もう少しまともな音を出してほしかった。フルートは最初、まともな物を使っていたのだから、タンギングまでやれとは言わないものの、もう少し正確な音を出してほしかった。ピアニカも、リズム、メロディーとも及第点ではない。役者陣の演技については、それぞれ、中々きちっとした仕事をしていたと思う。

かわたれの空

かわたれの空

日穏-bion-

シアター風姿花伝(東京都)

2012/08/29 (水) ~ 2012/09/04 (火)公演終了

満足度★★★★

時代背景と深読み
 扱われているのは1952年。1952年といえば総評などもゼネストを決行していた時代であり、サンフランシスコ講和条約発効の年でもある。一方、朝鮮戦争の真っ只中でレッドパージ旋風の影響もまだ吹き荒れていた。済州島4.3事件の4年後に当たっている。
 GHQによる日本支配が公式に終わる前後でもある。これに先立つ1949年には、下山事件、三鷹事件、松川事件が立て続けに起こる。無論、アメリカのスパイ組織が関与したというのが、実際の所だろう。日本の共産化を防ぐ為である。

ネタバレBOX

 このような知識は、当時を描いた作品を見る為には前提条件なのであるが、達夫が、記憶喪失の最中に自分が交通事故にあった原因として、「スパイだったのではないか」と自問する科白は、このような背景にリアリティーがあるからこそ活きてくるのである。
 また、この作品が現代に於いても多くの意味を持つとすれば、アメリカに対する日本の為政者の非合理的精神構造、何でもかんでもアメリカ反対vs追随の日本政府・官僚の姿勢が、民意をではなく、アメリカの施策にこそ重点を置いている近視眼的視点を明確に示していることである。結果、本当に苦しみを負うのは日本の民衆だという事実だ。
 ホームドラマ形式を採っている以上、露骨な形で以上のことを表現している訳ではない。裕仁の戦争責任についても、民衆の言い方として表現されている。だからこそ、観客は深読みする必要があるのだ。原発推進派の後ろに何が見え隠れしているか熟考してみるのも良かろう。本質は変わらない。
【番外公演 とりささ!】 退魔師・裏

【番外公演 とりささ!】 退魔師・裏

とりにく

テアトルBONBON(東京都)

2012/08/30 (木) ~ 2012/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

殺陣
 殺陣の上手さが際立つ。照明も効果的である。また、退魔師と妖魔の敵対関係に陰陽師が関与する弁証法的構図に敵味方の謀略が絡み合って舞台に惹きつける。
 更に、敵味方の仲間意識や裏切り、それを超える価値観としての優しさ、人間らしさが、随所に表現され、単なる活劇に終わっていない。実質を伴ったエンターテインメント仕上がっている。

世界の果て

世界の果て

unks

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/08/28 (火) ~ 2012/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

クリスタルと熱
 中村 文則の小説「世界の果て」の舞台化である。中村と同世代の文学座同期生が中心となって旗揚げしたUNKSの演出、上村 聡史は、硬質な文体でヒトの暗部を見詰める中村の作風に興味を持っていたという。だが、演劇化に当たって、作品にエネルギーを注入し、これまで培い、経験を重ねて習慣化し殻になってしまった自分達の在り様を敢えて再検証してみようとしている。コンテンポラリーダンスの楠原 竜也を巻き込んだのもこのような理由からだと言う。
 当然のことながら、ここまで自覚的に自らの立ち位置を検証し、創作エネルギーを習慣の検証に用い、解体された要素を、再度、構成することは、並大抵の仕事ではない。まして、原作のテイストは、やはり守ってのことである。
 この難題に挑み、成功した舞台ということができる。洗練された演出は小道具の使い方、OHPの適切な使用法、鍛えられた身体に見合う抽象度の高い演技と話法、シンプルな作りで深さをあらわすことのできる知性の高さによって、観客のイマジネーションを掻き立てる。原作の突き放すことによって、ヒトの闇を描く手法にエネルギーを注入することに成功した質の高い舞台である。

n乗ハニー

n乗ハニー

劇団両面HERO

BAR COREDO(東京都)

2012/08/27 (月) ~ 2012/09/01 (土)公演終了

満足度★★★

物理・数学と生き物
 次元の話なので、説明が入るのは仕方のないことだろうが、次元の異なる所から来ているわけだから、高次の次元出身者は、もう少しくだけて演じても良いのではなかろうか? 理屈が多いからといって性格描写まで固くしてしまっては、面白みが半減する。
 とはいうものの、高次の次元出身者が、その自由度に辟易していて、却って、低次の次元を羨んでいる辺りは笑えたし、人間的なパラドクスも仕組まれていて面白く感じた。
 ピアノ演奏も弾き慣れた演奏ではあった。然し、もう少し、曲に自分独自の解釈をし、尚且つ、芝居にアジャストする演奏を心がけてほしかった。後者は、兎も角、前者が弱かったように聞いた。そのせめぎ合いのクリティカル・ポイントで聞きたいのである。

THEATRE OF IMPRO 2012

THEATRE OF IMPRO 2012

インプロ・ワークス

小劇場 楽園(東京都)

2012/08/27 (月) ~ 2012/08/27 (月)公演終了

満足度★★★★

想像力の綾
 流石に役者、インプロビゼーションでも気の利いた反応を見せる。観客から、題を募集したり、題の出し方に工夫を凝らしたり、設問にも様々なヴァリエーションを設けて、よりアグレッシヴな展開にしたり、ときめ細かい。シンセサイザーによる音作り、こまめな操作の照明、適切な効果、これらの条件が、役者陣のみならず客席にも適度な緊張感を齎し、役者、観客のコレスポンダンスが上手く機能した。
 役者たちは、無論、その瞬発力とイマジネーション、それらを纏め上げる構成力が要求されるのだが、即興の齎す緊迫感が、頭脳や感覚の働きを活性化するのか。テンションが上がってくると、役者たちの織りなすイマジネーションの綾に、遊びの要素も加わり、ホイジンガではないが、人間とは、まさしくホモ・ルーデンスなのだと納得してしまう。期待以上に楽しめる舞台であった。
 チーム対抗戦という競争にしたのも、余りにも基本的なことではあるが、正解であろう。

鏡花夜想曲

鏡花夜想曲

オフィス櫻華

新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)

2012/08/24 (金) ~ 2012/08/26 (日)公演終了

満足度★★★★

日本語
 鏡花の書いた日本語は色の綾目などを含め、現代の日本人にはかなり難しい。大抵の人には、銀ねずの意味さえ分かるまい。鏡花の育ちから見て、同時代に粋であり、通であったものが、現在では死に絶える危機に瀕している。これは紛れも無い事実である。大衆の芸であったどどいつ程度のことが、分からないのだから後は推して知るべしであろう。だからと言って、若者の発明を否定するわけではない。然し乍ら、物には順序があろう。

 今、鏡花を読むということの意味は、好い加減なメディアに載せられたふりをして、決まり切ったフレーズの馬鹿げた見解に与することではない。かと言って単純に「日本文化」に回帰するなどという愚かな話でもない。唯、単に、欧米化という日本近代の驀進に対してクレッションマークを付すのである。その言葉によって。その言葉の意味する所によって。

 今回は篠笛とのコラボレーションであったが、篠笛のような民笛の演奏・作曲家が、態々、西洋音階の民笛を作って作曲、演奏をしていることに、また、そのような人とコラボレーションせざるを得ない所にこそ、現在の我々の立脚点がある。そのことを知った上でなら、鏡花を再考することの意味が出て来よう。いわば、鏡花は我らの鏡なのだから。

 また、登場人物、すみの生き様には、そのような読みを許す、社会的、時代
的、原理的意味が、隠されている。

【全日程終了!ありがとうございました】小田急VSプレデター(東京)

【全日程終了!ありがとうございました】小田急VSプレデター(東京)

劇団東京ペンギン

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2012/08/04 (土) ~ 2012/08/05 (日)公演終了

満足度★★★

カッコよさ
 子供の頃に感じた格好良さが、随所に鏤められ決まっている。日本の悪い面、弱い面をきっちり指摘している点も好感を持った。

ネタバレBOX


 最終場面でプレデターが、仮面を取り、頭髪を晒す効果も気が利いていた。自分には、星の王子様の主張とプレデターの主張が本質的な部分で重なり、サンテクジュぺリの”Le petit Prince”に描かれた王子の挿絵姿とだぶって見えたので、この金髪は頗る重要であった。 

 尤も日本では、所謂茶髪であって、突っ張り、ヤンキーと不良を排除する単語が後に並ぶのであろう。何も分からず、否、知りもせず、彼ら、彼女らを排斥し、自分達ばかりいい子ぶるのは楽である。然し、この作品が、ぶきっちょに問うているのは、そのようなことではない。何の因果か、世界の裸形に出会い掛けた若い命が、自己の分裂しかけた心を問うているのである。彼ら、彼女らの、精一杯に投げかけた問いに年上の人々は応えねばなるまい。
ライト・リライト

ライト・リライト

翠組 midori-gumi

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/08/23 (木) ~ 2012/08/28 (火)公演終了

満足度★★

ちぐはぐ
 シナリオと演出がちぐはぐである。登場人物の殆どが、フランス語の数を表す名前なのだが、作家のスタンスが、そういうレベルならば、リライト自体が仕組まれているだろう。そこで表面的に所作を気取っても何の意味もない。結果、演技の質も作り過ぎである。内面を自然に表現できるだけの実力があって、そういうことをするなら見応えもあるのだが、明かにそれはないレベルの「役者」を使って作るなら、演出にもっと工夫があって良い。でなければシナリオを大幅に変更すべきである。登場するのは、男性だけだが、所謂、イケメンばかりである。だが、それに頼るだけでは、下の下。演劇では無い。もう少し頭を使ってから身体を使って欲しいのだ。

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