ハンダラの観てきた!クチコミ一覧

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アポトーシス

アポトーシス

0 LIMIT

浅草リトルシアター(東京都)

2014/10/28 (火) ~ 2014/10/29 (水)公演終了

満足度★★★

もう少し、大人の笑いが取れると素敵
 折角、アポトーシスなんて難しい言葉を用いているのだから、わざとらしく声を張り上げるて滑稽味を出すような擽りや稚拙な演出でなく、アポトーシスサイドからのブラックユーモアも欲しかった。

ネタバレBOX

 
 エリーの動機は、無論、それなりの説得力を持つが、それとは次元を異にするレベルで死んで行く3人の死の描き方にセンスの良さが見て取れる。演出、演者双方が、真に人生の苦みを知れば、もっと大人のブラックユーモアの作品をものすることが出来よう。
【全日程終了】葉桜/ぶらんこ 【ご来場ありがとうございました】

【全日程終了】葉桜/ぶらんこ 【ご来場ありがとうございました】

7度

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2014/10/24 (金) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

7度
 7度という劇団名について、良く質問を受けるらしい。リーフレットの説明によると、音楽用語だという。ドから7つ目の音、即ちシの音を7度の音と言うそうである。そして、この7度の音を用いて、西洋音楽に新たな地平を切り開いた作曲家が居たと言うのである。彼の名はエリック・サティー。「ジムノぺディ」「干からびた胎児」「世紀ごとの時間と瞬間の時間」「夢見る魚」「逃げださせる歌」等々、数々の名曲を残したパリの場末のピアノ弾きである。だが、20世紀の作曲家の中で、現代人に、これほど愛されている作曲家がいるだろうか? 彼以外に。まあ、自分の感傷などどうでもよい。(追記後送)

月の出る国

月の出る国

夢幻舞台

中野スタジオあくとれ(東京都)

2014/10/24 (金) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

To be or not to be, that is the question.
無論、ハムレットの有名な科白である。総て、この世に生を受けた者がハムレットのようである必要はないし、民衆には、そんなことに悩む暇も金もないのが実情、という事情もあろう。然し、思春期から、どんなに遅くとも青春期のある時期に、ハムレットである必要はある。即ち、人生が生きるに値するか否かを真剣に問うべき時期が、誰にでもある。この作品は、その古くて新たな問題を、自分自身の視点から問い直した作品である。ストーリー展開としては、ベタだし、決して器用ではない。然し、人間として、そして、これから、大人になって行く過程で、まともな人間なら避けては通れぬ問題を真正面から、取り上げ、取り組んでいる姿勢が爽やかである。ラストの一行は美しいぞ!!

読書劇「岸上大作全集全一巻」

読書劇「岸上大作全集全一巻」

オフィス再生

秋葉原アトリエ「ACT&B」(東京都)

2014/10/24 (金) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

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1960年12月5日未明に自殺した学生歌人、岸上 大作の名を知る者は少なかろう。自分も名を知っていたのみである。まあ、結果から言えばそれで充分な歌人と言わざるを得ない。1冊しか出版していないからではない。そんなことならば、Baudelaireは生前“Les Fleurs du Mal”1冊しか出版していない。侃々諤々はあったものの、19世紀彼の評価を普遍的なもの成らしめたのは、この詩集1冊だけの功績である。而も、彼は、世界の大詩人である。この詩集が出ていなければ、その後の世界詩壇は大いに違ったものになっていたであろう。だが、岸上は、無論、大詩人でもなければ、詩人ですらない、と自分は思う。
では、何故、彼は、もてはやされたのだろう。少なくとも、一時期。(追記後送)

嘆きのベイルート

嘆きのベイルート

ピープルシアター

シアターX(東京都)

2014/10/22 (水) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

背景
 1975年からレバノン内戦が始まった。然し、他の中東地域などと同様、この遠因というより、直接的原因は、第一次世界大戦でドイツと共に敗戦国となった旧オスマントルコ支配地域の、英仏による不自然で不条理な分断政策にある。今作で扱われるのは、1975年からサブラ・シャティーラ虐殺事件(1982年)迄の期間である。この認識が無いと、今作の意味する所は、捉えきれまい。
上演中でもあり、大切なポイントだけを挙げておくと、元々のレバノンは、ファハル・アッディーンの支配地をベース(小レバノン)とし、ドゥールーズ派が多かったが、フランスが、この地域を含めシリア領域であったエリアを大レバノンと唱えて内部対立させ、独立派を抑えようとした為、レバノンという国家は、大シリアに統合された諸地域、諸宗教が、歴史的、文化的、社会的に自然な結合を無視した形で強引に成立させられた。これが為に、レバノンは極めて人工的な政治体制が組まれ、17ある宗派の其々が、どの政治的ポジションを取るかが決められていた。一応、国政調査に基ずいた人口比率によったのだが、その国勢調査自体、アリバイ作りの為に行われたに過ぎず、定期的に実行されるなど民意を反映するものでもなかった為、人口実態を反映させることができず、民衆の鬱屈は充満していたのである。このような中で、宗派対立などが、抑えきれなくなれば、人々のアイデンティティーは危機を迎える。そのように不安定なアイデンティティー問題も、今作では極めて重要な要素であることを意識して観劇すべきである。
役者の力は、高いので、もっと観客席に踊り込むなど、観客に臨場感を持たれる演出が望ましい。また、若者の苛立ちや疾走感の象徴として置かれているバイクが、使われていない間、象徴としての機能を重んじるなら、スポットなどで、必要に応じてライトアップするなり何なり、何か工夫が欲しい。(追記後送)

匂衣(におい) ~The blind and the dog~〈当日券あり!〉

匂衣(におい) ~The blind and the dog~〈当日券あり!〉

劇団印象-indian elephant-

シアター711(東京都)

2014/10/22 (水) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

演劇好きに受ける作品

 初演は2010年4月。韓国の役者とのコラボレーションであったという。演出家が、随分悩んだ時期の作品だ。今回は、タイの役者とのコラボレーションである。日韓の差異以上に大きな差異を持つ日タイとのコラボは、果たしてどんなテイストを産み、どんな間と、表現を我々に観せてくれるか。その快い緊張も楽しめる。日本語に習熟しているハズの日本の役者だけでやっても無論、役者の身体や個性で様々なテイストが生まれる。それが、生き物としての芝居である。日によっても、回によっても、無論同じ物は二度とない。当たり前すぎる程当たり前のことなのだが、そのような微妙なテイストをキチンと、演出家が個々の役者から引き出し、役者は、己の役を、物語が要請する必然的な形をキチンと押さえたうえで過不足なく表出している。主演の彩香役、山村 茉梨乃 ホム役のナルモン・タマプルックサー、光一郎役の鈴木 穣らの演技が、より強い感情を観客に惹き起こせるように、母役の橘 麦、万丈役の泉 正太郎、厳島とパーカッション担当の広田 豹が、適確な表現に徹している点も見逃せない。

ネタバレBOX

 
 殊に、嘘と真と矛盾のバランス、全盲の少女の鋭敏な感覚と明晰な頭脳が、ほんのちょっとした、齟齬から、真実を暴いてゆく過程の緊張感や、嘘を見抜いた後、事実を受け入れ、精神的な成長を遂げてゆく彩香の姿と、幼い自分と愛犬、ヨソベエへの訣別を表し、次へのステップを踏み出す象徴ともなるダンス表現は圧巻である。
更に、終章、光一郎とホムの別れの場面、10数える場面で1,2,3,4~と日本語で数えて来たホムが、7からは、母語のタイ語で数を数えてゆくシーンも粋で、彼女の哀しみを澄みきった海水の哀しみのように深く苦い着地点に導く。この別れを告げた、男の狡さ、優しさを表現した鈴木 穣の役作りも素晴らしい。
 作品の内容は、とても微妙で、センシティブなものだし、上演中なので、内容については、これ以上触れない。
 See you Again!

See you Again!

劇団 浪漫狂

シアターサンモール(東京都)

2014/10/23 (木) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★

白浪漫組拝見
 若手漫才日本一を決める日、突っ込みが、ぼけをかました。呆けは、それが、わざとだと気付いていたが、自分と妹のことを思ってだと分かっていたので黙っていた。これが、もとで、3年前の決勝には、敗れた。その因縁の対決が3年後に為される、という設定自体おかしい。ホントウに登竜門なら、勝った側は既に売れっ子になっているハズではないか?

ネタバレBOX


 劇中、演じられる漫才が全然面白くない。漫才が大事な作品なのだから、本物の面白さが観たい。話が表層的で、わざとらしく感じられた。
上手いと感じたのは、タケシ役。他の笑いが、笑いを取りに来るのがミエミエだったり、笑い自体が陳腐だったのに比べ、キチンと桁を外す笑いだから、腹の底からカラッとした笑いが込み揚げてくる。元の弔いに来たタケシが「アゲインのファンだ」という科白や「他人の為にシャカリキになって何かできるってのは、いいね」なんて科白が泣かせる。
きとうのときうた

きとうのときうた

宴友企画

d-倉庫(東京都)

2014/10/22 (水) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

重層化が欲しい或いは捻りが
ストーリー展開がやや単調に感じたが照、明・音響の使い方は効果的だ。更に観客の心を鷲掴みにする為には、現代をと交感するような視座を何処かに嵌め込んでおきたい。様々な方法が在り得ると思う。梛役、空木役が気に入った。桃役も爽やかでピュアな感じが良いし、鬼灯と牡丹、椿の関わりは可愛らしい。また、菖蒲役の品は流石である。(追記2014.10.23)

ネタバレBOX

 今年2人が、通過儀礼の儀式としての狩りにチャレンジする、桃と柊だ。既に儀式を終えた、空木、梛、鬼灯を加えた5人は、大の仲良し。おまけに、鬼灯を兄と慕う牡丹、椿が、妹分である。妹分達を入れると7人衆になる。
 今日の狩りも失敗だった。他の4人にお膳立てをして貰いながら、桃は、そのポテンシャルの高さとは裏腹に、その余りの優しさと大切に育てられた環境から、おっとりした所から抜けきらないでいる。それに引き換え柊は、より野性的でアグレッシブである。
 男3人のうち、桃の失敗を優しく慰め、フォローしてくれるのが、梛。村で最も腕もたち、何をやらせても出来るのが、空木だ。集落の長は、馬酔木。
 ところで、成人へのイニシエーションとはいえ、狩り場のある森の奥には、鬼が棲むと言い伝えられており、特に月の細る時期には里近く迄鬼がやって来る為、くれぐれも用心しなければならない。だが、半月の間、練習を重ねたのに、桃はまだ一頭も大物を仕留めることができないでいた。そんな折、牡丹と椿は、容体の悪化した母を助けようと、万病に効くという、森の奥の霊木を探しに行った。妹分を探しに5人組も捜索に加わったが、鬼に襲われ、桃を守ろうとした柊は深手を負ってしまった。妹分達を助け、漸う、帰村したものの、柊の命は費えたと思われた。彼女のケアは一応、馬酔木に任されたのであるが。何れにせよ、不甲斐ない自分を守る為に柊は命を落としたと考え、桃は深く傷つく。そして、仇を取ろうと独り森の中へ入ってゆこうとするが、友人たちが放っておかない。森に分け入った4人は、矢張り、鬼に遭遇する。而も、最初に出会った鬼とは比べようもない程強い。何とか、命を保ってその場は逃れたが、森で出会った奇妙な老人、木賊から語られたのは、思いもよらぬことであった。(上演中故、ここから先は明かさないが、物語は急展開する)
Re・BIRTH-南総里見八犬伝異聞-

Re・BIRTH-南総里見八犬伝異聞-

super Actors team The funny face of a pirate ship 快賊船

ブディストホール(東京都)

2014/10/19 (日) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

流石長い歴史を生きて来た古典
 言わずと知れた曲亭 馬琴の「南総里美八犬伝」をベースとした作品だから、読んでいる方も多かろうが、念の為、一応粗筋を記しておく。(追記2014.10.22)

ネタバレBOX

宝珠チームを拝見、今作は、南総里美八犬伝異聞の前半である。前半だけで3時間の大作だが、隋所にきらりと光る科白があり、殺陣も多く飽きさせない。殊に注目すべきは、怨霊となった珠梓が、女の身の不幸を切々と訴える場面で、男女差別に煩くなった現代に於いても、その科白の訴えはいささかも古びていないのは、流石である。また、その訴えが、玉梓を悪の権化として描くというより、女性の哀れを通して人の哀れとして描いている所に、普遍的な文学作品の質を見る。
 今作の時代設定は室町。結城の戦いで敗れた里美 義実は、安房へ落ちのび裏切った山下 定包の首を討った。その際、定包の妻、玉梓の命は助けると約束したが、忠臣、金碗 八郎に“生かしておけば国を滅ぼす”と諭され、首を撥ねてしまった。首を撥ねられる前、玉梓は、里美一族の根絶やしと国を崩壊させることを呪詛として投げつけた。
 時は下り飢饉に見舞われた義実の城を、隣国の領主が襲った。形勢不利と見た義実は、敵将の首を討った者に姫をやる、と下知。その任を果たしたのが愛犬の八房であった為、伏姫は、八房の妻となった。
 と、玉梓の怨霊が現れ、姫が、八房の子を身籠りやがて八つの命を生み落とすと予言する。姫を守ろうと果敢に戦った八房は、無残に殺されたが、その念は、姫を懐妊させていた。そこへ、許嫁の金碗 大輔が姫を救いにやってくるが、玉梓に翻弄され、姫を殺めてしまった。亡くなる前、姫が気を放つと、彼女の数珠から八つの珠が飛び散った。その一つ一つには一文字ずつ文字が刻まれていた。その文字とは、仁義礼智忠信孝悌の八文字。
 大輔は、その後、伏姫の菩提を弔い、悪霊となった玉梓の怨霊の呪いを解く為、飛び散った珠を持つ八人を探す旅に出た。姫の菩提を弔うのであるから、当然、出家してゝ大と名を変え、僧形に身をやつした。
 更に時は、流れ、ゝ大ハ、次々と成長した珠の持ち主達に出会い、玉梓との決戦に向け力を蓄えてゆく。

Siren Song【アフタートーク&握手会イベント決定!】

Siren Song【アフタートーク&握手会イベント決定!】

Lunar Punk

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/10/15 (水) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★

まるきり繋がりのないように見えるこの話、果たして結末は?
 2つの物語が交錯しながら展開する。1つは現代物で、エンパスという特殊能力(他人の痛みを我がことのように感じることのできる能力)を持つ男に纏わる。もう1つはファンタジーで、こちらは、過去のとある時代、とある地から、不老不死の霊肉を求めて、大海原に乗り出した、船乗りとサイレン族の物語。
(追記後送)

アンサータン・ストーリーズ

アンサータン・ストーリーズ

演劇ユニット「クロ・クロ」

劇場MOMO(東京都)

2014/10/15 (水) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

才能

大學の文芸サークルで、ライバル同士だった2つの才能。一人は、現在、売れっ子作家
一人は、亡くなっていたが、一人の女性を巡って、才能同士が、微妙な関係・心理を紡ぐ。
(追記後送)

目々連ー覗き込む葉ー【千秋楽当日券あり!】

目々連ー覗き込む葉ー【千秋楽当日券あり!】

鬼の居ぬ間に

「劇」小劇場(東京都)

2014/10/16 (木) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

化け物の正体
この国の不可視の部分を、相互監視と村八分を基軸に描いた秀作。原発村が、何故、これほど厄介なのか? その謎の一端も解けるのではないか? (追記2014.10.22)

ネタバレBOX


日本人の畜人根性は、恐らく太閤検地で人別帳を権力サイドに握られ、刀狩によって、権力に反対する為の武器も奪われたことによって、民衆が自らの権利を主張する為の要件を失わされたことから生じている。即ち権力押し付けのベースを作られ、江戸幕府の朱子学によって、倫理的統制を受け、更に、五人組などの連帯責任制を負わされることによって、その畜人根性の完成を見た、と自分は、考えているのだ。
それ以前、日本人の発想は遥かに自由であった。戦国時代を一言で言い表す時、人々は下剋上と言う。これは、個々の自由裁量によって何でもできる、ということである。尾張の信長が下半国の守護代織田家の奉行の家系出身であることは良く知られていよう。而も、信長の父、信秀は、小大名並みの軍事的指揮権を持ち、経済的基盤も強かった。従って主君を倒すだけの地力は具えていたと見て良かろう。その、嫡男として生を受けた信長が、その賢さを力のないうちから見せていたとすれば、無論、暗殺されていたに違いない。従って「うつけ」と呼ばれる程に、桁外れな行動を取って、人々から馬鹿者という評判をとったのは、信長の天才性を示すものであって、それ以外ではない。こういった、自由が、戦国期の日本人にはあったのである。織田家の家系図に怪しい所があることも、出自が細工できるような内実があったからできたことである。無論、今でも、最高権力者の座についてしまえば、行えないことではあるまいが。何れにせよ、時代が下剋上という一言で表されるように、発想と自己裁量の自由があり、且つ、その野心なり夢なりを実現する為に、闘う為の武器も持っていた点に注目する必要がある。そのことが、他の権力、権力者に立ち向かうことを許したのだ。
だが、先にも述べたように、江戸時代に、武士以外の階級は、その牙を抜かれ、寄らしむべし、知らしむべからず、という論理の下、徹底的に抑え込まれた。飢饉や火山の噴火、冷水害、地震、津波等の災害によって、米の収穫が大打撃を受け、年貢減免を願い出ても、温情が示されることは少なく、追い詰められて一揆に及べば、首謀者、関係者は打ち首、犬死にであった。義に従い、情に従う村方三役は、このように権力に惨殺されてきたのである。だから、お上に逆らうことは、避けねばならない暗黙の了解事項となったのだ。このような背景があればこそ、今作に描かれたような、村の総意が、その力を遺憾なく発揮するのである。そして、そのことが、この植民地の民が持つメンタリティーのエグさなのであり、醜さなのだ。その点を今作は、実に見事に描いている。
湯浅桂樹の頭ん中

湯浅桂樹の頭ん中

神田時来組

ART SPOT LADO(東京都)

2014/10/11 (土) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

未だ延びシロあり
15分の短編、2編と1時間の作品1編という変則スタイルのオムニバス。1.事故PR 2.師走にDON 3.茜荘

ネタバレBOX

1. 事故に遭ってむちうち症になった患者が訪ねてくるが、医者は、常識はずれの「治療」で対応、終にはお門違いの職種の人間迄絡んできて!

2.彼女に浮気を疑われたサンタクロース。事実を打ち明けて誤解を解こうとするが、彼女は、自分の彼が、本物のサンタクロースだとは信じられない。サンタクロースは、真実を明かしたことが、掟に触れた為、相棒のトナカイに殺されてしまうが、トナカイが彼女迄襲おうとしたので、必死になって彼女を庇い助けるも、自らは終に詩を迎える。最後にサンタのつけ髭をねだるラストは、小品とはいえ泣かせる。

3.3作品の中で唯一、1時間の作品でキャストの数もグンと増える分、ストーリーも込み入り、面白く拝見した。今は無人島となった島に立つ茜荘に、募集に応じて集まった男女、そして、募集を掛けた会社の社員一人が、繰り広げる男女関係そのものをゲーム化したような世界。単に、恋愛の様々なパターン(あり得るものとしては、ゲイやレスビアン、通常のヘテロ、三角関係、スワップ等々)を内包しつつ、今作が導いて行くのは、殺人事件である。それも、200年後の世界で起こる殺人事件だ。その頃迄には、血液型の相違を原因とした戦争が起こっていて、登場人物はたった一人を除いて、総て同じ血液型。そして、その事実は、この事件の起きる二十数年前に、抹殺されていた。従って、人々は、自分達以外の血液型が在った事実を知らない。ここに、残った唯一の人物を除いて。殺人事件の顛末や如何に?
傘の確率

傘の確率

TOLTA

調布市内 京王線つつじヶ丘駅から徒歩8分 詳細は予約後にご連絡します。(東京都)

2014/10/12 (日) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★

現実の切り取り方が詩的な点が好みだ
砂丘、星、温泉、プラネタリウム等に憧れ、旅をしたいトルタロボトークと関口文子によるダイアローグ。

ネタバレBOX

文章は、演劇の科白というより詩的散文と言った方がしっくりくるような文章で、言葉によって、通常の生活次元の箍を外されたような体験であった。
500万

500万

A.R.P

千本桜ホール(東京都)

2014/10/10 (金) ~ 2014/10/14 (火)公演終了

満足度★★★

あったかコメディー
僅か500万の身代金を要求する為に誘拐を働く、という設定には、無論リアリティーが無い。

ネタバレBOX

 しかし、この点こそ、今作のミソで、500万程度の金なら、退院ではあっても、庶民が何とか1日で都合をつけることが出来そうな感じはする。そういうレベルでの温かいコメディーである。
 シナリオ自体べたで中盤に掛かる頃には、結末まで見えてしまうものの、流石に、ディーテイルには、工夫が凝らしてあって、その点では、良い意味で裏切られ楽しめた。シナリオがベタな分、役者達の演技や歌で作品が立体化すると、矢張り感動的だし、楽しめる。
 今後、更に延びてゆく為には、演技を内側からにじみ出るようなレベル迄高めることを目指して、研鑽に励んで欲しい。
今は昔、栄養映画館

今は昔、栄養映画館

劇団乗越

あさくさ劇亭(東京都)

2014/10/11 (土) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

満足度★★★

今後、更に芸を磨かれることを。
 映画のタイトルを科白に織り込んだり、コンセプトの「枠」を決めてその微妙なバリエーションを表現するタイプのシナリオを卒なく演じているが、未だ、膨らみは弱い。若いユニットのデビューとしてはしっかりしている。
 

まつろわぬ民

まつろわぬ民

風煉ダンス

調布市せんがわ劇場(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

怨劇
対絶ベシ観ル! 観なきゃ、わかんにゃいよ!(ちょっとだけ+)

ネタバレBOX

 ゴミ屋敷の歌
棄てられたことばを だれがひろう
置き去りの昨日を だれがはじめる
皺だらけのスナップ、あの日の笑顔、
ひとひらの桜がきみを寿ぐ
宇宙の塵までかきあつめ 袋につめて呼びかける
終わるにはまだ早い 話を聞かせて
果てしなく続く 夢のいとなみを
見えないきみの 声が聞こえる
忘れていた歌を また歌おう(劇中歌から引用)
 こんな歌を歌う老婆が、この塵邸の主人ということになっている。負けた者は埋められる。歴史の屑籠に。そして、忘れ去られる。だが、この老婆と一党は、忘れ去られることを拒否していた。彼らの戦いは必敗。しかし、だからといって彼らは、降参などしない。ただ、生き延びて、散り散りになってしまった仲間を集められるだけ集め、闘う。鬼の誇りを守る為、埋められ、忘れられて無かったことにされない為に。そして、千年前、再び戻ると誓った長、サンベを待つ。
 呪術としての演劇の姿がここに在る。この演劇は怨劇と名付けたい。無論、最高の褒め言葉である。
評論家的な言辞を弄すれば、舞台美術の緻密で見事な猥雑さと演出の手際、生演奏と唄の上手さ、演技と踊りのコラボレーションの良さなどは、当然、最高度のレベルである。意図され、企画され、緻密に計算された演出によって、猥雑が表現されているのである。この快感は堪らない。
痕-KON-

痕-KON-

ピタパタ

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2014/10/10 (金) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★

擬制の終焉はやってくるか?
夏、エアコンが故障した居間に、集まる人々。

ネタバレBOX


実は妾、アキコ宅で、息子が二人。兄、マサヤは結婚しており、妻は5カ月の身重であるが、いつでもトンデモナイ音をしでかしては、女房から逃げている。女房のチェックには中々厳しいものがある。父は現在入院中であるが、本妻の娘、リエコも父とアキコの縁を切らそうと何度も訪ねてくる。そのリエコは主婦で子供が一人。弟のシゲルは、一見、まともだが、先端恐怖症以外にもナーバスな所がある。そんな彼は、母性的なものに対する複合的な意識を垣間見せる。更に、彼らの従姉妹、サキの彼は自分の父親より年上で、どうやら妊娠している。
 この家の中で、最も落ち着きを見せているのが、アキコだが、良くも悪しくも妾として生きて来た女の持つ肯定的な広がりを見るようである。
 因みに狂言回しとしては、エアコンの修理に訪れた電器屋がいて、現代風に見えながら、案外古い劇の構造を保つと同時に、矢張り現代劇であるのは、上記に挙げたようなそれぞれの所作は、所詮、見せ掛けであり、各々が各々の利害に従って目先の利益を図っている点である。マサヤは、ライターを失くしているし、そのライターらしきものが、放火現場である、彼らの家の前に建ったマンションから見付かった。サキは、リエコがアキコに渡した手切れ金を盗む。恐らく堕胎のためだろう、と類推させるのだ。
I LOVE YOU,YOU'RE PERFECT, NOW CHANGE

I LOVE YOU,YOU'RE PERFECT, NOW CHANGE

Score

d-倉庫(東京都)

2014/10/08 (水) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★

スペードを拝見
 オフブロードウェイで絶賛を博したという作品だが、如何にもアメリカ的だ。というのも、ありとあらゆるレベルで管理された社会だからだ。大分以前にも書いたことがあるが、通常、どんな時代のどんな社会体制でも支配層が全人口に占める割合は5%である。然し、アメリカに限ってはそうではない。2%が残り98%を支配下に置いているのである。(追記2014.10.11)

ネタバレBOX

 恐らく3S政策という言葉を聞いたことがあるという方は多かろう。日本を占領した米軍が、大衆の目を政治から逸らす為に用いた政策だと言われている。3つのSは、Screen,Sports,Sex其々の頭文字である。これらを解禁、流布させることによって、大衆は自らの意志で、それらを選んだと勘違いし本能の赴くままに身を任せる。結果? 明白であろう! まあ、このやり方に似たようなものだ。超管理社会であるアメリカは大衆にそのことを気付かせない方が良いと気を配る。当然だろう。2%では、98%に対抗することはできない。もし本気でマジョリティーが掛かってきたならば、負けるのはいかに権力があろうともマイノリティーである。問題は、マジョリティーに優れたリーダーが居らず、彼らを纏めることができないことだ。そのようにしておく必要がある。マイノリティーがマジョリティーを支配する為には。だから、幻想と快楽もしくは娯楽を与えて大衆の目が決して自分達、為政者の悪事に向かぬよう操っているのである。だが、如何に大衆が愚かであろうが、身体は、押しつけられた軋轢に素直に反応する。今作に評価すべき点があるのは、その視座であろう。即ち体制のイデオロギーを補完する挿話にブラックユーモアを加味しているのである。
作品の作り方としては、各プロットを男と女をテーマとし独立した小品として次々に呈示してゆく手法を採っているが、その根底に広がっているハズの“何故、このような作品が出て来たのか? 成立しているのか?”と言う必然性をフォローする視座が、弱い。演者、演出共に深く考えるべき点であろう。
それを考えた上ならば、男女が避けて通ることにできない性の問題を扱いながら、何故、健康的で、ノーマルなヘテロセクシュアルではなく、ゲイ、レスビアン、SMなど歪んだ性の形ばかりが描かれるのか? 自分なりの解釈ができるハズである。
一遍

一遍

風雲かぼちゃの馬車

相鉄本多劇場(神奈川県)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

凱旋で0.5おまけの★5つ
承久の変で朝廷側につき、力を削がれた河野一族の家系に生まれた一遍は、幼名を松寿丸と言う。仏門に在ったこともある父、通広の計らいで10歳で下男(後に念仏坊)と共に仏門に入るが、この直前に母を亡くしている。

ネタバレBOX

今作によれば、母の死は、異母兄、通真の仕業だ。
  何れにせよ、預けられた寺で、彼は早速本領を発揮する。寺の問題児兄妹、大日坊、大月坊と喧嘩したのだ。それはそれとして、その後が、面白い。若い僧の世話役をしている華台が、大日坊、大月坊だけを罰っしようとした時、自分も同じような悪いことをしたのに、片方だけ罰するのはおかしい、と文句をつけたのだ。理屈は無論、一遍にあるので、賢明な華台は、一遍の理を認め、同じ罰を科すことにした。無論、寺を与る聖達にもその旨、報告する。(因みに聖達は、通広の兄弟弟子に当たる)
  一遍のこの真正な態度に大日坊、大月坊は、心を動かされ、友人になった。その後も、4人は、いつでもつるんで悪戯をしていたが、この謹慎期間中は、托鉢に出ることも禁じられていた4人に、兄妹の母が、病に倒れているとの知らせが入った。托鉢から帰って来た仲間が知らせたのである。病が重いのか否か迄は分からなかったが、母を亡くした経験を持つ一遍が一肌脱ぐ。聖達に直訴したのである。聖達は、罰を受けて謹慎の身なのだから、仏門に入った以上、兄妹を里に帰す訳にはゆかぬ、と言い渡すが、華台には、夜、裏口を開けておくよう申しつける。
 さて、病に掛かった母に会うことはできたものの、謹慎期間中に寺を抜けだした罪は罪として償わなければならぬ。罪の詮議をする聖達の前で、互いを庇い合う一遍、大日坊の姿を目の当たりにして、首謀者であると言い張る一遍に対して聖達が言い渡した罰とは、有望な若手僧侶が学僧として全国からも海外からも集まる太宰府へ華台と共にゆくことであった。一遍は、華台と共に、大宰府へ赴くが、ここで生涯のライバルとなる兵部堅者重豪と出会う。
一遍25歳、父の死を契機に還俗して、従兄の超一房と所帯を持ち子を為した一遍であったが、一族の所領争いなどがもとで、再度出家する。(因みに、水軍とは言え、一党は有力御家人の血筋。即ち武士である。武士階級が守るべきは二つ。所領安堵と一族の血を絶やさないことである。そのためにこそ、一遍の父(朝廷方)と実兄は敵味方に分かれて争ったのであり、通真の目の前で、伯父(鎌倉幕府方)が彼の実母を切り殺したにも拘わらず、その後、怨みつらみは、ないことにして、通広と実兄、通久は和睦を結ぶのである。通広にしてみれば、自分の妻をその手で殺した実兄との間のことである。だが、このような経緯が認められる時代であったからこそ、一遍の妻は、通久の娘でありえたのだ。ここで、蛇足を一つ。一生懸命という誤用が、大勢を占める現在だが、正しくは、一所懸命。武士が報償などで、地領を主君から授けられる。それは、何も生産しない武士階級が、生きてゆく為の必要条件であった。つまり、その地に居住する農民から、年貢という形で、収穫を取り上げるのである。その他に、封建制の時代、武士階級が生きる術などなかったのである。つまり自分達が日々生き延びる為には、その生活の糧を生みだす土地が、命賭けで武士が守るべきものであった。だから、自分の所領を守る為に懸命であったのである。そこから一所懸命という言葉がでてきたのであるから、そのような緊張しきった時間を一生続けるとしたら、それは気が触れているとするのが、正当な見方である。それとも、現代では気が触れているくらいで無いと生きてゆけない、とのアイロニーか?)
さて、その後、一遍は、行脚の旅に出、踊り念仏を広めてゆくことになるが、上演中故、ネタバレはこれまで。何れにせよ、一遍の踊り念仏、は生命の炎そのものであり、その純粋性に一点の曇りもない。
  シナリオ的には、一遍がどんどん精神的に成長してゆく部分をもっと作り込んでも良いのではないかと思う。それで、2時間10分位になっても、この内容なら、観客はついてきてくれるだろう。一遍を演じた菅本 生、念仏坊を演じた眞野 基範の演技が気に入った。同時に、一遍がシンドイ時に、彼を支える女(後に女房)の超一坊を演じた庄野 有紀が、可愛らしく、強い女性を演じてグー。

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