満足度★★★★
マクロコスモスとミクロコスモス
現在、我々の宇宙の始原は137億年前に起こったビッグバンにあると考えられている。爆発する前には、場所、時間、空間は存在しなかった。そうも考えられている。爆発した宇宙は、今も未だ広がり続けている。膨張することが時、所、場を作り出し、その中で、核反応でエネルギーを放出する恒星が産まれ、超新星爆発を経験し、矮星やブラックホール、ホワイトホールを生み出す各々の島宇宙が生々流転する永い歴史の先っちょには、核分裂を人工的に起こすことによって我々が作り出したプルトニウムなどの猛毒・核物質を含めた様々な物質を産み出してきた。
が、今作は、基本的には大陸移動説を根底に話が作られている。大陸移動を唱えた者は、早くは16世紀にも既にいた。然し、科学的な知見がまともに論じられるようになったのは、やはりウェーゲナーを待ったほうがよかろう。急速に進歩した他の諸科学も彼の理論を補足、証明する域に達しつつあったからである。何れにせよ、今作のタイトルにもなっているパンゲアは、かつて一つの大陸であり、それが分裂して現在の諸大陸が形成されたと考えた彼が、元の超大陸につけた名である。
(中間追記2014.5.21)
2014/06/02 11:54