満足度★★★★
演劇でしか、なしえない空間
小説の世界とは違って、もう一つの『テヘランでロリータを読む』の世界が立ち上がっていました。女性がイランに暮らすことの葛藤をメインに物語る良作。衣装のセンスも良かったです。
満足度★★★
面白いとは感じたが
ラストまできて面白いと感じたが思ったが、頭の回転が悪かったのか、セリフがあまり入ってこなかった。(照明が暗めなのも響いたか?)ちょっと残念な事をした。
満足度★★★★
シンプル
四方から観る舞台に慣れてなかったせいか初めは違和感がありましたが、シンプルな舞台を活かした演出でぐいぐい物語に引き込まれあっという間の2時間でした。役者さんが皆素敵。
満足度★★★★
四方に囲まれたなかに…‥
シンプルなステージだったのですが、そこには確かにテヘランとロリータの本の世界が広がっていました。宗教的に厳しい世界の中にも自由を求めてる人々がいたことに単純に嬉しく思いました。
満足度★★★★
ペルシャか
光と影の使い方が心に残った。舞台を四方からか組むスタイルでその形態へ特別なものではないが、なぜか不思議と惹かれるものがあった。うまく表現できないが
北千住は遠いところだと思ったが、上野から10分弱。食事をして帰ったが、11時すぎには帰宅できた。
満足度★★★★
情報過多な時代だからこそ
日本でもきっと同じようなこと…あったと思う。鎖国と宗教。規制の強制。女子vs男子。それから兄弟:夫婦:親戚…。それぞれの想い、関係。四角い空間の中よく描かれていました。衣装もちょっとした工夫とかあって解読の補助になっていました。
リアルか、ファンタジーか。
個人的には、この世に存在するものをめちゃくちゃ大雑把に分けたらこの二つになると思う。実体験する事で自身の感情を伴って肌で感じるリアルと、そこに達しないファンタジー。別に伝説の剣を手に魔王を倒しに行かなくても、魔法少女になるか選択を迫られなくても、自身の経験や価値観で腑に落とす事が出来なかったら例え史実であってもファンタジー。時代劇でも当時の風潮や知識が分からないまま観て自分の感覚に置き換えられなかったらあっち側の遠い世界の話にしか思えなくなる訳で、だから共感出来るポイントを世界観ではなく人間模様から受け取れる様に、現代人でも共感出来る分かりやすい勧善懲悪の悪巧みを絶ったり人助けをしたり儚い恋の物語を盛り込んだりする訳で。人間の遣り取りや感情の部分で通じるリアルが見出せる。
という前提の下、さてこのテヘロリはどちらだったのか。時間堂の過去演目では「三人姉妹」が今回に近い様に感じた。その土地で生活をする事によって守るべき風潮や国策や流れがあって、逸脱しない様にある種の閉塞感に見舞われながら生きていく人々。その心境を受け取る事が出来ればこれはリアルで、よく知らない国のよく知らない人達の話と思ってしまえばファンタジー。それこそ見えざる重圧を感じながら観たとすれば、ダークファンタジーの様相を呈する。ほぼ無宗教の観念で生きる日本人でも、この演目からは宗教的観念を感じるだろうと思う。それは衣装や台詞に紛れた語群からの影響だけではなく、「自分が知らない作法・戒厳の中で生きる人々」の姿があったから。これを、どう受け取るかが鍵。先述の通り、この環境を自分の知らない世界とだけ思ってしまえばファンタジー。でももっと気を楽に「校則からハミ出た学校生活を夢見た事ってあるよね」とか「田舎もしくは都会で自然と生まれたローカルルールや地域性で面倒な目を見る事ってあるよね」まで落とし込めれば、実は凄く身近な話として観る事が出来る。そうなると各人物の発言や意図がリアルに共感出来る。
とかコメントすると、じゃああなたはそのリアル目線で観てたんですねって思われるでしょうけど、自分にとってはかなり終盤になるまでファンタジーでした。それこそ序盤は何か壁の様なものさえ感じた。それはあの舞台構造の影響もあるし、ざっくり言えば自分自身の心身の状態もあったと思う。自分が疲れてる時はちょっと余裕がなくなって他人への思い遣りや配慮が欠けちゃう時があるじゃないですか。それと一緒で、観劇日の自分の状態ではこのテヘロリのイランという国に生きる人々の心境に近付くには余裕が足りてなかった気がする。近付こうとしたのだけど、物凄く疲れて何かを消耗した実感がある。誤解されない様に断言しておくと、詰まらなかったからではない。むしろ充分に詰まった色なんなものを受け取るにはこっちの余地が足りてなかったという事です。要は登場人物に対して「そういう人もいるよね」って受け入れが出来るだけの余裕。それこそ実生活で自分と何かが違う人に対して「そういう人もいるよね」って思えるかどうかと一緒。「演劇なんだからそういう人もいるって思い込ませる演技や表現をしろよ」って意見もあるのかもしれないけど、時間堂は凄く普通なのでその辺は決して押し付けて来ない。押し付けて来ないから、こちらの許容量次第で観たい様に観られる余白があえてあるし、虚構を必死に作り上げてる感もない。目の前で人間が存在していてそこで呼吸をしている事実をただただ感じさせてくれる。それもまたリアル。
満足度★★★★★
素晴らしかったです。
冒頭のタイトルコールまでの「声」にゾクゾクしました。暗く広い空間の中で役者さん達の声が驚くほど美しく心地よく体に滑りこんで来る。黒いベールに身を包んだ女性達のように発する情報が制御されるかと思いきや、舞台からこちらが受けとる情報の多さに驚きながら観てしまいました。原西さんの変態と紳士が同居した魅力も相まって、実にセクシーな感覚に包まれた芝居。役者さん達の力はもちろん、あのような統制の取れた演技を役者さんたちにさせることが出来る世莉さんの演出力・役者を育てる力にも感動。人間の発する力にただただ震えて、目を見張っている間に長いはずの2時間が過ぎました。
満足度★★★
声の存在感
1995年のイランのテヘランでプライベートな読書会で『ロリータ』を読む女性達を描いた小説『テヘランでロリータを読む』を舞台化した作品で、洗練された演出によって声の魅力が引き立てられていたのが印象的でした。
舞台上には登場しない「先生」と共に行われる読書会を通して宗教・文化・社会・女性の生き方について議論する様子に『ロリータ』の場面が重ね合わされながら展開し、抑圧された女性達の思いが伝わって来ました。
床置きの照明器具で境界を定められたアクティングエリアを客席が4方から囲み、1冊の本とサングラス以外には小道具も、椅子やテーブル等の家具も用いず、音響も全く使用しないという物理的には簡素な設えでしたが、役者達の演技によって様々なシーンの情景が浮かび上がっていたのが良かったです。
丁寧に作り込まれた脚本・演出・演技ではあったものの、馴染みのない文化圏の話だったせいか、物語の世界に入り込みにくく感じ、110分の上演時間が少し長く感じました。
キーワードを解説した資料や人物相関図が用意されていて、開演前には黒澤世莉さんがイランに行った話もしていて、観客に楽しんでもらおうとするホスピタリティーを感じました。
満足度★★★★★
意欲作、完成度も高い。
まず登場するメンバーの声の美しさに感動した。しかもひとりひとりが美しいだけでなく、全体の調和が見事だった。
シンプルななかによく訓練されていることがわかる良質の作品だった。
満足度★★★★★
時間堂「テヘランでロリータを読む」観ました
舞台上に、姿の見えないキーパーソン(原作における一人称の語り手)と、自在に動き回る架空の人物(作中で読まれる小説の登場人物)の対比。さらに、劇中の実在の人物たちと、小説のもうひとりの架空の人物がかぶさる見せ方の妙。 彼らを軸やガイドに繰り広げられる、宗教・体制・性差・欲求に絡め取られた多彩な人間模様の群像劇。
顕微鏡で覗いたように切り取られ出てくる場面場面が、映画やTVドラマのように観客の中で紡がれる。
劇中で読まれる小説「ロリータ」の読み方は、人それぞれで違う。人の尊厳、自立への考え方の違い。その上で同じ世界に生きることとは。世界への読解力の違う人間同士の相互理解は、どこまで可能なのか。
同日に観た、東京デスロック「東京ノート」と共通するテーマを感じました。
観終わった後は、まるで海外ドラマをまとめて観たような、もたれた感覚が(笑)
満足度★★★★★
「抑圧」の部屋から、「(隣の)青い芝生」が見える「窓」を開ける
オノマリコさんの戯曲が素晴らしい。
それを具現化した黒澤世莉さんの演出も見事。
もちろん役者さんたちもいい。
オノマリコさん × 黒澤世莉さん の生み出す作品って本当に素晴らしい。
満足度★★★★
奥深く、細かい
人間のあれこれ。110分と比較的長いお芝居だけど一人一人にスポットが当たって、それぞれにドラマがあって飽きなかった。それがすごく奥深く、細かく描かれていたので共感ができた。それでいて「テヘランでロリータをよむ」というタイトルに相応しい世界観も出ていたので流石だなと思いました。役者さんも、言葉を大切にしていて伝わるものが大きかった。観に行くことをお勧めできる舞台。
満足度★★★★
共感と虚しさと。
四方から囲む形の演出。
音響のない110分は、見応えがあり、聞き取りやすいせりふで構成されていた。
また、ストーリー上重要なある人物が登場しない、という劇構造も、とても興味深かった。
満足度★★★★
「テヘランでロリータを読む」
すっごく面白かった!四方を客席が囲む何もない舞台で、俳優が滑らかに連携し火花散らす。自由度高いが感情まかせにならず、言葉を確実に伝えてくれた。人の声を聴く時間でもあった。約1時間50分。
満足度★★★
ロリータ
開演前と終演後の、ステージに映るちょうちょの灯りがキレイ。受け入れ体勢もいい。チラシのスタイルや、タイトルのペルシャ文字な感じは好き。
満足度★★★★★
無題591(13-016)
13:00の回(快晴、やや風)。ということで北千住へ(初めて)来ました。時間堂は「廃墟」からで3作目。「ということで」というのは、一昨日、オノマさんの公演をみていて(@COREDO)、「旧体」に続いて「オノマさん+黒澤さん」の2作目ということです。初めての場所は迷うのではないかと思い、いつも早めに来て場所の確認とぶらり商店街をしています。今回、北千住マルイと分かりやすい場所...店内をみながら11Fまで上がってみても会場らしい気配がない。チラシも看板もなにもないので「?」、しかたがないので店内を眺めて時間つぶし、12:20頃戻ると案内のスタッフがいらして奥の受付の方へ、12:30受付開場。正方形の舞台を囲むように四方に客席(前後2列)、入って右の席にしました。会場は黒...椅子も黒。チラシと一緒に「よくわかる紙」というのがあり予習してみる。用語説集のようなもので、なぜか「プログレッシブ・ロック」という項目がありました。読むと黒澤さんは「イエス」がお好き...とありますが、どの時期でしょう「Close to the Edge」か「90125」なのか...(ちなみに私は5大プログレバンドの来日公演に行ったことがあるのでした、再結成含むですけど)。
12:59前説(黒澤さん 110分)、13:05開演~14:57終演、PPT15:04~15:28。
此処(自分が歩く範囲)ではない場所を扱った内容はなかなか歯ごたえがあり、落ち着かせるのに少し時間が必要。終演後、過去のDVDと台本を購入。
あとで追記します