荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】 公演情報 荒野1/7【全日程終了・ご来場いただきました皆様ありがとうございました!】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-20件 / 24件中
  • 満足度★★★★★

    会話劇
    やはり前列がお勧め。キャストは座ったままでの会話劇なので前の方の座高が著しく高かったりすると観にくい。

    この物語が事実なら、脚本家は自身の身を削りながら書いたのだと思う。つくづく作家という家業はプライバシーがないらしい。性格やものの考え方など両親からの血の継承なのだが、どれもが歪んだ果実であった。

  • 満足度★★★★★

    個々が突き刺すものと、その重なりが引き込むもの
    舞台上に束ねられ散逸していくキャラクターたちそれぞれのベクトルに目を奪われつつ、それぞれが歩んだ時間に染められていても抜けきることのない、血の肌触りに強くとらえられました。

    ネタバレBOX

    初日を観ました。

    予想外の場内のレイアウトに少し戸惑う。
    早めに入場できたのでとりあえず中央付近の席にすわる。
    なんというか、舞台と思われるスペースには
    どこかぶっきらぼうで、
    そのくせ開演前から観る側を引き寄せる雰囲気があって、
    座席に腰を下ろしたとたんに観る側にある種のテンションが生まれて。
    そして、音楽が舞台上に近づき、
    最初の人物が現れ、物語に切り取られた時間が
    動き始めます。

    終演時には中盤からのシーンに圧倒され
    印象が埋もれてはしまうのですが、
    登場人物たちが揃うまでの場の組み上げが
    実にしたたかで・・。
    一人が二人となりさらに加わっていくたびに
    細微に空気の色が変わり
    人物やその場のディテールを追わせる力が舞台に生まれていく。
    そして一人を残して舞台が満ちるころには、
    観る側は彼らの関係とそれぞれが抱くもの、
    そして彼らがここに集った理由を彼ら自身とともに
    知ることになって。

    ひたすら正面を向くキャラクターたちは
    それぞれの風貌や想いや、
    その境地にまでいたる彼らが過ごした時間や感覚の切っ先を
    観る側に突出し刺し貫いていきます。
    キャラクターどおしにとって相容れることのない軌跡を
    観る側は立ち向かうようにすべて受け取って・・・。
    その重なりに、彼らがそれぞれを貫けば貫くほど浮かび上がる
    原点の質感が広がっていくのです。
    そして、枠組が露わになるなかで
    最後の登場人物が現れ、
    彼らが切っ先の後ろに抱く同じ時間を
    同じであり異なるその立ち位置から
    さらに揺さぶりあからさまにして。

    彼らの実存感の先にいくつもの視点から描き出れていく
    父母の姿が概念でなくその時間を生きる男女となり
    兄弟の時間が歪みの中に瑞々しさをもって観る側を取り込んでいく。
    再び集った彼らの決断の向こうに
    その事件から背負ったものだけにとどまらない
    彼らが生を受け、その場にあり、更に歩み今を過ごすことの質感が生まれ、
    それぞれの距離に至る彼らに流れる同じ血の逃れえない感触に
    強く深くとらえられて・・・。

    気が付けば、
    目の当たりにした荒野の風景の先に描き出される、
    作り手の世界に首までどっぷり浸され、
    彼らが、さらには自らも含め人が、
    その血を内包して歩み続けることの、
    逃げ場のない、冷めることのない温度を持った禍々しさに
    立ちすくんでしまっておりました。

  • 満足度★★★★★

    必要な儀式
    七人七様、藪の中のような。

    ネタバレBOX

    きょうだいが集まり、また散っていく、虚しいけれど必要な儀式。

    登場人物は7人、丸椅子が思いっ切り横に九つ並んでいる。客席は丸椅子に近いから端だと見づらいだろうなと真ん中辺りに座りました。中央に長男が座り、向かって左隣にハマカワフミエさん、絶好の位置でした。

    父親が母親を殺し家族は崩壊、きょうだい7人はそれぞれ別々のところに貰われて行きました。父親が倒れ、延命処置の有無を確認するために長男がそれこそ20年振りぐらいに招集し、全員が集まったのでした。

    殺人の真相が語られます。何となく感づいていたきょうだいもいましたが、虐待から子供たちを守るためでした。幼い頃の曖昧な記憶や養父母からの刷り込みがあると目から鱗、藪の中の一筋の光です。

    この時点ではきょうだいには誰も子供がいません。三番目の長女が猫を虐待してしまった程に、多くのきょうだいには過去の虐待の記憶がトラウマとなって残っているようです。そして六番目の次女だけが腹違いであったことが明らかにされました。

    父親の実像が明らかになったとは言っても今更感があり、現在の家を大切に考えたり、経済的負担に耐えられなかったり、はっきり言って無関心であったりして協力は得られませんでした。でも必要な儀式でした。

    みんなが帰り、長男と二人きりになってから次女は妊娠していることを明かします。産むべきか悩んでいて、父親に会うことで何かが得られるような気持ちになっていて、長男と次女で出来るだけのことをしようとします。

    長女が殺された母親の虐待癖を引きずっているのに比べ、次女には私には遺伝的に問題がないという自信のようなものが感じられました。一番下の三女はあまりにも小さかったため母親の影響を全く受けておらず、野島の人間、野島の人間と、何かと現在の姓を強調しているのが面白かったです。

    長男にはそれなりの責任感があり、次男は分かったような顔をして、三男はヘラヘラとイジケ、四男はあの当時はやはり小さかったので全くの無関心でした。

    そして、その後何らかの結論を得た次女は子供を産み、作家さんが生まれたということのようでした。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい
    劇場の使い方が面白い。
    劇団らしく緊張感のある舞台で、役者の演技力が素晴らしい。
    特に目線にこだわりを感じた。
    自分が予想した結末と違うのが良かった。

  • 満足度★★★★★

    荒野か
    すごかったです。

    題名も いいですね。

    ネタバレBOX

    静かに見える 舞台上 で
    役者の演技がする空間に 飲み込まれて、
    特に、 ハマカワフミエ さん の 演技が すばらしいと思って、
    ぶっ飛ばされました。

  • 満足度★★★★★

    深く重く濃かった。
    空気がやけに濃かったです。そして重かったです。濃く重かったくせに息苦しいんですからやばかったですこれ。

    重く暗いを話をしている人たち独特の空気がどっぷりと漂っていまいした。

    なんだか成熟しているとな思いました。役者も観客も。だからこその空気だったんだと思います。

    個人的にハマカワフミエさんが登場した時の美少女っぷりに息を呑みました。以前はふっくらとした単に可愛い子だったのですが、なんだかスッとして、心に何かを秘めているような美しさを持ち始めたように思えました。

    ネタバレBOX

    長男の人、良かったですね、とても。

    で、語るセリフもグッときました。
    実は自分も『不幸を背負うであろうことがわかっている子供なんて持てやしない』とそう思ってます。

    けれどだからこそやっぱり自分は子供のままなんだろうなとも思っています。

    誰かに愛されていつも傷つけ、突き放してしまうのは親からの愛情が足りてなかったせいなんだなというのもよくわかりました。過去を振り返るとたしかにそんな感じでした。

    自分を知る上でいい機会になりました。
    そして物語としてとても面白かったです。
  • 満足度★★★★★

    すごいタイトル
    親の事情で離散した7人の兄弟姉妹が再会する。
    再会を呼びかけた長兄の思い、「忘れたいのに何を今更」と渋々やってきた者、
    厳選された言葉と動きの少ない演出によって
    それぞれが抱える荒涼とした風景が姿を現す、素晴らしい舞台だった。

    ネタバレBOX

    衝撃的な事件によって、幼い7人の兄弟たちは名前を変え
    別々の家に引き取られて育った。
    長兄が声をかけて初めて再結集したものの、
    皆今更なんで?という思いで気持ちはバラバラ、
    懐かしさは同時に苦い思い出でもあった。
    長兄の問いかけに、次第に記憶を辿り始める3人の弟と3人の妹たち。
    ──父親は悪い奴で母親は可哀想な被害者
    彼らが事実を変形させて記憶していたのには、それなりの理由もあって
    辛く悲しい現実から逃げたいという子どもの心を責めることはできない。

    長兄は皆が大人になるのを待っていたのだ。
    事実から目をそらすな、逃げるなと呼びかける。
    でもそんなすぐには変われやしない・・・。
    あの父親の面倒を見るなんて、到底受け入れられない。

    ルデコ5の横長のスペースに、木の丸椅子が7つ並んだだけの舞台。
    一人ずつ登場して全員客席に向かって座る。
    見事に一点に置かれた視線を動かさずに会話が始まる。
    皆自分だけの孤独な荒野を見つめている。
    ほかの誰ともクロスしない。
    この図の素晴らしさは、話が進むにつれて効果を上げていく。

    長兄役の成川知也さん、ストーリーを引っ張るのが
    この方の魅力的な声なので冒頭から引き込まれる。
    親を見るなら全員で、捨てるのも全員でという
    強い決意のもと結集を呼びかけた長兄の思いが切ない。
    最後に一人残った妹に
    「家族が無いから不幸なんじゃない、家族があるから不幸なんだ」
    と吐露する場面で、誰よりも荒涼とした風景を視ていることが伝わってくる。

    理佐役の古市海見子さん、その意思的な強い視線が忘れられない。
    瞬きをしないその視線の先にある過去、そして現在の孤独な結婚生活が感じられる。

    4男を演じた小西耕一さん、一人イマドキの若者っぽくしゃべるのが超リアル。
    本能的に傷つかない方向へ身をかわしながら生きる今の若い人を見事に再現する。

    作・演出の高木登さんは、「家族の事情」という極めて個別のテーマを芯に
    時に「あってもなくても不幸」な「家族」の普遍性を描いている。
    この台詞と演出の前では、ぬるい幸福論など吹っ飛ぶだろう。

    長兄は「今日で兄弟解散だ!」と叫んだ。
    だが私は、このエンディングに何かほの明るいものを感じる。
    「もう二度と会わないだろう」と言って去っていった者でさえ
    きっとまたこの兄の元を訪れるような気がする。
    新しい命の存在もそれを予感させる。
    親はともかく、この「荒野」を共有できるのはこの7人しかいない。
    元はひとつだった荒野を、7人で分け合っているからこそ兄弟なのだから。

    「荒野1/7」、なんてすごいタイトルなんだろう。
  • 満足度★★★★★

    痛みとともに・・・
    劇場でしか味わえない濃密な時間、役者の確かな演技力が突き刺さる。

    ネタバレBOX

    期せずして絶妙なハマカワポジションに座っての観劇。

    ハマカワさんの妖しい光をおびた黒い瞳を正面から観るプレッシャーたるや!!!
  • 満足度★★★★★

    無題441(12-184)
    19:30の回(曇)、18:45会場着、もう階段に列、最終的に15人くらい並んだでしょうか、19:00受付(①チケットを持っている方②予約済の方とキャンセル待ちの方の順)、開場、満席、舞台左右の壁際に立ち見の方。入って左が客席(3列)、1列目はミニ椅子、目の前に木製の丸椅子が9脚、横一線に並んでいます、登場人物は7人の兄弟(4)姉妹(3)。役者は椅子に座り客席側の一点を見つめ語ります。劇中の移動はありませんが、毎回同じ位置なのかはわからず(但し、長男と末娘は常に中央…たぶん)、左右の幅が広く端同士の会話になると一方は完全に視界から消えます。始めはキョロキョロしていましたが長く続かず、必ずしも話している方を見る必要はない…と決め、あとは気の向くままに。「鵺的」は「不滅」からで続けての4作目。夏だし、暑いなと気を緩めていたのが間違い、やはり奥深くまで食い込む痛みに満ちたものでした。19:26前説、19:34開演〜20:50終演。

    そうか「明けない夜」から1年経ちました。

    ネタバレBOX

    長男という血縁上のたったひとつの立場、父の子供という7人の立場、父とのみつがっているという立場、記憶がある者/薄い者/ない者、記憶の奥底にずっと隠し続けていた己の記憶、理解できる者/出来ない者、強い者/弱い者、覚悟を持つ者/持たない者。役者が一枚一枚積み重ねてゆく様子が見え、問われているのは自分なのか、とさえ思えてきます。見えるのは(位置により)、右の顔、正面の顔、左の顔だけ。目が動き、瞼を閉じ、頬が震え、涙が光り流れ、指先が動き、膝を抑え、強く拳を握る。自ら(弱さ)を認める時の感情の揺れ、思いがけない事実、それでも背負うのか/降りるのか。
  • 満足度★★★★★

    1/7
    灰色で鮮烈な家族もの。痛い。

    ネタバレBOX

    酒乱の父が母を撲殺し、7人の兄弟は別々の家庭へ養子に出される。それから20数年後、長男・真司(成川知也)が話したいことがあると、6人を呼び集める。刑務所に入った後も父と会っていたという真司は、刑期を終えた父が病気で意識もない状態になったことを告げ、延命するかどうかを皆で決めたいという…。

    父が母を撲殺するというショッキングな冒頭から一転、母が虐待を行っていたこと、次男・康輔(平山寛人)らがその記憶から目を背けようとしていることを真司は指摘し、舞台が揺れだす。
    年長者(一番記憶が定かであるはず)で父とも一番接している真司の言葉に動揺するも受け入れることに抵抗のある(目を背ける)、康輔や理佐(古市海見子)や三男・和紀(山ノ井史)。幼くて記憶があまりない末妹・みずき(森南波)も、自分は野島の人間だと言い切る。次女・永遠子(ハマカワフミエ)は、母の子でないことを知り、養父母からは人殺しの子と蔑まれている。

    結局、真司と永遠子以外は、延命に反対して、疲れきった様子で部屋を出て行く(四男・孝弘(小西耕一)はあっけらかんとしてたけど)。一人父を支えるとする真司は、「家族」を否定する。その真司に妊娠していることを告げる永遠子は、「望まない妊娠」(養父の性的虐待?)への憎悪を抱えつつ「家族」を肯定しようとする狭間で悩み続ける。

    「家族」によって深い傷を負わされた人間(子供)が、それでも「家族」を否定できずに、結果逃げるしかできない弱さを、客席と対面で吐露する会話劇。闇の中をあてなく歩きさ迷う子供たちが、とても痛い。
    ラストの永遠子の告白シーンは、足元が熱くなった。血の気がひいたのかもしれないけど。
  • 満足度★★★★★

    目が離せなくなる
    別れ別れになった兄弟達が集まり、父親の延命措置について話し、その中で封印してた思い出が蘇る。
    実質、話的にはシンプルな話しだと思うのですが、鵺的にかかるとそれが非常に引き込まれ、また、だんだんと役者の一言一言から目が離せなくなり、途中からその場に一緒に居るような錯覚を覚えました。
    後、設定ではテーブルを囲んで座っていると思われるが、あえてそういう風に見せずに、客席に向かって一列で並べてみせる演出が凄くあってました。非常に素晴らしかった。

  • 満足度★★★★★

    本公演初見です。
    「視点」での短編に続き、2回目の鵺的でした。短編では心臓の中まで這いずり回られる感触に驚きを覚えたものでしたが。今回も徐々に心臓が蝕まれ、カーテンコールの頃には吐きそうになるほど息苦しい空気感に支配されてしまいました。

    描かれるのは、不幸な事件をきっかけに離れ離れになった兄妹達の徐々に紐解かれる感情。人は誰でも多かれ少なかれ家庭に痛みを抱えてる筈で、その痛みを伴わずに観られる人はいないはず。

    だったら自分はどうするか、どのように答えを出すだろうかと考えながら、目前の役者さん達の真摯な表情にも目を奪われて。7人の役者さんが個々の役柄をすっかり自分のものとしていて、あの集中力でよく精神的にヤられないなと驚嘆しました。

    ちなみに、これから観る人には最前列はやめた方がいいよ、と言います。よほどの覚悟がないと厳しいです。私は耐えられません。このリアルさは直視出来ません。

    ネタバレBOX

    演技派揃いの役者さん達の確りした芝居を踏まえて、その全てを凌駕してゆくハマカワさん。登場した頃から彷徨う視線の意味を捉えたくてその儚い姿に釘付けになってしまいましたが、トラウマと絶望を語りだす様に戦慄。静かながら凄まじかったです。

    個人的にはハマカワさん復活祭のような気分でもあったけれど。1年ぶりの彼女は、ブランクを感じるどころか、何かを乗り越えた強さを奥底の方に感じて益々凄みを帯びていました。何かを覚悟して舞台を降りた人間が、それを超える何かを覚悟して戻ってくるにはそれなりの資格が必要なんだと実感。

    その資格とは。ズバリ、才能なんじゃないかな、と。
    ハマカワさんは間違いなくこの世界に必要な女優さん。心底憧れます。お帰りなさい(^o^)/
  • 満足度★★★★

    視線が合わない会話劇。
    チラシに惹かれて観劇。素晴らしかった。
    横に広い、恐らく演劇にはそれほど向かない空間が、かえって芝居の内容を引き立てていたように思う。

    誰と誰が話しているのか、誰が誰に向かって言葉を発しているのか、そのリアクション、それが、視線が交わらないように配置されていることで浮き出していた。
    「普通」の立ち位置(座り位置)で会話した場合、埋もれてしまうであろうそれらの反応が、あぶり出されることで、会話している人間たちの心のひだが見えやすくなっていたと思う。

    上演時間が70分と、コンパクトにまとまっていたのも、冗長にならず簡潔に伝わってくることに繋がっていて、よかった。

  • 満足度★★★★

    初見
    友人に誘われ観劇。イメージと全く違ったのにビックリ。そして、嫌が上でも舞台に釘付けにされる感覚、素敵でした。深く深く心にのしかかる物語に感銘を受けました。次回作も観に行きます。

  • 満足度★★★★

    凄い芝居!
    これは見応えあったなあ。
    こういう演出、脚本は、なかなか無い。
    非常に濃厚な時間を過ごせた!
    今日の14時30分公演で最終だし、前売りチケットも売切れだけど、
    時間があれば当日券にかけることをオススメしたい!
    上演時間75分。

    ネタバレBOX

    シンプルな舞台美術。正面向きに9席おいてあるだけ。
    役者陣が座って話すのだが、皆正面向いているので、
    相手の顔はみれない。
    役者陣1人1人が自分の役割になりきり、話ながらその話す内容、
    場面に応じ表情をつくる。
    息があっていなかれば、とてもできる芸当ではない。

    役者陣は全員上手い!
    語りと表情だけでこれだけ魅せるのは、お見事!

    事実に基づく内容を脚色した脚本。
    こういう家族が存在している・・・。
    どういう内容か観劇することをオススメしたい。

  • 満足度★★★★

    まさしく荒野
    出演者が客席に横一列で座る一種異様な光景でスタート。
    タイトルから想起される「荒野の七人」のように人が横並びで歩いて来たら、それだけで高揚するのに、この居心地の悪さは何だろうと考えました。思い付いたのは、映画「家族のゲーム」の食事シーンですね、あれも家族の断絶を描いていましたがこちらはさらに強烈ですね。
    舞台は兄弟姉妹がお互いの顔を見ながら話しているていですが、ずっと観客席を見ています。まさしく登場人物が感じているであろう気恥ずかしさと居た堪れなさを強引に観客に共有させてしまう、この演出は凄いです。

    ネタバレBOX

    良い話に落ち着かず、逆に良かったです。特に絶妙に良い加減なボンクラ四男が素晴らしいです。周りに絆されないのも良いです。
  • 満足度★★★★

    鵺的的
    「鵺的」的世界を堪能。

    ネタバレBOX

    ともすれば推理劇になりそうな展開をさらりと回避する作劇手腕とストイックさに鵺的を感じた。

  • 満足度★★★★

    ほとんど朗読劇のような作りの、重~い話
    7人兄弟ながら、ある事件のためにそれぞれ別家庭に育てられ、
    そして、とある機会に、全員が再会することになった、という話。

    ネタバレBOX

    ネタバレ扱いにしているのだから、詳しく筋を書いても良いのだけど、
    やはり、書かないでおいて、興味おありの方は是非ご覧になられた方が、
    と思う次第。

    子への虐待、浮気、浮気相手の妊娠・出産、
    夫婦間の暴力、やり直し、そして……
    というような、相当重い話です。

    これを、ほとんど役者の動きも無く、
    基本的に朗読劇スタイルで演じられる。

    ちょっぴり、感情移入しきれなかった台詞もあったので、
    ☆4つにしましたが、全体としては問題作ながら
    素晴らしい作品だったと思います。
    ただ、好みは分かれるかもしれません。

    私の観た回には、アフタートークもあり、
    作・演出家の高木登氏のお話も聴けました。
    (これも、内容は書かない方が良い気がしますので、内緒にします。
    あしからず。笑)
  • 満足度★★★★

    鵺的
    この劇団は深層を突いてくる。
    リーディングのようでもあるが、顔で芝居をしている。真剣な顔、怒った顔、当惑した顔、傍観者的な顔、どうでもいいような顔、つらそうな顔、悲しそうな顔
    キーンと張り詰めた空気が、息苦しさを感じる。観るほうも真剣勝負であった。
    難点をあげるとするも、演出家の狙いなのであろうが、あまりにワイドに役者を配置しているため、私の席は中央であったが、発言の度に首を左右に振らねばならず首が疲れた。
    途中目をつぶって聴いてみたりしたが、やはり目を開けてしっかり対峙しなければいけない芝居であった。
    鵺的の芝居を観るときは、観客も観客という役者になって観るべきであろう

  • 満足度★★★★

    ず~ん…
    重いながらも楽しめました。

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