満足度★★★★★
本公演初見です。
「視点」での短編に続き、2回目の鵺的でした。短編では心臓の中まで這いずり回られる感触に驚きを覚えたものでしたが。今回も徐々に心臓が蝕まれ、カーテンコールの頃には吐きそうになるほど息苦しい空気感に支配されてしまいました。
描かれるのは、不幸な事件をきっかけに離れ離れになった兄妹達の徐々に紐解かれる感情。人は誰でも多かれ少なかれ家庭に痛みを抱えてる筈で、その痛みを伴わずに観られる人はいないはず。
だったら自分はどうするか、どのように答えを出すだろうかと考えながら、目前の役者さん達の真摯な表情にも目を奪われて。7人の役者さんが個々の役柄をすっかり自分のものとしていて、あの集中力でよく精神的にヤられないなと驚嘆しました。
ちなみに、これから観る人には最前列はやめた方がいいよ、と言います。よほどの覚悟がないと厳しいです。私は耐えられません。このリアルさは直視出来ません。