満足度★★★★
美しく切ない
星のホールは、行く度に「どんな舞台を見せてくれるのだろう?」と期待してしまう。
今回も期待を裏切らない素敵な舞台でした。
ただ、話が進むに連れて、綺麗過ぎるというか、綺麗な所だけ切り取ったように感じて・・・。
満足度★★★★
セリフにドキドキ
物語の展開とかではなく、セリフそのものにドキドキさせられる事って普段なかなか無いのですが、『パール食堂のマリア』では1つの作品内で何度かドキドキさせて頂いたのが印象的。開演前の吉田小夏さんの前説の時点から「言葉を大事にされる人だな、劇団さんだな」っていうのが良く伝わってきました。
満足度★★★★
観客の事を良く考えている。
まず、パイプ椅子に座布団が敷いてあり、膝掛けまで準備しているとの事。
大変好感が持てます。長時間椅子に座るのは、やはり厳しいもの。
さて、お芝居ですが、まず劇場空間に圧巻。
次に役者の方の実力とでも言うのか空間のおかげなのか分からないが、まるでその場所(物語)に自分もいるかの様な錯覚。
人物の内面が丁寧に表現されており、良かった。
何も考えずにゆっくり観られる、そんな感じのお芝居でした。
時代設定は昭和との事ですが、その時代の雰囲気が出ており、良かった。
満足度★★★★
「いのち」の連鎖
会場で配布されていた「作者の言葉」に、この作品への意図の一端が
垣間見えるような気がしました。 「親」から「子」へ、またさらに「その子」へ。
いつしかその場所から建物や独特の「匂い」「雰囲気」のようなものが
消えてなくなってしまっても、「人」を介して「記憶」は受け継がれていく。
横浜の街角の片隅にひっそり在るパール食堂が、その連鎖の一部に
あるような、そんなささやかだけど、広がりのある作品でした。
満足度★★★★
見事!
しっとりとした、優しく、切ない世界。見事!としか言いようがない。ただキレイすぎて、路地裏の猥雑な感じが少しくらいあってもいいのではないかとも思いましたが。
満足度★★★★
白い二人、「聖俗」「祈り」「命」そしてマリア
すごく気に入ったのですが、何がどう気に入ったのか、なかなか感想を書きづらく思っていました。私はどうやら「温かく重い」ものを受け取ったようなんだけど、それが何なのか、不完全ですが、書いてみます。
たくさんのドアと街灯の舞台美術をみて最初の印象は「絵本のよう」と思いました。そして、街灯は「なんか人魂(たましい)みたい」と感じました。
(この最初の印象は間違っていないことにあとで気づきます)
このお芝居で白い服を着た登場人物は二人。街娼Mと猫ナナシです。
街娼と捨て猫、一番汚い、一番穢れた存在が白い服を着ている。
彼らが白い服を着ている意味は二つあるように思います。
(以下ネタバレBOXにて)
満足度★★★★
青☆組初めて観ました
星のホールは好きな劇場のひとつです。
劇場に入りセットを見た瞬間に、ああこれはいい感じだなとの印象を持ちました。始まるとその期待を裏切ることなく、すばらしい芝居が展開されました。
なんかピュアな感じで、冷たくておいしい水を飲んだような気がしました。
10周年ということですが、これからもますますの活躍を祈念いたします。
おめでとうございました。
満足度★★★★
秀麗な舞台
話の内容と展開そして舞台設定、役者さんの質、全てにおいて高いレベルだとは思うのですが、観終わった最初の感想として何かが足りなくて何かが多いなあと感じました。初めて見た舞台でしたら文句無く手放しで褒め称えたのかも知れません。しかし、一度基準を上げてしまった分期待が大きすぎたのもいけなかったかし、冒頭の入りから、もうこれは絶対面白くなるとさらにハードルを上げてしまったのも問題ですね。
既にK点を越えている作品に対して、さらに求めてしまった自分の責任ですかね。
満足度★★★★
昭和47年横浜港町のとある食堂
を舞台に描いた群像劇。この時代の横浜港町はワタクシには解らないが、たぶん、路地裏では犬や猫が徘徊し、米軍人を相手に如何わしいバーや大衆飲み屋やストリップ劇場などが盛んな色町と同居するように、高級とは言えない人々が暮らす下町の混在した香りのする街だと推測する。だとしたら・・・
以下はネタばれBOXにて。。
満足度★★★★
懐かしい雰囲気に包まれる
起こる事実だけでなく人の考え方に至るまで時代設定である「昭和47年」が色濃く現れており何だかとても懐かしい雰囲気に包まれる。
また、シンプルな線だけでも本人の特徴をとらえた似顔絵のように僅かな台詞や演技から各人物の人と成りがくっきり浮き上がってくるのが見事。
満足度★★★★
蜜柑色の夕暮れのような作品
凄く練られた脚本は繊細で素晴らしいと思いました。が、演出に物足りなさを感じてしまいました。寂しさや生々しさを感じなかった・・美術のセットもですが、汚いところ、嫌らしいところをオブラートに包んでいるように思えたから、ほんの少しのスパイスみたいなものが欲しかったのかもしれません。回想シーンを含め詰め込み感も感じたので、何かをちょっと引いて、もっとピリリと描写にリアリティーを見せてほしかったのかも。劇団のカラーなのでしょうか。でも、私が感じ取れなかっただけかもしれません。シャンソンでも流れていたらなぁ・・。←追記:劇場・劇中にシャンソンが流れていたようです。知らない曲で、しかも自然過ぎて気づかなかったようです。ごめんなさい。
満足度★★★★
やっと見られました
以前、ProjectBUNNGAKUという演劇にて、
青☆組を観てから気になっていました。
やっと今回鑑賞できることになり、三鷹まで足を運びました。
舞台のセットがとてもきれいで、
横浜の港町を表現していたと思います。
ある家族を中心とした群像劇でした。
愛することをあきらめた長女と
愛することをはじめた次女。
それを温かく見守る父親。
家族の暖かいぬくもりの感じる物語でした。
印象に残っているのは、
クレモンティーヌですね。
オカマキャラが凄い様になっていました。
でも、彼もまた愛することをあきらめた人であり、
悲しい人でありました。
登場人物達が最後に新しい一歩を進めていく、
再生の物語だと思い、
観ていて肩をポンと叩かれ元気だそうよと言われたようなそんな感じです。
劇中に彷徨っていたマリアが町を去るのが、
母親からの自立、また過去への決別を表しているのかなと思うと、
マリアのことが悲しかったです。
すれ違う事も過ちを犯す事もある。
でも赦し繋がる事で救われる事もある。
帰る場所、家族という近くにあって遠くに感じるものの
大切さを改めて認識させられました。
アフタートークも参加して大満足でした。
満足度★★★★
すっと心に染み入る群像劇
70年代初頭の横浜を舞台に、その地理的・歴史的トピックを上手く盛り込み、人間関係を優しい雰囲気で描いた作品でした。
食堂を経営する父とその娘姉妹を中心に近所の人や職場繋がりの人たちの日常的な姿が落ち着いたトーンで描かれ、ローカルな話の中に普遍性が感じられました。色々と重い要素もある物語ですが、性格の悪い登場人物は1人も出てこないので、観劇後の印象はとても清々しかったです。
繰り返しや重ね合わせを用いた台詞や場面の構成が巧みで、人物がしっかり描けていないと技巧が鼻につきかねない脚本でしたが、人物描写も丁寧でリアリティがあったので素直に物語世界に引き込まれました。
冒頭で立て続けに登場人物やエピソードが現れテンポが早すぎるように感じました。都心から少し離れた劇場の立地や、座り心地が良いとは言えない座席などの条件を考えると長くても2時間が適正だとは思いますが、演技や雰囲気が良かったので3時間あっても構わないと思わさせる作品でした。
横浜のことや、プッチーニのオペラ『ジャンニ・スキッキ』を知っていると、より心を打つシーンがありました。
出捌け口をたくさん備えた立体的な舞台美術が効果的に使われていて、シーンの切り替えがとてもスムーズで、逆に暗転での場面転換は敢えてたっぷり時間を取る流れが心地良かったです。
ちなみに前説は主宰の吉田小夏さんがされていましたが、堅過ぎず砕け過ぎずの優しい口調に言葉を大切に扱っている姿勢が感じられて素敵でした。
満足度★★★★
公演観劇後
必ず台本を購入。読むと新たな発見があったりして楽しめるし、忘れたくないってこともある。小説集楽しみです。
ナナシの語るセリフが印象的。
満足度★★★
やや期待ハズレとマンネリ感
青☆組さん、観劇3回目。
これまでは、狭い劇場で、同好の観客層に囲まれて、一人異質な観客として、緊張感で観ていたせいか、張り詰めた空気の中で、舞台に否応なく同化せざるを得ない環境があったのですが、三鷹の広い劇場では、そういった束縛感もなかったせいか、やや緊張に欠ける観劇時間となりました。
だから、マンネリ感を感じたのは、きっと、個人的な私独自の理由によるのかもしれません。
でも、どうも、今回の舞台、制作サイドにも、悪い意味での慣れを感じてしまいました。
同じ役者さんが、いつも、似たようなキャラクターを演じるという点でも、ストーリーに作品の独自性を感じない点でも、一部の役者さんに、役になりきる気構えが足りなさそうに見えるのも、私には、全てパンチ不足に感じられました。
大西さん、木下さん、荒井さん、櫻井さんは、自然に役を生きていらして、素敵でした。
満足度★★★
みた
何度か見ている側の欲なんだろうとは思いながらも、10年という節目であるとは知りながらも、何かもっとはみ出したものを見たかった。
良くも悪くも安心して見られてしまう。まったく共感できない人間、見ていて負の気分を催される人物が誰もいなくて、優しさの意味について考えさせられる。
あれこれ想像する余地を残しながら、きれいな環を描いてみせるのは誰でもできる技ではないと分かるけれども。
満足度★★★
理由は解りませんが
少し涙が出ました。
でも、なんででしょうね、空間と空気感がよかったです。
みんななにかしら事情を持っているのが多過ぎな気もしますが
少しだけ明るく替わって行く毎日を見ている感じがいいですね。