劇団SKグループ
採点【劇団SKグループ】

一番好きな時代のお話で、期待を胸に劇場に足を運びました。
北海道から東京に出てきての公演でなれないことも多くさぞご苦労も
あったと思います。
元気がよく、どの世代が見ても楽しめる舞台でした。
 役者さんがとても気持ちよさそうでした。
ただ、相手の役者が話をしているときにもう1人がその話を初めて聞いたとはとても思えない反応だったり、見ている側に「脚本」という存在を明示してしまっている時が多かったように思います。自分が話をしているとき以外の表情が固まりぱなしというのは、どうしても、その「場」が
台詞を言っている人だけのものになってしまうと思います。
 大人になってしまうと、自分の感情を抑圧したり、思っている通りに
行動できなかったりするため、役者さんが客席に向いての演技が多すぎたため直視できない場面がありました。これは自分の責任かもしれません。
 前説と後説をもう少し短くしていただければと思いました。

 殺陣がある時代物は劇団創立以来はじめてで、東京公演で初日を迎えることも初めて。シアターグリーン BIG TREE THEATERを使うのも初めてだそうです。経験していないことに沢山チャレンジされたんですね。そして2月末にこまばアゴラ劇場での公演『B計画』が終わったばかりです。だから劇団SKグループの本領を発揮できなかったのかもしれません。
 私は今作単体についての感想を書かせていただきますので、上記をふまえた上でお読みいただければと思います。


 投げ出しっぱなしの声と身体、お遊戯レベルの殺陣、明らかに手抜きの衣裳・小道具・・・。この団体は何をやりたいのかしら、旅公演をする目的は何なのかしら・・・等、団体・公演の存在理由が気になって、作品の中に入っていけませんでした。
 有名で親しみやすい“新撰組”を扱っていますが、新撰組に対する愛情が感じらず、悪ふざけの材料にしているように見えました。チケットが売れていないことを舞台でネタにするのは悪いことだとは思いませんが、観客に愚痴って媚びているようで不快でした。
 私はこのように感じましたが、客席には大笑いして、感動して涙を流したりしているお客様もいらっしゃいました。

熱烈なファンのために続けて行くのであれば今のままでも良いと思いますが、「誰もが楽しめるエンターテイメント」を目指すのであれば、まず前説とポストパフォーマンストークを見直すべきだと思います。それらを含めて一つの公演です。
やはりそういったお客さんに対する姿勢、モノヅクリへの姿勢は作品にも表れます。やりきっている役者さんは気持ちよく、それぞれ見せ場は作られていますので、もったいなさを感じました。
エンターテイメントという言葉に逃げたり、甘えたりせず、精一杯戦ってほしいと思います。「誰もがわかる。誰もが楽しめる。」という壁は、ある意味最も高い壁です。

チャンバラあり、笑いありの単純に楽しめる作品でした。

新撰組ということで、もしあの時・・・という歴史的な面白みが盛り込まれていなかったのが、ちょっとオシイ感じがしましたが
テーマの設定や表現方法から関係者のみなさんの温かい気持ちが伝わってきた点が一番良かったように思います。

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