
別れの唄
青年団国際演劇交流プロジェクト
シアタートラム(東京都)
2007/04/05 (木) ~ 2007/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★
悲しみは共有できるという希望
「葬儀」という異文化衝突がいかにも露わになりそうな状況で,おずおずと互いの距離を探りつつ,相互理解をおずおず目指す日仏の家族をコミカルに描く佳篇.
最後の台詞が醸し出す余韻の美しさは平田戯曲ならでは.

Adam:ski
スロウライダー
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2007/03/16 (金) ~ 2007/03/25 (日)公演終了
制作的視点
制作的視点からの評価はとても高いです。三鷹をあのように使うのは実に面白い。ただ、段差が急で最上段は相当高さがあるので、足元周りに枠が欲しかったですね。それだけで観客の不安は全然違うと思います。

いやむしろわすれて草
五反田団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2007/03/15 (木) ~ 2007/03/25 (日)公演終了

狂想のユニオン
イキウメ
吉祥寺シアター(東京都)
2007/03/16 (金) ~ 2007/03/21 (水)公演終了
隠す事によって……
イキウメらしさを表現していたと思います。
ただ「散歩する侵略者」の脚本の出来の良さが秀ですぎていたために少々、物足りなさ加減を感じたのも確かです。
今後に期待。

紅の舞う丘
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2007/04/04 (水) ~ 2007/04/11 (水)公演終了
満足度★★★★★
傑作
風琴工房の大傑作だと思います。シンプルながらも真っ向から勝負している言葉の芸術度合いは素晴らしい。是非とも観に行ってください。

浪花花形歌舞伎
松竹
大阪松竹座(大阪府)
2007/04/01 (日) ~ 2007/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★
やっぱり愛之助はかっこいい。
第三部「夏祭浪花鑑」のみ鑑賞。初めて観る演目でしたが、大阪の夏の情緒、大阪弁の味わい、団七の衣裳の色合いのかっこよさなど楽しめました。
愛之助はやはりかっこよくて、スターだなあと思います。ベテランの役者が演じたなら、もっと惹きつけられるのだろうなあとも思いましたが、愛之助さんの今後に期待です。

別れの唄
青年団国際演劇交流プロジェクト
シアタートラム(東京都)
2007/04/05 (木) ~ 2007/04/08 (日)公演終了

マクベス
りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
国立能楽堂(東京都)
2007/04/03 (火) ~ 2007/04/05 (木)公演終了

狂想のユニオン
イキウメ
吉祥寺シアター(東京都)
2007/03/16 (金) ~ 2007/03/21 (水)公演終了

リュケイオン
innocentsphere
青山円形劇場(東京都)
2007/03/21 (水) ~ 2007/03/26 (月)公演終了

紅の舞う丘
風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2007/04/04 (水) ~ 2007/04/11 (水)公演終了

YIN&YANG(CANDIES-girlish hardcore & Please Send Junk Food)
指輪ホテル(YUBIWA Hotel)
森下スタジオ(東京都)
2007/03/28 (水) ~ 2007/03/31 (土)公演終了

Angels in America
TPT
ベニサン・ピット(東京都)
2007/03/20 (火) ~ 2007/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
7時間、楽しんだ!
覚悟はしてましたが、始まるまで1部・2部あわせて7時間も座ってられるか心配でした。が、始まっちゃったら、芝居に飲み込まれてしまって、アッと言う間の3時間半×2でした。
各部、2回休憩が入るので、ほどよく体を動かすと、それほど辛くなく観劇しました。
大半の役者さんを初めて見たのですが、みんなキレイで、いっぱいしゃべるし、登場人物は変で可愛いし、それに舞台ごと素っ裸で、体当たりなので、体ごと芝居に巻き込まれる快感がありました。

↓落下
劇団★電信柱
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2007/04/03 (火) ~ 2007/04/04 (水)公演終了
満足度★★★
ぬるめ不条理芝居の今後に期待
何かとても独特でした
ぬる~い不条理と淡々とした芝居の絶妙なバランスが
スタッフワークもほとんど自前らしい感じで
一歩間違えば退屈な舞台になってしまうところを
ギリギリ紙一重でバランス保っていた印象でした
やはり仕事で開演に間に合わず
30分遅れで途中入場...
でも制作のおにいちゃんが超親切で団体の好感度アップ
やっぱり制作ってすっごい重要だよなーと改めて思った
しかもウェブから予約すると上演台本がもらえるということで
入場の際に言ったら一瞬困った顔してクローク札くれて
「お帰りの際に…」と言われたんだけど
帰りにもらった台本のそばにはホヤホヤKinco'sの袋が…
まさか上演中にコピーしてきたのかな
だとしたらお客としてはすごいうれしい
いやー
今後どう進化してゆくのか楽しみです

片手の鳴る音
サスペンデッズ
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2007/04/03 (火) ~ 2007/04/08 (日)公演終了

Angels in America
TPT
ベニサン・ピット(東京都)
2007/03/20 (火) ~ 2007/04/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
充実した観劇体験
一部,二部を通しで鑑賞.
互いに関連し合う複数の人間関係のエピソードがそれぞれ濃密で,長時間の公演にもかかわらずだれた感じがしない.登場人物それぞれに感情移入できる部分がある.
ベニサンの空間の奥行きと高さを十全に利用した場面転換の早さ,鮮やかが見事だった.
時間とお金に見合う充実感ある観劇体験を味わうことができた.
薬での幻覚に逃避する妻を演じた宮光真理子さんのひょろっとしたプロポーションと独特の美しさを持つ顔立ちに魅了される.出演場面が終わった後に,走って退場するその走り方がとても可愛らしい.

Adam:ski
スロウライダー
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2007/03/16 (金) ~ 2007/03/25 (日)公演終了
満足度★★★
増幅していく不安感ともやもや
後半に向かううち、不安感ともやもや(もちろんいい意味での)が増幅し始め引き込まれて行きましたが、前半のとっつきにくさが少し気になりました。設定が丁寧で細かい分、そこに「心理ホラー」の要素があるのだろうと追いかけようとしてしまったのが一つの原因だと思います。
一個で魅せる力技なホラーではなく、いくつもの種類の「こわさ」を組み合わせて作り上げていく繊細さを感じました。言葉にできないからこそ舞台なのだと思いますが「心理ホラー」というのとは、また違う気もしました。
作品世界を表現するために作られた、「客席を含めた美術」が見事です。三鷹でやることの意味、意思があったと思います。

狂想のユニオン
イキウメ
吉祥寺シアター(東京都)
2007/03/16 (金) ~ 2007/03/21 (水)公演終了
満足度★★★
変化の流れか
開演前、チラシ、当日パンフ、映写で与えられる情報が、いまいち頭に入って来ませんでした。描かれることのないそのシーンが、物語に若干の距離を持たせた印象があります。
「設定を明らかにし、物語が展開され、ラスト。」というとこから変わりつつあるのかなと。
吉祥寺シアター、初進出は感じさせず。

いやむしろわすれて草
五反田団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2007/03/15 (木) ~ 2007/03/25 (日)公演終了
満足度★★★★
生きた言葉が切なさを。
「それだけの物語」から立ち上る何か。過去の言葉が現在を彩り、現在の風景が過去に染み込む。神話や夢とも違う、五反田団の描く日常は美しかったです。鮮やかな過去の言葉が後から来る感じが好きです。

廃校/366.0(メガトン・ロマンチッカー公演は中止)
メガトン・ロマンチッカー × NEVER LOSE
千種文化小劇場(愛知県)
2007/03/09 (金) ~ 2007/03/14 (水)公演終了
集大成か、実験か。
2劇団の合同公演だが、それぞれの作品は独立しているため一方だけ観劇しても問題はない。とは言え、せっかくひとつのテーマを軸に構成しているのだから、両作品を合わせた全体像として感想を書くことにする。
役者の演技や演出効果については、さすがに安定感のあるレベル。何気なく配置されているように見えた椅子すべてにピンスポットが当たった場面(前日譚)や、CDラジカセから流れている音が次第にボリュームアップしてシームレスに音響に繋がるところ(後日譚)は、さりげなく高度な計算と技術を感じた。
だが、演劇としてはかなり実験的なものだ。物語の中心には廃校式典での殺人事件が置かれているが、事件そのものは描かれない。こういう構成の場合、前日譚で事件の原因が伏線として描かれ、後日譚では真相が解明されるといった形になるのが普通だろう。しかしこの公演ではどちらもほとんどない。
パンフレットには事件を伝える新聞記事が載っており、そこにある被害者や犯人の名前と物語の登場人物名を照らし合わせれば、どの人物がどのような形で事件に関わったかは把握できる。だが、それが作品を鑑賞し理解する上でどの程度の意味を持つかというと、ほとんど意味はなかったと思う。
例えば後日譚に幽霊として登場する女性は事件の被害者だが、彼女がいかにして死んだかは作品の中でさほど意味を与えられていない。後日譚の中心は、妹を失った兄とその友人達の弔意と告別であり、事件の真相などには興味がないしむしろ触れたくもない心情こそが描かれている。
まだ事件が起きていない前日譚において、その傾向はますます顕著だ。1年後に殺される子供や犯人となる男はセリフの中でのみ登場する。解釈によっては事件に繋がる伏線はもちろん含んでいるのだが、前日譚そのものは別の事件が中心であって、殺人事件の原因が明示されることはない。
つまり、前日譚と後日譚は互いに独立した作品であるだけでなく、全体の中心となっている殺人事件からさえも独立している。事件はそれぞれの物語の背景として抜き難い存在ではあるけれど、それはあくまでも背景であり、決して366日離れた時点から事件を描いているわけではなかったのだ。
だから、事件に繋がる多くの背景事情が見え隠れするものの、最後まではっきりと表に出てくることはない。それが企画の狙いだとするなら、それは成功していただろう。ただ、そういう作品であるという心の準備ができていない観客には、多少のストレスや欲求不満が残ってしまう。
現実は常に不完全であり、完成された起承転結が存在することを演劇の嘘臭さと捉えるなら、それを排除するのもまた面白い試みと言えるのかもしれない。けれど現実に生きている私たちは、現実のコピーを求めて劇場に足を運ぶわけではない。だから私はこの公演をあくまでも実験的なものとして受け止めたいと思う。