最新の観てきた!クチコミ一覧

169341-169360件 / 189986件中
ヤスミン・ゴデール「Singular Sensation」

ヤスミン・ゴデール「Singular Sensation」

ダンストリエンナーレトーキョー

青山円形劇場(東京都)

2009/09/23 (水) ~ 2009/09/24 (木)公演終了

満足度★★★★

汁気と色気
3年前の2つの来日公演がどちらも面白くて、期待していた今回。やっぱりヤスミン・ゴデールは凄かった。このフェスティバルはまだ始まったばかりだけど、一つだけ見るとすればこれで決まり、といってもいいくらい。
色彩的にも、ダンスの動きの面でも、記憶の容量をオーバーするくらいの情報と刺激が観客に向かって押し寄せてくる。

ネタバレBOX

舞台の床は真っ白で、両端が1メートルくらいの高さにめくれあがっている。奥には黒っぽい壁が立つ。
白い床というのはその上にあるもの、小道具から衣裳まで、その色彩を浮き上がらせる効果がある。作り手はそのことを充分承知しているにちがいない、スパゲッティの黄色、ゼリーの赤、絵の具の黄緑などが非常に鮮やかだった。会場がこどもの城だということまで意識したとは思えないが、原色が際立つ色使いはきっと子供の目も引き付けただろう。ただし女性ダンサーの赤や黒の下着の色まで目に飛び込んでくるので、子供向けとはいえない内容かもしれない。

音楽は振動音などノイズ系だったが、単に効果音というよりも、振付とかなりマッチしているように思えた。

ダンサーは男が2人、女が3人。青いシャツを着た男1人を除いて、他の4人は途中で衣裳を替えた。だからたぶん、ドラマ的な設定としては青シャツの男が主人公で、他の4人は衣裳を替えた時点で別のキャラクターになっているのだと思う。チラシを見ると、コンセプト・演出・振付がヤスミン・ゴデールで、ドラマツゥルグというのが別にいる。どういう役割なのかはわからないが、この作品全体がドラマ仕立てだと考えていい証拠ではないだろうか。

ゴデールの振付では顔の表情も非常に重要。舌を出したり、舌で頬を膨らませたり、泣いたり笑ったりもする。体の動きや仕草にも意味が含まれていると感じるのだが、通常のマイムに比べると、人物の性格や感情や気分を表現するという面が強いようだ。具体的な状況はわかりにくくても、相手との力関係などはよく伝わってくる。

女3人を背の高い順に1、2、3、男は髭面と青シャツということにして、自分なりにドラマの流れを考えてみる。

最初に登場する女たちはちょっと不良っぽい3人組。女1がリーダーで、女2は男好き、女3は下っ端。女2が青シャツを誘惑したのが女1にばれて、女1の知り合いの髭面が青シャツに制裁を加える。ここで青シャツは黄緑の絵の具を顔に浴びせられる。しかしそのまま引き下がることはなく、青シャツが反撃して髭面を倒し、さらに女1をも押し倒してしまう。

青シャツは次に別の男女に出会う。ここでは女性優位が目立っていて、髭面は女3にストッキングを頭からかぶせられ、二人の関係にはSMっぽさが感じられる。さらに青シャツが筋肉マンに仕立て上げられてからの場面では、全員が乱交パーティーをやっているように思えた。

要するに、青シャツがいろんな形の性体験を重ねていく、という展開ではなかったのだろうか。そして最後に、サングラスにコート姿の女2が実は露出狂だったというオチ。人が感じるいろんな形の性的な刺激、それがタイトルの「singular sensation」の意味ではないだろうか。

出だしはけっこうおしゃれな空間なのだが、終盤になると汁気でいっぱいになる。ヤン・ファーブルの「主役の男が女である時」やゴキブリコンビナートの作品を連想させる湿り気だった。


サッちゃんの明日【松尾スズキ新作!】

サッちゃんの明日【松尾スズキ新作!】

大人計画

シアタートラム(東京都)

2009/09/18 (金) ~ 2009/10/11 (日)公演終了

満足度★★

松尾版・朝の連続ドラマ小説!覚悟はしてましたが、結構エグい。下ネタはまだしも汚いのは苦手でして。
松尾版(大人計画版)朝の連続ドラマ小説!
初大人計画です。
覚悟はしてましたが、結構エグい。
下ネタはまだしも汚いのは苦手でして。

ネタバレBOX

NHKの朝の連ドラ+なんと覚せい剤の話!
いつも元気な蕎麦屋の娘サッちゃんの周囲は、じつは非常に危うい状況が取り巻いていた…と。

旬の話題だからかなと思いきや、脚本のほうが先で、
松尾さんが渋谷のホテルで本を書いている最中に、のりぴーの事件が後から起きたそうです。

障害者に対する逆の意味での偏見ネタや北朝鮮のミサイルなど、避けられない危ない話を盛り込んだ毒のある話でした。
鈴木蘭々さんの普段はきかないきわどいせりふ、しかも歌もあっていろいろ挑戦した舞台だったようです。
話全体のギャップの象徴としての役割を果たされておりました。
(ミュージカル経験者にしては、歌声の通りが今一だったような…)
ほかの皆さんは曲者ぞろいで…特に家納ジュンコさんの露骨な演技は見事でした。
なんかうなされそうな夜でした…。
『ガンバレ!』

『ガンバレ!』

吉日企画

池袋小劇場(東京都)

2009/09/21 (月) ~ 2009/09/23 (水)公演終了

満足度★★

「ガンバッタ!」8人。
応援課の人は間違いなく全員、過労死する。

ネタバレBOX

山之内=結構いじってましたね。
松田=イタコシーンは要らないなあ。
三沢=ここが一番面白かった。
野村=・・・・・・・・・。
伊藤=変身かあ。ちょっと長い。
日本社長=オチですね。 この応援はエンドレスだなあ。絶対皆さん、死ぬ!

チケプレで観ました。ありがとうございました。
 


夏の夜の夢

夏の夜の夢

シェイクスピア・カンパニー

仙台卸商センター「ハトの家」(宮城県)

2009/09/20 (日) ~ 2009/09/21 (月)公演終了

満足度★★★★

見習いたいモノです
知り合いが2人も参加しているから観に行ったのですが・・・
シェイクスピアに真剣に取り組んでいる劇団でした!その姿勢を見習いたいですね~
非常に面白かったです!

ネタバレBOX

冒頭とラストのアレンジ部分でしょうか・・・せっかくの芝居の流れが暗転でブツ切れに・・・もう一工夫出来たかも?

全体的には役者の技量も取り組む姿勢もすばらしい作品&劇団でした!
静かじゃない大地

静かじゃない大地

G2プロデュース

本多劇場(東京都)

2009/09/12 (土) ~ 2009/09/23 (水)公演終了

満足度★★

飛び越えて得られるもの、
転球さんと内田さんのコンビが楽しい。
のぶえさんキレイだったな・・・。

素敵な役者さんばかりでした。

あとはネタバレにて。

ネタバレBOX

オオヌサという植物をめぐる御話。

他の人たちは笑ってたけど、私は笑えないネタが多々。
善人ぶる気持ちはまったく無いけど、偏見なんかを笑うのはどうだろう…
いや、てか笑い飛ばしてほしいならもっとそういう演出が必要だし、
(それなら私も笑いますがな)
そういう意図が無いなら、偏見を否定する言葉が必要なんじゃないだろうか。
だから脚本・演出の責任があるのかな・・・と。


村長には幸せになってほしかったけど、諏訪さん&のぶえさんの夫婦は個人的に大ヒットだったので別れないでほしかったな…なんて。


個人的にはバットエンドですなぁ。
だってあの2人は絶対にうまくいかないと思うから。
いや、ハッピーエンドにしろって意味ではまったくないですよ。
多分観る人によって受け取り方は違うんだろうし。

なんかね、もっと外へ立ち向かってほしいの。
・・・これは個人的な要望か・・・。

中国の不思議な役人【寺山修司×白井晃】公演終了

中国の不思議な役人【寺山修司×白井晃】公演終了

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2009/09/12 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★

鏡は、要りませんかあ~!
鏡、影など映るものの二面性、あるいは精神的に現実と虚構の幻想的な舞台。変態者の群れでありながらどこかカーニバルのような感じ。中国の役人も私には、寺山さんが化粧をして変身した姿に観える。少女に愛を告白され狼狽する姿が可愛い。舞台美術等見るべき物が多く、観た満足感はある。
アフタートークも「ネタバレ」的で面白かった。

ネタバレBOX

配役表ぐらいタダでくれませんかねえ。紙一枚でしょう。プログラム買う余裕ありません。
えまお一人芝居「シネマにXXX(キスキスキス)」

えまお一人芝居「シネマにXXX(キスキスキス)」

トム・プロジェクト

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/09/23 (水) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

初日
抱腹絶倒とあるけれど、ドタバタではなく、笑ってほんのり泣ける品の良いドラマでした。同世代の女性は共感するだろうなー。

えまお嬢、間合いが絶妙。

『ガンバレ!』

『ガンバレ!』

吉日企画

池袋小劇場(東京都)

2009/09/21 (月) ~ 2009/09/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい!
女性ながら、女性を捨てちゃってこれだけのコメディを見せる劇団は史上初かも。
笑い転げて至福の時を過ごしました。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

新設された庶務5課は応援課と名づけられ、元気をなくした社員達を可笑しな手段を使って熱く応援してくれるという筋。

相談者は山之内・営業三課27歳、相談内容・成績が上がらない
松田課長・企画課41歳、相談内容・家庭と仕事の両立について
三沢(イケメン)・受付24歳、相談内容・25歳年上の朝日部長との不倫問題
野村・資料管理室54歳、相談内容・仕事への生き甲斐
伊藤・清掃45歳、相談内容・青春を取り戻したい
日本社長・会社の社長72歳、相談内容・社員の給料を下げたい

以上の相談者に8人のスタッフがコミカルに対応しながらも会社にとって必要なのは人材!とばかりに仕事に対してやる気を起こさせ相談者に元気と勇気を与える内容だった。どれもお見事!
特に三沢(イケメン)・受付24歳の相談には全員が正気を失うほどのイッチャッテル対応ぶりぶり。笑
女性はいくつになってもイケメンが好きなのだ!
でもって三沢自身がかなり年上のジミ目な女性が好みっていう設定だから、8人のスタッフは、「とにかく朝日部長のようなおばさんとは別れて私と付き合って!」なんて話になっちゃう。好きな人を忘れる為には新たに誰かと付き合ったほうがいい、なんてこじつけて三沢に8人の中から選ばせる。笑
三沢は三沢で意外にも本田課長がタイプだと言い出してメアド交換なんかしちゃったものだから、本田課長は舞い上がる!笑
舞い上がった本田課長の表情がいい。とにかく笑いっぱなし!

そうこうしているうちに最後の〆で日本(ひもと)社長の相談にまんまと乗ってしまった8人は社員の給料値下げに向けて励ましてしまう。
社長が出て行った後に、ふと考えた彼女たちは、この新設された応援課こそが社長の始めからの企みだったと気付く。というオチ。

本当に楽しくてバカバカしい芝居でした。8人全員が汗だらだらで気合が入ってた。どのキャラも面白い。
個人的にはやっぱ本田課長(横澤摩美)のキャラが好み!(^0^)


☆余談ですが・・
本日、実家に来ております。
お彼岸のせいもあって裏の墓場には、花や果物を持った人々が行きかっています。
お墓の近くに自宅がありますと、怖くない?なんて聞く方がいらっしゃいますが、私は霊が見えない体質ですので恐くないですね。笑
むしろ時折匂う線香の香りが好きだったりします。蟋蟀や鈴虫が競いあうように奏でる音楽も素敵です。
たまに、お墓の中の人に話しかけながら、そこでひながに時を過ごすお爺さんもいらっしゃいます。お酒と少しの食事とシートを持って。

人はそれぞれ憩いの場所がありますが、このお爺さんにとっては此処が憩いの場所なんですね。
もし私がこの先、パートナーを見つける事が出来たなら、そして、その愛しい人が先に墓に入ったなら、私もお爺さんと同じように唄を歌ったり話しかけたりしながら時を過ごしたいと思っています。
阿呆船

阿呆船

劇団5本指ソックス

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2009/09/19 (土) ~ 2009/09/22 (火)公演終了

満足度

摩訶不思議世界!になっているか?
すぐ眠くなるという男の苦痛の裏側にある精神世界を前衛的に描いている感じかな。独特なメイクは、仮面かなあ、変装かも、あるいは変身かも。他の倒錯者、狂人(阿呆)、変態者の人たちが弱いかなあ。

ネタバレBOX

プログラムに登場人物名が無かったので残念だと思っていたら、こういう形で見られて良かった。

作品は1976年頃かと思いますが、寺山作品の登場人物って、凄い個性的で、迷宮世界的だけど私は「死」を感じる。

チケプレで観ましたありがとうございました。
エーヴァ・ムイル「Sold Out」 / 森下真樹「独楽犬イルツキー」

エーヴァ・ムイル「Sold Out」 / 森下真樹「独楽犬イルツキー」

ダンストリエンナーレトーキョー

スパイラルホール(東京都)

2009/09/21 (月) ~ 2009/09/22 (火)公演終了

おしゃべりダンス
ようやく始まったコンテンポラリーダンスのお祭り、ダンストリエンナーレトーキョー2009。その第一弾。会場はスパイラルホール。うっかり青山円形劇場へ行きそうになる。
フィンランドと日本の女性2人の作品を上演。本来は無言のはずのダンスでどちらも言葉をたくさん使っているのは企画者側が意図的に並べたものだろう。

ネタバレBOX

1本目はエーヴァ・ムイルの「sold out」というソロ作品。ダンスというよりも一人芝居に近い。言葉は英語で、舞台奥には日本語の字幕が出た。前半は「愛」「メディア」「パフォーマー」をそれぞれ、ぬいぐるみ、ダンボール箱、本人という形で三角形に配置して、現代は「愛」が「メディア」、この場合はテレビ、の中にあるといって、実際にぬいぐるみをダンボールの中へ入れる。そして本人はそのテレビの前に座って、一方通行の愛を受け取るだけになる。テーマ自体は珍しいものではないが、表現のアイデアに工夫があって、可愛らしい感じがした。後半は舞台奥のスクリーンの裏側に移動して、横向きのシルエットが見える状態で、奥にあるらしいカメラが捉えた本人の正面画像がスクリーンにデカデカと映る。最初はインタビューアーのようにしゃべっているが、答える側の人物も実は本人が演じている。こちらの映像はライブではなく、あらかじめ撮影したものを使っているようだ。一種の自問自答を映像によって客観化する試みなのかもしれない。昔からつけているという日記の一部を読むあたりでは、空想癖の強い多感な少女像が浮かんできて、ちょっぴり痛々しさも感じさせた。
作者は1980年生まれ。日常の個人的な思いを表現しているぶん、フィンランドの今どきの若い女性はこんなことを考えているのか、という親しみを覚える内容だった。母国語を使わず英語でこれだけの表現をするのは大したものだと思う。

2本目は森下真樹の「独楽犬イルツキー」。出演は本人ともう一人、まことクラブの遠田誠。これは去年、青山円形劇場でやった「うず巻」のデュオバージョン。基本的にはネタ中心のコミカルな内容。伊藤潤二のホラー漫画「うずまき」のように、実際に渦を巻くということをモチーフにしてネタを構成すればかなり面白くなると思うが、アイデア的にまだ不足している感じ。ただし今回は独楽犬(狛犬?)とタイトルにあるので、うずまきは関係ないのかもしれない。一本にまとめた髪の毛がぐ~んと伸びて天井まで届いているという出だしの場面は今回も同じだが、前回はその場でゆっくりと回転していたのに対して、今回は正面を向いて客席にしゃべりかけていた。狛犬との絡みでいえば、神社の鈴についている長太い紐のようだった。
片想い撲滅倶楽部(公演終了・ありがとうございました・御感想お待ちしています)

片想い撲滅倶楽部(公演終了・ありがとうございました・御感想お待ちしています)

MU

新宿シアターモリエール(東京都)

2009/09/10 (木) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

なるほど、表裏一体
とある結婚相談所にワケありで入った新人は、以前「亀戸の母」と呼ばれカリスマ視されていた「縁結びの神」で…というところから始まる、恋愛下手で見えない「ナニカ」にすがってでも成就させたい人々(『神様…』のつい宗教にすがってしまう人々と一脈通ずる)を描いたコメディ。
そういえばここまでコメディタッチのものってσ(^-^) が観始めてから3度目にして初めてかも?
そのためか客席も妙におとなしく「ココ、笑うトコでしょ?」と戸惑うことも少なからずアリ。ま、σ(^-^) はそんなことはお構いなしに吹き出したり笑ったりしていたのだが…。
また、赤い糸を最後に見せるのも愉快。
なるほど、文字通り表裏一体、一見対照的なのに奥深いところで繋がっていて、交互上演だとそれがよくわかる感じ。個人的には観る順もこれでヨカッタかな、と。

TorinGi(トリンギ)「捨てる。」

TorinGi(トリンギ)「捨てる。」

feblaboプロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2009/09/19 (土) ~ 2009/09/22 (火)公演終了

満足度★★★★

芝居好きにはたまらない。
 狭いバーの最前列で芝居を観させていただいた。役者までの距離1メートル弱、手を伸ばせば届くところに役者がいて、台詞の合間の息づかいまで聞こえてくる。芝居好きにはたまらない環境だ。

 三つのショートストーリーから成るが、オムニバスという形ではなく、バーに訪れた三組の客という設定で、三話目で活躍する細井里佳が最初から出ずっぱりという面白い構成。
三話とも面白かったが、二話目の漫画家と姉の物語が中村貴子と福原冠の絶妙のトークバトルで、一番面白かった。それぞれのストーリーは救いようのない喪失の物語だが、最後の最後で、別れから将来の再会への希望が暗示され、素敵な幕切れとなった。

 ただ、カーテンコール(というほどではないが)に三話目のメンバーしか参加せず、一話目二話目の役者には拍手が送れなかった。これはとても残念。

 三作にからんだ細井里佳がキュートでとても素敵だった。

 こんな劇場に、豪華なキャスト陣を集めて、小粋な芝居を繰り広げるプロデューサー池田智哉、今回は演出も手掛けたがなかなかのやり手である。

真久部卓の生活

真久部卓の生活

モンキーworks

アトリエフォンテーヌ(東京都)

2009/09/10 (木) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★

四大悲劇リミックス
タイトルおよびチラシ等の説明から概略はわかっていたので、当日パンフの人物相関図を見てニヤリ。沙翁の四大悲劇の主要人物をうまく組み合わせて1つにまとめているんだもの。
当然本編もそれら4作を再構築…というよりはリミックスしてつないでおり、しかも三女デリアは父である王から放逐されるし、オジェロの妻は不貞をはたらいているし、羽村は王である父を殺した男に復讐するし、予言通りに王となった真久部はまさかそんなことが起こることはない(「森が動く」ではないが)と思われた予言が当たって王座を追われるし、と各作品のポイントはシッカリ押さえているという。
そんなワケで四大悲劇を知っていればいるだけ楽しめるシカケ。
今まで観た塩塚晃平作品はどうも苦手だったけれど、これはむしろ好み。
ただ、登場人物の名前が日本人風の漢字のもの(真久部、羽村、伴など)と洋風の仮名書きのもの(オジェロ、デリア、リルなど)が混在だったのは惜しい。どちらかに(漢字の方が面白いだろうな)統一すれば良かったのに。
あと、チラシあった近松はいずこへ? せっかく主要4作品をwikipediaで予習して行ったのに…(笑)

中国の不思議な役人【寺山修司×白井晃】公演終了

中国の不思議な役人【寺山修司×白井晃】公演終了

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2009/09/12 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

スマートに現れた寺山修司の混沌
30数年前の初演は知らないのだが、寺山修司さんの世界をスマートにして再現したように思えた。

寺山修司さんらしい、詩的とも言える台詞が要所要所できらめく。

アングラ度は低いけど、濃厚な舞台を堪能した。

ネタバレBOX

この物語の舞台となっている中国に限らず、歴史には死体の山が築かれていく。その場所・時に現れて、死ねずに死んでいく中国の不思議な役人。死ぬために死ぬ男。その男は、純愛にのみ死ぬことができる。


「影」「鏡」という、本体とは別の「本人」がキーワードとなって、全編を覆う。
自分の影を切り抜く、光のないところの影、絶えず現れる鏡売り、少女に贈る手鏡、過去や未来を映す鏡の間、こうした要素が物語の厚みを増していく。

そして「仮面」。

それらによって、自分が自分であることの不確かさ、不安さが醸し出される。取れない仮面、影に染みだしてしまう自己、鏡に写らない自分。

舞台の隅々まで神経が行き渡り、隙がない。見事なフォーメーションで進行する様は見事としか言いようがない。
20年代の上海の混沌さ、猥雑さのイメージを、パルコ劇場の舞台の上に登場させたのだが、それは「バルコ劇場の」がミソで、かなり清潔で整然とした雑然さ、猥雑さであったとも言える。
本来の戯曲の持ち味とは変わってしまっているのかもしれないが。

今回のためにつくられた、三宅純さんの音楽もいい。おしゃれとも言える。
舞台上では、パーカッションと管楽器の生演奏がプラスされ、口当たりのいい音楽にライブならではの良さ、緊張感や雑音感、生々しさが加えられる。その選択がとてもいいのだ。
特にラストでは、楽器としてのグランイダーの登場で、火花という視覚的効果も加わる。

歌のパートでは、オリジナルの寺山さんの歌詞も使われているようだが、こうなると、オリジナルの音楽も聞いてみたいと思った。今回のこのテイストとはまったく違ったのだろう。

平幹二郎さんの存在感はやはり素晴らしいのだが、彼が登場するシーンはそれほど多くなく、ちょっともったいないとも思った。登場するシーンでは大仰な音楽と彼の重く響く高笑いがあるのだが、何度も繰り返されるとギャグのように思えてしまったのだが。

また、小野寺修二さんの動きには当然のようにキレがあり、明らかに他と違う輝きがあり、それには目を見張った。
さらに、大駱駝艦からの出演は、身体の使い方、立ち方ひとつをとっても、舞踏的であり、普通の舞台俳優とはまったく違い、場面ごとの雰囲気を高めていたと思う。
女性のコーラスとソロの歌もよかった。

女性将校役の秋山菜津子さんは、背筋がピッと伸び、ダンスも歌も華があり、大切な役の軸となっていた。
岩松了さんは、他の登場人物とは違う軽妙さを演出していたと思うのだが、発声なのか佇まいそのものなのか、他の重厚さのある登場人物たちと比べてやや浮いていたように思えた。

兄と妹の2人がもっと華があれば、言うことはなかったのだが。

私の行った回は、後ろのほうにかなり空席が目立った。これだけの舞台なのだから、満席にするためにも料金の高さはなんとかならなかったのだろうか。
観客全員が拍手をしても、これでは聞こえる音があまりにも寂しい。
FEVER~眺め続けた展望の行方

FEVER~眺め続けた展望の行方

傑作を遊ぼう。rorian55?

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/09/19 (土) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

フィーバーできた
観ている方も、楽しみながら『夢』って考えたことあったなぁ~って昔の忘れていた気持ち、今さら恥ずかしくて人には言えない気持ち、今の自分と少しだけ向き合えました。
時代背景もストライクでした。

もっと役者さん達の個性を出して、せっかくなので自分達で楽しみながらお客さんを巻き込んで欲しかったと思います。

ネタバレBOX

腕毛が気になった~
桃太郎のアドリブコーナー楽しめました!
FEVER~眺め続けた展望の行方

FEVER~眺め続けた展望の行方

傑作を遊ぼう。rorian55?

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/09/19 (土) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

懲りないオジサンのこれから宣言か
正式劇団化第1弾とか。人の成長と夢と挫折の物語はよくある題材だとは思いますが、オジサン5人(実はそんなにいい年でなかったらゴメンナサイ)がかなり無理してアイドルに扮して踊る最後のシーンからは「まだまだ夢を見まっせ〜!」という超ポジティブな意気込みが感じられました。ノスタルジアをくすぐるネタをスパイスにした面白ハズカシイ青臭い系の中身でしたが、特に夢などなく楽に生きることしか考えてない魂の抜け殻のような私にとっては、この作品のメッセージ(だと私が勝手に解釈して受け取ったもの)はかなり耳が痛かったです。

ネタバレBOX

応援団とパラパラって意外なことに合いますね。あれを今時のクラブでやったら超ウケそう!
ティーチャー!!

ティーチャー!!

コメディユニット磯川家

ABCホール (大阪府)

2009/09/19 (土) ~ 2009/09/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

あっと言う間の2時間!
アトラクション気分であっと言う間の2時間。

そのギャグのひとつひとつがどれほどソリッドか!
これは観た人間にしか分らないが、とにかく観なければ話は始まらない。

とにかく目撃せよ!

さすれば道は開かれん!・・・・な気分です♪

怪説 三億円事件

怪説 三億円事件

554(ゴゴヨン)

d-倉庫(東京都)

2009/09/19 (土) ~ 2009/09/23 (水)公演終了

満足度★★★

解説
解説、三億円事件
いがいとあっさり見つかってしまって、ありゃりゃ。

FEVER~眺め続けた展望の行方

FEVER~眺め続けた展望の行方

傑作を遊ぼう。rorian55?

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2009/09/19 (土) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

おもしろい!!!
世代がぴったんこなせいか、おもしろく拝見しました。日々のアドリブにも取れるギャグは毎回違うのでしょうか。わたしの観た回はスベリもありつつ、爆笑もありつつ、充実した内容でした。
も一回観てもいいなと思わせる作品でした。

にぎやかフラワー

にぎやかフラワー

春の日ボタン

「劇」小劇場(東京都)

2009/09/09 (水) ~ 2009/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回はラブコメ
今回はラブコメで、一話完結のエピソードがそれぞれどこかでリンクしている構造は同様ながら、より緻密になり第五話に向けて各編で巧妙に伏線を張っているという…。
しかもそれがバレバレの伏線でなく、各編の中ではちゃんとネタ(笑)として機能している上に最終話でドミノ倒しの如く次々に開花して「あぁ、伏線でもあったんだ!」みたいな。
終盤でのなかなか肝心なことが言えず、お膳立てを整えられての「いざ」という時でも「ここまで言ったんだから後は察してくれよ」な男心(これも草食系の一派か?)なども非常によくわかり…どころか共感してしまい、古傷がうずくような気もして…(爆)
装置は蝶番でつながれた開閉できる板で作られており、エピソードが変わる度に本をめくるように転換するのだが、第二話での屋上の手すり、どうするんだ?と思っていたら飛び出す絵本的なシカケでたたまれて「あ、そうか!」と。(←手すりが出現する時に気付けよ!(笑))

このページのQRコードです。

拡大