金魚姫と蛇ダンディー 2009 final
野外劇団楽市楽座
扇町公園・特設野外劇場(大阪府)
2009/10/03 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★
カナシサが溢れる
佐野キリコさんのビブラートする声が全体を繋ぎとめる、全三幕。日本に稀なグランドオペラの題材になりそう。
脱力感いっぱいの劇だけど、オロチ神のノーテンキぶりなんか、本当に哀しい。運命に逆らわない庶民の生き方のカナシサが溢れる。
4年連続中秋の名月を狙った時期の公演で、今年ピリオド。ラストは脇役勢の灰汁を抑えてシンプルに(若手男性陣だった)。
名作でした。
呪われたバブルの塔 -アフターサイド- 【舞台写真掲載!】
北京蝶々
OFF OFFシアター(東京都)
2009/10/01 (木) ~ 2009/10/12 (月)公演終了
ビフォーサイド
両方観ないとストーリーを楽しみ切れないところがありましたが、片側だけでも楽しむことができました。
スチュワーデスデス
クロムモリブデン
駅前劇場(東京都)
2007/12/28 (金) ~ 2008/01/08 (火)公演終了
評判を聞いて
人から面白いと聞かされていきました。
せっと、とかちゃんとしてるなーと思いました。
期待したぶんか、割る食わないが、ほかと代わり映えがしませんでした。
若い分期待
『a day』
劇団チョコレートケーキ
ザ・ポケット(東京都)
2009/02/04 (水) ~ 2009/02/08 (日)公演終了
みました
重いテーマで、ずっと続き過ぎ
となりの女の子がパンフにチョコレートケーキの絵を描いてた
単調に感じました。
真っ赤な真っ赤な物語
ももいろぞうさん
赤坂RED/THEATER(東京都)
2008/01/17 (木) ~ 2008/01/20 (日)公演終了
満足度★★★
ふわー
テーマが、わかりやすいぶん。
どこまで、こだわりか
やっぱり、ステージ、セット入るだけで、いい感じ。
ちょっと、役者が負けちゃった感じ
夜の一族2007
新宿梁山泊
ザ・スズナリ(東京都)
2007/01/06 (土) ~ 2007/01/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
やっぱり
やっぱり、いいよね
ぎらぎら、情熱的、好きです。
ka-e-lu
多少婦人
しもきた空間リバティ(東京都)
2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了
満足度★★★
微妙&不思議な感覚‥
舞台はほぼ素舞台(個人的には好感が持てるけど)‥。ところどころ笑いはあるけどコメディというわけでもないのかな。全体的にシニカルな感じ。自分の好みに合うなぁと思える部分もあればそうでない部分もあったりでちょっと微妙で不思議な感覚‥(この劇団の舞台を観るのは初めてだけど、これが「多少婦人」ワールドなのかな?)。
3話目だけ作風がぜんぜん違うなぁと思ったら1、2話目とは作家が別なんだ。3話目は言葉遊びが秀逸で着眼点は面白かったけど、ワンシュチュエーションであの長さはさすがに長いなぁ。でも3話目が一番個性的だった。出来ればもうちょっとくだけた感じにしたほうが、とっつき易く(観やすく)なって良いと思うんだけど。上演時間1時間50分、新鮮な体験だったけど観ててかなり疲れた‥。役者はそれぞれ良かったと思う(特に女優陣)。
ティーチャー!!
コメディユニット磯川家
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
やっぱりおもしろいっ♪♪
わざわざ東京まで見に行っちゃいましたっ☆☆
大阪も見て、東京もってもうストーカーみたい(笑)
でも行ってよかったぁ!!!大阪よりも面白かったかもっ♪♪
とにかく最高でした!!!
これからも活躍に超期待していますっ☆☆
逆手本忠臣蔵(公演再開&追加公演決定!)
劇団バッコスの祭
池袋小劇場(東京都)
2009/09/30 (水) ~ 2009/10/12 (月)公演終了
満足度★★★★
肩が凝らず楽しめる新釈忠臣蔵
プログラムで「史実との食い違いや時代考証の問題は承知の上」と釘を刺されては、そのことをとやかく言えないというより、それを言うと物語が根底から
崩れてしまうので言えない(笑)。
多数のバージョンが出尽くした古典を平成の若者が上演するなら、これくらい弾けてないと面白くない、ということでしょうか。
まったく違う世界に置き換えるやりかたを取らず、あくまでそのままで
現代風に演じるのがこの劇団の特徴のようで。
換骨奪胎ぶりはすがすがしいほどです。
狭い舞台をうまく使い、デメリットを感じさせないのは見事。
私がこの劇団を最初に観たのは、旗揚げ公演だったのですね。
主宰の森山智仁の名を初めて知ったのは東大の劇団シアターマーキュリー
「らんまるっ!」での殺陣。
旗揚げの「~奥州源平記~弟斬草」も森山氏が殺陣を担当していました。
時代劇専門に上演している劇団ではないのに、これだけ迫力ある殺陣ができればたいしたものです。
殺陣が得意な若手女優を誘って、もう一度観に行くことにしました。
以下、ネタバレで。
ネタバレBOX
シンプルだけど歌舞伎や文楽でよく使われる「奥のひと間」の手法も取り入れた舞台装置がとてもよい。傘をパテーションに使って多くの登場人物を処理するなど、昔、宝塚歌劇の時代劇などでは見られた手法ですが、巧いですね。
立ち回りで斬られた役者の引っ込みがきれいなのも感心しました。
冒頭の討ち入りのシミュレーションが往年のドリフのコントみたいで可笑しい。これで、重苦しい「忠臣蔵」のイメージが払拭され、若い人も肩の力が
抜けるのではと思った。登場人物の配役を各人に言わせるのは、「仮名手本忠臣蔵」の口上人形の変型とも解釈でき、なかなか洒落ている。
大石が「大星由良之助」という「変名(偽名のこと)」を使っていることにするなど、原本のパロディーも巧みに織り込んでいる。
浅野の正室・亜久里(史実では阿久利)の右頬になぜ青あざがあるのか、まず疑問に思ったが、物語終盤にわかるのでここでは触れない。
演じる金子優子は唐十郎作品が似合いそうな女優だ。
登場人物の中では吉良上野介の石井雄一郎が面白くて印象に残った。
高家筆頭(劇ではなぜ、高家肝煎となっているのだろう)には見えない俗物ぶりだが、この物語の中ではむしろ自然に見えるからおかしなものだ。
大石内蔵之助の丹羽隆博はアクロバティックな動きが得意な人だが、
演技には疑問が残る。脚本では大石がダメ人間という設定らしいが、
わざといじけているようにしか見えない。また、ときどき表情が歌舞伎で言うところの「生(なま)になる」(リアルな表情すぎて興趣を殺ぐこと)のが気になる。役柄が崩れてしまうので、学生芝居ではないのだから今後気をつけたほうがよいと思う。
派手な赤地錦の直垂という衣装はいくら主役でも目立ちすぎて
違和感があった。バカ殿ではないのだから。
大阪で世をあざむく遊興の身の上を大石が語り、「近頃では自分のことを人が昼行灯と噂してる」という意味のセリフがあるが、これも役柄の解釈としては誤りで、大石は赤穂にいたころに昼行灯と呼ばれたのである。
人数が少ないのでそうしたのか大石以外全員を家老職にしているのも逆に
不自然で、「藩士」でよいのではないか。
高田の馬場で弟子を堀部に斬られた道場主が小林平八郎という設定。
森山演じる平八郎が大石に兵法指南をするところがまじめにやっているのだが返って笑えた。
これから観るかたのためにあえて伏せるが、テーマともなる赤穂事件の真相
が、私には下手な時代小説のように感じ、少々こじつけがましくあまり説得力を感じなかった。このへんをもう少し練り直せば、傑作になると思う。
最後に、アキラさんがご指摘の部分
<討ち入りに、大石の妻りくや内匠頭の妻あぐりも参加したり、堀部が討ち死にしたり、松の廊下で浅野を止めた梶川が吉良の用心棒として雇われたり、さらにお軽は、なんと吉良の娘でソバ屋でバイトしていたり、その恋人の名前は勘平ではなく、三平のほうだったり、なんていう物語は、忠臣蔵ファンにはどう映るのだろうか。>
という点についてですが、確かに違和感があり、私が一番気になった点です。
さすが、鋭い!
野暮は言いっこなしということで黙っておきますが(笑)。
呪われたバブルの塔 -アフターサイド- 【舞台写真掲載!】
北京蝶々
OFF OFFシアター(東京都)
2009/10/01 (木) ~ 2009/10/12 (月)公演終了
満足度★★★★
通して見えるものがある
1日のビフォーサイドに続いての観劇。
ひとつのドラマとしても完結しているのですが
明らかに両方を観ることによって伝わってくるものがありました。
時代感覚の秀逸さに舌を巻いたことでした。
ネタバレBOX
ビフォーサイドとほぼ同じ舞台のつくり。
ただ、その空気はかなりちがっていていました。
ビフォーで溢れていた
ビルに対する深い情念や怨念のようなものに変わって
もっとグローバルな視点と
ドライなテンションが舞台上に醸しだされていたように
思います。
とはいうものの、人が虚飾の価値を膨らませていくという
ベースの部分はがっつりと貫かれていて、
質感は違っても、ビフォー同様に
ビルに関わる(った)個々のキャラクターからは
それぞれが持つ視野の範囲や、
範囲によって変わる思いの色が
くっきりと伝わってきてきました。
風水師やビルの元オーナーなど、
時間軸やグローバルな動きを見定めるキャラクターが
観客の視点を見晴らしの利くところになにげに導くあたりも
作劇のしたたかなところ。
ビルを巡っての
後ろ暗さを感じるような組織同士の擦れ合う切迫感だけではなく、
それらですら抗うことのかなわぬ
時代の揺らぎや振幅が重低音のような
存在感をもって伝わってきて。
また、アフターサイドだけでも
伝わってくるものはたくさんあるのですが
通しでみることによっての更なる膨らみも
間違いなく存在していました。
なんというか1+1=3になるような仕掛けが
いくつも折り込まれ機能していて。
バブルのころに建てられたビルのクロニクルと重なるように
この国の近過去から静かに強く揺らぎつづける今が
ぞくっとするような肌合いで浮かび上がってきます。
それらを具現化する役者達には、
さらに良くなる余白がありつつも
物語の肌触りを繊細に編み上げきるに十分な力を感じて。
両バージョン観終わって、
自分の生きてきた時代が
何時もと別角度からすっと見えて・・・、
慄然としたことでした。
コースト・オブ・ユートピア-ユートピアの岸へ
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2009/09/12 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
3部通しで-贅沢なフルコースディナー
9時間近い作品を通しで観る不安はあったが、心配したほど疲れなかった。
ロシアの歴史もので印象的なのは映画の「戦争と平和」「ドクトル・ジバゴ」で、どちらも長編だが素晴らしかった。この作品もまた想い出に残る作品となった。
まず、当初購入した2階BOX席から舞台構造上見えづらいとの理由で、急遽劇場側が1階のBOX席に変更するというハプニングがあった。これが紗幕に挟まれた席で、通常なら舞台の袖に当たる。結果、舞台転換がすべて見えてしまう。役者の出の瞬間の表情を見られるのも興味深かった。スタッフの一員になった気分なのだ。これをおいしいと思うか興ざめと思うかは人によるだろうが自分は前者。開幕時、殺風景なテーブルの前に集まった稽古時のような普段着の俳優が解散して、扮装を始める。途中からは紗幕に隠れる部分も自席からはすべて見える。
難点は自分から見て反対側の舞台の奥が見えづらいことで、そのために
俳優が隠れてわからない場面もある。演説の場面で聴衆役の俳優の後ろから一緒になって拍手してしまい、思わずハッとした。完全に劇の中に取り込まれている(笑)。
通しで観終わっての感想は、集中でき、壮大な物語全体の流れが掴めるのが利点。理想的には、最初通しで観て、次に各部を観ることだろうが、時間的も経済的にも自分には無理(笑)。
やはり、トム・ストッパードという作家は素晴らしい。
まさに骨太の戯曲とはこういうのを指すのだろうな。
阿部、石丸、別所、勝村、この4人の主要俳優の熱演とロシアの女性を悠然と演じる麻実れいの存在感が印象に残った。
ネタバレBOX
あまり馴染みがないロシアの革命家や思想家が登場し、議論の内容も難しい。頭が良くないのでよく理解できなかったが、物語の世界は堪能できた。
退屈させない蜷川幸雄演出に感謝する。精神的に老いない彼にはまだまだ長く仕事をしてほしい。
1部はチェーホフの「桜の園」を思わせる貴族社会の崩壊とノスタルジー。2部は男女の愛憎を横軸に革命が展開。3部は歴史的終息と次代の萌芽。ロシア人というと肉食系大男というイメージが浮かぶせいか、日本人が演じること自体、何か嘘っぽく感じられるのでは、と観る前から危惧していた。
芝居が始まってしまうとさほど違和感はないが、勝村政信が登場するとやはり小男でロシア人には見えない。だが、彼は終盤、特殊メークで太った老人に変身し、その風貌をネタに周囲の役者にいじられ、滑稽な演技をするので、あまり気にならなくなる。
今回、宝塚OGが3人出ているが奇しくも雪組出身者。3人とも下級生のころから観ているが、生の舞台では久しぶり。宝塚というと見下す人もいるが、宝塚はいまも女優の宝庫で、日本の演劇文化に重要な人材を輩出していることを実感。大味で大根と言われた麻実、歌以外が弱いと言われた毬谷、子供っぽいと言われた紺野、みな当時が想像できない堂々とした女優ぶりだ。
栗山千明は若いころの蜷川有紀そっくりで個性的。サトエリはグラドルから舞台女優へ見事転進したし、とよた真帆もananのモデル時代のあどけなさは消えてしっとりとした大人の女の哀愁を出せる女優になった。
水野、美波、京野はこれからまだまだ成長するだろう。
若手男優陣では池内博之が印象に残る。こんなに巧い俳優だったかと再認識。当日出演を知ったのは阿部寛の長男サーシャ役の遠山悠介。東大の学生劇団劇工舎プリズム出身で、大学生のころ観ていたのだ。こんな有名男優に混じって芝居してるなんて夢のよう。幕内で阿部に一礼してからスタンバイする姿を見て、ほぉーと思った。
演出ではスローモーションを多用しており、各部では気にならないのだろうが、通しで観ると多いと感じてしまった。仮面舞踏会の場面で赤毛猫(手塚秀彰)を視覚的に出すのが面白い。
席の位置から、1部の毬谷、2部の麻実がどこに出ていたかよくわからなかったのが残念。
3部終盤、阿部のゲルツェンの述懐が今日の共産主義の零落を予言しているようで興味深い。徒労感もあるだろうが、目的や使命感を持ったゲルツェンたちには確かに国家の歴史をつくり、生き抜いてきた実感があり、日々の喧騒に押し流されがちな現在のわが身を反省した1日だった。
ティーチャー!!
コメディユニット磯川家
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★
ここまでドタバタだと、逆にぃ気持ちいい、フルマラソン・コメディ
舞台がスタートして、最初は「えっ何?」という雰囲気だったが、一気にテンションが上がり、とにかく声を結構張るので、「こりゃ、この調子で全編やられたら、逆にぃ辛いかも」と思いきや、テンションは確かに全編この調子だったが、とにかく笑った。
逆にぃ、というか久しぶりにかなり声出して笑ってしまった。
実にしょーもないことで笑えてしまう。
逆にぃ、しょーもないことで笑えるのっていいなぁ。
ネタバレBOX
職員室で教師たちが繰り広げるとは思えない内容のドタバタ・コメディ。
実際にドタバタしていたりする。
鬱陶しいキャラクターしか出てこないが、逆にぃ、そうじゃないとこのテンションは持たせられない。主人公池田先生と金髪男の鬱陶しさったらないぞ!(笑)
そんな人いないとか、そんなことあるわけないじゃないか、とかいうようなコトはすぐにどうでもよくなってくる。
このテンションで2時間ぐらいを突っ走るのだから、フルマラソン・ドタバタコメディ。っていうか、逆にぃ、そう呼んじゃおう。
力づくというか力技の感じがするが、逆にぃ、かなり細かいところにも気を配っているところが好ましい。ちょっとしたフリとかもなかなかだし。
エンディングに近いあたりで、主人公がなんとなく人生的なキビのようなことをノタマウのだが、その長台詞を出演者が静かに揃って聞くというスタイルは、イニシエの藤山寛美率いる松竹新喜劇か! と思っていたら、ちょっとグダグタにしてみせるあたりがなかなかいい。劇団の年齢は若いけど、そんなスタイルを知っていて、ワザとやったであろうところが渋い。逆にぃ、オマージュ・・・ってことはないか。
そういう意味では「えっー」「いやいやいや」という最近の若手の舞台で「ココ面白いところですよ」というシーンでよく聞かれるこの台詞を、最初のほうで一気に無駄に何回も言わせているのも小気味良かったりする。
(関西のお笑いの人たちがよく使っている、この台詞が舞台でヘタに出てくるとうんざりしてたので。もちろんウマく使えていれば笑えたりもするのだが)
エンディングから本当のラストに行くまでが、意外と長い。かなり粘る、粘る、粘る。だけど笑えるから許せてしまう。この粘りは、舞台全編を覆っており、劇団の持ち味なのかもしれない。ホントに粘る。笑わせたい、喜ばせたいという気持ちの現れと受け取った。
関西若手ナンバー1と自ら名乗っているが、それもうなづける舞台だった。
関西にはこんな劇団がひしめいているんじゃないかという幻想も見そうになったほど。
また、観たいものだ。
それにつけても、関西弁をしゃべるのは、花屋の親父だけで、後はそうじゃなかったのはなぜなんだろう? 今までのほかの舞台でもそうだったのだろうか?
ジネット・ローラン/オー・ベルティゴ「La Vie qui bat」
ダンストリエンナーレトーキョー
青山劇場(東京都)
2009/10/05 (月) ~ 2009/10/05 (月)公演終了
ワーストかも
ダンストリエンナーレの第9弾。カナダの振付家ジネット・ローランの作品。このフェスティバルの会場はこれまでずっとスパイラルホールか青山円形劇場だったが、今回に限り青山劇場で開催。出演するダンサーが9人と多いからだろうか。生演奏をするミュージシャンも14人いたし。客席はさびしくない程度に充分、埋まっていたようだ。
ネタバレBOX
ミニマル・ミュージックの作曲家で知られるスティーヴ・ライヒの曲「ドラミング」を使った作品。音楽はライブで演奏される。ライヒの「ドラミング」を使用したダンスといえばベルギーのダンスカンパニー、ローザスの作品が思い浮かぶ。日本では2001年に上演されたが、私は残念ながら見ていない。作られた年代が気になったので調べてみると、ローザスの「ドラミング」の初演が1998年。一方、ジャネット・ローランの今作「La Vie qui bat」は初演が1999年。見終わったあとで思うことだが、どうせならローザスのほうを見たかった。
振付もダンスもかなりダメだった気がする。出演者は9人と多いが、振付は基本的にデュオが中心。しかも動きの半分くらいはペアの一人が相手の体を持ち上げるという、リフト主体。ユニゾンなのかそれとも動きをわずかにずらしているのかが判然としないこともあった。ライヒの音楽を使う意味があったのかと疑問を感じるくらい。ダンサーの動きは音楽を反映しているようには思えなかった。
衣裳もヘンテコ。足元はホワイトカラーの会社員が穿くような黒い靴。一方、ズボンとシャツはブルーカラーの労働者が着るようなグレーの作業着ふう。そして頭髪だけはパンクの若者かと見まごうような人工的な赤。終盤でズボンを脱ぐと、全員が穿いているショーツがこれまた頭髪に近い赤。わけのわからないチグハグさだった。
アントニーとクレオパトラ
劇団AUN
サンシャイン劇場(東京都)
2009/09/30 (水) ~ 2009/10/04 (日)公演終了
演出も役者も
劇団AUN初見。
吉田鋼太郎、芸達者だなあ。
タルダンス・カンパニー/ムスタファ・カプラン-フィリズ・シザンリ「DOLAP」 / 鈴木ユキオ/金魚「犬の静脈に嫉妬せず」
ダンストリエンナーレトーキョー
青山円形劇場(東京都)
2009/10/04 (日) ~ 2009/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★
地震国のダンス
ダンストリエンナーレの第8弾は、トルコと日本の作品の2本立て。
トルコとコンテンポラリーダンスという言葉の組合せがそもそも矛盾しているのではないか、と冗談をいいたくなるくらい、今回のフェスティバルではいちばん異色というか、単純にいって珍しさを感じる作品。
もう1本は初演を見たことのある鈴木ユキオ振付作品の改訂版。
両者の内容に共通点は感じられなかったが、結果的にはどちらも面白かった。
ネタバレBOX
トルコからはタルダンス・カンパニーの男女二人が出演。タイトルは「Dolap」。初演は9年前にパリで。大型冷蔵庫サイズの直方体の箱が重要な役割を果たす。要するに、人間2人と箱1個によるコンタクトだと思えばいい。
出演する二人の衣裳は裾が短めのズボンと半袖のシャツ。それにニット帽の縁をひとつ折り返してかぶっている。
開演して登場すると、端に寝かせてあった箱を中央に移して立てる。箱を挟んで二人は、互いの足が箱の方を向く形で、直線上にあお向けに横たわる。そのままならただ人も箱もじっと静止しているにすぎない。そこでまず、一人が横たわる前に箱を、先に横たわっている相手の方へゆっくりと倒す。倒したほうもすぐに横になる。すると、傾けた箱はそのまま反対側の寝ている人間に向かって倒れていく。体が箱の下敷きになる寸前に、相手は両足を上げて倒れかかった箱をキャッチする。そして今度は相手のほうへ箱を蹴って倒す。これを交互に続ける。
次はいったん両足で箱をキャッチしたあと、数十センチほど体を移動させてからまた箱をキックする。倒れる位置が少しずれたので、相手も数十センチ移動しないと箱をキャッチできない。
最初は二人の間を箱がメトロノームの振り子のように行き来していたが、今度は、常に反対側にある時計の針のように、箱を中心点にして二人がその周囲を回り始めるのだ。その間も仰向けに横たわったままで箱はキックしている。
次は一人が箱を両足でキャッチした瞬間、もう一人が跳ね起きて、傾斜したまま止まっている箱の上に乗りかかる。バランスよく形が決まってところで元の位置にもどり、今度は立場を逆にする。
その後も次々といろんな動きが繰り出すのだが、派手ではないものの妙に意表をつく動きの連続で、最後まで面白く見た。中盤ではそれぞれがソロで演じるパートもあった。
演じる二人は生まじめに黙々とパフォーマンスをこなしていく。その雰囲気がどことなく神村恵カンパニーのミニマルな作品と似ている気がした。動きそのものよりも、取り組む姿勢が。
出演者二人の経歴を見ると、男性のムスタフォ・カプランは大学で電子工学と電気通信学を学び、女性のフィリズ・シザンリは工業大学の建築学部を卒業したとあり、ともに理系のインテリだという点が興味深い。さしずめこの公演は「重さとバランスに関する調査研究」だったのかもしれない。
鈴木ユキオの「犬の静脈に嫉妬せず」は3年前にこまばアゴラ劇場でやったのを見ている。とても好きな作品だったので、また見られるのが楽しみだったのだが、出演者の人数が減っているうえ、美術もすっかり違うものになっていたのがちょっと残念だった。ただし、見覚えのある振りはちゃんと残っていた。客席に向かって遠投するところとか、胸板を叩きまくるところとか、ワイシャツの襟元や裾を開けて相手に誇示するところとか。
出演者4人のうち、安次嶺菜緒と鈴木はよく体が動くぶん、動物的というか獣的な印象が強い。あの引きつったような動きを見ていると、いつのまにか自分の指にも力が入っていたりする。共演は川合啓史と寺田未来。
はちみつ
こゆび侍
インディペンデントシアターOji(東京都)
2009/09/23 (水) ~ 2009/09/28 (月)公演終了
満足度★★★
主軸がぼやけてるかな
主人公は、はつみつ屋の店長とそのバイトだとはわかるのだが、物語自身はぼやけてるというか、主軸がわかりづらかったかな。
もしかしたら、主人公達もなんだかんだ言っても、働き蜂と変わらないというのを見せたかった、伝えたかったのかな??
(だとすると、そう感じたのは確かではあるが)
ネタバレBOX
役者陣は非常に好演でした。
山岡朔太郎を演じた安藤理樹は、バイトで映画監督を目指してるが、その一方、ラスト前まで何があっても一途の愛が変わらないのを見せてくれたし、
佐藤みゆきの、ちょっとオバちゃんも雰囲気がよく出てました。(ただ、設定年齢よりもっと上に見えたがww)
また、山岡が運命の人と信じる、霧島ニーナ(ハマカワフミエ)は、小悪魔的な演技から悪魔演技に変わる部分は、ゾクッとさせられました。
後、遠藤友香理は、前作のカムヰヤッセンとは全然違う役で、でもホントにリアルでバイトでもやってそうな(笑)見事な役を演じてました。
(まあ、ある意味飛び道具だなww)
しかし、暗転後のあのビンの散らかりようはお見事です。
ファシネーション~魅惑と情熱の炎~
OSK日本歌劇団
越前市文化センター(福井県)
2009/10/03 (土) ~ 2009/11/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしいショー!
実は、若手多しで、ちょっとだけ、不安がありました。
しかし、やっぱり、仕上げてきてくれてました。
高速ラインダンスは、久々です。
そして、桐生さんのショースターとして一段と磨きがかかった美しさ。
こころ・ことりのペアダンスは、きっとシンクロ度が回を重ねることに上がっていくでしょう。
通える限り通いたい。(希望は、、、。でも、むりなので、また、後半に行きます。)
ROMEO-午前0時の訪問者-
ルドビコ★
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2009/09/30 (水) ~ 2009/10/05 (月)公演終了
満足度★★★★
おもしろかった!
いろいろ、工夫してあったし、最後ちょっと笑えたし、おもしろかった。
人間みたい。
アタシト、
ギャラリィトウキョウジョウ(東京都)
2009/10/03 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了
満足度★★
カラスの名はよしお!
丁寧な作品で好感もてました。久積さんカラスの声真似上手いですね。あれって通りの人ビックリしませんか?
僕の愛した冒険
クロジ
新宿シアターモリエール(東京都)
2008/12/25 (木) ~ 2008/12/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
小さな冒険。
「僕の愛した冒険」で、私が一番好きなシーンは、藤波さん演じる主人公と福圓さん演じる女の子が主人公の部屋で、机を船に見立てて、向こうにある島を目指してオールをこいでるシーンです。
主人公がどうしようもないくらいのダメ男で、「めんどくさい」が口癖?で、「だってめんどくさいじゃん?」っていうセリフが何度も出てくるのですが、彼女との小さな冒険で彼の中で何かが変わって、旅に出る瞬間の彼の表情や姿が最初の主人公とは違って、いきいきとしていたように感じました。
一人暮らしの男の子の部屋がすごくリアルでした。