最新の観てきた!クチコミ一覧

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深情さびつく回転儀

深情さびつく回転儀

電動夏子安置システム

サンモールスタジオ(東京都)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

 
観劇

ハセル

ハセル

空気ノ機械ノ尾ッポ

桐生市有鄰館(群馬県)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

桐生は
東京に続き、桐生でも見てきました。
完成度も上がり、すごく見やすく、蔵の中での芝居だったのですが、とってもいい雰囲気でした。

ネタバレBOX

最後の手がどう飛ぶのか、興味津々でしたが、裏切ることなく飛んできて、満足です。
蛮幽鬼(ばんゆうき)

蛮幽鬼(ばんゆうき)

松竹

新橋演舞場(東京都)

2009/09/30 (水) ~ 2009/10/27 (火)公演終了

満足度★★★★

インテリな新感線
やや、インテリな新感線であった。
軽い調子やお下劣なドロ臭さは(お色気というべきか)
非常に控えめ。
これは、上川・堺の生真面目さと知的さが
脇に控える新感線メンバーの色より強いせいであろう。
それは、漫画チックさと単純さが強いストーリーの中では
やや違和感がある。
そう、少年漫画のヒーローのような颯爽さに
欠けるからであろう。

舞台装置、照明は、スーパー歌舞伎に
匹敵するほどの派手さ。
いのうえ歌舞伎も、すっかり演舞場に定着した感である。
ダイナミックな舞台転換や、
わかりやすい場面構成は、ザッツエンターテイメントである。

上川は、スターらしい華やかさはあるが
全体に芝居にメリハリがなく一本調子。
遊び心がなく、誠実そのもの。
それは、この芝居にはデメリット。
シリアスなストリートプレイのほうが
合うのではと思わずにいられない。
少し披露した歌声が、なかなかで
ジャンバルジャンを演じればいいのになって思う。
太一君は、とても軽やか。トゥーランドットより
ずっといい。
殺陣のシーンなんかは、ワクワクする。
源義経なんか、良さそう。
(あ、これはタッキーの持ち役か)
惜しいのは表情が全くないところ。
喜怒哀楽が、もっと伝われば、
話を膨らますだろう。

稲森いずみは、とっても顔が小さく可愛い。
出番が少ないせいもあって印象は薄いけど、
きっちり役柄を演じていた感であるって程度。

でもチケット代金¥12500に見合う作品だった。
3時間30分、退屈せず、作品の世界に入れました。


ネタバレBOX

宛書された役であろう、堺のニコニコ顔。
3時間30分の上演時間中、目の色の変化に3回気づきました。
それは、ゾクっとするほどのヒールさで
野心が滲み出ており、素晴らしい。
でも、たまたま取れた1階席後方からオペラグラスで見て
気づいた程度、それは、こういう大劇場ではどうだろう。

印獣

印獣

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2009/10/13 (火) ~ 2009/11/08 (日)公演終了

満足度★★★

全ては三田佳子
休憩含めて2時間40分、流石に長すぎる。
三田佳子の百変化を魅せる見所はわかるが、一こま一こまが、
いかんせんクドい。
遊び心なシーンが、だんだん痛々しくなってきて
「三田佳子、借金でもあって大変なのかな、
こんなことまでして・・」って気持ちになってきた。

おそらく普段の三田佳子の芝居を見に行く客層とは
被らないのを前提にしているのだろうが、
演舞場での芝居、市村正親との「越前竹人形で
大女優としてのオーラに圧倒されて以来、見続けている自分的には
哀しくなってくる。

河原ワールドというより、長塚ワールドっぽい、この作品。
2重構造の舞台装置や、舞台の密度を見ていると
「シアタークリエに、爪のアカでも飲ませてやりたい」って
思うほどの贅沢感がある。
役者陣も含め、派手さに溢れる、この作品。
ただ評判ほどクドカンの脚本はこなれておらず、
消化不良な面も多い。荒削り感も多いのは、
座長さんクラスが集まりすぎて、出来上がった作品が、
変形していってしまったか。

もうちょっと、ギュっと縮めて2時間程度にして、
なんとなく勘違い感がある岡田の配役を変えて
ぜひとも、再演してほしい。
こなれたら八千代座に見にいきたいな。

ネタバレBOX

ダラダラした2時間が過ぎ、本領発揮となるのが
母親としての芝居になった時点、人形の娘相手に
オーディションに臨む芝居。
ここからはグっと芝居が引き締まり、
濃い口な三銃士も全て蹴散らす化身である。

くちびるコミック

くちびるコミック

ライオン・パーマ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/19 (月)公演終了

ふふふふふ♪
やっぱり、あのかたが出ていると、それだけで華がありますね~~!!

深情さびつく回転儀

深情さびつく回転儀

電動夏子安置システム

サンモールスタジオ(東京都)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

法則が見えてからはもう・・・、
ずぶずぶに取り込まれてしまいました。

これ、面白い。

当日パンフにメモをしながら、
その法則と舞台の一致に
取り込まれて・・・。

エンディングが6つというのも
充分にありえると納得。

すごくしたたかな
エンターティメント性を内包した
お芝居だと思います。

ネタバレBOX

開演してからしばらくは
お芝居からやってくるある種の閉塞感に
息を潜める感じだったのですが
「0」が出たあたりから一気に面白くなりました。

当日パンフに
こじゃれたアナウンスで告げられる出目を書いていくうちに、
それだけで内容が出来るわけではないのですが
ある種の高揚感が膨らんできて、
どんどんとのめりこんでいきます。

部屋の壁を彩る照明の工夫や、
チップの存在が作り上げるさらなるゲーム性。

テーブルの図を見ながらわくわくする。
出目の数字とチップの効力と舞台の整合性が
美しいほどに貫かれていて
ぞくっとくる。

芝居のクオリティが
不条理にも思える、ルーレットの出目と舞台上の出来事を
しっかりとつなぎ支えていきます。
どんどんと広がり重なっていく世界観を背負うだけの力が
役者や演出にあって
観る側はそれゆえロジックの面白さに
無抵抗で身をゆだねていけるのです・。

ルーレット盤の近くで観ていたのですが
それまで静かに回りつづけていたものが
終盤は玉の踊る音が聞こえてきて、
舞台は溢れんばかりに膨らんで、
最後の出目・・・。

6つのエンディングがあるそうですが、
少なくとも私が見た回の終わりは
しっかりと物語を収束させていて、
満足感をもって心地よく拍手をすることができました。

この作品、本当にはまります。
時間が許せば、せめてもう一度くらい観にいきたいのですが
難しいか・・・。
生きてるものはいないのか

生きてるものはいないのか

五反田団

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/10/17 (土) ~ 2009/10/31 (土)公演終了

観ました
舞台上でも観ている自分の内面でも何も起こらなかったんだけど、それが良いのか悪いのかが全然わからない。ある意味では稀有なことだと思う。トークで演出家が話していたことはすごくよくわかった。演劇というよりインスタレーションな感じ? それが自分にとって良いのか悪いのかはやっぱりわからない。

深情さびつく回転儀

深情さびつく回転儀

電動夏子安置システム

サンモールスタジオ(東京都)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★

面白いけど複雑過ぎて混乱する
実は16日の初日に一度観て、わからない点が多くて、翌日観たら
違うバージョンの結末で、それで若干筋が補完されたという感じ。
電夏は大好きな劇団だし、ロジック・コメディーというコンセプトにも共感
するが、今回はそのロジックに足を引っ張られすぎの感が強い。
まず、ルーレットとチップのルールがパンフを読んでもわかりにくく、
終盤近くに俳優のじょんが説明するが、頭が悪いのか、よく理解できない。ルーレットに近い前のほうの席で観ても、俳優の体や手によってふさがれ、実際に数字は確認できないので、数字の出目が何かにはそれほどワクワクしなかった。視覚的に大きなルーレットなら、単純に楽しめるのだろうが。
役者の動きで「あ、状況が変わったんだ」と思う程度で、コメディーの部分は
面白いのだが、ルールの複雑さはさほど意味を持たない。
結末を見ても、スッキリ感はなく、別の疑問が沸いてむしろフラストレーションが増すばかり(笑)。
そのためか、上演台本が売り切れとか言っていた。
6つの結末が書いてあるから?
最近、他の劇団でも日によって演出や結末を変えたり、2バージョン見ないと
ストーリーがつながらないという趣向がしばしば見られ、
ファンサービスやリピーターを誘う興行的な思惑もあるようだが、
本来、作品は1本で完結、勝負すべきで、個人的にはあまり感心できない
企画だ。
引っかかった点いくつかはネタバレで。

ネタバレBOX

①最初に出てくる5人のチャレンジャーが住んでる家は緑色の屋根の家で
「向こうに見える4つの家」という台詞があるので、家は5つあるのだろう。
4つの家は赤と黒、それぞれ四角と三角の屋根があるわけだ。
しかし、「4つ?5つじゃなくて?」という台詞が後から出てきて、紛らわしい。
②蒼(七味)が「私には4棟の家が残された」と言っているが、葵(志賀)は「私はこの家をもらったの」と1軒のように言っている。
フライヤーには次女に4棟の家が残されたと書いてあるが、同じ次女のアオイという娘(正確には自分が次女のアオイと思い込んでいる娘)でも、相続したと聞かされてる家の数が違うのだろうか。
次女に2人の妹がいて、長女を加えれば4人の娘で、1人1軒ならわかりやすいのに、1人に4棟とする設定がわかりにくいのだ。
③自分が観た回では娘は4人いたという結末だったが、5人の目隠しされた
子供はどういう意味になるのか。また、常葉の妻が地下室で見た「目隠しされた子供」というのは誰なのかがわからない。夫が殺したのは
成長した娘なので。
ストーリーをいたづらに複雑にしている感が拭えない。
ナゾはあってもよいが、1本観ても解けるようにしておかないと
反則技に思えてしまう。

俳優はそれぞれキャラクターが楽しめる。
岩田の低音の声が管財人の風格を感じさせた。
渡辺の芝居にリアリティーがある。
澤村・なしおの夫婦がとにかく笑わせる。
なしおの安定感、澤村のトボケた中年男の存在感は捨てがたい。
七味はなしおと入れ替わったときの芝居が巧い。
しゃべりかたで人格はなしおだとわかるところがさすがだ。
新野の美雪は「由布さん(じょん)」への屈折した女心がかわいい。
横島裕は初めて見る役者だが愛嬌がある。
七味の蒼を助けようとする小原の戒二がクールでカッコイイ。
電夏の山本耕史といったところか。
道井の演技はさすがに達者で、幕開きから釘付けにさせる。

ファンとしてはじゅうぶん楽しめる。でも初見だったら・・・を加味すると
あえて★3つ。





『ヘアカットさん』 / 『朝焼けサンセット(朝公演:朝食付き)』

『ヘアカットさん』 / 『朝焼けサンセット(朝公演:朝食付き)』

岡崎藝術座

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度

客が寝るとき
ヤル気満々で観に行くが、3分の2を眠って過ごす。

よって感想が書けない。

だから、何故寝たかを考えてみる。

皆さんはどんな時、芝居で眠くなりますか?

俺が考えた「客が寝るとき」は以下の3点です。



≪客が寝るとき≫

1.コンディションの問題 …寝不足など

2.リズム(刺激)の問題 …目や耳が捉える状況変化が単調

3.当事者意識の問題 …内容や演者についてこれず意識が離れる



以下、上記3点をふまえた上での感想



アフタートークを聞いてて思ったのは、
演出家とオーディエンスに隔たりがあるのではないか
ということだ。
演出家は何を思いどう創ったか、当事者なのに
わかりやすく客に解説することはできない様子だった。

この演出家は「リズムを調整して刺激を与えよう」だの
「みんながわかるように見せよう」だのには
おそらく興味がない。
だから、きっと彼の視点は非凡でも
それを作品からキャッチできる人は
けっこう限定されるのではなかろうか。
(キャッチできないと当事者意識は下がる。)

音楽好きな人がFUJIROCKやSUMMER SONICに行くのは
ありふれていても、観劇好きで利賀村に行くのはレアだ。
俺の周りには利賀フェス出演経験者は多いが、
利賀フェス観覧経験者はいない。
つまり、利賀フェスでの評価は
一般客に通用するかはわからない。

神里さんは、自分の視点を作品に起こしたら
「どう見せるか」という、いわばサービスをもっと考えて
オーディエンスに寄り添ったほうがいいと思う。
独り言みたいな作品ならエッセイにするか、
現代美術として展示するか、5分くらいの歌にまとめてくれたら
受け取りやすい。

余談だが、
今回と同じく応援している役者 折原アキラを目当てに
今年の初めにアゴラで観たデスロックはその点凄かった。
芸術作品としての色あいを濃く保ちつつ、
魅せ方に工夫があり、わかりにくいことをわかりやすく提示してあり、
3時間近い観劇でも一切眠気は起きなかった記憶がある。



これだけ書いておいてあれだけど、
まー内容はキャッチできなくても別に平気っちゃ平気だ。
俺はタイニィアリスで韓国のアングラを楽しんで観たし、
英語がわからないから、大好きなバンド
ナインインチネイルズの曲は一つも何言ってるかわからない。
公演はライブなんだから、リズムで聴いたり、
絵として観たり、役者の身体を眺めてれば飽きない。

ひょっとこ乱舞を観るとき、ストーリーを緻密に追って
分析する奴はそれほど多くないと思う。
維新派の所作や美術に込められたコンセプトを
逐一キャッチできる奴はそれほど多くないと思う。
今作での岡崎芸術座も同じく。

でもね、眠くなる客の割合は今作の岡崎芸術座が
(ひょっとこ乱舞・維新派と比べたら)一番高いと思う。
それは、俳優の使い方が原因の一つだと思う。
俳優が人間とオブジェの中間みたいだった。
オブジェにするなら飾り方や置く向きなどが重要になる。
人間にするなら出来事と感情変化を
どのような順番でオーディエンスに公開していくかが重要になる。
どっちでもなかった気がする。中途半端に感じた。

特に折原アキラは人間にもオブジェにも適したプレイヤーなので
どちらかでばっちり使えば、(内容がわからなくとも)
折原アキラでオーディエンスの当事者意識を保つことが
できたかもしれない。

俺にはアフタートークの時の俳優のほうが
各人がその人らしく振舞っていて魅力的に映った。
これが一番印象に残った感想だろうか。
この作品は役者を人間として扱い、
フツーに時系列に沿って話を並べたほうが伝わったと思う。
演出家の手腕に問題があると思う。



最後に…

神里さんは演劇(というより生ライブでの観客との対話)に
あまり向いていないと俺は思うので、エッセイを書いたり、
ショートムービーを撮ったり、
武谷氏を聞き手にしてトークショーをやって欲しい。

考えていることを文章にして「説明」してくれるか
より自身の視点を強く出せる「短時間」の映像に落とし込むか
「ツッコミかつフォロー」の相方を迎えて、その人と喋るか
そうしたら面白いと思う。
これは誹謗中傷ではなく、本気で思ってます。
だって「評価されている気鋭の若手クリエイター」
の作品なのにつまんなかったんだもん。

演出家・劇作家のエッセイだと
宮沢章夫の「牛への道」とか最高だが、
「牛への道」くらいは書けそうな
変わったセンスがありそう。

「賢くて繊細な人だけがわかる演劇」をつくり続けるのは
ちょっともったいないし、
俺のように「愚かで繊細でない人」は
彼の才能を享受できないのでかなしい。
どっちにも広く受け入れられたら一番いい。

モロトフカクテル【公演終了、次回公演は来年4月@楽園】

モロトフカクテル【公演終了、次回公演は来年4月@楽園】

タカハ劇団

座・高円寺1(東京都)

2009/10/15 (木) ~ 2009/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

現代の闘争感
初演も観たのですが私はこちらの方が全体としては好み。劇場が狭いと客席と舞台に一体感が出やすいとか小さな芝居までしっかり見える、とかはどうでもいい話で。演技をする舞台以上に余白としてポカンとした空間にこそ想像力の持ち込むスペースがあり、余白そのものが今回の舞台美術のすばらしさだと思いました。

ネタバレBOX

もう本当に煮え切らない現代の学生達だが、私もその煮え切らなさに自分を重ねて観てしまいました。音楽もノせるようなスカすような軽妙さと歴史のもつある厚みを両立していた気がする。
生きてるものはいないのか

生きてるものはいないのか

五反田団

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/10/17 (土) ~ 2009/10/31 (土)公演終了

満足度★★★★

ふむふむ
なるほど、といったかんじでしょうか


戯曲は本で読んでたんですが、
もうあれですね、

劇場で演じられてるのを
見たほうがおもしろいですね!


おもしろかったです!

『ヘアカットさん』 / 『朝焼けサンセット(朝公演:朝食付き)』

『ヘアカットさん』 / 『朝焼けサンセット(朝公演:朝食付き)』

岡崎藝術座

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

観ました。
10月19日19:30の回。

死すべき母の石

死すべき母の石

劇団桃唄309

テアトルBONBON(東京都)

2009/10/15 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度

予感的中
たぶん長谷さんは、性に合わないだろうの予感的中。
戯曲がではなく、演出が、私の体質には合いませんでした。
これ、新劇場の杮落としには不似合いではとずっと思って観ていました。
有料の公演ではなく、無料のワークショップ的趣の作品で、キャスト陣、特に女優さんの演技が生理的に受け付けない部類で、久々、途中で退座したい思いに駆られました。
キャストの中では、主演の男性と犀川役の男性の演技が素直で、好感が持てました。でも、一番良かったのは、演技していないDJ役の方だったかもしれません。

カカフカカBig2

カカフカカBig2

カカフカカ企画

アイピット目白(東京都)

2009/10/15 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★

面白いが、下ネタが
「大脱獄」を鑑賞。当劇団初見。
近未来の、女性が男性を支配する世界で繰り広げられるナンセンスコメディー。
笑いを誘うしかけがあちこちにちりばめられており、なかなか楽しい舞台であった。
ただ、全編、下ネタのオンパレードで、後半は飽きてしまった。
次回、あまり下ネタのない、コメディーに期待したい!

モロトフカクテル【公演終了、次回公演は来年4月@楽園】

モロトフカクテル【公演終了、次回公演は来年4月@楽園】

タカハ劇団

座・高円寺1(東京都)

2009/10/15 (木) ~ 2009/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★

内容の把握
は知識が乏しい故難しいものの、そんな事を上回る説得力。ラストシーンがすばらしく、涙を堪えた。役者、有馬さん、石川さん良かった。

ソウガ

ソウガ

演劇企画製作集団TWIN-BEAT

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2009/10/10 (土) ~ 2009/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★

相剋の双牙篇
亡国篇のラストシーンに到達するのがエラく早いと思ったら、その後40分くらいに亘って「後日譚」とか「エピローグ」のレベルではない新たな歴史が刻まれるシーンがあり…
亡国篇では「ストーリー的にではなく芝居的に今ひとつけりが付かない」「句点がつかないままなのが残念」と感じたが、それもそのハズ、あちらのラストは「一見」落着、あるいは「一件落着、他件継続」にすぎなかったワケで、やはりσ(^-^) の感覚は正しかったのか、みたいな。(エヘン!)
なるほど、他の2バージョンもののように交互上演にせず、一方が終わってからもう一方を上演するワケだわさ。
ツムギの物語としては確かにあの時点で終わったけれどオウカの側にはまだその後のドラマがあったワケで、相剋を先に観てから亡国を観ると、露骨に「途中までで終わった」感が残るもんね。
両篇を併せて途中休憩も入れても3時間~3時間半で収まるハズなので、いつかそんな「一気観バージョン」も上演すればイイのに。
また、亡国に不満が残ったことについて、あくまで一般論ながら「主人公あるいは中心人物の生命を代償に平和が訪れるというのは正しい解決方法ではなく、むしろお涙頂戴も狙った安易(←言い過ぎ)な結末ではないのか?」という想いがσ(^-^) の中にあるからではないか、と気付いたりも…。

ソウガ

ソウガ

演劇企画製作集団TWIN-BEAT

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2009/10/10 (土) ~ 2009/10/18 (日)公演終了

満足度★★★

亡国の爪牙篇
日本の戦国時代によく似た架空世界の対立する2つの陣営を描いており、こちらと「相剋の双牙篇」とがそれぞれの陣営の視点で描いており表裏一体の仕組み。
で、かつての友人が対立する陣営に分かれる、という構図にキラとアスランを連想しつつ(そう言えば衣裳も青系統と赤系統だし…(笑))、若干のお約束的な展開も含めて時折ユーモラスな部分も交えたストーリーに引きこまれ、あんな若者たちが殺しあった時代に思いを馳せる。
ただ、C.イーストウッド監督・主演の『グラン・トリノ』とも通ずる終わり方は悪くないが、ストーリー的にではなく芝居的に今ひとつ「けりが付かない」(←文字通り)感覚で「お爺さんとお婆さんは仲良く暮らしました………」みたいに句点がつかないままなのが残念。
音楽でのデクレッシェンドやフェイド・アウトならまだしも、芝居でこうだとちょっと締まりがない感じなんだよなぁ。(どうした、きだつよし!)

カムパネルラ

カムパネルラ

Oi-SCALE

SAI STUDIO komone(東京都)

2009/10/08 (木) ~ 2009/10/13 (火)公演終了

満足度★★★★★

銀河高速道路の夜
タイトルがまんまな通り、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をモチーフにしたもので、原典にハマっている身として非常に嬉しいと言おうか何と言おうか…。
当日パンフによれば林主宰も賢治作品、とりわけ「銀河鉄道…」がお好きなんだそうで、そんなあたりが非常によくわかると言うか、同好の志として共感(よりも共鳴?)してしまうと言うか、「あぁ、あの部分をこう昇華させたのね」みたいに原典のシーンがわかるヨロコビもあり。
当日パンフの「観劇後に読んでください」的な部分を後から読んで、何度膝ポンしたことか!
内容は、恩師の葬儀に参列しようと夜の高速道路を北上している途中に事故でメンバーの1人を亡くしてしまったワンゲル部OBたちが、その1年後に再び同じルートをたどり…という状況での物語。
現在の様子と1年前の回想、それに主人公が見る幻想の3種類のシーンを組み合わせて一種独特の雰囲気を醸し出しており、地下のスタジオに黒幕を張り巡らせ、四方の壁に沿って基本的には1列のみ客席を配した会場も、いかにも夜のサービスエリア、な感じ。
そんな中で原典のジョバンニにあたる主人公・蓮田の金ヶ崎(=原典のカムパネルラ)に対する追悼の気持ち・喪失感がクッキリと浮かび上がって切なくも美しく優しい仕上がりになっている(そんなところも原典と通ずる)のがイイ。
『模様の様な汚れ』(07年)と同様、2つのバージョンで同じ部分もあり、違うエピソードも挟まれるというスタイルは、左右それぞれの眼の位置で撮った2枚の写真を見る裸眼立体視の如く、基本的には同じながらところどころが異なるものを両方観るとより深く見える、的な。
また、最初のエピソードは異なるのに最後のエピソードがそれぞれのオープニングと対を成しているのも巧いところ。
最後のエピソードと言えば当日パンフで林主宰も語られているように「ジョバンニ」バージョンの夢落ちも原典へのオマージュ的で○。
一方「カムパネルラ」のラストは泣きじゃくる蓮田で、こちらの方が胸に迫るモノがあるか。
ということで、観た順はこれで良かった、と納得。
あと、舞台に複数のモニターを置いて映像を流すのはよくある手法ながら本作では上部にある調整室から床に投影するというワザも使って、事故に遭い倒れている金ヶ崎を見せたのにも感心。この会場の特質を上手く使っているよなぁ…。

あなたに会えてよかった

あなたに会えてよかった

劇団あかぺら倶楽部

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2009/10/08 (木) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★

さすがに傑作
時間モノの傑作と言われていながら未見でかねがね観たいと思っていたアラン・エイクボーンの『ドアをあけると…』。(←チラシにあった原題で気付いた)
2月に観たエイクボーン作品は期待の大きさ故に見事なまでの肩透かしを喰らったが、本作はさすがに傑作。
思いもよらずに過去にスリップして状況が状況だけに最初はそのことに気付かないが、気付いてからはそれから起こる事態を防ごうとする、というタイムスリップ系では王道とも言うべき物語、ユーモアとサスペンス(主人公が大ピンチに陥って連続ドラマで言えば「to be continued...」なところで第1幕を終わらせるのなんざ絶妙)の配分も申し分なく、とても楽しい。
複数の時代(時期?)に登場する人物との関係などもお約束気味ではあれ、上手いスパイスになっているし。
なんたって物置に続いているハズのドアをあけるとそこは20年前の同じ部屋、という設定がユニーク。だもんで、「何?この機械?」などとイジっていて時を越えるのと違ってスリップしたことに気付きにくいのがミソ。
また、2段階で過去にスリップすることで『ノモレスワ。』(クロカミショウネン18、07年)も想起。あれはこの本作へのリスペクトあるいはオマージュだったのかしら?

深情さびつく回転儀

深情さびつく回転儀

電動夏子安置システム

サンモールスタジオ(東京都)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白い!(^0^)
ロジカルコメディってことだったけれど、サスペンスコメディのような背景。
まあ、コメディには違いないのだが・・。
それにしても・・「電動夏子安置システム 」は初見だったが、好みの作風だった。そこにはロマンがあり恐怖があり不条理があり願望があり闇がある。

そして・・最後の結末がお見事!

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

いきなりの暗闇と落雷の鳴り響く音が耳を突き刺す。
舞台は雷雨という、いかにも今からサスペンスですぜ!みたいな状況から観客ごと一緒に飲み込ませるように物語は始まる。

別荘には4人の男と一人の女。彼らは見ず知らずの関係だが、どうやらこの別荘に最後まで残った人物が一日1万の報酬を手に入れることが出来るらしい。そして彼らは今まで気がつかなかった他の3つの家の存在が気になってくる。

こうして彼らは建ち並んだ他の3棟の家を様子見に出かけたのだが・・。
ここでの彼らの役割は物語を進行させるためのナビ的存在。

娘にこの資産を残した有橋は「本物は一つだけ。あとは偽物なんだ。」 という言葉と「この家の物は決して動かさないように。」との遺言を書きとめておいたが、4人の男と一人の女のうちの女・美雪がルーレットを回してしまう。
すると、建ち並んだ四棟の家の登場人物の全てが瞬間移動したかのように一か所の部屋でそれぞれの会話をし始める。この時点で他の家の登場人物は見えない設定。つまり同じ空間に居るのに、それぞれの関係する人物しか見えていない。

ルーレットは美雪が動かしたことによって、まるで物語の中の偽物を消すためのスイッチが入ったように仕組まれているようだった。3人の娘・アオイはそれぞれ一つの家を所有しているが、このうちの2人は偽物だ。という設定のもとルーレットは次々に黒の奇数、偶数、赤の奇数、偶数というようにカラーと数値をあらわしていく。
黒と赤は立ち並んだ屋根の色を表し、奇数は三角屋根。偶数は四角い屋根というようにルーレットにはある一定の決まりのもと、動きながら進んでいく。
こうして、数字によって目まぐるしく登場人物や状況が変化しながらも、黒い四角い屋根の家は人も一緒に無くなってしまう。
つまり家と居住していた人物全てが偽りだった、ということになるが、こうして次々と消される事実を知ると、アルバイトとして来た5人の彼らは、クイズが解明される瞬間の空が晴れたような気持ちになる一方、恐怖に慄くのだった。

このサスペンスに「地下室で目隠しをした5人の子供」というホラーのような話を加味することで、観客はグリム童話のような情景を空想するだろうし、またアオイの父親に対する独占的な愛、管理人・常葉の人間本来の持つ業をも魅惑的に見せつけながら、物語は登場人物にタッチするだけで中身がシャッフルされるというコミカルさも演出していた。そして、本当の不条理というか、本当の恐いお話は、もう一つの偽物の家が消える瞬間に美雪は塩川にトン!と簡単に背中を押されて消える家の中に入ってしまう。
こうして最後は本物のアオイとアルバイトでやってきた塩川(男)の二人だけになるが、アオイは家と莫大な遺産を手にいれ、塩川は最後に残った一人として1日1万の報酬が貰えるのだ。

こんなストーリーに味付けとして道井良樹が一手に笑いを集めていた。
彼を観たのは勿論、初めてだったが、ひじょうに素晴らしい役者だと思う。
花もあるし演じるキャラもいい。
そのほか豪華なキャストの面々で一人として脇は居なかったように思う。

物語性も個性的なキャストも素晴らしく、音響も照明も秀逸だったと感じた。
とにかく面白い!(^0^)



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