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ピチチ5プロデュース「サボテンとバントライン」

ピチチ5プロデュース「サボテンとバントライン」

こどもの城 青山円形劇場/ネルケプランニング

青山円形劇場(東京都)

2009/10/30 (金) ~ 2009/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

初主演:要潤!映研で自主映画,映画マニア,イタイ高校生活…大人になっても続く,うっ屈した青春!
要潤の初主演作!
平成仮面ライダー出演のイケメン俳優さんたちの一人です。

開演前の客入れのときのBGMが「真夜中のカーボーイ」の主題歌と、
劇中「テレビのブラウン管に『ウルトラマン』のスカイドンが映る
シーンの音楽」などが流れる。
わかる人にはわかる有名なシーン・・・。
この選曲が、今回の芝居を象徴してます。

<IMG SRC="http://image.space.rakuten.co.jp/lg01/91/0000415091/43/img2ba419cczik6zj.jpeg" width="240" height="400" alt="091107_122706.jpgサボテンとバントライン">

イケてない、モテない連中の集う映画研究会。
8ミリでマカロニウェスタンの自主映画
『サボテンとバントライン』を撮っていたイタイイタイ高校生活。
ダイナマイトを片手に片っ端から爆破する、
孤独な荒野のガンマンの話だ。
いじめられっ子の転校生は、今経験している屈辱がつらいほど、
そのトラウマが大きいほど、将来のエネルギーになるという。

ある日突然、クラスのマドンナを主演に迎え、一転して楽しい
日々が訪れた。だが、それは長くは続くことは無く…。
『中途半端に、楽しませないでくれよ!』

大きな挫折を味わい、
偶然の出会いからビデオレンタル店でアルバイト。
そして、毎日タダでビデオで映画を観ながらアルバイトが続く、
怠惰な毎日の中、あっという間に10年以上が過ぎ、30代。
そのビデオ屋も大手全国チェーンのTSU○○○○に負けてつぶれた。
いまだにVHSしかなかったのだから当たり前だ・・・。
しかも、いまだにアルバイト。
しかも、次のバイト先に選んだのがそのTSU○○○○だという
念の入れよう。

そしてついに、クラスのマドンナや、高校の同級生たちとの
再会のとき、ある衝撃的な結末を迎える。


映研、自主映画、映画マニア、もてない高校生活・・・
「真夜中のカーボーイ」、アメリカンニューシネマ・・・
イタイイタイ・・・見事に私のツボです。
おそらく今の『映画秘宝』読者は皆同じではないか。

要潤(カナジュンとは言わないか?)さん、
初主演が、映画マニアのさえない高校生→30歳アルバイター、
小劇場小劇団への出演というのが意外。
この先も応援したくなります。

そして、キングオブコメディでは普通に「キモいボケ」
を担当している今野さんですが、
この芝居では今野さんの持つ「毒」が強烈で効いています。

いらない里

いらない里

ホチキス

吉祥寺シアター(東京都)

2009/11/07 (土) ~ 2009/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★

観劇
はじめてみました。
結構笑わせてもらいました。
楽しかったです。

輝け!主婦バンド

輝け!主婦バンド

アトリエ・ダンカン

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2009/11/07 (土) ~ 2009/11/15 (日)公演終了

みたー
ストーリー、セット、いい
商業演劇
普通に楽しめるよ

浮気姉妹

浮気姉妹

高襟〜HAIKARA〜

Dance Studio UNO(東京都)

2009/11/09 (月) ~ 2009/11/15 (日)公演終了

オトギナ食堂

オトギナ食堂

発電ジョカ!!

OFF OFFシアター(東京都)

2009/10/14 (水) ~ 2009/10/18 (日)公演終了

みた
うーーん
みました

いらない里

いらない里

ホチキス

吉祥寺シアター(東京都)

2009/11/07 (土) ~ 2009/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★

今回は退屈しませんでした
いくつもの段差を設けた立体的な舞台美術が素晴らしく、
人の出入りや場面転換を効率的に行っていた。
円形のスクリーンも巧く使っていた。
登場人物が生き生きとしていて、全員が揃って歌うシーンもエンターテインメントらしくてよい。
作・演出家が自信をつけて余裕が出てきたのがはっきりと見て取れる作品だったと思います。
個人的には小劇場系の芝居は1時間40分くらいまでにまとめるのも腕前の内だと思っているので、現時点ではもう少し刈り込めたかなという気はしますが。
観終わって思ったのだけど、あのフライヤーの思わせぶりな図柄は何だったんだろう?(笑)


ネタバレBOX

UFOの話が出てくる劇はあまり好きではないのですが
コストカッターとの取り合わせに意外性があって面白かった。
冒頭の村上と小玉の立場が逆転した妄想シーン、
こういう滑り出しは昔、博品館劇場の芝居などによく使われた手法で
センスを感じる。
幕開き、円形スクリーンは天文台のイメージなのかなと思って眺めていたが、あらゆる場面で有効に使われていた。今回は音楽もとてもよかった。
小玉久仁子の桂は、まるでサイボーグのように動きやしゃべりかたが非人間的で悪役キャラと思いきや、後半、結構人情味も発揮するのが面白い。
村上直子は主役として大きな華には欠けるが、演技は明快。
そのほかの女優陣も美人ぞろい。
玉置玲央は「悪趣味」のときのOLと同じ人には思えないほど、スリムな印象。
本作でも運動神経のよさを活かし、個性的な演技を見せる。
加藤の館長の息子、橋本の天文台館長、山崎の副館長は安定した芝居。
本筋と並行して抜殻殺人事件の捜査が行われるが、話の展開上必然的に挟まれた場面なので会話が少々平板になったのが気になる。
もう少し、役者にしどころを与えてほしかった。
ちなみにこの抜殻のカラクリは、以前何かのSF小説でこれと同じ話を読んだことがあったので、すぐにそれとわかった。設定は偶然だとは思うが。



七本の色鉛筆

七本の色鉛筆

プリエール

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/11/06 (金) ~ 2009/11/15 (日)公演終了

いい声だなあ
岡森さんの声が良くて聞き惚れる。小林隆さんの表情や仕草がウマすぎて惚れる。

父産(とうさん)

父産(とうさん)

劇団印象-indian elephant-

吉祥寺シアター(東京都)

2009/10/30 (金) ~ 2009/11/03 (火)公演終了

満足度★★★

ここの特色なの?
惹句には「ドタバタコメディ」とあったものの前作に比べればそちら系とはいえ、やはりシュールな感覚が前面に出されており、ここの特色なんだろうなぁ、などと思いながら観る。
そんな中で先に逝ってから20年(あるいは25年)もの間、遺した娘のことが気になって成仏できない父親、なんてσ(^-^) の弱点を突くキャラがいて「ヤられたぁ」みたいな…(笑)
ただ、その成仏できない父親たちの件が放置されたまま終わるので若干の消化不良感は残る。
また、連れ子のある母と再婚して父になった男の血がつながっていない息子に対する愛情(どちらにも解釈できるが…)にもホロリ。

セブンピーポー

セブンピーポー

チェリーブロッサムハイスクール

劇場MOMO(東京都)

2009/10/28 (水) ~ 2009/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

前日に続き夢野久作を連想
気がつくと出口のない部屋に閉じ込められた7人の男女が、あるルールに従って1人を選ばなくてはならない、という出だしの状況こそ劇団BOOGIE★WOOGIEの『REVOLVER』(04年)にちょっと似ていながら(そういえば銃が1丁あるのもそうだな)アチラのサスペンス系とは異なり、コチラは時としてユーモラスであったりもする不条理系。
もちろん何故閉じ込められているのかという謎もあり、しかも真相は一般的な想像を遥かに超えるもので、それが明らかにされた時にはその発想に度肝を抜かれ口アングリ。
で、後からいろいろ考えていて、「ドグラ・マグラ」に出てきた(んだと思う)“胎児の夢”説(胎児は生れ出るまでの間にそれまでの生物の進化を夢で体験する…的な?かなり記憶が曖昧で、そもそも本作とは発想が逆だし)も思い出す。
それにしても「この劇場ってこんなに間口が広かったっけ?」な使い方にちょっとビックリ。

水になる郷 ミズニナルクニ

水になる郷 ミズニナルクニ

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2009/10/28 (水) ~ 2009/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

2日目と楽前日に観劇
上手側1/3弱ほどが室内、残りは「分岐点」を表す装置内で繰り広げられるシュールな物語はσ(^-^) の好きな「胡蝶の夢」やメタフィクションの香りも漂わせていろいろと解釈ができそう。
そのメタフィクションっぽさに夢野久作の「ドグラ・マグラ」を思い出しただけでなく、エッシャーの「版画画廊(Print Gallery)」やクラインの壷も連想。また、終盤での編集者の「世界観はイイ。で、どう終わらす?」という台詞はそのまま観ている側の気持ちだったりもして…(笑)
31日の二度目はオチを知っているだけに、景の姿が1人を除いた他の人々には見えていないことに改めて気付き『ファンタスマゴリア』での「オチを知った上でもう1度観ると…」という想いをここで果たせた、みたいな?(笑)
ちなみに楽前の席はD列7番。

アイーダ

アイーダ

劇団四季

電通四季劇場[海](東京都)

2009/10/03 (土) ~ 2010/05/30 (日)公演終了

満足度★★

良くも悪くも四季らしいミュージカル
仕事上、後学のために、行きましたが、やはり、どうも四季のミュージカルは、自分好みでないと再確認。
どうしても、あの母音法の台詞が、気色悪く感じられるのです。
台詞や歌詞は一音も漏れずに聞こえるけれど、感情が伴う演技になかなかならず、だから、アイーダとラダメスがちっとも、愛し合ってるように思えず、客席にいる私も、全然感情移入できないので、ついウトウトしてしまいました。
物語としても、野田歌舞伎や、小池修一郎さんの「アイーダ」の方が、深みがあった気がしました。しかし、楽曲は素晴らしい!
「迷いつつ」は、名曲ですね。 

四季のファンの方々は、大満足して、席を立っている様子でしたから、これは、単に好みの問題なのかもしれません。

飯縄おろし

飯縄おろし

世の中と演劇するオフィスプロジェクトM

タイニイアリス(東京都)

2009/11/06 (金) ~ 2009/11/11 (水)公演終了

満足度★★★★★

甘酸っぱい、あの頃の記憶
女子高生バージョンを観劇。
1970年代の、長野県の片田舎にある高校での一晩を描写。
高校生特有の、将来に対する不安と期待を地方伝承を絡め、見事に表現。
観劇中、観劇後、心がポッと暖かくなる舞台であった。
今年101本目の観劇作品となったが、年間のトップ10に入る秀作であった。

ネタバレBOX

卒業をまじかに控え、卒業式での出し物の練習をする3年生の女子高生たちであったが、季節はずれの大雪によって、校舎に閉じ込められてしまう。
女子高生の面子は、①東京出身で、成績優秀・スポーツ万能な生徒会長、②バスケで実業団への就職が決まっているヤンキー、③演劇部に属するも、舞台上で緊張のあまり台詞が一切出てこなくなってしまう演劇少女、④日ごろから差別的扱いを受ける部落出身者、器量。スタイルともに自身がなく、将来の幸せのためには、有名大学への進学しか目にないガリベン、⑥ヤンキーの金魚の糞として振舞う両思いの彼氏がいる少女の6人。
高校卒業・進学or就職を控えた多感な時期だけに、それぞれの少女には悩みがある。親のことを気遣いせっかく決まった大学推薦を取り下げる者、同級生に恋心をいだき、自分がレズビアンかも知れないと不安を募らせる者、被差別部落出身であることが重荷になる者等々。
作・演出の丸尾をこれらの者を等身大に描きつつ、あゆみを止めることなく、進めと、エールを送る。

H3(グルーポ・ヂ・フーア)

H3(グルーポ・ヂ・フーア)

フェスティバル/トーキョー実行委員会

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2009/11/07 (土) ~ 2009/11/11 (水)公演終了

満足度★★★★

なにかを超える力がある
冒頭の動きですでに体を前方に引き出され
そのまま、心地よく見入ってしまいました。

観ているだけで息が乱れるほどの
圧倒的な力に押されて・・・。

しかも、さらにソフィスティケイトされるであろう
余白があることにも瞠目しました

ネタバレBOX

前半、前方の光で演じられる動きに取り込まれて・・・。
車の音なども聞こえてくるその場所は
都会の広場のようにも思える・・・。

仲間たちが序列でも作るように絡まり合っていくj。
互いが動きをからめ合うようにして
関係性が生まれていきます。
これががっつりと見ごたえがあって。

シーンが進むにつれて、パワーが大きく広がっていく。
まるで空間に流星の絵を描くようなシーンがあったり
よりスピード感をもった開放感のあるムーブメントが出現したり・・。

まるでパチンコにはじき出されるように空間を疾走していく。
その動きの鋭さにはぞくっと震えがきました。
私をつなぎとめている何かを凌駕するような力があって。

しかも、ただ圧倒的によいだけではないのです。
ダンサー間にはそれなりに優劣があったり
見ていて素人目にもユニゾンの力がもっと引き出せるなと思ったり・・・。

これだけの力に触れて
これが頂点であるというような感覚がないのもすごい。
完成したダンスではなく、さらに埋められる余白を感じるところにも
魅力を感じて

あれやこれやで、観終わった後、良い意味でぼうっとしてしまいました。

万人向けかといわれると、ちょっと違う気もするのですが、
十分すぎるほどの見ごたえのあるパフォーマンスでありました。
H3(グルーポ・ヂ・フーア)

H3(グルーポ・ヂ・フーア)

フェスティバル/トーキョー実行委員会

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2009/11/07 (土) ~ 2009/11/11 (水)公演終了

心地よい躍動感
ダンスというよりもスポーツに近いかも!?

ネタバレBOX

男たちだけのダンスだったことや、会場が小学校の体育館だったこともあり、なんだかバスケと比較してしまうことに。とくに、後ろ向きに走るあたりは、ディフェンスのときの動きを彷彿。うーん、NBAのほうが美しくないか?(笑)
汚い月

汚い月

乞局

笹塚ファクトリー(東京都)

2009/11/06 (金) ~ 2009/11/12 (木)公演終了

満足度★★★

なんか
毎回体がかゆくなるのだが、つい観に行ってしまいます、乞局。好きです。

ミュージカル ロザリー

ミュージカル ロザリー

ミュージカル座

六行会ホール(東京都)

2009/11/05 (木) ~ 2009/11/14 (土)公演終了

満足度★★★★

良かったです!!
二人とも歴史の中の象徴として、お互いに立場は違っても歴史に抗しがたい存在であることを理解し合うところに感動しました。

楽曲も良かったと思います。

三人の道化役(王妃のおばさん)が面白かったです。

輝け!主婦バンド

輝け!主婦バンド

アトリエ・ダンカン

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2009/11/07 (土) ~ 2009/11/15 (日)公演終了

満足度★★★★

感動した!!
ジャンジャンジャン、ジャジャジャジャーン、ディープ・パープルのスモーク・オン・ザ・ウォーターの演奏、感動的でした。

ネタバレBOX

ハウス食品の宣伝も面白かったです。

一度や二度の失敗が何だ!何度でもチャレンジだー!!熱いメッセージにも感激。
実験シリーズその2 (なまえ) 『   』

実験シリーズその2 (なまえ) 『   』

劇団夢現舎

新高円寺アトラクターズ・スタヂオ(東京都)

2009/11/06 (金) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★

名前にまつわるエトセトラ。
”名前”に対して多角的にアプローチをしていき、人と名前がどう関わりあって来たかを探る―例えばその名前のルーツや名前からイメージされる何か、あるいは”名前”そのものの概念を、寸劇をしながらオムニバス形式で分かりやすく解説していきます。ストーリーテラーは実験シリーズの名を裏切らないいでたちの研究員4名。我々観客は一般特別研究員の一員として参加する形になりますので、協力的な姿勢で参加することが望まれますが、アットホームな空間ですのでリラックスして楽しめます。終演後は、劇団の方々が手作りされた特製エコバッグが配布されます。更に30分間の反省会&意見交換会(自由参加)があり、ジュースやビール、お菓子が劇団員の方々の奢り(!)で用意されています。私はひとりで行ったのですが、お誘いの上行かれた方が断然楽しめると思いますよ(もちろんひとりでも充分楽しめます!)。それから劇中は、名指しで指名されることもしばしばありますが、質問された答えを間違えてしまっても叱られることはありませんので、心配御無用です。演劇に参加する1時間45分。

ネタバレBOX

いやはや恐れ入りました。一歩会場に足を踏み入れるとそこには、白い紙が御札のようにペタペタ貼られた花瓶、カウンターチェア、ごみ袋、樽など謎の光景が目に止まります。そのどれもが既存の名前とは明らかに違う、しかしながら妙に納得できる、非常にナンセンスでナイスなネーミングセンスなのです。これはひょっとして私も名前を頂けるのかしらん。と思っていたら、受付を済ませると間もなく名前を頂けたのでほっと一安心。その名前は一枚のリストの中から好きなものを選ぶことが出来、海外のミステリー作家の名前だったり、フェリーニの映画に出てくる登場人物の名前だったりするのです。(ちなみに私は海外児童文学作品の主人公の名前を選びました)そして研究員の方から実験中はその名前で呼ばれるとの説明があり、ツァラトゥストラはかく語りきが流れ、影絵を用いたアクトから実験がスタートします。

※以下、内容をおおまかに。


「父と子」(”名”は体を表す→”名”は体を表さない)

横道という名の父親に正道という名の子供が説教されている。
正道はイケナイ妄想で頭がいっぱい。
正道の妄想を天井からスーパーのビニール袋に”犬” ”女”などと書かれているものを天井から吊るすことで具現化し、横道はそれらを掃除機で吸い取り(このシュールさがたまらない。)
”なまえ”のように正しい道を行く子になりなさい。と説教するが、正道は血まみれの包丁(マジギレと名前が与えられている)を振りまわし、狂ったように暴れまくる。
名は体をあらわす。とは昔からよく言われるが、6月に生まれたからジュンコ、長男だから一郎というように、人の名前が願いを込められた何かではなくて、その時々の事象、都合として用いられる場合も多々ある。

その例えとして出てくるのがミロのヴィーナス。
ミロのヴィーナスはミロ島で発見されたからミロのヴィーナスと名付けられた。では、発見された場所がミロでなくミト(水戸)だったら?ミブ(壬生)だったら?ミコ(巫女)だったら?とだんだんナンセンスになっていくものの、それぞれ検証した結果、そう言われてみれば、見えないこともないとのことで終止する。


「取り調べ」(”名前”の認識)

ふたりの男が出てくる。ひとりは犯人。ひとりは警官。犯人の男は、取り調べを受けている。男は自分の名前には愛着がなく、故に自分が誰だかわからないのだと言う。警察官はお前は相田 初だというが、男はそれを信じようとしない。


「外科医」(”名前”のイメージ)

藪という名前の医者に対し、ポリープを切断されるよう言われた患者は懸念を抱く。藪は当て字であるが、ひとは概念として藪を腕の悪い者だと信じて疑わない。


「私の叔父さん」(定義がよくわからない”名前”)

チェーホフのワーニャ叔父さんのラストシーンを引用しながら、
おじさんの定義はよくわからないが、あじながおじさんにしろ、風船おじさんにしろとにかくおじさんは胡散臭いという言い分を検証する。


「列車にて」(”名前”なんて何だっていい)

自殺志願の男のところに牧師が来て、自殺を止めようとする。
男は牧師の説得によって自殺することを止める。
牧師は、お布施を要求する。更に聖書を売りつけようとする。男は持ち合わせがないと言う。
肩を落としその場を立ち去ろうとする牧師に男は
「あなたの名前は・・・?」と聞く。
牧師は適当な名前をいくつか言って立ち去る。
牧師にとって、名前なんて何だっていいのかもしれない。


「荒木又衛門」(”名前”に意味はない)

百姓であることにコンプレックスを持っている七郎次はある日、伝説の武士、又衛門に弟子入りを志願する。
七次郎は一通り刀を使いこなせるようになったが、又衛門は大切なのは強いことではなくどれだけ自分を無にできるかであり、身分を使い分ける”名前”など無用だ。と七次郎に諭す。


「ブランド」(”名前”だけで選ぶ怖さ)
ヴェルサーチのスーツにアルマーニのネクタイ。ロレックスの時計を身につけた男、成田金蔵(略して成金)が女と連れだってブランドショップに入ってくる。
男は女はGUCCIの指輪を買い与えるためブラックカードで支払いを済ませる。ここまではよかった。
問題はショップバッグ。店側はエコと称し、コンビニやスーパーで使われるレジ袋に黒いマジックで”GUCCI”と書いて渡そうとする。男は、金はあるから、ショップバッグをよこせという。女もこーいう所はエコなんてどうだっていいのよ。とご立腹。が、店側はエルメスなら”H”、ヴェルサーチなら”V”と書いたお粗末なものしか渡さない。店と客のやりとりは、ドリフっぽくコミカルだが、ネームバリューだけで物を選ぶ人間の怖さを露呈していた。


「市民土木課の一日」(不可解な”名前”)
朝、出社した課長は今日から自分をたーくんと読んでほしいという。
部下たちは不審におもうがスルーする。
市民土木課という名前が頂けないとの事で次々と考案していく部下たちはやがて、無数の”名前”の中に埋もれていく。


実験シリーズに参加したのは今回がはじめてだったが、性質の異なる”名前”を考察する過程はたくさんの小さなアイデアで散りばめられていてとても楽しく、また非常に興味深かった。それから役者が、想いを前に飛ばそうとするエネルギーに満ち溢れているのが良かった。しかも役者が全員、芸達者。古典演劇のワンシーンを演じるにしても、ちょっと刀を振り回す仕草にしてもそれが何かの真似事ではなくて、”技”の域に到達しているのである。劇団のHPに役者は週5でレッスンに励んでいると書いてあったが、確かに素晴らしい身のこなしであった。
それからもう一点、この劇団の素晴らしいところは、観客をもてなす心があること。それは一枚のチケットを送ることにしてもそうだし、客入れ時の挨拶ひとつにしてもそうなのだけれど、観るひとたちをわくわくさせ、楽しんでもらおうという心意気がひしひしと感じられる。特記すべきは終演後、アンケート記入に協力を呼びかける団体は一般的だが、夢現舎の場合は、違う。80円切手を同封した封筒が終演後全員にもらえるエコバッグの中に入っており、”実験レポート”と称したそのアンケート用紙を送ると、返信が送られてくる仕組みなのだ。そして更に、観劇日の夜にお礼のメールが届いた。それも、実験に参加した時の私の名前入りで、だ。たった一度の公演を観ただけでこれほどまでのことをして頂いたことははじめてだったので、ちょっと驚きもし、恐縮もし、感動もしてしまった。
1999

1999

天体望遠鏡

いわてアートサポートセンター・風のスタジオ(岩手県)

2009/10/31 (土) ~ 2009/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★

変わらざるを得ないとか
とある事情で引っ越しする男にまつわる色々な感情を垣間見ました。

ネタバレBOX

ダンボールで作られた部屋が象徴的でした。
小野さんの演技も、はじめ語尾がことごとく消えていくのが気になったものの、途中からぐいぐいと引き込まれていきました。素敵な役者さんだと思いました
環状パララックス

環状パララックス

無国籍

盛岡劇場 タウンホール(岩手県)

2009/10/29 (木) ~ 2009/10/30 (金)公演終了

満足度★★★★

面白かった!
盛岡には無いタイプのお芝居でした。

ネタバレBOX

静かに進んでいくお芝居なのかなあと。
会話によって浮き出てくる「写真家」像の、登場人物たちが思い描いているズレが出てくるのが面白かったです。
笑いどころもバッチリで、とても楽しめました。

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