
ZED【12月31日で公演終了】
CIRQUE DU SOLEIL
舞浜アンフィシアター(千葉県)
2008/10/01 (水) ~ 2011/12/31 (土)公演終了
満足度★★★★
素晴らしい!
プレビュー公演で観ました。日本初のシルク専用の固定劇場での公演ということで、舞台装置・美術も完全に設計されていて、その点も安心して観られる良い内容でした。シルクの舞台演出の基本は、やはりサーカスだから、ピエロさん達の上手さ次第ですね。「ZED」はその点、オープニングの演出も休憩中の楽しさも、本当に良かった。子供さんには、ちょっと難しいかもしれませんが、それでも背伸びして観る価値はあると思います。

10人写楽
劇創ト社deネクタルグン
浄土宗應典院 本堂(大阪府)
2010/01/29 (金) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
初心者にも勧められる小劇場演劇
上手に造り込まれた戯曲と、動きの良い役者陣、適度なアドリブ。小劇場の芝居として実に正統派な演出で、観劇経験の少ない人にも安心して勧められる良作でした。
舞台装置がシンプルなのに、江戸時代の場面の衣装が豪華なおかげか、貧相な感じはまったくありません。10人という役数は実際は江戸時代と現代があるので20人ですが、覚えきれなくならない適度な数で観やすかったと思います。
ただ、江戸時代と現代で物語に何か繋がりがあるのかと思って観ていましたが、そういうわけではなかったのが少し残念でした。ラストはちょっとだけ繋がる感じもしますが‥‥。

The Stone Age ブライアント『胸に突き刺さった5時43分21秒』
The Stone Age ブライアント
サンモールスタジオ(東京都)
2010/01/27 (水) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
観に行ってよかった
昨夜突然空いたスケジュールを埋めるべく、突如予約して、千秋楽のマチネを観劇しました。正直、チラシのインパクト?で選んだだけで、殆ど内容に関しては期待してなかったのですが、良かったです。泣けました。オープニングのシスター辺りでは、正直失敗かなとも思ったのですが、終わってみてみれば、あの演技も一つの演出の意図なんだなと思い納得。それに「大石」のキャラも最初馴染めなかったけど、これも終わってみれば良く考えられて演じていたんだなぁとこれも納得。ツボは「腐ったリリー・フランキー」でしょうか…。まぁ、千秋楽だったという点もあり、役者さんたちが良いテンションもとても良く、満足できた原因かもしれません。それにしても、賛否あるエンディング。作者としては、このエンディングが一番伝えたかったのでしょうかね?その点、聞いてみたい気もしますけど。とにかく、私は満足できました。

熊
ルドルフ
アトリエ劇研(京都府)
2010/01/22 (金) ~ 2010/01/25 (月)公演終了
演出の力
夫を戦争で亡くしてただ嘆くばかりの日々を暮らす未亡人の元へ、夫の同僚だったという男が尋ねてくる。彼は夫に貸した金を返してほしい、明日までに銀行へ利子を払わなくてはならないと言う。しかし未亡人は、今は手元に金がないから明後日まで待てと応える。承知できない男はそのまま居座ろうとするが‥‥。
約40分の短編で、基本的に喜劇だ。ルドルフは普通の舞台セットで最初から割と喜劇的な雰囲気を出す演出だったのに対し、このしたやみは極めてシンプルだが何か象徴的な舞台セットで、演出も喜劇的要素は控え目だった。
どちらが優れているか決めるようなものではないので両方それなりの楽しみ方が出来たが、何より演出次第で同じ戯曲がこれほど違うものになることを見せつけられたのが心地よかった。同様な試みは昨年2月にも「人は死んだら木になるの」でも実施されて、その時もこのしたやみは参加している。今後もこういうスタイルの上演は観てみたい。

海ノ底カラ星ヲ見上ゲヨ
おぼんろ
サンモールスタジオ(東京都)
2009/12/17 (木) ~ 2009/12/27 (日)公演終了
満足度★★
一月経って
今更感もありますが、一言。私が観たのは千秋楽のマチネ。おぼんろさんの公演は、4.5公演に続いて2回目の観劇だった。内容について、ほとんど事前知識無く観に行ったが、オープニングの死神・末原氏から説明での知識を中心の観想。個々の場面の皆の演技にはある程度納得できたが、残念ながら一つの作品として何を伝えたかったのかは、良く分からなかった。「死神と乙姫」に重点を置くか、「乙姫と太郎」に重点を置くか、どちらかで展開させた方が、観る方としてはある程度分かり安くなったのではと思う。また、ただの演劇好きの戯言として言わせていただければ、「劇団」として『おぼんろの演劇』をするのか、「脚本・演出」としての『末原拓馬氏の演劇を観せたい』のか、この点も確定させて作品作りをした方が、観る方も演じる方もやり易いのではないかなと感じた。これは4.5公演の時も強く感じた。とにかく、次回の公演で期待してみたい。

ハラダマークⅡ
ザ・パンタロンズ
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)
2010/01/13 (水) ~ 2010/01/17 (日)公演終了
若手劇団の頑張りと空回りと
出演者がAチームとBチームに別れて、10人中6人がダブルキャストという公演。どういう経緯でこうなったのかは分かりませんが、私はAチームを観劇しました。
チラシにかなり細かく粗筋が書かれていましたがあまりよく見ていなかったので事前情報なしで観劇しましたが、特に問題はありませんでした。かなり忠実な粗筋なので内容には触れないが、なんとなく映画「トータル・リコール」を思いだす設定です。舞台での回想シーンなどはややこしくなりがちですが、そこそこ上手に作られていました。
全体になんとなく若手劇団特有の未熟さと空回り具体が感じられました。盛り込みたいものが多いのはわかりますが、もっと洗練されると良いのではないかと思います。
ただ、公演全体をお祭りのようなイベントに仕立て上げる努力と成果には感心しました。舞台は単に観賞するだけの作品ではなく、公演全体を含めた“ハレの場”なのですね。
残念ながら客演でしたが、店長役の人が抜きん出て面白かったです。役柄もあるんでしょうが、風体がぴったり。

急襲キルフィールド
芝居流通センターデス電所
ABCホール (大阪府)
2010/01/08 (金) ~ 2010/01/10 (日)公演終了
俗悪の痛快さ
温泉街を舞台に、商売と恋愛と犯罪が入り交じったドロドロの話。登場人物がみんな自分のことしか考えてない身勝手な人格でありつつ、堂々と欲望を追求してはばからない。タブーも何もありゃしない痛快さはデス電所の作品として正統でしょう。
その独特の世界は嫌いではないのだけど、感情移入できる「まともな人間」が出てくる方がむしろ狂気が引き立つのではないだろうか。あまり行き過ぎるとただ滑稽なだけの描写になりかねない。

シンクロナイズド・ガロア
ユニークポイント
「劇」小劇場(東京都)
2010/01/26 (火) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
ガロアと東大全共闘の対比
ガロアの生涯と東大全共闘の活動に共通点を見出し、さらに劇中劇として有機的に繋がりを持たせるアイデアに脱帽。総長/総長代理がかなりカワイかったのが印象的です。勉学の場の象徴としての黒板の使い方も面白かった。

HOTEL CALL AT
メガバックスコレクション
荻窪メガバックスシアター(東京都)
2010/01/28 (木) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
ホテル・カリフォルニア?
タイトルからイーグルスの曲を思い出し、「入ったが最後、出られません」みたいな怪奇ホテルを連想しました。会場がちょっと薄暗い古くて落ち着き過ぎてるホテルと化していて、セットと衣装が超秀逸。
生と死の境目にある仮の宿といった話のお芝居は年に数回は見ますが、全員成仏して一件落着かと思ったら、さらに話が2転したり、喜怒哀楽をなくしたはずのホテルの人が結構血の通ってる人情派だったりして、とてもコクのある作品になっていました。

【ご来場ありがとうございました!】あのひとたちのリサイタル
FUKAIPRODUCE羽衣
シアタートラム(東京都)
2010/01/30 (土) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
2010年も生きるぞ、と思える。
羽衣サイコー!今年の一本目がコレで、本当に良かったかも・・・。
死にたくさせてくれる芝居も、ハッピーにさせてくれる芝居もあるけど、ハッピーになりながら号泣できるのはココだけ。まぁ、私の場合ですが。
小さい空間をぎっちり濃厚にみたすのが得意なのは知ってたけど、トラムの後方の席までもしっかり羽衣ワールドに包み込まれて、・・糸井さんの手腕には脱帽です。俳優陣も素晴らしい。
なんでこんなに、生きることを肯定してくれるんだろう?

アンチクロックワイズ・ワンダーランド
阿佐ヶ谷スパイダース
本多劇場(東京都)
2010/01/21 (木) ~ 2010/02/14 (日)公演終了
満足度★★★
なるほど
なかなか難しいお芝居でした。が、この先に何か待っているものがあるのかもしれないな・・・早くそこまで行ってほしいとエールを送りつつ帰宅。

【ご来場ありがとうございました!】あのひとたちのリサイタル
FUKAIPRODUCE羽衣
シアタートラム(東京都)
2010/01/30 (土) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
デフォルメなのにリアル
いいらしいという噂以外何の予備知識もなく行ったので、作演は深井さんとばかり思い込んでいました。で、アンケートに深井さん大賛辞を書いて来てしまいました。(糸井さん、失礼しました)
観ていて、感嘆したのは、作演の糸井さんの並々ならぬ才能。彼は、演劇界の吟遊詩人だと思いました。
人生スケッチがデフォルメされて描かれているのに、時々、思い当たる光景や科白が随所に現れ、非常にリアルなので、その度含み笑いやクスッと笑ったり、こんな年齢のおばさん観客も充分楽しめました。
科白の中にピカソが登場しますが、まさに糸井さんは、演劇界のピカソだという印象でした。
ただ、ちょっと残念なのは、気になる役者さんがいても、誰が誰だかわからなかったこと。最後に深井さんが紹介して下さったけれど、叫んでいるので、よく聞き取れませんでした。当パンに、役どころとお名前が明示してあったらなと思いました。
それと、せっかく詩的な興味深い女優さんの科白が、やはり叫んで言う時に、しっかり聞き取れなかったのも、もったいない気がしました。

あたしちゃん、行く先を言って-太田省吾全テクストより-
地点
吉祥寺シアター(東京都)
2010/01/22 (金) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★
モグリ脱出!!
地点の試みにふれなければ
重力/Note@制作部さんに
モグリに認定されてしまうようなのでみにいった。
ほっとした。これで
重力/Note@制作部さんに
モグリと思われずにすむ。
年300本とかみるのやめて
地点だけみようか。
重力/Note@制作部さん的には
「地点観る/観ない」が
「モグリ/モグリでない」の基準らしいし。
そっちのほうがお金かからないし。
けどそうすると
重力/Noteをみにいけなくなっちゃうな。
作品の感想は
テキストはいいとして
なぜその発し方か、
なぜその歩き方か
というのがわからないし共感もできないしで
退屈でした。
「面白ければOKか?」
と問われるならば
『面白いだけがOKだ!!』
と答えよう。

あたしちゃん、行く先を言って-太田省吾全テクストより-
地点
吉祥寺シアター(東京都)
2010/01/22 (金) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
ウィキウィキ
1月25日に続いて、30日にも見てきた。
2回目の観劇のあと、受付で販売していた三浦基の著書「おもしろければOKか?現代演劇考」という本を買ってきて、ただいま熟読中。

★札幌舞台芸術賞 演劇大賞受賞作品★ 贋作者 (がんさくもん)【全公演終了いたしました!
劇団千年王國
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2010/01/30 (土) ~ 2010/02/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
贋作と本物
判りやすく 観やすく 役者さんの動きに切れがあり魅せてくれるなあ!!と
舞台のセットが・・・びっくりしました。
舞台セットが、お芝居の流に合わせて、演技をしている様に見えました、すごいです。
観劇前に、劇団ぎゃの三坂さん?PRをしてました、北海道と九州福岡と、
外には中国、韓国の観光客、こんな風景は、“ありえへんな!!”
面白いお芝居にアウェー、ホームなど無いとあらためておもいました。
たいへん面白いお芝居で、楽しい一時を有難う御座いました。

The Stone Age ブライアント『胸に突き刺さった5時43分21秒』
The Stone Age ブライアント
サンモールスタジオ(東京都)
2010/01/27 (水) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★
七味さんのお辞儀がきれい。
もちろんお初でした。関西系の芝居ってめったに観ないので新鮮。後半、大石の落武者のような哀愁がなんともぐわっときた。生活臭がいい方向へ出ていたように思います。吹石がわざとオーバーリアクションで毛糸の下着が見えるように動く。どうせならシスター役なので実は腹黒いよって意味で「悪」とかどくろのイラストが書かれていても。
気になるといえば、関西ならではの観客の顔を確認する目線。
にしても冬のサンモールって暑いイメージあるけど気温調整が難しいのかな・・・?たまたまですかね。こゆび侍の廣瀬友美さんが光っていました。

志の輔らくご in PARCO 2010
志の輔事務所「オフィスほたるいか」
PARCO劇場(東京都)
2010/01/05 (火) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
今年もよかったです。
今年も笑って泣かせていただきました。
このところ毎年楽しませていただいてます。
身体の調子、喉の調子が心配でしたが、素晴らしかったです。

志の輔らくご in PARCO 2010
志の輔事務所「オフィスほたるいか」
PARCO劇場(東京都)
2010/01/05 (火) ~ 2010/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
信楽焼!かわいいですね。
毎年楽しみにしています。
今年は体調も良さそうで、お疲れだとは思いますが,いきいきと演じられていて,楽しく拝見できました。
新作の方は,最初の話がよかったな!本当にこういうことありそうだし!面白かったです,
ラストは,泣かせるお話・・・もっと泣かせてほしかったけれど,でも勉強になってよかった。帰ってから,歌舞伎の本みなくては!

『F』
青年団リンク 二騎の会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/01/29 (金) ~ 2010/02/07 (日)公演終了
満足度★★★★
ゲームのような内容
ドラマといろいろな四季の入ったイベントも入った芝居でまるでシュミレーションアドベンチャーのような感覚でした。

★札幌舞台芸術賞 演劇大賞受賞作品★ 贋作者 (がんさくもん)【全公演終了いたしました!
劇団千年王國
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2010/01/30 (土) ~ 2010/02/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
奥行きと幅のある物語でした
もう一度じっくり読み直したくて脚本を買いました。
贋作者(がんさくもん)はどうしてその才能をガンサクに費やしたのか。
兄の背負うものの重さ、弟の絵に対する思い、母親の惑い苦しみ、贋作を手伝う浮浪人どもの呟き、遊女・吉野の嘆き、ブローカーの本音、女性にして新聞記者見習いの叫び。いったいなにが本物でなにが偽物なのか。
たくさんの交錯する思いに圧倒されました。
年の初めからこんな良いものを見せられたら、後が霞んで困ります。