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わたしたちは無傷な別人であるのか?

わたしたちは無傷な別人であるのか?

チェルフィッチュ

横浜美術館レクチャーホール(神奈川県)

2010/03/01 (月) ~ 2010/03/10 (水)公演終了

満足度★★★

題名がパワフル・・・すぎる?
この作品は、題名に力がありすぎるかもしれないです。
「われわれは無傷な別人であるのか?」…ここに全てが凝縮されている。
しかし、それにしても、せっかく美術館ででの公演なのに、その美術館が休館中というのは残念。

ハピネス

ハピネス

劇団てあとろ50’

早稲田大学学生会館(東京都)

2010/03/05 (金) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★

きらめく感受性、切ない物語。
 才能というのは残念ながら努力とイコールにならないものだ。特に芸術の世界では自分より才能がある仲間を見る目は羨望と嫉妬でしかない。その友と仲良くつきあっていくためには仮面をつけて生きていかなければいけない。しかし・・・。

 若き芸術家の苦悩を描きながら、この作家はロマンティストだ。ハピネスの曲の流れる喫茶きらら、それは幻のユートピアだ。青年時代、誰しも想い出の場所を持っている。誰にも侵されたくない場所。これはそこを守ろうとする人たちと、そこから旅立とうとする人たちの物語。

 ナイーブで壊れやすい感情のひだを的確に描写してみせたり、人を簡単に傷つけてしまうナイフのような台詞が飛び交ったり、青春の荒々しさが舞台全体をみずみずしいものにした。

ネタバレBOX

 荒削り、あるいはもっと練習すればというようなところももちろんあるが、青春の傷跡を身を削ってみせたような役者たちの演技に拍手を送りたい。

 1年生とは思えないうまい役者が数名、将来性十分の魅力的役者が数名いた。今後が楽しみだ。
喫茶久瀬

喫茶久瀬

文月堂

サンモールスタジオ(東京都)

2010/03/02 (火) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★

もっと大きな劇場で観てみたい、歌あり踊りありの家族ドラマ
 年季の入った小さな喫茶店を舞台に大勢の登場人物が派手に動き回る、笑いあり涙あり、歌あり踊りありの人間ドラマでした。一見平凡そうな日常会話に13人もの登場人物の背景や、後からつながる伏線がしっかりと書き込まれており、ベタだけど思わず微笑んでしまう温かいエピソードもたくさん盛り込まれていました。決して幸福だとは言い切れない状況にいる、さまざまな夫婦、家族のカタチが示され、軽快な人情喜劇に終わらない深い味わいがありました。

 文脈の通った戯曲を感情熱い目の演技でにぎやかに見せていくお芝居ですが、舞台に誰もいない無言の間(ま)も大切に演出されていました。ただ、そうやって成功している場面があるがゆえに、舞台からの出はけや移動の必然性などの細かい齟齬が気になったりも。
 また、大勢の登場人物およびそこに生まれる関係性を、2時間におさめるのはもったいない気がしました。内容も規模もスケールアップさせての再演が期待できる戯曲だと思います。
 
 役者さんの中では、自分の仕事もしながら母が残した喫茶店を切り盛りする息子役の川本裕之さんが良かったです。バンドマン(安東桂吾)の出戻りの妹を演じた眞賀里知乃さんも印象に残りました。

ネタバレBOX

 登場人物に起こった不幸について、とても細かく書き込まれています。キャバクラ嬢(村上寿子)を騙していた音楽事務所の男(凪沢渋次)が会社をクビになり、妻と子供にも逃げられて「今はゲラゲラ(漫画喫茶)に住んでる」などは、冷静に考えると絶対に笑えない状況です。それを笑いとばせる大らかな空気作りに、センスがあると思います。

 詐欺師の2人組(田中完&植木まなぶ)がやくざに殺されそうになった時に「アメージング・グレース」を歌って命拾いしたエピソードは、ちょっと無理があるんじゃないか(笑)とも思いましたが、そんな無茶な展開だって信じたくなる明るさ、強さがありました。

 ぽっちゃり体系だけどモデルになると決めているアルバイター(神馬ゆかり)、バンド“起死回生”をやっぱり続けてしまう40歳のバンドマン(安東桂吾&日高啓介)、30年の放浪から帰って来て「まだまだこれからだ!」と熱く語る父親(辻親八)・・・その未来は必ずしも明るいわけではないのですが、前を向いて自分を鼓舞する姿には輝きがあります。人間はどんな状況にあっても、未来への希望があれば生きていけるのではないか。それを愚直に信じ求める姿勢が伝わって来て、「あぁ、いいお芝居だな」と思いました。

 ラストは父と息子が祭りの出し物としてブルースブラザーズのダンスを踊ります。出演者全員がその踊りに加わって終幕。みんなでいきなり踊る大団円に私は少々引いてしまったのですが、大衆向け喜劇の王道だと考えれば見事な締めだったと思います。やっぱり新橋演舞場のような大きな劇場で、派手な演出で観てみたい。

 無人・無言場面で強く印象に残ったのは、クリスマスパーティーが終わった後、花瓶の造花だけにスポットがあたるところ。亡くなった母親がそこにいるように感じました。
 そういえばこれも最初の伏線(母の最期の言葉は「あの花に水をやって」だった)があったからわかることなんですよね。よく練られた脚本だと思います。
昆虫大戦争

昆虫大戦争

こゆび侍

RAFT(東京都)

2010/03/05 (金) ~ 2010/03/08 (月)公演終了

満足度★★★★

ストレートな感動作品!
 題名からして「妖怪大戦争」や「怪獣大戦争」のようなB級大作かそのパロディかと思ったが、ストレートな感動物語だった。

 観る側としては、変化球を待っていたのに、ずばっと直球がやってきてちょっと面食らったというところはあるが、それを差し引けば良くできた作品だ。もちろんその面食らった感も作家の狙いだろう。

 また、視点を少し変えるだけで、これだけ違った見方が出来るということで、民族問題や神と人間の関係などもさまざま考えながら観させていただいた。

 作演、成島秀和の昆虫に対する博識ぶりと愛情をたっぷりと楽しませてもらった。

ネタバレBOX

 ふんころがしを舞台にして、あたかも戦時中の沖縄を描いたような舞台だった。感動し、号泣しながらも、それがふんころがしの世界であるということに不思議な気持ちを抱く。その違和感こそが、成島秀和の狙いであろう。やられた。

佐藤みゆきが純粋なふんころがしを好演。「ひめゆりの塔」か「二十四の瞳」にでも出てきそうな登場人物だ。こんなふんころがしがいたら惚れてしまうと思った。
棄憶~kioku~

棄憶~kioku~

G-up

青山円形劇場(東京都)

2010/03/05 (金) ~ 2010/03/11 (木)公演終了

満足度★★★★★

全てがハイクオリティながら…
野木さんの脚本、やはり高レベル。ノゾエさんの演出、まるで、図案を見るような計算された人物配置が、作品の重さを生えさせて、秀逸。先日のハエギワ公演でも思いましたが、ノゾエさん、椅子と無地の親友かと思う程、椅子の使い方が絶妙でした。役者さんも、それぞれの役どころをしっかり理解し、体に落とした演技で、文句なし。特に、衛星兵を演じた清水優さんの名演には、心が震える思いでした。扉座の有馬自由さんも、扉座の舞台とは全く異質なキャラクターを見事に演じられて、感服。佐藤誓さんの存在感もさすがで、本当に、私個人には、完璧な舞台を堪能させて頂きました。
ただ、全く予備知識のない若い世代の観客には、この芝居、どんな風に見えるのだろうという幾分の心配はありました。
帝銀事件や、中野陸軍仕官学校や、731部隊とかに関して、何の知識もない人がこの芝居を観て、内容をしっかり理解できるだろうかと。
「丸太」の真の意味も、台詞だけで、想像できるだろうかとか。
ましてや、後年の非加熱製剤による事件とか、予備知識を補う、語句の説明文などが、当パンに記載されていた方が親切なのではとちょっと、思いました。

ネタバレBOX

皆さん、好演でしたが、当時の服装とは若干の違いが気になるところがありました。
靴とか、大内さんの髪型とか…。
きっちり、日時と場所が提示される舞台なので、そういった時代考証は必要な気がしました。
上海バンスキング

上海バンスキング

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/02/23 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★

古き良き、、、かな?
良質の、役者さんとお芝居と音楽が、
そこにあると感じました。

ネタバレBOX

が、
それが、私の好みであるかどうかは別の問題。

途中で眠くなってしまいました。


あと・・・失礼ながら、ヒロイン役が66歳ってのは、
ちょっと、無理が、あったかな?と。感じてしまいました。
いや、、、かわいかったですけどね。
ピースピットVOL.11「MOTHER」

ピースピットVOL.11「MOTHER」

ピースピット

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2010/03/03 (水) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しませてくてありがとう
男には難しい作品なのに良く書けてますね

昆虫大戦争

昆虫大戦争

こゆび侍

RAFT(東京都)

2010/03/05 (金) ~ 2010/03/08 (月)公演終了

満足度★★★

「大」なのか
昆虫な世界ではないような、よくわかりません

White Reflection

White Reflection

能美健志&ダンステアトロ21

日暮里サニーホール(東京都)

2010/03/06 (土) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★

柔らかく、強く、美しく
能美健志さんとダンステアトロ21の皆さんの作品。今まで観たダンス作品の中では、一番バランスが良くて観やすかった。ただ、演者が多い割には、あまり絡みとかがなくて、もったいない感じ。個人的に残念だったのは、前から2列目だったけど、客席に角度が着いてなかったので、両端は殆ど観えず、正面だけしか楽しめなかった。ちょっと席選定に失敗。内容は満足です。

ネタバレBOX

客入りは8割ほどあったが、殆どが関係者のよう。一般で観に来ているのは、3割くらいじゃ?世界的にも、業界的にも有名な皆さんでもこんな感じ。自分は、ほぼゼロ円でチケット入手できたから行ったけど、殆どの人は行かないんだろうな。でも、良い作品でした。
ミツバチか、ワニ

ミツバチか、ワニ

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2010/03/04 (木) ~ 2010/03/08 (月)公演終了

満足度★★★★

墨井さんの
オープニングのつかみ最高

恋2 【満員御礼!ありがとうございました!】

恋2 【満員御礼!ありがとうございました!】

ろりえ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/03/03 (水) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★

評判ほどに受け入れられない
舞台装置や、オープニングは既視感あるんだけどなぁ。

喫茶久瀬

喫茶久瀬

文月堂

サンモールスタジオ(東京都)

2010/03/02 (火) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

てんこもり感
これでもかの大盛りお得感。そうまでわりきれるんかとも思うことはありましたが。川原さんが終始楽しそうな役でよいです。

ミツバチか、ワニ

ミツバチか、ワニ

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2010/03/04 (木) ~ 2010/03/08 (月)公演終了

満足度★★★★

飽きさせない
乾いたシニカルな笑いが全編漂っていて、飽きさせない。くせになりそうな劇団ですね。

誰が為にベルはなる

誰が為にベルはなる

劇団ジャムジャムプレイヤーズ

アドリブ小劇場(東京都)

2010/03/04 (木) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★

よかったです
名画をもじった大げさなタイトルで、どんな内容かと思いましたが、見終わってああよかったなと感じられる作品でした。特に大きな仕掛けとかないけど、丁寧に作られています。聖子さん、すごくよかったです。

昆虫大戦争

昆虫大戦争

こゆび侍

RAFT(東京都)

2010/03/05 (金) ~ 2010/03/08 (月)公演終了

満足度★★★

よい作品だけど、ちょっと生理的に
何もない舞台で、俳優さんたちの熱演が光ってました。昆虫の視点から戦争の空しさを描いたよい作品だと思いますが、「フン」のネタがちょっと生理的にきつかったです。今度は「ゾウムシ」あたりでお願いします。

~粋にイ・江戸・ロ「虎」でしょ成る~

~粋にイ・江戸・ロ「虎」でしょ成る~

イエロー・ドロップス

APOCシアター(東京都)

2010/03/03 (水) ~ 2010/03/06 (土)公演終了

満足度★★★★

楽しい時間を過ごしました。
落語のお話が立体化されると、どんなかなと思っていましたが、江戸の情緒がすんなりと入ってきて大変楽しかったです。死に神のお話しが私的には気に入りました。

『トロカデロ・ライモンド』!!実験終了☆次回は6月中野ポケットにて初の音楽劇『巨人達の国々』!!

『トロカデロ・ライモンド』!!実験終了☆次回は6月中野ポケットにて初の音楽劇『巨人達の国々』!!

舞台芸術集団 地下空港

ギャラリーSite(東京都)

2010/03/06 (土) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

地下の風
実験公演という言葉からアバンギャルドなものを想像していたが、内容はとてもスタンダードで纏まりがよい舞台。地下の一室という空間と脚本の間で行われる実験という趣の方が強いかもしれない。(もしかしたら「神曲」との間に内容的な実験も行われているのかもしれないが、読んでないのでなんともいえず)

実験の中で特によかったのが音響。地下空間独特の反響効果を上手く取り込んだ、唄やアナログな楽器が起こす音空間が際立って美しかった。どこから聞こえてくるのかわからない、耳の奥に響きながら四方の壁に向かって吸い込まれてゆく風の音や群唱の静かな立体感は、確かにこの空間でしか味わえないだろう。

とりあえず文庫の上巻の半分も読まず放棄していた「神曲」に再びトライしようと思う。

恋2 【満員御礼!ありがとうございました!】

恋2 【満員御礼!ありがとうございました!】

ろりえ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/03/03 (水) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★

恋のワンツー
「恋の渦」みたいなセットだったので
柱で見えないシーンがありましたが、それでも色々場面が変わり
ヤリ逃げされた恋愛を数種の映画へのオマージュを折り込みつつ
楽しく見せて下さいました。今回は男性の方々の奮闘が笑えた
なんとなく「イイ」感じになぜか感じるラス前のシーンは好きです。
もう少し広い劇場の後方で見たい舞台ですね。

WHAT A WONDERFUL LIFE!ver.2010

WHAT A WONDERFUL LIFE!ver.2010

東京セレソンデラックス

シアターサンモール(東京都)

2010/03/02 (火) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★

宅間さんだとまた違うのでしょうね
オムニバス公演ですが
新加入の伊藤さんだけが前篇を通して熱演。
ちょっと、う~んと思う設定とかはありましたが・・・
全体を通してセレソンらしい公演だったと思います。
次回、新作に期待です。

上海バンスキング

上海バンスキング

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/02/23 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★

初めてバンスキングに出会う
どうにも見せ方が古くさい。
役者と音楽が同じと言うだけでは埋められない溝のようなものが、16年という歳月にはある気がする。
ここにきての再演の意味は?
これで1万円は高い。

出演者に対する暖かい拍手や手拍子が沸くのは分かるが、明らかに笑う場面でないところでくすくす笑いが起きたりするのはどうなんだろう。
劇を見に来ているんじゃなく、祭りに立ち会いたいだけの人間も少なくない気がした。

いっそ日程を、なれあい向けと初見向けという風に分けて販売すればいいのにと思った。

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