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シューマンに関すること

シューマンに関すること

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/03/09 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★

あれこれ予習して行きましたので
観劇された方からの情報もインプットしていたので、戸惑うことなく観ることができました。
意外とベテランさんの集まった作品でしたね。

ショーメン

ショーメン

Co.山田うん

スパイラルホール(東京都)

2010/03/13 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

赤シャツ茶髪
舞台の四方に客席を設けるという、なかなか珍しい形のダンス公演。舞台は長方形の白い床。客席は長い辺に3列、短い辺に4列。開演前、どこに座ろうかとかなり迷った。

ネタバレBOX

ダンサーの編成は男6女5。全員が金髪茶髪で、形はいろいろだが一様に赤いシャツを着ている。開演の15分くらい前に登場して、ウォームアップを兼ねた感じで開演時間まで動き回った。白い床に金茶の髪、赤いシャツというのがなかなかポップな色彩感。
雑然と、思いおもいにダンサーが動いているその中央付近で、任意の二人が激しく動きながら体を接近させる。近づきつつ、接触・衝突をかわしながらの相当すばやい動き。
たとえばストリートダンスで、大勢が円陣を作り、その輪の中でダンサーが一人ずつ踊りを披露して技を競うというスタイルがある。開演前のパフォーマンスにはそれに近いものを感じた。
今回はなにしろ、ダンサーの周り全部が正面だというコンセプトでダンスを作っているので、見る側もついそういう意識で見てしまう。

開演前のかなり活発な動きに反して、開演直後は意外なほど静かな展開になる。いろんな向きで静止したままのダンサーたち。そのうちの二人、三人が動きを合わせて徐々に動き出す。
四方の客席の角のところが4つの通路になっていて、ダンサーはそこを通って盛んに出入りを繰り返す。

開演前のパフォーマンスを除けば、上演時間は60分ほど。前半はダンサーの動きも緩やかで、まるで白い床に配置されたオブジェのよう。
舞台にいるダンサーというのは、人間の形をしているという意味では具象そのものだが、床の上で丸まって蠢いたり、抱き合った二人がまるでダンゴ虫のように転がることで俄然、抽象性を帯びてくる。四方に観客がいるという観点からすると、白い床の上でゆっくりと変化するダンサーの体を見せるこの前半は美術のインスタレーションに近いのかもしれない。美術館に展示された彫刻などは、どこが正面というわけでもなく、観客が作品の周囲を移動しながら眺めることが多い。ダンスの場合は観客が移動しなくても作品のほうが動いてくれる。

後半になるとだんだん動きが活発化する。シンプルな、力強いリズムで全員が踊りだす終盤では、民族舞踊というか盆踊りというか、作品として特に正面を意識することもない、ワイルドな群舞になる。

実際のところ、舞台の四方に客席を設けるというのは、観客よりもダンサーの意識への影響のほうが大きいだろう。
一観客としては、踊る側の心理などはなかなか想像もつかないが、ステージを客席が囲む形のパフォーマンスについて、この作品を見た後であれこれと考えた。

演劇では青山円形劇場というのが周囲客席型の代表だろう。ただ、演劇は台詞をしゃべるので、役者が後ろ向きになったりすると声が聞きづらくなるし、役者の表情が見えなくなるので、四方が客席というのは基本的には演劇向きではない。
スポーツ観戦の場合は、相撲にしろ、野球にしろ、アイススケートにしろ、体操にしろ、周囲どこから見てもそれなりに楽しめるし、正面をそれほど意識することもない。
ダンス作品の場合は、声は基本的に発しないから正面に観客がいる必要はない。ただ、ダンサーの表情が作品にどれほどの重みを持つかによって、正面の重要さは変わってくるかもしれない。とはいえ、終始後ろ向きで踊られたら、それはかなりイヤだろう(笑)。

山田うんのダンス作品の場合は、感情表現よりも、体の形と動きの面白さを追求するという面が強いので、今回のような四方客席型の上演でも不足感なく見られたのだと思う。
シューマンに関すること

シューマンに関すること

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/03/09 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

虚構と現実の交差の中で
劇団2度目。

悲しいお話。

しかし観劇後の余韻がとても良い。

一遍の詩のような作品。

シューマンは詩人だったらしいが、作品自体も詩のようだった。

最後の交響曲で作品が昇華していくのを感じた。

『トロカデロ・ライモンド』!!実験終了☆次回は6月中野ポケットにて初の音楽劇『巨人達の国々』!!

『トロカデロ・ライモンド』!!実験終了☆次回は6月中野ポケットにて初の音楽劇『巨人達の国々』!!

舞台芸術集団 地下空港

ギャラリーSite(東京都)

2010/03/06 (土) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

気持ちよかった!
世界が解けて身体の中までしみわたっていくふうでした。
生な音だけの空間が世界を美しく構築していて・・・
終わってしまうのがせつなかったです。

また次回もみ観たいです!!!

シューマンに関すること

シューマンに関すること

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/03/09 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★

チラシを見て
綺麗な作品かと思い観に行きました。知識はないですがクラシックは割と好きなのでシューマンの音楽にも浸りたいと思い観劇。シューマンの人生について描く作品かと思ってましたがちと違いましたね。少し残念。

赤い薬

赤い薬

MONO

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/03/06 (土) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★

現代丁寧語演劇
今年の1月末に、青年団リンク・二騎の会が「F」という芝居を上演した。内容は新薬開発のための臨床実験に被験者として志願した娘の話。偶然だろうけど、MONOが12年前に初演した今回の芝居にも、やはり臨床実験の被験者たちが主人公として登場する。

MONOの芝居では、役者の言葉使いに独特なところがある。
独自の方言を使うというのもその一つだが、今回は方言ではなく、「です、ます」調の丁寧語をしゃべっている。「あなた」「わたし」を使い、ものを頼むときには「~ください」という。
青年団の芝居を現代口語演劇だとすれば、MONOの芝居はさしずめ現代丁寧語演劇といえるかもしれない。もともと京都を本拠地とする劇団だし、メンバーにも関西(というか西日本)出身が多い。関西で現代口語演劇をやろうとすればそれは関西弁になるわけで、MONOの芝居を見ていると現代口語演劇というのが関東のものだということをあらためて意識させられる。

ネタバレBOX

医療センターの休憩室みたいな場所が舞台。雰囲気的には青年団の「S高原から」に近いかもしれない。
身寄りがなく、経済的にも困っている男4人(水沼腱、奥村泰彦、尾方宣久、土田英生〉が被験者。いじっぱりの水沼と、お城マニアの奥村が変な人で、尾方と土田は常識派。4人とも派手な柄のパジャマを着ている。
新人の医師(金替康博〉と看護婦(山本麻貴〉を加えた総勢6名の芝居。医師と看護婦は10年来、不倫の関係にある。金替の演じる医師の駄々っ子ぶりはかなり誇張されていて、普通ではちょっとありえない漫画っぽさ。イライラが高じるとすぐにスリッパを脱ぐ癖がある。
ある日、実験用の薬が赤い色のに変わる。するとその効果で被験者たちは異様にポジティブになる。お城マニアの奥村などはもともと看護婦に気があったのだが、いきなり婚姻届を作成してしまうという暴走ぶり。
ところがその薬の効果が消えたとき、今度は一転して廃人のような無気力状態が襲ってくる。
被験者のうち、奥村、尾方、土田にそんな症状が現れるいっぽうで、日ごろから薬の服用や採尿をわすれることの多い水沼だけは難をまぬかれる。
登場人物の中でいちばんまともかもしれない看護婦が病院の実験に疑問を持ち、彼らを救おうとする。
医師に睡眠薬を飲ませ、そのすきに病院から脱出させようとするのだが・・・

10年来の不倫関係も、被験者を廃人に追い込むかもしれない臨床実験も、描きようによっては悲惨な話だが、MONOの芝居ではあくまでもコメディ・タッチ。医師と看護婦が演じる愛憎の修羅場では、二人の間にお城マニアの奥村がポツンと取り残されて、動くに動けず呆然としてしまうところがやたらと可笑しかった。
富士見町アパートメント

富士見町アパートメント

自転車キンクリーツカンパニー

座・高円寺1(東京都)

2010/02/27 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

富士見町アパートメント Aプロ
赤堀さんに星4つ。

ネタバレBOX

赤堀脚本「海へ」

清水さんの台詞「何であいつ死んだんだと思う?」に
AV のあえぎ声を大音量でかぶせるところ。

入江さんが久保さんに「その兵士って・・・あなたじゃないですか?」
と聞いたあとの久保さんのすかしっぷり。

男3人の赤いスイートピーフルコーラス熱唱。

普通の作家だったら恥ずかしくて観れたもんじゃなくなっちゃう、
「友人が自殺した」
なーんて恥ずかしいテーマを
ここまで恥ずかしくなく
かっこよく
描ける赤堀さんは、やっぱり、すごい。


蓬莱さんの脚本のやつは、
女優2人はやっぱり存在感あったものの
「どうしてなの?」
「嘘でしょ?」
「なんでなのよー!」
「もう終わりよ!」
の繰り返しで、お話的には面白みを見出せなかったなあ。
富士見町アパートメント

富士見町アパートメント

自転車キンクリーツカンパニー

座・高円寺1(東京都)

2010/02/27 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

赤堀さんの
赤堀さんの作品は以前観たときに全然良いと思えなかったのですが、今回のは好きです。キャスティングがすごく絶妙だからかな。蓬莱さんの作品はあと30分長く見れたら満足できるのになあ。中途半端に終わってしまったかんじがします。

ネタバレBOX

これは私の思い違いかもしれないんですが、、。最前列で観劇しました。清水さんが煙草を吸う場面で、煙に敏感な私はせき込んでしまったのです。その時に清水さんがさりげなく煙がいかないように配慮してくれたような気がしました。勘違いかもしれませんが、清水さんの優しさに感激しました。
身ひとつ

身ひとつ

リトルモア地下

リトルモア地下(東京都)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

さながら舞踏浴?
途中で、なぜか目の疲れ・肩の凝り・腰の痛みなどが急に消えてしまう。比喩ではなく。さらに、全身の血液も新しく替わったかのような気分にも。

たとえるなら、美味しい野菜料理をたくさん食べて、ゆっくり睡眠とって、爽やかな朝陽をたっぷり浴びた感じ?

ああ、いったい、どんな魔術なんだろう…。
すごい体験でした!

東南大学物語~三人の作家による三つの話~

東南大学物語~三人の作家による三つの話~

遊々団★ヴェール

SPACE107(東京都)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

「楽しませる」
ということが充分伝わって来たステージで
とっても楽しませてもらいました
レビューにも通じるものも感じられ
1部芝居 2部レビュー 
もしくは、芝居の中にレビュー満載
みたいな欲張りなのも観てみたいですね

ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】

ことりとアサガオ【舞台写真UPしました】

三角フラスコ

エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

上質な体験
舞台美術も照明も音響も、隅々まで美しさが張りつめられていて、改めて生田さんの演出力の高さを感じました。原作を読んでから観たのですが、脚本は自由に大胆に再構築され、心の奥の中に飛び込んでくるような感じがしました。一緒に観に行った友人と帰りにお茶をしながら、作品についてあれこれ話し込んでしまったことも含めて、私はとてもとても満足いたしました。

リズム

リズム

643ノゲッツー

OFF OFFシアター(東京都)

2010/03/10 (水) ~ 2010/03/16 (火)公演終了

満足度★★★

白組を観た!
情報が全くない中、いったいどんな劇なんだろか?と不安だったが、終わってみればコメディ。店長が「おぼっちゃまくん」みたいなナリで羞恥的な腹を出しちゃって、案外バカバカしい。要するにアホなのだ。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

この劇団って毎回、説明をUPしないけれど、観客のためを思うなら、少しは説明をしたほうがいいとは思う。観客だって好みの作風の好き嫌いがあるのだから、それが親切というものだ。かくゆうワタクシはコメディ大好きニンゲンだから、結果、観て楽しかったのだが・・。

とあるレンタルショップの事務所が舞台。この事務所がどうやらたまり場になってるようで、雑多な人が出入りする日常。そのうち、このショップを舞台にドキュメントを撮りたい、と言い出す女子。店長は最初反対だったが、女子が連れてきたぶりっこ白川を目当てに店長は許可をする。もうここからのシーンが殆ど撮影のためのヤラセなのだが、いかんせん、登場するキャラクターがどこにでも居そうな陣!笑

そのなかでも飛びぬけてアホ丸出しの店長!彼らのヤラセはやり過ぎという言葉を知らないかのように、パラダイスなのだった。このまま、このギャグかましながら突っ走るのだろうか?と思いきや、九米のシリアスな場面も展開する。正直言って、このシリアスさは必要なかったような気もする。折角コメディとして突っ走ってきた情景が九米の鬱な要素の投入で削ぎ取られてしまうような感覚になるからだ。だから宮部と久米のやりとりは一気にぬるま湯でも飲ませられたような気持ちになる。

だから、ワタクシ的には後半の失速より前半の疾走のほうが好きだ。それでもなんだかんだいって楽しめたのには違いない。

東南大学物語~三人の作家による三つの話~

東南大学物語~三人の作家による三つの話~

遊々団★ヴェール

SPACE107(東京都)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★

レビューチームの☆ルージュの勝ち!
そもそも客席の温度差がルージュチームと違いすぎる。あまりに熱かった。。。今回もルージュチームのメンバーが出てくると舞台がキラキラして、まぶしいぐらい!男子もうちょっとがんばれ!その中では団長さんがやはり存在感抜群、もう一人若手では事務長役の人がよかったです。(Boys Love系での芝居が期待できそうですね。)

富士見町アパートメント

富士見町アパートメント

自転車キンクリーツカンパニー

座・高円寺1(東京都)

2010/02/27 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

面白かったです
今日はBプロ
リバウンドは少しハラリとさせられるが全体として明るく楽しい作品として仕上がっている。ポン助先生は役者さんのにじみ出るアジみたいなものが感じられた。両作品とも面白かったです。

月並みなはなし[2010]

月並みなはなし[2010]

時間堂

座・高円寺2(東京都)

2010/03/11 (木) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★

しっかりとした会話で物語を紡いでいく
この話は初めて観たが、他の劇団でも演じられるのがよくわかった。
役ごとに見せ場があり、会話劇として面白く、演出方法によっては、もっと緊迫させることも、火花を散らすことも可能だからだ。
役者も演出家も腕の見せ所があるということだ。

今回の舞台は、じっくりと会話を見せてくれた。

ホントにうまいよなぁ

ネタバレBOX

物語の本題に入るまでの導入部分が、やや長いと感じたが、本題に入ってからの会話は面白い。

今までこのメンバーがグループとなって、長い間戦ってきたという背景がある上での会話なので、余計な説明を加えることもないところがいい。
例えば、自己アピールも、散々今までにしてきたであろうから、ここでは論じるというよりは、感情とストレートに直結して語るというところも素晴らしい。

余計な説明台詞は最小限なところがうまいし、会話として成立している。
耳ちゃんの設定は、ないと観客が困るのだから、これはしょうがない。

キャラクターもはっきりしていてわかりやすいし、どの登場人物も自分の気持ちにストレートなので、さらにわかりやすくなっている。
ただ、部外者の1人「耳」の、あまりにも空気読めない的なところは少々疑問だ。あんな空気の中、いくら何でも爆笑はできないだろうに、と思ったりも。

一番の根幹にある、彼らが、月に行くことに何を見いだしているのか、その本音をもう少し理解したかった。
つまり、どの登場人物も「今の状況から逃げ出したい」という気持ちが根底に強くあり、それを「月に行ってこうしたい、ああしたい」という、まるで前向きなコトバに変換しているのではないのだろうか。だからこそ、彼らは、強迫観念のように「月に行きたい」となっているように思えた。
その切羽詰まった気持ちが、台詞や行動に表れていたように思えるのだ。

その感じ、あるいはホンネがもう一歩表現されていたら、さらに彼らの状況が伝わってきたのではないかと思った。

強い自己主張で語り合う様子は、我々日本人的ではないのだが、60分というタイムリミットと月に行きたいという強い気持ちがそうさせているので、まったく違和感がなかったし、実は、言いたいことを言えてない人もいるという設定が、さらに素晴らしいと思った。

討論はスポーツを感じた。ちょっと爽やかすぎかな。

ただ、少々厳しいことを言えば、途中に伏線らしき伏線もないので、ラストはどのような展開にもできてしまう。その中で選択されたラスト(舞台のラストではなく、移住者選定についての結果)は、誰もが最初に考えつくものであったというのがちょっと残念だった(選ばれた者のみが行けないという設定)。
しかし、この決定にぐだぐだと説明を加えることなく、すっぱりと切ったところは、おっうまい! と思った。

さらに、舞台のラスト、2人が佇むシーンは、その時間の間合いがうまいと唸った。
普通だったら彼女に何か言ったりして台無しになるところが、そうじゃなかったところに好感を持つ。
女が妊娠していることも、観客には告げているのだが、それを討論の場でもラストでも言わないところも素敵だ。

このあたりのうまさが、この劇団の良さだろう。


どうでもいいことだが、「耳」ちゃんのお兄さん「ハナ」ちゃんは「鼻」ちゃんかなと思ったり(笑)。そう言えば、「ハナちゃん」と「ちゃん」付けで呼ばせていて、彼らとの関係を見せているのもうまいよなぁ。
シューマンに関すること

シューマンに関すること

劇団東京イボンヌ

サンモールスタジオ(東京都)

2010/03/09 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★

構造的には面白くなりそうだったのだが
雰囲気はよかった。
演技もなかなかだった。

しかし、結局伝えたかったこと(見せたかったこと)は何だったのだろう。
見終えてそれを考えてしまった。

ネタバレBOX

自らのピアニスト生命が消えてしまったことから、精神に変調を来し、シューマンの生まれ変わりだという男(芦屋)と、それを支える妻の物語かと思っていたら、彼らからシューマンについて取材する編集者の女性の話が浮かんでくるのだが、その2つの線がどのように交わるのかと言えば、単に小説がかけなくなった女性がアイデアとして使うためだけの設定となってしまったようにしか見えなかった。

これはどういうことなのだろうか。

狂ってしまった男からわかるのは、シューマンの半生と同時代に生きた作曲家には誰がいたのかぐらいで、それ以上の、彼ら夫婦の深みはあまり感じられない。

出演者の一覧には、作家である女性の名前が一番最初にあるということは、彼女がこの物語の主人公であるということなのか。
とてもそうには見えない。

不倫体験をリアルに描いたことで脚光を浴びた作家で、今は書けないということだけで、次の作品のテーマが、なぜシューマンなのかがイマイチわからない。

てっきり、この作家と編集者の女性が狂言回しとなり、シューマンの生まれ変わりだと主張する芦屋とその妻の葛藤が、シューマンの本当の物語とともに、クローズアップされていくのかと思っていたが、単に歴史的事実を台詞でなぞり、いかに自分がシューマンの生まれ変わりなのかと主張するのみ。

一番疑問だったのは、出版社の人々だ。
狂った男や書けない作家、病気の夫を抱える編集者という、陰々滅々としたストーリーにひと味加えるための、コメディ的要素なのだろうが、彼らは物語全体にまったく活きてこない。

せっかく加えたのならば、主たる物語を補強するような何かが必要だったのではないだろうか。
特に、社長は出るたびに、彼女だけはなぜか衣装替えまでしているのだ(チャイナドレスなのに・ここ笑うところ?)。かなり力のある女優さんだとは思うのだが、これではもったい。

また、シューマンの曲は、ラストのシーンでは効果的だったが、途中での使い方は、単に曲紹介だけのようであり、せっかくテーマに据えているのであれば、もっと積極的に、かつ印象的に活用すべきだったのではないだろうか。

つまり、「舞台とクラッシックの融合」を標榜するのであれば、せめてシューマンの数々ある曲とストーリーを融合させるぐらいのことはできたのではないのだろうか。

シューマンの生まれ変わりという男と妻、編集者の女性とその夫という2つのストーリーを女性小説家が、虚構の中で交錯させるという構造はとても面白く、狂った男の現実と虚構という対比もあるので、この物語はもっと面白くなったのではないかと思った。

小説家が、小説の主人公芦屋を、シューマンがセーヌ川へ身を投げたように、小説の中で、多摩川へ身を投げさせたような展開、クララと称して現れた女性編集者の姿のような、虚構と現実がない交ぜになったあたりに面白さが潜んでいたように思うのだが。

唯一救いなのは、ラストで、シューマンが没した日に、芦屋が妻を「クララ」と呼び、芦屋夫婦に希望の光がかすかに射すところぐらいだろうか。そこで交響曲が流れる様子もとてもよかったのだ。
上海バンスキング

上海バンスキング

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2010/02/23 (火) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

上海の夢は、そのまま舞台の夢に。最高です!伝説の舞台が16年ぶりにコクーンで復活!
ふらっと客席に入ってきた笹野さんのバクマツが、トランペットでおなじみのメロディを吹き始めて、一人また一人が舞台に。
そこからはあっという間に舞台は戦前の上海、夢の世界へ。

やっと観ました!伝説の舞台!
私は深作版映画しか観たことがなかったんです。
ですからストーリーはわかってたのですが、
もう期待以上の感動でした。

決して楽しいだけの話ではないのに
これだけ愛され続けたのは、
やはり、歌とバンド生演奏の音楽の力と、
上海の夢のせい。

話自体は10年くらいの間の話。
そのなかでも楽しかったのは上海に初めて着いたときから、
ほんの2,3年くらい、混乱していても自由があった楽しい上海の夢。

そのときの上海は、そのままこの芝居の夢の時間、そして16年前の夢の時間につながっている気がします。


みなさんお歳は召していても、
串田和美さんは、声がかれて聞きにくかったりしても、
舞台の魔術でそんな細かいことは吹っ飛びました。
それにしても吉田日出子さんの個性は凄い。
コケティッシュな雰囲気は、そのまま、お嬢様。
しかし、歌いだすと声が違う。
さすがに長年歌われてきただけのことはあって、
他の女優さんたちとは格段の違いがあります。
そして、男優さんたちのバンド演奏は、
とにかくカッコイイ。


カーテンコール後、役者さんたちはロビーへ!
これが噂のお見送りか!
今では、皆終わるまでそのまま聞いていますが。
「林檎の木の下で」「上海バンスキング」が
歌われて終演となりました。


観終わったそばから、もう観たい!
2公演申し込んだのですが、さすが人気の舞台だけあって、今日1回分のチケットを買うだけで精いっぱいでした。
これでまた、しばらくは見れないんでしょうかねぇ…。

THE SCOOL OF THE RINGS

THE SCOOL OF THE RINGS

笑の内閣

ギア専用劇場(京都府)

2010/03/12 (金) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

無題
 10回目で5周年という今回は、「全道大会進出を目指す北海道の高校演劇部。部長が突然プロレス芝居をしようと言い出し、たまたま団体をクビになったばかりの人気レスラーの指導を受け、大会に挑む」‥‥という内容。

 なかば強引にプロレス芝居に繋げていくわけですが、プロレス芝居の劇中劇でまたプロレス芝居をやっているので、入り乱れて大変なことになっています。でも意外と破綻していませんでした。

 本物のプロレスを生で見たことはないのでリアリティは分かりません。ただ、こう言うとプロレスファンには怒られるかもしれませんが、元々プロレスというのはスポーツとショーの混合みたいな側面もあるので、芝居との親和性は高いのだと思われます。例えば「テニスの王子様」も舞台化されていますが、本当に舞台上でテニスをするのは無理でしょう。

 チラシ等を読むと劇中のプロレスが本格的であることのアピールが多いのですが、観ていて思ったのは逆に、演劇部分が稚拙で学芸会的だということです。しかし、ひょっとするとこれは意図的だったのかもしれません。演劇部分があまり本格的すぎると、プロレス部分が嘘くさくなってしまうと考えられるからです。演劇部分が学芸会的だからこそ、プロレス部分が本格的に見える。そこまで計算しているとしたら、たいしたものです。‥‥計算じゃない可能性も高いですが。

 演劇としてもプロレスとしても明らかにイロモノなので、正直それほど期待はしていませんでしたが、劇場から出てきた自分は多分、ものすごい満面の笑みだったと思います。完全に、してやられました。

富士見町アパートメント

富士見町アパートメント

自転車キンクリーツカンパニー

座・高円寺1(東京都)

2010/02/27 (土) ~ 2010/03/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

こんな芝居が好きだ。
Bプログラムを観ました。『リバウンド』『ポン助先生』、どちらもとっても魅力的な作品でした。特に『ポン助先生』はよかった。マキノノゾミの脚本もよし、鈴木裕美の演出もいい。役者もよかった。こんな芝居が好きだ。

星の王子さま

星の王子さま

東京演劇集団風

レパートリーシアターKAZE(東京都)

2010/03/06 (土) ~ 2010/03/07 (日)公演終了

満足度★★★★

女優さんたちの演技に惹かれました
よいお話です。テンポよく場が展開していき、エピソードも素敵だ。登場する星の住人たちやキツネも魅力的、中でも女優たちが魅力的だった。
惜しむらくは歌、歌唱にやや難、聞いていて苦しくなる。
しかし王子も作品も魅力的、これからますます成長させていってほしい。

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