最新の観てきた!クチコミ一覧

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フジヤマタイガーブリーカー

フジヤマタイガーブリーカー

MCR

駅前劇場(東京都)

2010/03/17 (水) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

「マシュマロ~」(追記
ものすごく良かった。
こないだのがちょっと嘘みたい。

下ネタってなんだろう。
性にまつわることを笑えば、そう呼ばれてしまうのか。
生きているうちは逃れられないものがいくつかあって、性はそのひとつだ。それをどう受け止め、どう笑いあるいは笑わないかは人それぞれの体験や自意識の差によるだろう。
他劇団の作品だが、愛の渦もお願い放課後も、性を扱っている。でもそれを下ネタと評す人はいないのではないか。

この物語で、性はかなり切実に描かれていた。格好つけず、ぼかさずそこにあった気がした。
ファンタジーで、笑いのオブラートみたいなものに包んでいるけれど。
だからなんというか、この物語を下ネタの一言で語るのは、大きな見落としに思う。

幸せの歌をうたう犬ども【ご来場ありがとうございました!】

幸せの歌をうたう犬ども【ご来場ありがとうございました!】

DULL-COLORED POP

タイニイアリス(東京都)

2010/02/02 (火) ~ 2010/02/04 (木)公演終了

満足度★★★★

よくまとまったなあ
「当てられ書き」で、出演する役者が演じたい役を出してもらい、それを谷さんが1本の台本にする情報は入っていたので、どのように1本の台本にしているのか楽しみでありました。

上手いこと描けてる部分もあり、また、無理矢理繋いだなぁ(笑)と感じる部分もありましたが、よくここまでまとめたというか、書き上げたなとは感じましたね。さすが谷さん。

ネタバレBOX

アル中のニート(元作家)と妹の場面、そしてアル中のニート(元作家)が出てくる場面は、1番物語してたと思いますね。
ただ、ラストはいきなりだったので、え?終わりでしたが。

まあ、なんだかんだ言っても、面白かったです。
各役者も自分でやりたい役を出しただけはあります。上手かったです。
その中でも、アル中のニート(元作家)を演じた安川結花さん、リアルに似合いすぎ(笑)
The Stone Age ブライアント『胸に突き刺さった5時43分21秒』

The Stone Age ブライアント『胸に突き刺さった5時43分21秒』

The Stone Age ブライアント

サンモールスタジオ(東京都)

2010/01/27 (水) ~ 2010/01/31 (日)公演終了

満足度★★★★

タイムマシンモノとは
チラシのあらすじなどよく読んでなかったので、まさかタイムマシンが関係してると思いませんでした。

ネタバレBOX

タイムマシンモノで気になるタイムパラドックスは、やってきた人間はその時代の人間には見えない、また触ろうとしても静電気というかバリア的な感じで、触れないような設定になってました。
また、記憶についても、何回か飛べば大丈夫なようになってましたが、最初の時点では強烈な印象に残った記憶以外は忘れてしまう設定でした。したがって、タイムパラドックスがほとんど関係ないタイムマシンとなってます。
(個人的には、タイムマシンモノでタイムパラドックスをどう扱うかが楽しみなのだが、その点はちょっと残念)

元々関西でやってたようなので、ギャグやツッコミなど、関西のぽい感じがしましたが、面白かったと思います。
また、ラストも単純にハッピーエンドとしなかったのはよかったです。
が、何があったのかもう少し描いてもよかったのでは。

シスター見習い阿波野を演じた、こゆび侍の廣瀬友美さん、15MMで演じた落ち着いた役柄とはうって変わって、テンション高い役柄で、いろいろおいしい所を持って行ってました。
また、同じくシスター見習い吹石(河野未佳)のわざと見せるパンチラは、グッジョブでした(笑)
The 時給探偵~17時までの名探偵~

The 時給探偵~17時までの名探偵~

劇団東京都鈴木区

遊空間がざびぃ(東京都)

2010/01/29 (金) ~ 2010/01/30 (土)公演終了

満足度★★★★

面白くはあった
タイトルが「時給探偵」だったので、探偵自身が時給で働いてるのか、時間が来たら調査を切上げ、それによって起こるドタバタ劇を描くコメディーかなと思っていたら、予想は外れました(笑)
時給で働いていて、時間が来たら切上げるという設定はありましたが、探偵本人ではなく、助手でした。

なかなか面白かったですが、ちょっとコメディー色が弱かったかな(予想以下であったと言うほうがいいかな)
またラスト、名探偵の感じはよかったですが、前半にもっともっとダメッぷりがあったほうがよかったかも。

ネタバレBOX

助手・駒小舞とまとを演じた戸田早奈美、劇場の規模からすると、少しオーバーアクション・オーバー台詞気味に感じたので、もう少し抑えてもよかったのかな。
ただ、髪切って可愛くなっておりました。ファンが増えたな(笑)
夜のプラタナス

夜のプラタナス

弘前劇場

赤坂RED/THEATER(東京都)

2010/03/19 (金) ~ 2010/03/24 (水)公演終了

満足度★★★★

たくらみ
いろいろなたくらみが込められた戯曲のようで、でもはったりのようにも見える。見逃しているかも知れない部分が気になり戯曲も買ってみた。
でも照明が細やかだから、戯曲だけ読んでも空気は味わえないはずだ。

男と女の相容れなさみたいなものを、滑稽であったり淋しかったり恐ろしかったり描いた物語に見えたけれど。

ネタバレBOX

でも結末は無理につけたオチみたいに見えた。
魔女のように描くことは、却って人物の底を見せてしまうと感じた。
目的もなく惹かれあって、些細な誤解が生まれて、それを晴らそうとしてもっと大きな誤解を招いてしまう、そんなありふれた情景の方が、魔性より遥かに印象深く恐ろしく思えるから。
フジヤマタイガーブリーカー

フジヤマタイガーブリーカー

MCR

駅前劇場(東京都)

2010/03/17 (水) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★

「TrackBackSystem」
近作しか知らないので、こうした再演ものはとってもありがたい。それも2本立て。

でも今回はかなり残念。
作風がどうとかいうのでなく、稽古不足かなんなのか、大きいものが欠けていた気がして。
無理して2本見せるより、きっちり1本を仕上げて見せてもらえた方が結局は得だなって思いました。

ペール・ギュント

ペール・ギュント

SPAC・静岡県舞台芸術センター

静岡芸術劇場(静岡県)

2010/03/06 (土) ~ 2010/03/21 (日)公演終了

残念、物語に入り込めなかった・・・
休日を1日費やして、静岡までバスに揺られて観劇旅行。SPACの企画公演は概ねレベルが高いんだけれど、今回は正直、今ひとつでした。

存在の深き眠り

存在の深き眠り

ランドマークホール

ランドマークホール(神奈川県)

2010/03/18 (木) ~ 2010/03/23 (火)公演終了

満足度★★★

観てきました!
解離性同一性障害(多重人格障害)を取り扱うのは難しいですね。

三田村邦彦さんの二役切り替えはコミカルではありましたが、ちょっと軽薄にも思えました。

ネタバレBOX

実際にそのような人を見たこともありませんし、最近もブレーキが利かなかったと嘘を付いた人がいたように、解離性同一性障害の存在自体が疑われることもあります。そういう人が本当にいるんだと意識して見始めないといけません。

青江三奈の「あなたがもうひとりいればいい」という曲が開演時、ダンスの時などに流れていました。横浜での舞台なので伊勢佐木町ブルースの青江三奈の曲を使ったのかなと思いましたが、今調べたらジェームス三木さんご自身の作詞だったので使ったのですね。

歌詞はなんとなくストーリーに合っているようにも思えましたが、曲の感じが暗く、今一合っていませんでした。音楽にお金を掛けないというか、劇作家にお金が入るようしたということでしょうか。何かもっといい曲があったろうにと思いました。

青江さんの曲のせいもあってか、時代が不明でした。診療室にはパソコンもなく、昭和として描いたのでしょうか?ランドマークホール(ランドマークタワー)でやるお芝居です。現在を描いてほしいですね。

別人格直美が診療室の棚にあるブランデーを要求したとき、医者が「奢ってあげよう」と言いましたが、違和感を覚えました。

奢るというのは、相手のために第三者にお金を払うことです。相手のために自分の食料を提供するときは、「ご馳走してあげよう」とか他の言い方が適切ではないかと思いました。

裁判で解離性同一性障害を正面から取り上げるのかと思ったら正当防衛で処理して、ちょっと安易。

直美に会う方法も医者が酔っ払うこととはちょっと陳腐と感じました。
スイングバイ

スイングバイ

ままごと

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

満足度★★★★

ニンゲンの輝ける歴史をシンプルでポジティブに
めまぐるしく状況が変わるが、理解しやすい演出がなされていた。
ただ、このポジティブさがちょっとだけ気になった。

ネタバレBOX

チケットがタイムカードで、機械にガチャンと通してからの入場だったり、会社のオフィスの体で、注意事項を説明したり、なんていう雰囲気が楽しい。

楽しく、リラックスした雰囲気で始まるのがとてもいい。
社歌も楽しかった。むやみにパートが分かれていたりして。

地上は2010階以上あり、地下は300万階あるという、ACとBCを分けて地上と地下に建っているビルが舞台。
この設定で、これが何なのかはすぐわかるようになっている。

ある職場の一日が描かれるのだが、そこに関係する人々の人生の一部でもある。そしてニンゲンの歴史でもある。

人は仕事をする。その仕事で人と出会い、別れていく。別れは一時的なものであったり、永遠だったりする。
退社することは、死ぬこと、早退は、自らの命を縮めること。
仕事=人生(生きること)な世界。もちろん、比喩的なのだが。

会社員という設定に背中を預けての、世界観を披露しているのだが、どうもポジティブすぎる。
早退しようとする、痩せた男も出てくるのだが、それは彼のみが抱える問題のように見え、それ以外はポジティブさが溢れているのだ。まるで、何の問題もそこにはないようだ。

生きることはポジティブであれ、ということが根底にあるのだろうが、仕事をするということは、それだけではないだろうと思う。
どうも高度成長時代の会社員たちを見ているように思えてならない。

これって「2010年」の階ではないんじゃないの? という気持ちがどうしても出てきてしまう。
「働く」ことの不安や障害がないのだろうか。楽天すぎやしないだろうか。
何も派遣切りやリストラが溢れる現在の労働状況を描けというのではない。

働くことには、やはり何かの問題がつきまとうのではないだろうか。どんな仕事をしていても、常に順風満帆というわけにはいかないだろう。
ネガティブと言わないまでも、大変さや苦労は、やっぱりあるんじゃないかと思う。単純に言えば、通勤ラッシュから始まる肉体的苦痛と、上司や部下や同僚との関係などなどなどなどなど。

軋轢や壁を乗り越えることが人を大きくするのではないのだろうか。
「仕事」を軸にして、ニンゲンというものの歴史を描くのならば、そうした一面もきちんと織り込むべきではないのだろうか。
つまり、早退した男は、そうした軌道に乗れずに、自ら敗退してしまった、敗者のように描かれてはいなかっただろうか。

ここが、2010階ではなく、高度成長期時代の階のように感じてしまった一番のところだ。
・・・幕開きの前の音楽は、スーダラ節など、まさにその時代を象徴するようなクレージキャッツの歌だったりしたし。

大変な仕事をどうやってこなして、どう生きていくのか、あるいは生きてきたのかという視点で、ニンゲンの歴史を見てほしかったと思うのだ。
それがあってのポジティブさならば、違和感は感じなかった。

もちろん、この職場の設定が広報誌を作っていて、それは誰も本気で読んでないとという、組織の歯車としての会社員の虚しさはあるが、結局は、どの人も単純にそれは飲み込んでいってしまうのだ(ただ1人は異動していくようだが)。

歯車というのは、ラストで、書類を手渡しながら、全員がくるくると現れ消えていく様子に集約されていたようにも思える。
それが「虚しそう」なのではなく「楽しそう」なのだ。

楽天的とも言える。これは、どうしてなんだろうか? と考えざるを得ない。ひよっとして、作・演出の柴さんが、がっつりの会社員経験がないからたのだろうか(実際はどうなのか知らないが)、だから歯車になったときの「虚しさ」や歯車としての、組織的な動きの連帯感などからくる「楽しさ」というレベルまでに達していないのではないだろうかと思う。

結局、本当は、作・演出の柴さんが(たぶん)一番楽しんでいるのだはないだろうかと思った。
シーンごとの、柴さんのチーンベルの合図とともに役者たちが動き、台詞を言う、そんな様を稽古のときのように近くで、柴さんは眺めている。しかも、稽古とは違い観客というプラスアルファの要素(しかもギュウギュウの満席で)まであるのだから。

私の席からは、柴さんの顔は見えなかったが、間違いなく、幸福に満ちた顔をしていたのではないかと思う。
実際、この舞台が設定している本当の観客は、演出家である、柴さんだったのではないかと思ってしまったり。

人の歴史は、地下300万階から連綿と続いているが、新人が上司になり、また新しく新人が入りという繰り返しの中にわれわれは生きている。
「仕事」という生活を毎日繰り返している。

そんな繰り返しの中で、確実に、次の世代に手渡していくものがある。
それは、何なのか、具体的には示していなかったが、先にも書いたように、書類を手渡しながら、登場人物たちが全員でくるくると現れ消えていくときの「書類」、例えば、それは、人間としての「DNA」だったり「智慧」だったり、「二足歩行」というヒット商品だったりするわけだ。

ここのところには共感できる。

次世代にそんな「書類」を手渡すときに、相手の動きを反動として、より強く、より早くなっていく。その様がタイトルの「スイングバイ」じゃないかと思った(舞台では早くなっていたようだが、最初からスピードがあったので、明確には表現しきれていなかったようだけど)。
スイングバイっていうのは、人工衛星が惑星の引力を使って速度を増したりする方法だ(ボイジャーとかが使ってた)。

ニンゲンの歴史は、そうやって、「スイングバイ」しながら、加速度的に進化続けていくのだ。

だから全体のトーンがポジティブなのはわかるが、しつこいようだが、それだけでない「カゲ」となる部分(マイナスという意味ではなく)が、ニンゲンにとって有用であることも否めないという視点もほしかったのだ。

帰りにもタイムカードを押して会場を出るのだが、実際に会社員だったりすると、自分の会社に出社してタイムカードを押すときに、ちょっとこの芝居を思い出したりするのだろうか、なんて思ったり。
『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

劇場MOMO(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★★★

テンション高すぎっ!
シチュエーションコメディとして、フリとオチの関係がわかりやすく、とてもよくできていたと思う。
が、テンションが高すぎるところと、ややタイミングが長いところがあり、上演時間がやや長く感じてしまったのが残念。

ネタバレBOX

今にも潰れそうな、どーしようもない高校の職員室が舞台。
最初に話を引っ張る北村先生が、いかにもコメディの人という感じで、この雰囲気で行くのかと思いきや、次々と現れるどーしよーもない人たち。
鬱陶しいという設定の先生だけならばまだしも、つい歌い出す先生や、高校生の男子生徒など、それに輪をかけたような鬱陶しさ爆発のキャラが次々に現れる。
最初はそれがちょっと面白いのだが、あまりにもしつこすぎて、疲れてしまう。

テンションの上げ方が似ているせいもある。
物語が転がり出し始めてからは、その物語の面白さで観客を引っ張っていったほうが面白いと思うのだが、これでもかっていうぐらいのキャラの攻撃が続く。

そんな中にあって、いつも淡々としている女子生徒が、逆に目立っていた。

もう少し整理してくれれば、もっと面白くなったような気がするのだが。
ドタバタ的な展開にもなってくるのだが、それにしてはスピード感が足りない。テンションの高さとたたみ掛けるようなスピード感があれば、その勢いで観てしまったと思う。

フリがあって、それがオチになるまでが長かったりする。例えば、男性教師が抱き合っているのを教頭が気がつくシーンなどは、妙に間がありすぎて、笑うタイミングを逃してしまう。
また、鬱陶しいキャラ3人ともに、延々1人で台詞だとか、歌だとか、ジタバタしたりとかという、長い時間が与えられているのだが、それもどれか1人にすればよいように思える。それが観ていて長く感じてしまった。

ラストも、馬券を破いて終わりというのも、それほど面白くない。もう一捻りほしかったところだ。

ま、最後の最後にロッカーから先生が現れるというのは確かに面白かったのだが。

それなりに笑ったけれど、もっと面白くなったのではないかと思うと残念な印象が残ってしまった。
おばあちゃん家のニワオハカ

おばあちゃん家のニワオハカ

鳥公園

市田邸(東京都)

2010/03/17 (水) ~ 2010/03/23 (火)公演終了

満足度★★★★

イロトリドリの。
自分たちの親は将来、誰が面倒をみるのか。という素朴な疑問は兄弟姉妹間で綿密に話し合われなくとも生まれた境遇や立場で何となくわかっているものだとおもう。すべての困難を優しさでカヴァーできでれば何ら問題はないかもしれないけれど、なかなかそうはいかないのが実情かもしれない。
老いという自然の摂理に伴う現象を、受け入れざるを得ない現実に対する繊細な心情のズレやわだかまり…そのどうしようもない気持ちを掬いあげ、伝わる言葉にすること、行動することの難しさ。時には相手を深くおもう優しさの、ほんの些細な言葉のニュアンスから大きくすれ違ってしまうことも…。
介護の理想と現実、人の重みが静かに大きく横たわるかのような質感のなか、夢でもいいから逢いたい。そんなファンタスティックで痛切な想いがここ、とそこ。を繋ぎとめて、あの頃を取り戻すかのように色とりどりに満たされたおとぎの世界で遊んでいたら、いつしかここ。が、そこ。になって、そこ。があそこ。になってまたここ。に戻っていたりして、まるで終わりのないかくれんぼをしているような不思議な感覚で、わくわくした。帰り際、おじゃましました!と思わず言いたくなりました。

ネタバレBOX

門をくぐって玄関で靴を脱いで客人としてお家に通されて、座布団の上に正座をしながら所在なさげにしていたところに家主の声が聞こえたとおもったら、たちまち、あれやこれやとはじまるものだから、どうしたって目が離せなくなってしまいます。

主な登場人物は3人。
しっかりもののお姉ちゃん、マイペースな妹、そしておばあちゃん。

物語は、おばあちゃんが旅立った日の回想と姉妹の現在を主軸に夢のなかで姉妹が出会うおばあちゃんと、おばあちゃんの子どもの頃の記憶や妄想が挿入されます。
(庭と居間を用いて上手に表現されているため混乱はしません。)

おばあちゃんの介護をしていたのはお姉ちゃんで、妹はおばあちゃんの葬式の時にすら家に帰ってこなかった。

ある日、突然帰ってきた妹が夢の中におばあちゃんに出会い、
そこでお姉ちゃんも知らない真実を知り、ある頼まれ事をされる。
それを知ったお姉ちゃんと妹のやりとりと、その後に映し出されるおばあちゃんの気持ち。のくだりが秀逸で、誰が悪いわけではないけれど、
お姉ちゃんの言ったほんの些細なひとことをきっかけに関係性が大きく変わってしまうような、そんなシーンでした。

まさか黒柳徹子が登場するとは思わなかったので、かなり驚きました。
(これはおばあちゃんの、素敵な妄想だったのでしょうか。)
徹子さんのモノマネの完成度もすばらしく、楽しかったのですが、
エピソードとしては少し散漫だったような・・・。
おばあちゃんとお母さんを描くシーンがもう少しあってもいいようにおもいました。

おばあちゃんが学校に通っていた頃のくだりでは望まれない子供はどうしたらいいものか。質問する森さんに回答する先生のとまどい…。
生命を象徴するたまごの使い方も効果的でした。

ラストの色あざやかな儀式には、前向きな希望を感じました。
スイングバイ

スイングバイ

ままごと

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

フジヤマタイガーブリーカー

フジヤマタイガーブリーカー

MCR

駅前劇場(東京都)

2010/03/17 (水) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

「マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック」
初見でした。良い意味で童貞臭がする。「良い意味で」を付けたら何でも許される訳じゃないけど。中学生男子が考えそうなくだらなさと無責任さとバカバカしさ。あぁ、くだらなさとバカバカしさは一緒か。アグレッシブなあひるなんちゃらみたい。あひるなんちゃらがアグレッシブになったらそれはあひるなんちゃらじゃないんだけども。
役者は曲者揃い。あ、字が違った。癖だ。癖者。人によって好き嫌いが分かれそう。彼らが磨くべきは精密さや丁寧さではなく勢いだと思う。思いっ切りやって有無を言わさぬパワーがあれば癖も武器になる。とはいえ、台詞が聞こえにくくなるだけの滑舌は流石にもうちょっとどうにか…。今日は噛んだのをアドリブでネタにして笑いを取っていたけど、個人的にはそういうのが好きではなく。稽古場での鍛錬の延長にないものを舞台上でされても。
チェックしたくなった役者は石澤美和さん。あのキャラを遣り切るからには普段きっと良い人なんだろうという勝手な読みと、今後の予定が多数ある中にタカハ劇団とあひるなんちゃらがあったから。

ネタバレBOX

なんでこのタイトルなんだろう?面白かったら別に意味がなくても気にならないんですが、今回はあちこち突っつきたくなってしまったのでタイトルにもそれが及びます。
盛り上がりであろう股間の弄り場面で完全に取り残された。意味が分からなかった。全く分からなかったのではなく、どれなのか分からなくて。「共有する気のなかった二人が共有したのに、共有したい二人は共有出来なかった」「男女の感じ方や考え方の違い」「実はミキはセックステクニックが下手だった」。どれにも取れるし決め手がなくて。面白くなる要素はたくさん散りばめてあって、ただ本当に散り散りになっちゃってるのが勿体無い。あの二人は感覚を共有する前から男らしさと女らしさが逆転してて…とか、何か繋がりそうな気がしてたら結局は何もなかった。
台詞が自然な言葉選びでない事もあって舞台上での対話が成立していない部分が多々。紡いでいくというよりは一発一発を重ねて作られたものという印象。緊張感ではなく瞬間の集中力。所謂コント向きな人々のイメージ。
『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

劇場MOMO(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★★

コメディというよりもドタバタ劇
高校の職員室が舞台。万馬券をめぐっての争いを延々と演じてる訳よね。まあ、面白いって言えば面白いのだろうけれど、ちょっと長く感じて最後はなんだかヒク。

以下はねたばれBOXにて。。

ネタバレBOX

序盤からだるだるの職員室の風景。どれも先生らしからぬ「私たちテキトーに生きてますねん。」といった輩。そんなひとくせもふたくせもありそうな教師の生徒はこれまた、ふた癖もある。教師らは生徒の持ち物検査をして没収した中の馬券が万馬券だったから、さあ大変!

同僚を騙してなんとか自分の手中に馬券を収めたい教師と、馬券はそっちのけで異次元の世界に入り込んでるウザい安田先生。そしてこの中では一番まともっぽい天然の北村先生らが織りなすドタバタ劇。好みとしては前半までは良かったのだ。しかし後半にかかった頃から、少々物語全体がウザく感じる。女子高校生の後藤が父親に似せてつけひげならぬ付けテープの場面から完全にヒク。ドンビキ。後藤を追い回す金子のウザさ。松永先生のミュージカル風味の歌のウザさ。こうなってくると、ウザい!と言われてる安田が普通に見えてくるのだから、相当なウザさでもって場面は流れていくわけだ。

で、結局薬局、万馬券を未成年が触ると爆発するとサギられた金子は後藤の為に破ってしまうのだが、その収束の仕方も無理無理に終わらせた感が強い。コメディなんだから笑えりゃあいいじゃん!なんて思うのだけれど、その笑いの質はただのドタバタにすぎないように感じたのだ。キャストうんぬんよりも本がイマイチ。まあ、好みの問題です。

まなざし

まなざし

掘出者

タイニイアリス(東京都)

2010/03/19 (金) ~ 2010/03/23 (火)公演終了

満足度★★★★

本の面白さと役者の魅力が際立つ。
 不条理風な会話の中に物事の本質が見え隠れする芝居。家族とは?兄弟とは?恋人とは?人生とは?世界とは?少し病んだ登場人物たちの独自のロジックによる弾丸トークがとても面白かった。そして、ハチャメチャではあるが、ときに哲学的な会話に思わず引き込まれてしまった。

 役者では木村慎二の姉役を演じた石井舞、栄吉の婚約者を演じた黒木絵美花が独特の世界感を魅力的に演じてみせた。

 様々な設定の二人の会話がとても面白かったが、登場人物は病んでいる人間だらけなので、後半パターン化し、少しだれた部分があったのが残念。
まだ初日なのでこれからどんどん良くなっていくだろう。

ネタバレBOX

 後半舞台にはまなざしという役名の舞台監督が出てくる。様々なルールを司る神のような存在だが、舞台監督が舞台に出てくること自体がルール違反だ。そういった矛盾を逆手にとって、劇構造をさらに多重化している。

 まなざしという言葉が何を意味するのかと考えたが、やはり世界を見る神の視点だろう。登場人物それぞれはゴドーを待ちながらのように、ひたすら自分の求めるものを待ち続けている。それは永久に獲得出来ないものであるということを知らずに。

 田川啓介の物事を見つめる目はとてもユニークでとても深い。今後が楽しみな作家だ。
Fight Alone 2nd

Fight Alone 2nd

エムキチビート

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/03/17 (水) ~ 2010/03/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

赤チーム観劇。
圧巻。なんて素敵な企画なんだろうと思いました。

4本とも完全なる世界を作り上げていて。
ひとり芝居という可能性に沢山の楽しみが湧きました。

「手紙」が鬼気迫っていました。感情が渦巻いている感覚を感じました。


ネタバレBOX

しかし、トリに劇団銀石のデジタル落語を持ってくるあたりが、なんとも遊び心と、この企画を象徴するかのようで好印象でした。

『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

『学生・生徒または未成年者は勝馬投票券を購入できません(再)』

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

劇場MOMO(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

馬券
予想外の箇所でも笑いの爆撃があり、何度プッと吹いちゃったことか!チケットが馬券風なのと、開演前のBGMが競馬の歌なのも、雰囲気を盛り上げるのに一役買ってたと思います。

ネタバレBOX

3000万円の馬券がパーになっちゃったのを、多少気のきいた精神論で一件落着にしちゃっていいのかなあ...と思いました。チョビ髭ハゲヅラ女子高生の保護者も学校に乗り込んで来て、ドロドロの法廷論争にもなってしまうような番外編も見たいです。
大市民

大市民

ティーファクトリー

吉祥寺シアター(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★

んー、厳しいな。
川村毅さんの作品で、結構期待していったんだけど、出演者のレベルの差が激しすぎて、悪い方にイメージが付いてしまい、後半は完全に冷めてしまって、のめりこめなかった。

ネタバレBOX

ストーリー自体は、最近の話題も組み込んで良い感じにアレンジされてましたが、根本的に話が分からない。
ミツバチか、ワニ

ミツバチか、ワニ

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2010/03/04 (木) ~ 2010/03/08 (月)公演終了

魅力的幻想気怠芝居
あひるさんの
ゆる〜〜〜〜〜〜くて
滑稽で ぽわっとしてて
理不尽で 魅力的な人間像たちのお芝居が大好きです

ネタバレBOX

ミツバチ か

ワニ か

消防車だね!

(∩∀`*)ウケましたー。消防車って生まれ変わるのかい!?

まるでシュールレアリズムの組み合わせ
「解剖台の上のミシンとこうもり傘の偶然の出会いのように美しい」
そんなお芝居
まなざし

まなざし

掘出者

タイニイアリス(東京都)

2010/03/19 (金) ~ 2010/03/23 (火)公演終了

満足度★★★★

いやぁ主宰は
かなり病んでいる(アフタートーク)。や、面白いんですがね。

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