泣き虫なまいき石川啄木
ハイリンド
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/03/27 (土) ~ 2010/03/31 (水)公演終了
満足度★★★★★
笑いあり、涙あり
畳み掛ける小気味の良い笑いと、心の隙間にスッと入り込む綺麗な言葉。
自分でも気付かなかった心の乾きを、優しく潤してくれました♪
とても優しい、楽しい、素敵な舞台でした。
パンフレット300円も読みごたえ抜群でした♪
出演者全員のサイン入りシートに釣られて、ストラップ300円も購入。
平日割引で3500円→3000円で入ったのですが、値段以上の満足でした★★★★★
ネタバレBOX
人が集まると、絶えず小さな衝突が起こるけれど、誰かは避難し、誰かはなだめ、誰かはいさめ、誰かはけしかけ、上手いこと出来ているなって、掛け合いの妙技にただただため息ばかりでした。
あ、少し嘘です、笑っているか、泣いていました。
「(衝突しても)時がいつか解決してくれる」
「(喧嘩や争いを雨風に例えて)天が人間を鍛えてくれる」
本当に素敵な言葉でした☆+゚'・
外波山さんが、スーパーチャーミングおじいでした。
かなり酷い人の役なのに!
満足!!
はなよめのまち【ご来場誠にありがとうございました!】
キコ qui-co.
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了
満足度★★★★★
残酷な童話の世界
面白い!物語は残酷なファンタジーのような風景。それぞれの人間の業のようなものが見え隠れし、それでいて最後は繫がりで終演する。キャストらが一時的に停止するような最後の場面は計算された画でまるで絵画のよう。今回の芝居で一番美しい光景だった。。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
特産品の「はなよめ」は一億円で売るために教育を施され、「はなよめ」となっていく。しかし彼女たちには聞こえないものが聞こえ、特別なものが見えるという特殊な能力を持っていた。だから彼女たちを汚さないように町ぐるみで守り、春祭りの時に神家主さまに選ばれた娘だけが、はなよめになれる。と町民には信仰されていた。だから、農夫やまつばらなどの町民には、はなよめの秘密を知らされていない。
一方、恋に落ちるとはなよめになれない女は看護婦になる。そして農夫は、はなよめを見てはいけない、話してもいけない、汚れるから。という理由でこの掟を破ったものは殺されるという運命にある。しかし、時にその差別を疑問に思うものが出てくる。やがて、かつてはこの町のはなよめとして売られていった楓や町外の住人・小林がこの町の仕組みを解放する為にやってくる。
そこで楓は「神家主さまなど存在しない。信仰偶像したミイラだと語る。そして看護婦の発するセリフではなよめの脳味噌をいじって小さな神様を作るという場面が想像される。つまり、はなよめは少女の頃から人工的に特殊なはなよめとして教育され、しかも特異な脳をも操作されていた、という筋だ。
しかし、はなよめはその特別な能力で自分たちや町の未来までも知っていた。農夫らは人間としてみなされず汚れた存在という扱いを受けながらも、その鬱積した不満や不のエネルギーは革命というクーデターを一揆する。やがてはなよめを農夫らが犯し特別な町は元に戻らないほど悲惨な風景を見せる。ナギの予感は的中しこの光景をナギは脳で見ながら「誰か助けてー!」と叫ぶのだ。この場面の風景が美しい大きな一枚の絵画だった。場面を計算つくしたような瞬間の画。実に素晴らしいです。
そしてナギの手を掴むもう一つの力強い手。悲しみから守る手がこの物語のこれからを暗示するように希望に満ち溢れていた。
ストーリーといい、暗転の仕方といい、好みの作風だった。そして終盤にみせる芸術的なセンスにやられる。それでも一番のお気に入りは本だった。要するにワタクシ好みの本なのだ。相変わらず、木下と木村、千葉の凛とした演技が魅力。役者としての小夏を始めて観たが新鮮だった。
サ・ビ・タ~雨が運んだ愛~
アトリエ・ダンカン
本多劇場(東京都)
2010/03/26 (金) ~ 2010/04/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
可愛い!
初演も見たんですが、駒田さん・山崎くんの兄弟愛。
原田さんが演じるユ・ミリがすごく可愛くて何度観ても楽しいです!
カーテンコールでは本場韓国の舞台に出演していたイヒョンさんが登場して駒田さんと歌を歌ってくれました!
他の日も色々ゲストがくるみたいなので都合がついたら観劇に行きたいと思います♪
はなよめのまち【ご来場誠にありがとうございました!】
キコ qui-co.
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了
満足度★
乗り切れず…
苦手な世界観。
如月萌は良かった。
謝罪の罪
ペンギンプルペイルパイルズ
ザ・スズナリ(東京都)
2010/03/19 (金) ~ 2010/04/04 (日)公演終了
満足度★★★★
いいね
おもしろい。
白塗りの意味はさっぱりだが。
奥山ばらば「さぐらんぼうい」
大駱駝艦
大駱駝艦・壺中天(東京都)
2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了
満足度★★★★
奥山ばらば「さぐらんぼうい」
奥山ばらばさんの「さぐらんぼうい」を観た。
なんで「さくらん」ではなくて「さぐらん」なのかなあ。
考えながら家に帰る。
考えながら遠回りして帰った。
最後の赤いビー玉はさくらんぼってことかー。
あの粒粒たちは「さくらん」していることに点々として加わって
「さぐらん」って訛るように優しく柔かく全体を包む役割なんじゃないだろうか?
さくらんって錯乱してて怖いイメージだけど
作品からはそんな狂気な感じしなかったなー。
暖かくてほんわかした大きい何かを感じたしー。
奥山ばらば「さぐらんぼうい」
大駱駝艦
大駱駝艦・壺中天(東京都)
2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了
満足度★★★★★
さぐらんぼうい観ました
肉体で表現することの可能性を幅広く追求している壺中天公演の
奥山ばらばさんバージョン、観てきました。
大きい冠をかぶった湯山さん、黒ずんだ銀色で素敵でした。
暗い地下の密室にたたずんでいるのかと思ったら
サーフィンしちゃうし、この発想すげー。
奥山さんの頭の中覗いてみたい!
奥山ばらば「さぐらんぼうい」
大駱駝艦
大駱駝艦・壺中天(東京都)
2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了
満足度★★★★★
奥山ばらばさん
大駱駝艦のHPを観ると完売表記がチラホラ出ていてあせってしまいました。
いつもは早く予約するのですが今回は油断してしまった。
なんとか夜の回に観てきました。
奥山ばらばさんは、真摯でまっすぐな目をした舞踏手さんでした。
ひたむきに真っ直ぐと創りたい世界を創作されたのでしょう。
その一生懸命さがよく伝わります。
真剣に戯れる姿は感動を呼び起こします。
奥山ばらば「さぐらんぼうい」
大駱駝艦
大駱駝艦・壺中天(東京都)
2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了
満足度★★★★★
奥山ばらばさんという舞踏家
冒頭の背中群舞、うねりの中に引き込まれてしまった。
その真ん中から出てくる背中男。
背中だけでこんなに舞台から目が離せなくなるなんて
肉体の限界の無さをまた知ってしまった。
奥山ばらば「さぐらんぼうい」
大駱駝艦
大駱駝艦・壺中天(東京都)
2010/03/16 (火) ~ 2010/03/22 (月)公演終了
満足度★★★★
さぐらんぼうい
奥山さんは真剣に熱くさぐらんぼういしてました;
さぐらんぼういするってよくわからないですよね。
でも観るとわかるんですー
ゴルゴダ・メール
劇団俳小
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了
満足度★★★★
学校の先生に見てほしいな。。。
もちろん全ての人に見てほしいけど、特に子供のいる人や学校の先生には診てほしい作品。とても丁寧にリサーチされている脚本とおそらく実際にアスペルガー症候群の方と会っているであろう俳優の方たちの力演は見ごたえがあった。アスペルガー症候群の症状なんて程度の差はあれど誰もが持ってるじゃない、と思わせて成功。学校の先生がこういう芝居を見て、理解を深めて、せめてイジメで才能のある彼らが傷つかないように、守ってほしい。
罪~ある温泉旅館の一夜~【作・演出 蓬莱竜太】
アル☆カンパニー
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2010/03/26 (金) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★
ねじれを、あやしむ
きれいな舞台美術、役者さんの力量、そしてそつのない戯曲、演出。その向こうになにが見えたのか、じっくり振り返ってみる。
ネタバレBOX
父、母、知的障害のある兄、妹。とある温泉地での家族旅行。妹が「結婚するのやめる」と言い出すのをきっかけに、長い間、兄の障害のきっかけとなった高熱について、心にしまわれてきたひとりひとりの罪の意識、お互いを責める気持ちが、しだいしだいにぶちまけられる。
蓬莱竜太は、観客の気持ちとのやりとりがとっても上手。なにげない風景から始めて、家族の状況、みんなの心の葛藤を、幻想的なイメージを挿入しながら徐々に徐々に見せていく。こちらがどう思うか、次に何を知りたいのか、常に一歩先を読んで、タイミングよく提示してくれる。一方的に見せつける感じじゃなくて、交渉するみたいな緊張感。気持ち良いな、と思う。
じっくりと心の暗さを追求する物語だけど、「なんだって、みんな責任をとりたがるんだ。今日に限って。温泉地で」というせりふに笑いも生まれる。抑制の効いた演出、存在感のある役者さんたちの演技、積み木のおもちゃみたいな幻想的な舞台美術も相まって、バランスのとれた、感じのよい舞台にみえる。「闇があるから難しい、それでも家族は生活し続ける」というメッセージも、みんなに通じるものだ。
でも、なんだかこの舞台、どこかに僕はねじれを感じる。描いているものが、とってもとっても小さいものに思えてならない。「家族の闇」という、誰もが抱える永遠の大きなテーマを描いていながら、普遍的な世界につながらない。それはどこかに、そつなく計算された作為があるからなんじゃないかと、僕は感じる。
例えば「知的障害の兄」は、この家族の闇をあぶり出すために用意された「設定」みたいなんだけど、この「障害」という設定は、「闇」を大きなものに見せる、誰にも逆らえないものだ。それなのに、家族の個々のメンバーの抱える「闇」は、なんだか、「知的障害」を持つ家族特有のものではない、どの家族にも共通する「闇」のように描かれている。
ここから、僕らは、自分の家族にもある闇の部分を想いだすかもしれないけれど、厳密にみれば、僕らの持っている闇は、「知的障害を持つ家族」の闇と、同じレベルではないと思う。それを、「同じ」に見せてしまう。この舞台には、そんな危うさがある、と思う。
例えば、妹の抱える「闇」は、兄が雨の日に外に閉め出されるきっかけになる、「おもちゃをこわしたことを兄のせいにした」ことだったりするんだけど、こんなちっちゃな「闇」なら、僕にもある。でも、僕のちっちゃな「闇」は、「知的障害」に結びつかない。なのに、結論の部分は、僕らに共通するように感じさせる。つまりは、僕らの小さな「闇」を、大きなものに見せる作為を、僕は感じる。観客を、気持ちよく感じさせる作為を、僕は感じる。
スリープ・インサイダー(ありがとうございました!またいつか!)
boku-makuhari
アトリエヘリコプター(東京都)
2010/03/26 (金) ~ 2010/03/31 (水)公演終了
満足度★★★★
初見の劇団だったけれど
素晴らしいです。特に奥田洋平の演技が素晴らしい!で、どんな演技が?ってことだけれど、目だ。目の演技があまりにも逸脱していた。まるで催眠術にでもかけられたような作り物めいたガラスの目だった。魂を奪われて放心した乾いた視線。奥行きのない、だけれどじっと見つめていると底知れぬ恐怖が迫ってくるような目。悲しみの色でも見つめるような目。だけれど無表情。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
第1話 「スリープ・インサイダー」
男は監禁されている。という説明だったが、男は引きこもりだ。男の中で花火師の鏑木君や後輩の女や同級生らが男の回想と妄想の中で交差する。必要な食べ物や音楽、雑誌など欲しいものは紙に書いてトビラに入れると家族(保護者)が見繕って運んでくれる。
こんな生活のなか、体内時計だけを頼りに1000日以上も引きこもっていた―― そんな時、一人の女がその部屋へ来る。この場面から男の中での今からの脱出への希望として、第二話に繋がる。
第2話 「哲人の丘」
一話の続き。今度は荒野の丘の上に建つ小屋の中。この小屋は高い高い崖の一角にぽつねんと建っている。他に小屋はない。外界と遮断された小屋。風が吹き荒れたまにコンドルがカァーカァーと鳴く。この場合、ギャーとかグェーー!と鳴かせたほうがリアル感、満載だったけれど、コンドルってカラスみたいに鳴くのか・・?
男が俯せに倒れている。二話は一話の引きこもりの男よりも少しよくなって自らを他者に解放しようとしている。だから、ここでの登場人物はいっきに自分以外に3人が登場し、場面も一話のシートの上だけだったスペースが広がっている。
物語は鏑木君が崖を登って尋ねてくる。彼は「行方不明になった友人を探していると告げる。」これは、戻ってこない友人、つまり男を心配して小屋に訪ねてきた形だ。小屋での4人のセリフは男の妄想なのか事実なのかは計り知れないが、男の気持ちは友人らを好きな感情と殺したいほど憎む感情が交差する。だから、鏑木に対しても「お前を見てると顔に石をぶつけたくなる。」とのたまう。
一方で女がジャリジャリと音をさせながら崖を登って小屋に到着する。何か物を運んできたようだった。こうして、男の世界はすこ~しずつ小屋から外を眺めたりして、世界と繋がろうとする。苦悩しながら繋がろうとしている。それはやがて・・・村ができ、町ができ、市ができ、県ができるように。だから男はこれから、ちょっとずつ希望を掴もうとしているのだ。
この物語は好みが割れると思う。そのくらい奥に潜む事実が見え難い。人間関係がきっかけで引きこもりになった男の元に通ってくる人たちが愛しく微笑ましい舞台なのだ。だけれど、それを感じさせないからひじょうに解りづらい。解りづらいけれど、何故か惹かれる不思議な舞台だ。
ゴルゴダ・メール
劇団俳小
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了
満足度★★★
脚本は流石
☆としては3.5という感覚です。
脚本は、流石に劇団劇作家代表の方の作品なだけあって、非常に良かった、と思います♪アスペルガー症候群、というものを知らない人が多い中、沢山の問題を提起している佳作なのではないでしょうか?
が、残念ながら今回の演出が私の肌に微妙に合わず…。残念!
客入れの挨拶が、大変秀逸でした(笑)新しい~~~っ。
ネタバレBOX
暗転が多いというのが個人的にダメなのもあるんですが、これだけ問題提起している作品なのだから、もっとエグるような、ドス黒い観劇感を残して欲しかった、なー。と。だから、演出家が演出助手を殴るのも「え、なんで?」みたいな感じで。サラっとした流れの中で、今ひとつ飲み込めなかったというか。
全体的には、暗転はもっと少なくて良かったと思うし、その辺を踏まえて、もっと作品全体の尺が短く出来る所もあったでしょうし… 障害を扱う作品にしては、案外、さらっとした肌触り(?)だったな、と。なんか勿体なかったです。
とはいえ、アスペルガー症候群役の役者陣は、とっても好印象です☆頑張ってました!あ、でもスラスラとうとうと言わなきゃ行けない箇所で、噛んじゃった人が居たのはチョト残念…;
TheStoneAgeヘンドリックス「胸に突き刺さった5時43分21秒」
The Stone Age
in→dependent theatre 1st(大阪府)
2010/03/26 (金) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★★
面白いな!
役者のキャラが濃い・・・インパクト有!
たっぷり笑わせて頂きました。
完全な真空×BLACK BOX
演劇ユニットG.com
テアトルBONBON(東京都)
2010/03/24 (水) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
代役
自分は予定が入って見られませんでしたが、代わりに友人に行ってもらいました。その人の感想
↓
『完全な真空』と『BLACK BOX』、2つの話を見て、自分の生き方について考えさせられました。
『完全な真空』では、自分にとっての幸せとか生き甲斐を考え、『BLACK BOX』では、今までの自分の生き方はどうだったのだろうかと改めて考えました。
自分を見つめ直す事が出来て、すごく良かったです。
ありがとうございました。
罪~ある温泉旅館の一夜~【作・演出 蓬莱竜太】
アル☆カンパニー
川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)
2010/03/26 (金) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★★★
千秋楽に飛び込めて本当に良かった
蓬莱竜太さんの戯曲の、決して逃げないところがすばらしいと思います。しつこく、最後まで問い詰める、密度の高い4人芝居でした。満足。
泣き虫なまいき石川啄木
ハイリンド
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/03/27 (土) ~ 2010/03/31 (水)公演終了
充実の初日
いい感じに席がうまったレッドシアターで、井上ひさし戯曲ならではの良さを味わうことができました。
ゴルゴダ・メール
劇団俳小
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了
リーディングも見て本公演も
作家さんの思いがこもったいい戯曲でした。
モグラの性態
ぬいぐるみハンター
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/31 (水)公演終了
満足度★★★★
お下品で、中身はないけど、面白い
お行儀が悪そうだけど、意外(失礼!)と会話劇としての成立具合は、なかなかのものだと思った。
残念ながら、その会話が示す内容(物語)はほとんどないのだが、会話のやりとりだけでもそれなりに面白いのだ。笑いはしないれけど。
若くっていいじゃん、という感じもある。
なんかみんな、キューティクルがきれいで、髪の毛が光ってるなあ、と思いながら観てたりして(笑)。
ネタバレBOX
オープニングにはちょっと驚いたが、お下品さはあるものの、「お」が付く程度の下品さで、それに関してはキツクはなかった。
ま、適度というところか。
それにしても、やっぱり若い男子が集まるとドーテーものになっちゃうのかな。言い訳じみたドーテーというのも、今までもずいぶん観てきたので、新鮮みはない。新しい見せ方をしてくれるわけでもないし。作者からすれば、たぶんリアルなんだろうけど。
それはそうとして、物語の中心となる4人組の会話のテンポとぐだぐだ感が素敵だ。ウマイ、驚いた。しかも、14時の回で役者が1人病気(怪我?)で離脱して、急遽、作演の池亀三太さんが加わったと聞いてさらに驚いた。欠けてしまったピースに見事にはまっていた。
他の役者さんたちも、それぞれに存在感をしっかり示していて、絡みもうまいなぁと。
ちょっと引くぐらいの存在感を示していたボス役の立木雄一郎さんと、鮫島役の橋本仁さんの圧力の強さは両者ともに捨てがたいものがあった。そんな彼ら2人の直接対決がなかったのは、うまい演出だったのかもしれない。また、モグラ等を演じていた神戸アキコさんの独特の立ち位置というか、オーラは捨てがたい。さらに、濃い登場人物の中にあって、1人違う姿を終始見せていた清水役の藤吉みわさんは、逆に印象に残った。
ただ、物語としては、特に何もない。
お話のためのお話というところで、深みがあるわけでもないし、スピード感みたいなものがあるわけではない(ロックな音楽でスピード感を煽っていたが)。
どうやらスピード感や勢いで見せるというより、台詞のやりとりで見せる舞台がここの持ち味のようだ。
だから、内容はないけど、台詞が結構面白い。
言葉をうまく操っていると思う。
それが、トゥマッチなところもあるのだが、観るほうが若かったり、体力があったり、体調が良かったりすれば大丈夫だ。
90分だし。
どーでもいいような細かい設定や、台詞の中には、面白いところもあるのだけれど、「笑い(声を立てて笑う)」には結びつかないので、もし、笑わせる気持ちがあるのならば、笑わせるための間とか、なんかそんな要素が必要なのだろうから、それを手にしてほしいと思うのだ。
4人の男子が中心に据えられているのだが、実質的な主人公が不在というのが、全体をぼんやりさせているのではないのだろうか。
最初は、モグラと交流したり、清水さんとの衝撃シーンがあったりというこで、フラワーが主人公かと思えば、徐々にその存在が薄れていってしまうのだ。
やはり、誰かが軸になっていかないと、観客が物語に入るための入り口を見失ってしまうのではないだろろうか。
また、新型エイズという設定はいかがなものか、と思った。そこに毒が込められているわけではなく、リアル感を求めているわけでもなさそう。あまり深く考えての設定とは思えず、だったら、未知の病気でもよかった気がする。
そういえば、モグラは、奇妙で面白いのだが、意味がイマイチわからない。主人公たち4人の男子の生態を示しているのだろうけど(モグラはメスだけど)。
しかし、登場人物がすべて一見濃そうなのだが、実はそうでもなく、それぞれの集団ごとに軸となる濃いキャラがいて、それが中心になっている設定にしているのは、なかなかなものだと思った。
どーでもいいようなところの盛り込み具合とか、いいところがたくさんありそうな雰囲気なので、何か具体的な武器を手にしたら、たぶんもっともっと面白くなっていきそうな予感がする劇団だ。
なんか頭の中だけで考えたような内容なので、できれば、その閉じられた発想の殻を破るようなはじけ方なんかを手にしてほしいものだ。
演出のドタバタ感はあるものの、全体的には、何かセンスのようなものも感じたし。
POPさの片鱗のようなものも垣間見られたような気がしたし。
とういうことで、私は結構気に入った。
なんで、☆はおまけだな、おまけ。
そうそう、モグラ生態ならぬ性態なんだな。
で、次回も『お肉体関係』なんていうタイトルからして「お下品」そうで期待が持てる・・・かもしれないし、持てないかもしれない(笑)。