アメリカン家族
ゴジゲン
吉祥寺シアター(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★
勢いはある芝居
周りの観客が満足そうなのがよく分からなかった。多分対象層の外だったのだろう。
舞台の美術や使い方に関して言えば、星4以上の評価をあげたい。
無駄なスペースがないし、仕掛けが凝っていて面白かった。
また動きや台詞のタイミングなどもばっちりで、役者たちが相当稽古をしたことは伝わってきた。
しかし、評価を星2にしたくなる理由がいくつかあった。
以下ネタばれ欄にて
ネタバレBOX
話の中身が全体的に「雑」だと思う。
話の焦点を意図的に合わせていないのは分かる。
細かいエピソードを雑然と積み重ね、一つのはっきりした問題や答えを見せないようにするのはいいと思う。
だが「よく分からない雑然としたこと」を表現することで、何を感じて欲しいのかが伝わってこない。
あれでは、「何かおかしい家族が来客を追っ払うために暴れた」ことしか分からない。
せめて、三男からの視点に統一するなど、話を整理する優しさがあっても悪くないと思う。
また、台詞や行動の描写があまりにも雑だと感じた。
台詞が粗いところは大声で叫び、「勢いがある」ことにして誤魔化しているようにしか見えなかった。
特に前半の長女の夫や次男の友人がやってくる場面などは、役者が突拍子もない台詞についていけなくて、大声で誤魔化しているようにしか見えない。
更に、行動の動機や原因にも納得できないところがいくつもある。
各々の行動の理由や原因が、舞台の中からだけでは想像できないのだ。
「誕生会のルールへの固執」「異常なまでの母親への依存」などは、どうもしっくりこない。
何故そこまで母親中心なのか、原因を想像するためのヒントが欲しいのに、完璧に投げられていた。
異文化を描くときはもう少し丁寧に異文化圏に観客を導いて欲しい。
後半の狂気が混じってくる場面は良かったのに、前半の土台作りのところで完璧に心が離れてしまった。
それと、回数は少なかったが、役者をスベらせて笑いをとるのが気に食わない。
初めて来る客にとって、名前も知らない役者がスベって笑われていても全く面白くない。
それどころか内輪だけで楽しんでいるように見えてとても印象が悪い。
と、これら3つの点から初ゴジゲンの芝居は楽しむことができなかった。
面白いと思える場面はいくつかあったが、マイナス要素があまりにも多かった。
アメリカン家族
ゴジゲン
吉祥寺シアター(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★
初ゴジゲン
めちゃくちゃだったけど面白く、最後もしっかり終わった気がします。なかなか引きつけられる作品でした。
2LDK
ネルケプランニング
青山円形劇場(東京都)
2010/05/01 (土) ~ 2010/05/05 (水)公演終了
満足度★★★
Bキャスト
前日の爬虫類顔(失礼!)vsおっとり系と異なり、正統派美女2人(大谷澪、瀬戸早妃)のバトルなのでナマナマしい感じ。
が、殺伐としないのは演出の手腕か演者の持ち味か?
また、あるシーンで一方の影が映像投射用のスクリーン一杯に映る演出に気付く。
薔薇とサムライ
劇団☆新感線
赤坂ACTシアター(東京都)
2010/03/16 (火) ~ 2010/04/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
薔薇とサムライ
新感線はDVDを観たことがありますが、劇場でみるのは初めて。
すっかり惹きこまれました。
とにかく照明と音響がすごい!役者もすごい!
天海さんには惚れました。
歌もロック調でかっこいい曲がたくさん。
ネタもどれも面白い。
DVD買おうかどうか本気で悩みます。
レベッカ
東宝
帝国劇場(東京都)
2010/04/07 (水) ~ 2010/05/24 (月)公演終了
レベッカ
東宝系のミュージカルは二度目の観劇でした。
オペラに近いミュージカルだという印象を受けました。
涼風さんが歌っていたレベッカが耳から離れません(笑)
一幕と二幕の雰囲気が全く違っていたので
ずっと集中して観ることができました。
「わたし」の成長もみていて感じることができ、共感したりしていました。
もう一度みたい!
インディゴの夜
フジテレビジョン
新国立劇場 中劇場(東京都)
2010/04/30 (金) ~ 2010/05/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
TVのメンバーが全員でないと...
大きな会場なのにTVに出ていた人の半分以下の人数なので、スペース的にも内容的にもスカスカにならないかと心配でしたが、客席の通路をぐるぐる回るパフォーマンスでつかみはOK状態。テレビドラマのオマケをはるかに超えた作品に仕上がっていました。
R.F.D
PLAT-formance
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★
すごい!
先輩が15Minutes madeに出演しているので観劇しました。
はじめの音楽がとても好みでそこから始まる感じがとってもかっこよかったです。役者さんの演じ分けがすごくて尊敬します。
演劇はアンダーグランドなイメージがあったのですが、とってもエンターテイメントで楽しめました。
テンポもよくてネタもたくさんでまた観たい!と思いました。
いっぱい笑わせてくれてありがとうございました。
15 Minutes Made Volume8
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★
企画として成熟してきた模様。
この企画は出来る限りずっと続けてほしい。今後も小劇場界で有名な劇団から、そうでない劇団まで幅広く取り上げていってもらいたい。
今回観るのは初めてだったが、中々にシャレていて全体的には楽しめた。
人はやはりオシャレじゃないものにはなびかないもの。とかく野暮ったいイメージをもたれがちの演劇界に置いて貴重な企画でもあると感じた。
ただ、何とも言えない消化不良感が漂ったのも事実。
ネタバレBOX
全体演出としては、休憩は必要か?と感じた。実際あるとありがたいのだが、休憩があるせいで少し消化不良が起きているようにも思うのだが、みなさんはどうなのだろう?私は無くてよいと感じた。テンポが悪くなる。同様に、毎度1団体終わるたびに挨拶をするため、テンポは悪い。しかし、なくなると企画の意図と変わってくるかもしれないため、仕方なしか。好感がもてるというのもあるから、よしなのかもしれない。
映像はカッコいいのだが、劇団名とタイトルを出すタイミングをもう少し精査する必要があるだろう。転換がダラダラするため、映像でリズムをつければよいものを、なし崩し的にしてしまっているため、テンポが作れずに消化不良感を増す。特に、前説の時に1組目の団体名を出していたが(ミスなのか?)あれはひど過ぎる。各団体の後説(転換)を含め音楽と映像をうまく使用することで公演としてもっと良くなるはずだ。今のままだと各団体が可愛そうに思う。
1話づつを大切にするのも当然大切だが、個人的には全体で1つに感じさせて欲しかった。
各団体の内容としては、イイものあり、そうでもないものあり。当然の話だが。
主催団体の内容は、各公演によって反応が違ったのではないか。私の見た回は非常にはまっており、楽しく見れたが、ヒカル君の一言目で空気感をうまくつくれなければグズグズで終わってしまうのではと感じた。色ものと見る向きもあるだろうが、けしてそうではないと私は思う。ただ、ヒカル君のしゃべっている内容が周りの人間は理解できていないというロジックはもっと明確に提示する必要があったのではないか。そうすることで、会話だけの面白さではなく構成的な面白味がもっと伝わったのではないだろうか。
時間堂は、構成的な視点が他の団体より優れているように感じた。しかし、本の中身はもう少し作り込めたのではないだろうか?同一場所で時間軸が異なる人間の対話劇なのだが、会話にイマイチ面白味がない。ただ、同じ人間の未来と過去というトリックのみに頼ってしまた感がいなめない。私がそのトリックに気づいたのは、巣鴨あたりだったが、分かろうが分かるまいが楽しめる演出にしてほしい。対話のリンクの仕方がもっと複雑になり、人間のしぐさだったり、癖だったりともっとリンクできた部分はあったはず、それをわからないよう散りばめ、分かッ田人間にはニヤリとさせ、分からない人間には不思議な気持ちにさせる。もっと捻れたはずだ。今でも十分には楽しめたが、演出の人間が演出に専念していればもっと良くなった類のジャンルだと思う。
PLAT-formanceも楽しかった。言ってしまえばコント的笑いだが、この企画のにピタリとはまっていた。オシャレな感覚。少し、笑いに走りすぎてしまう時間もあったが、落ち着きを与える吉田さんと芸達者で器用な安藤さんのコンビはまた観たいと思わせるコンビだった。ただ、こちらも回によって違った印象を与えたのではないかと思う。
国道五十八号戦線・芋屋の2組は15分という短い時間のため多少雑になった部分があったように思う。
TOKYO PLAYERS COLLECTIONはもっと映像を多用しても良かったのでは。演出的にスタイリッシュさとスピード感がもっと必要な気がした。
アメリカン家族
ゴジゲン
吉祥寺シアター(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
リアルクローン(私の勝手な造語)な家庭劇
「たぶん犯人は父」から、ずっと見続けているゴジゲン。観る度、劇団カラーや作風が変遷、進化していて、その度、衝撃を受けます。
今回の作品は、健全な家庭に育った方には絵空事に映るかもしれません。
ですが、我が家は、松居家程ではないにしろ、似たり寄ったりのシチュエーションは経験済みなので、何だか無性に親近感を持って、この常識ハズレの家庭劇を目撃させて頂きました。
今回、キャストが全員、役にはまって素晴らしかったのも、特筆ものでした。
どんなよくできた芝居でも、1人や2人、この役者さんがなあ…と思うものですが、今回のキャステイングには全く文句なし!!
芝居の内容に合ったセットもお見事でした。
ゴジゲン、一体どこまで行くんでしょう?ずっと追いかけたい劇団の筆頭株です。
ネタバレBOX
リアリティある家族キャラと、デフォルメされた他人キャラ、その二つの集団が繰り広げる、突き抜けた家庭劇が、秀逸の極みでした。
突飛な家族のようだけれど、どこかに、我が家でもあったような光景が眼前にさらされる度に、心がむず痒くなる感じになって、苦笑したり、共感したり。
芝居を観ている感覚ではなく、その場で体感するような感覚でいました。
キャストの皆さんの台詞が、本当にその場から発したような雰囲気で、稽古風景が想像できない感じだと思っていたら、アフタートークで、ヨーロッパ企画の上田さんが、しきりに「稽古場はどんなだったの?」と聞いていらしたので、もしかしたら、同業者でも、そう感じられたのかも。
上田さんも言っていましたが、家族が暴れるシーンで、各自が武器として手にする小道具が、妙にリアルで、笑えました。
父が、息子のお祝いに歌う歌も、愉快でした。
松居さんの実体験に基づいた作劇だけあって、非現実的なストーリー展開でも、どこか、芯がしっかりしていて、全てがリアルに感じられたのが、自分でも驚きでした。ケラさんの芝居だと、芝居として認識できるのに、この家族に、連帯感めいたものを感じてしまいました。
家族がリアルなので、他人チームのキャラクターが突飛な感じもするのですが、これも、松居さんの計算なのでしょう。
ただ、私としては、母のストーカーのような藤田の人物設定だけは、やや否定的なのですが…。あそこまでしない方が、芝居がぶれなかったように思うので。
結局は、他人を排斥して、家族だけで、食卓を囲み、でも、この期に及んで自分勝手な発言ばかりのシーンは、我が家にも、身に覚えがあり、唸りました。
個人的には、あそこで、終わってほしかった気もします。
半分家族、半分他人の、伊原の「まだ家族になれない?」という最後の台詞が、一番胸に堪えました。この芝居に、伊原というこのどっちつかずの人間を登場させた、松居さんの作家としてのセンスに感服しました。
歪な家庭は、大作家を生み出す土壌なのかもしれないですね。
アンポテンツ
劇団チャリT企画
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/04/28 (水) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★
今回は、あまり面白くない(泣く)
もっと発想豊かな、突き抜けた茶番劇を期待していたので、正直かなりがっかりしました。
もっと、楢原さんならではの、お見事な手腕を存分に拝見したかった!!
次回に期待します。
キャストでは、相変わらずの芸達者、内山奈々さんに、笑わせて頂き、岩崎さんの、前回公演とは打って変わった普通のおばさん振りの演技に心酔。長岡さん、小杉さんも、共にいい感じ。客演陣では、リュックの男役の岡田さんに大注目しましたが、いつもより精彩のないチャリTキャストもいて、そのバランスの悪さが残念に思えました。
ネタバレBOX
たぶん、「ゴドーを待ちながら」を下敷きにしているのでしょうが、もう少し、楢原色の出た作品を期待していたので、あまり面白く感じませんでした。
楢原さんの、門番役は、なかなか板についていて、さすがでしたが…。
ホームレスと、鈴木さん、買い物袋を下げた女、カレー屋と、宿屋の絡みは結構面白かったのに、3人の「アンポテンツ」軍団が登場する度、一気にシラケムードになる気がして、残念でした。
客演の岡田さんの不思議な雰囲気には、魅了されるものがありましたが、何となく、作劇のセンスがイマひとつだったのが、せっかくのキャストを生かしきれない要因だったのではと思います。
R.F.D
PLAT-formance
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★
初見でファンになりました
名前すら聞いたことのないユニットでしたが、安藤さんは、以前、こゆび侍の「はちみつ」で拝見していました。
その時も、この役者さんはいいなと思っていましたが、実はこんな面白いコントユニットの方だったとは!!
芝居と言うよりは、コントのテイストですが、とにかく、たった2人なのに、何人も役者さんが登場していたのではと錯覚するぐらい、瞬時の役作りが抜群でした。それに、お2人とも、役者さんとしての華がある。作・演出のオカヨウヘイさんと共に、磨けば光る、原石の魅力をたくさん感じました。
ただのコントに終わらず、ここにちょっとでもいいから、演劇としての表現力が加味されたら、もっと素敵なユニットになるだろうと、非常に楽しみに思える団体でした。
15 Minutes Made Volume8
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★
15分劇6本立て興行
1本15分間の舞台を、連続して6団体が6本の公演を行う企画。第8回目ということだ。これだけ継続しているのだから、それだけ世間的には受け入れられているのだろう。今年8月には、第9回目、12月には、第10回目の予定がある。申込出演希望団体もコンスタントにいるに違いない。また、観客数がそれなりに見込めるのだろう。営業的には、相変わらず持ち出しでやっているのだろうか。そうなると、どこかで息切れしてしまう。
ここが、小劇場の一番の問題点。これを打破すべく意気込みなのかもしれない。それを裏づける言葉をビラの「ご挨拶」にMrs.fictons主宰、今村圭佑氏は、次のように述べている。「小劇場演劇は素晴らしい才能を持った方がひしめき合っていて、素敵な作品は発表され続けている。しかし、どうもうだつが上がらない世界であって、今もってパッとしないジャンルに数えられるとも感じます。」本企画が、この環境を打ち破るのに少しでも役立つ手立てになっていたか。今後、観客数を増やし、リピーターを増やし、似た企画がいろんな所でさまざま実施されるかどうかで決まる。小粒でも、ピリッと辛い山椒的なおもしろい舞台を繰り広げてもらいたい。
ネタバレBOX
「小粒でも、ピリッと辛い山椒的なおもしろい舞台」を、それぞれの劇団によって展開されていた。
15分間の中で、凝縮したスピーディーな工夫があった。時間の制約の中で、精一杯の表現ができている。
「国道五十八号戦線」は、キャスティングのギャップと、2回のどんでん返しが冴えていた。
「芋屋」は、お猿キャラが男女関係をかき回し、混乱させるのがいい。ただ、最後に現れる「でかい男」の意味がわかりづらい。
「時間堂」は、過去と現在の男女が山手線で出会い、そして互いの今の状況を明らかにしようとする設定。それを同時進行で表現。ユニークな表現方法を試みている。でも、最後まで私にはわからなかった。解説されてようやく理解できた。わかりやすさが課題。
「Mrs.fictions」はなんとも奇抜。特攻服を着た主人公が、宇宙にもどるといった竹取物語みたいな話。シュールさが売り物か。じわっとしたおかしみを味わわせてくれる。
「PLAT-formance」は、素直に「おもしろかった」と言える作品。人質を取った犯人と、警察とのかけあいを、二人のコント仕立てにした。犯人側、警察側と、場面展開が「訳分からなく」進行する。そうしたごちゃごちゃ感がいい。
「TOKYO PLAYERS COLLETION」は、大都会における人間関係の希薄さを、おしゃれに描写。互いに求め合っても、すれ違ってしまう大都会という不思議さが伝わってくる。大都会の複雑さを描こうとするユニークな作品。錯綜する現代社会の人間関係の問題点をスマートに描いている。
以上、次の8月の第9回目にも期待。
アメリカン家族
ゴジゲン
吉祥寺シアター(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★
誰もが欠陥を持ってる集団
とでもいおうか、ここに登場する全部のキャラクターが何かしら問題を持っていて、分かり合えない。そんな感じ。家族って集団は一人でも常識ハズレが居たなら、家族というダムはあっけなく決壊する。
以下はネタバレBOXにて。。
ネタバレBOX
ママが出て行ったけれどとりあえず、家族をまとめようとするパパは次男の誕生日祝をいつものように家族全員で祝おうとする。しかしそこには肝心のママが居ないから味気ないし楽しめない。母親が居なくなった寂しさに心が壊れそうな子供たちはそれでもそれぞれのテリトリーで踏ん張る。ママが出て行ってしまった元凶はパパだったが、そのことに抗議できない3人の兄弟たちは、少しずつ穏やかに崩れていく。自分にとって良い事が家族にとっても良い事だと勝手に信じ込んでしまう父親。対比して兄弟の胸にわだかまっている重苦しい霧は晴れることはない。
最後の最後まで彼らは父とは分かり合えないんだろうか・・・?なんて考えながら観ていると、家族の崩壊の原因は父のせいだと思い、父は子供たちが悪いんだと決め付けて「わかりあえなかった」ということすら、彼らはわかりあえないようだった。
ママが出て行った理由は、パパとママがママの書いた小説のことで喧嘩して、パパがママを殴ったからだという。しかし、こと夫婦に関してはそれだけではないような気がしてならない。沢山の我慢の積み重ねが、「もうこれ以上重ねられません!」といってピコピコ赤信号が点滅する時には修復不可能なことが多い。
父親と子供たちの関係だって、言葉では言い表せない。知っている言葉をどんなに組み合わせても気持ちとぴったりにはならない。辞書をひいても、本を読んでも、ああこれなんだ、という言葉には出会えない。だから説明するのは勿論の事、彼らの気持ちを言葉では覆いきれないところが必ず残って、どうしても言葉が届かない。この物語は他人を省いた家族の部分はノンフィクションだという。
当時の松居の心境を思うと、いたたまれなくなる。逃げたくなくて負けたくなくて、誰にも何も話さなかった末に、もっと深いところで逃げてしまう。だけれど、逃げていいのだと思う。逃げられる場所のあるうちは、いくらでも逃げていい。負けてもいい。ずうっと勝ちっぱなしの奴なんて世界中どこにもいやしない。みんな、勝ったり負けたりを繰り返しているのだから・・。
それでも舞台は終盤、迷惑な他人を追い出すことで家族の結束や絆をも表現して終わらせる。そうしてどうやら3人は母の元へ行ってしまうようだ。考えさせられる物語だったけれど、それぞれのキャラクターの立ち上がり方が絶妙で、案外、笑えた。パパ役の島田の狂言のようなセリフとダンスが良かった。シリアスコメディとかブラックコメディみたいな協奏曲!(^0^)
アメリカン家族
ゴジゲン
吉祥寺シアター(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★
リアルではないだろー。
いや、これは、とっても明るい内容だったよ。ここの家族は健全だし、コミュニケーションがきちんと取れてる。本当に破綻してる家族っていうのは、会話なんてないし、自分の気持ちを伝えることなんて出来ない。だから、そういう意味ではとてもアットホームなドタバタコメディとして拝観した。でも、何かが突き抜けていないと、本当に表現したいことが伝わらないような気がする。決してリアルではないのだから、あざとい演出や演技は、もう、とことん、あざとくやっちゃえばいいのにと思った。俺はあんまり好きなタイプの芝居じゃなかったけど、売れてく劇団だろうなと思ったよ。阿佐スパを彷彿させたな。
15 Minutes Made Volume8
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★
最高の企画!
15分の中でどんな物語が出来上がるのか、
むしろ15分では足りないんじゃないかと思っていたのですが、
そんなことは全くなく、むしろ色とりどりの世界観に興味を惹かれっぱなしでした。
最高の企画でした!
愛のかたまり
劇団たいしゅう小説家
MAKOTOシアター銀座(東京都)
2009/10/30 (金) ~ 2009/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★
かたまり様
かたまり様を崇拝します!塁さんワールド全開でした。
愛のかたまり-Valentinne-
劇団たいしゅう小説家
MAKOTOシアター銀座(東京都)
2010/02/08 (月) ~ 2010/02/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
考えさせられる
娘と行きました。最後のどんでん返し!!驚きました。対人援助の仕事をしている身として考えさせられる舞台でした。
キマズゲ
劇団たいしゅう小説家
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/05 (水)公演終了
満足度★★★★
うれしげ
舞台っていいですね〜
かたまら〜ずのうれしげな表情が溢れてました。
アメリカン家族
ゴジゲン
吉祥寺シアター(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★
うちって不幸かも、の思い込み
誰でも一度は考える、うちって変かも。
そして、自分ちは不幸だっていう思い込み。
そんな都合良い精神が
舞台上にはびこっている様が秀逸!
個人的には廊下でのやりとりに1番のリアルを感じました。
そしてセラピストが外国人という設定に
松居さんのセンスをとても感じました。
KIND
劇団伍季風 ~monsoon~
アイピット目白(東京都)
2010/05/01 (土) ~ 2010/05/04 (火)公演終了
満足度★★
まったり
ストーリーに深みがなく、キツイ言い方ですが私には退屈でした。
ネタバレBOX
奥さんが終始とにかく暗く、どうしてそこ(離婚)まで追い詰められたのか、
そんなに思いつめなければならない程、どうしようもなかった様には
とても思えず、いや、私がストーリーに入り込めなかっただけかもですが。。。
旦那さん(主人公)は、”普通にいい人”の様に感じました。
人と人との繋がりや家族の絆をもっと深く描いて欲しかったですね。
あと、音楽に負けて台詞が聞取り辛かったです。