15 Minutes Made Volume8 公演情報 Mrs.fictions「15 Minutes Made Volume8」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    15分劇6本立て興行
     1本15分間の舞台を、連続して6団体が6本の公演を行う企画。第8回目ということだ。これだけ継続しているのだから、それだけ世間的には受け入れられているのだろう。今年8月には、第9回目、12月には、第10回目の予定がある。申込出演希望団体もコンスタントにいるに違いない。また、観客数がそれなりに見込めるのだろう。営業的には、相変わらず持ち出しでやっているのだろうか。そうなると、どこかで息切れしてしまう。
     ここが、小劇場の一番の問題点。これを打破すべく意気込みなのかもしれない。それを裏づける言葉をビラの「ご挨拶」にMrs.fictons主宰、今村圭佑氏は、次のように述べている。「小劇場演劇は素晴らしい才能を持った方がひしめき合っていて、素敵な作品は発表され続けている。しかし、どうもうだつが上がらない世界であって、今もってパッとしないジャンルに数えられるとも感じます。」本企画が、この環境を打ち破るのに少しでも役立つ手立てになっていたか。今後、観客数を増やし、リピーターを増やし、似た企画がいろんな所でさまざま実施されるかどうかで決まる。小粒でも、ピリッと辛い山椒的なおもしろい舞台を繰り広げてもらいたい。

    ネタバレBOX

     「小粒でも、ピリッと辛い山椒的なおもしろい舞台」を、それぞれの劇団によって展開されていた。
     15分間の中で、凝縮したスピーディーな工夫があった。時間の制約の中で、精一杯の表現ができている。
     「国道五十八号戦線」は、キャスティングのギャップと、2回のどんでん返しが冴えていた。
     「芋屋」は、お猿キャラが男女関係をかき回し、混乱させるのがいい。ただ、最後に現れる「でかい男」の意味がわかりづらい。
     「時間堂」は、過去と現在の男女が山手線で出会い、そして互いの今の状況を明らかにしようとする設定。それを同時進行で表現。ユニークな表現方法を試みている。でも、最後まで私にはわからなかった。解説されてようやく理解できた。わかりやすさが課題。
     「Mrs.fictions」はなんとも奇抜。特攻服を着た主人公が、宇宙にもどるといった竹取物語みたいな話。シュールさが売り物か。じわっとしたおかしみを味わわせてくれる。
     「PLAT-formance」は、素直に「おもしろかった」と言える作品。人質を取った犯人と、警察とのかけあいを、二人のコント仕立てにした。犯人側、警察側と、場面展開が「訳分からなく」進行する。そうしたごちゃごちゃ感がいい。
     「TOKYO PLAYERS COLLETION」は、大都会における人間関係の希薄さを、おしゃれに描写。互いに求め合っても、すれ違ってしまう大都会という不思議さが伝わってくる。大都会の複雑さを描こうとするユニークな作品。錯綜する現代社会の人間関係の問題点をスマートに描いている。
     以上、次の8月の第9回目にも期待。
     

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    2010/05/02 18:36

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