最新の観てきた!クチコミ一覧

160001-160020件 / 190003件中
サウイフモノニ・・・

サウイフモノニ・・・

劇団チョコレートケーキ

テアトルBONBON(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★★

重ね方
いろいろな心情の重ね方の上手い舞台だと思います。たくさんの出演者、なのに数人で演じているような、不思議な演出。すぐにこたえの出ないじっくり味わいたい作品だと思いました。ぜひ今後も、ヲモフ道へ突き進んで挑んで欲しい劇団です。

裏切りの街

裏切りの街

パルコ・プロデュース

福岡市民会館(福岡県)

2010/06/08 (火) ~ 2010/06/08 (火)公演終了

満足度★★★★★

最高に凄い
プロの芝居はすごかったです!

裂躯(ザックリ)

裂躯(ザックリ)

乞局

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/21 (月)公演終了

満足度★★★★

わわ
★5個付けたいところなのだが、怖いので4つにしときます。でも4.8くらい。お薦めできるか?と尋ねられたら答えは「No」なのだが、個人的には超好きな作品。

君といつまでも

君といつまでも

バジリコFバジオ

駅前劇場(東京都)

2010/06/17 (木) ~ 2010/06/21 (月)公演終了

満足度★★★★

シュールで面白いが奥が深い。
コメディ風味でありながらその奥に描いているものは奥深い。木下実香の人形とともに独特の世界を描きながら、その中で普遍的なものを浮かび上がらせている。辻沢綾香の活劇がかっこよかった。

ラストシーンが象徴的であり、とても美しかった。

組曲「空想」

組曲「空想」

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

短編集の集まりと思わせない作品
チラシなどからは、短編集とも取れたり、そうでないとも取れたりでしたが、基本は短編集の集まりでしたが、短編集の集まりと感じさせない作品になっておりました。
面白かったですし、素晴らし時間を過ごすことが出来ました。お時間ある方には是非観ていただきたいです。

ネタバレBOX

短編集といいながら、レストランに来るカップルの話を短編集の主軸としながら、特に関係の話を、味の変化を感じさせるよに挟んでいます。
で、カップルの話も、違うカップルの話かと思わせながらラストでは、実は同じカップルの話で、それぞれの人生の分岐点?となる話となっていた事がわかるような作りになっておりました。もうお見事でした。
『アタシが一番愛してる』

『アタシが一番愛してる』

バナナ学園純情乙女組

ART THEATER かもめ座(東京都)

2010/06/15 (火) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

おはぎライブも手を抜かず(笑)
所々台詞が聞き取りにくい箇所があってもお構いなしに、若さの圧倒的パワーを前面に押出した舞台。
面白いというレベルを超えて、圧倒される。
バナナ学園に興味がある方には、バナナ学園ワールドを是非に体験して欲しい。

本編終了後にあったおはぎライブ、今回は本編が普通にあるので、流石にいつもより抑えてるかなと思っていたがさにあらず、いつもと変わらぬクオリティでした(笑)
やはりバナナ学園、愛すべきアホどもです(笑)

あらはん~ARAHAN~

あらはん~ARAHAN~

ACファクトリー

ザ・ポケット(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★★

コメディのちアクション
前半では片鱗を見せながらもほぼ封印していたアクションが炸裂するクライマックスは圧巻。
それがあたかも劇中のある現象にカブるようなのも上手い。
さらにラスボス的なものの設定も見事だし、劇中で披露される「ある歌」には大笑い。

裂躯(ザックリ)

裂躯(ザックリ)

乞局

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/21 (月)公演終了

満足度★★★

比類なき世界に幻惑される
夢の中のような突飛な設定・展開ながらヘンにリアリティもあり、あたかも異文化の世界に迷い込んだように幻惑させられる。
また、幅のある廊下(だったり食卓だったり)を中央に配し桟だけの障子戸を繋いだようなものを組み合わせた装置の使い方も面白い。

なお、ご覧になる場合は、対面式客席の奥の側をお勧めします。あるシーンで振り返らずに済みます。

そ ら

そ ら

奥沢スロープ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/06/15 (火) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★

いい感じです。
おもしろい内容ですが、若干設定に違和感と最後がまとまりがなく、役者がちょっとかわいそうな感じでした。脚本がしっかりしてないと。。。残念です。

サウイフモノニ・・・

サウイフモノニ・・・

劇団チョコレートケーキ

テアトルBONBON(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★

終盤がよかった!
難しいお芝居をうまくまとめた感じです。
もう少し個性が欲しかったです。

サウイフモノニ・・・

サウイフモノニ・・・

劇団チョコレートケーキ

テアトルBONBON(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★★

深い感動を覚えました
かねてから興味を持っていた劇団。初見です。見事なチョコレートケーキ版「グスコーブドリの伝記」。戯曲(人物造形)、演出、舞台美術、照明、俳優の演技、どれをとってもすばらしい。作者のメッセージを盛り込んでも感傷に流されず、説得力のある骨太の戯曲に仕上げたのは立派。詳しくはネタバレにて。

ネタバレBOX

「自己犠牲」は「自己満足」ではないのか、という問題を追究した作品。
幼くして父を亡くした男(古川健)、飢饉で両親を失ったグスコーブドリ(山崎雅志)、ブドリの師クーボー博士(西尾友樹)3人の男の生き様にブドリの妹ネリ(吉川亜紀子)の思いが重なり、人生ドラマとして秀逸な作品。吉川はテアトル・エコーの女優らしく、聴かせる。
クーボーの親友で補佐役のペンネン(菊池敏弘)、リン中佐(大沼峻)、脇の演技陣も魅力的。菊池は若いころの段田安則を髣髴とさせる。クーボーが登場した直後、ロック歌手のような軽さで博士には見えず、息抜きの場面かもしれないが、違和感があり、処刑直前の西尾の演技が良いだけに、前半の演出には疑問が残った。

以下、気になった点。
ブドリたちが子供時代の場面で「やったー!」と喜ぶ場面があるが、現代の子供は「やったー!」とよく言うが、昔の子は言わない。「わーい」がふつうである。TVドラマでも時代劇や昔の子供が「やったー!」と叫ぶとわたしは興ざめする。せめて舞台では一考していただきたいせりふだ。
2日目のせいか、噛んだり、言い直したり、せりふを忘れた俳優がいて、それはともかく、忘れて相手役と2人笑っているのがよくない。何とか違うせりふでも、役になりきって芝居の流れをとめない工夫をしてほしい。お金を取っている公演なのだから。
で、☆1つ分減点です。
今後も楽しみにしたい劇団です。
「グスコーブドリの伝記」は9月に同じ劇場で青果鹿が上演するので、見比べてみたい。
父、不在-15日(木)15時の回完売(当日券若干出します)19日(土)14時の回残席残り僅か-

父、不在-15日(木)15時の回完売(当日券若干出します)19日(土)14時の回残席残り僅か-

play unit-fullfull

シアター711(東京都)

2010/06/17 (木) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★

ものすっごくびっくりした!
開演20分前に到着。そしたら開演五分前になるまで外で待て、という。こういう劇団は初めてだった。この炎天下になんだ、ソレ!と思う。小麦色に日焼けすれば焼きサロンに行かなくて済むってかっ!いくら招待だからって酷い仕打ちじゃね?と思う。早速、主宰のヒロセエリに話しに言ったら、「こちらの好意で招待してるんですから、一般のお客様を通してから座って頂きます。こちらはメールでそのように書いて送信してます。」と。その傲慢な態度の裏側に「タダで招待してやってるんだから後から入場するのは当たり前。席も余った席で観ろ。嫌なら観るな!(たぶんこれが主宰の言うところの好意)」とその心が透けてみえるようだった。つまり、ここの主宰は招待客を軽視してました。ごちゃごちゃ言うな!文句言うなら金払え!
ま、そういう事ですわ。

で、公演後、PCを開けて確認したら、招待メールには「受付時間は開演45分前~開演15分前とさせていただきます。15分前を過ぎますと、チケットプレゼントは無効になりますのでお気を付けくださいませ。
チケットプレゼントの方のご入場は、開演5分前からになります。受付順でご入場頂きます。予めご了承くださいませ。」、確かに書いてある。ならそんなに早く来させなくても・・。と思う。

以下はネタばれBOXにて。。


ネタバレBOX

舞台は亡くなった父の遺品を片付ける四姉妹の場面から。借金と女癖が悪かった父を四姉妹は憎しみながらも心底憎めない心の内を姉妹らの会話の情景で想像させる。その絵は確かな家族の風景なのだが、どこの家族でも多少の問題を抱えてる様も演出する。不倫を臭わせる長女の夫。次女朋美の恋人は20以上も年上の無職男。三女の望美は幼馴染に気があるものの、肝心の幼馴染は朋美に好意を寄せる。そして婚約が決まった四女の美子。

彼女らを主軸に喧嘩したり仲良くなったり威嚇したりしながら舞台を回す。相変わらず望美役の菊池美里の演技が愉快だ。彼女のキャラクターは他のキャストらが持ち得ない確かな味のある存在感がある。表情もいい。実に素晴らしい役者だ。

四姉妹は最後まで自分たちに迷惑をかけて逝ってしまったどうしようもない父を恨み、そして解りあえなかった胸の中の思いが・・、父への想いがいつも言葉からはみ出してしまうように届かない。そして、なんとなく喉の奥につっかえている感覚がある。しかし、彼女らは父が自分たちに財産を残そうとして詐欺の被害者になっていたことが分かると、父に抱いていた今までの感情が氷解していくのだった。

それはゆっくりと塗り薬を傷に擦り込むように、彼女らの感情が緩やかに溶けていくと彼女らの周りにも幸せが訪れる。二女の無職の恋人が彼女のウエディングドレスをレースで編むとセリフるシーンはそこはかとなく穏やかで美しいシーンだった。

物語は全体的にほのぼのとしていた。主宰との押し問答がなければきっと楽しめた舞台だったはずだ。舞台とは観客と劇団との両輪の上に成り立つと日頃、思っていたのだが、どうやら、招待客は客とみなさないようだった。
裂躯(ザックリ)

裂躯(ザックリ)

乞局

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/21 (月)公演終了

満足度★★

もう少し‘刺激’が欲しかった。
乞局さん、初観劇。これは、好みではなかった…という事になってしまうんでしょうか、残念ながら。前半、‘ビクッ!’とさせられる演出があったのはさすがと思いましたが、後半に行くにつれ‘何を見ているのかわからなくなる’とでも言いますか…なにかドンドン気持ちが離れていってしまいました。高い評判を耳にしていた劇団さんなので、おそらくは自分の肌に合わなかったという事なのでしょう。もうちょっと刺激してもらいたかった。うまく言えませんが。

あらはん~ARAHAN~

あらはん~ARAHAN~

ACファクトリー

ザ・ポケット(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★

迷惑な客
柏木が新たな職場、介護事務の面接に訪れた老人ホーム「極楽荘」でのお話。ちなみに、ARAHAN とは、108の煩悩を自由に操る者達のこと。とあるが、煩悩の雑音は恩田陸の「きのうの世界」に似てる。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX


面接に訪れた柏木だったがそのまま、採用される。中盤までの筋立ては変な外人ジェニーの水戸黄門寄りの日本語の可笑しさ、それぞれの老人のキャラクターの立ち上がりなど絶妙で愉快千万だった。

海原幸代のマネージャー・桐沢がセリフはトチルし、もうやりたい放題。笑)  桐沢の必死の交渉の末、「極楽荘」でのオンステージを開催するまでにこぎ付けたのに、当の海原は肝心の歌は歌わない。苦笑!)  ドジョウ掬いのような踊りとも似使わない踊りをどらえもんのようなメイクで踊る。とにかく緩い、どこまでも緩くバカバカしい芝居だった。

ところが後半の展開はあまりにも急に、急激に格闘シーンへと移行してしまう。まあ、確かにテクニカル・アクション・コメディなのだが、その展開に無理があったように思う。今にも死にそうだった老人たちが急に肉体が若返ってしまうのだ。その理由は柏木がアラハンの力を持っていた為に、金剛地を介して皆に影響を与えてしまったという筋だ。

その力のせいで入所らたちは凶暴になり、それを抑える側との格闘シーンに移るのだが、このテクニカルアクションは別のストーリーに合う気がした。つまり、近未来の物語とテクニカルアクションは絶妙に融合するような気がするからだ。老人ホームの老人がいきなりアクションを披露する場面はドン引きしちゃった。今にも死にそうな老人だけに・・苦笑!) 

そういったバランスには欠けていたが、柏木が現実の世界から逃れ、虚構の世界への幻想によって自分の望む架空の友人を作り上げる場面が実に美しい情景を想像をさせる。ピアノの練習のシーンと川辺での友人との会話の行は繊細で淡い夕焼け色の思い出のシーンだ。

やがて、園長が荒れて収まりの付かなくなった煩悩を滅却することで幕引きとさせる。

煩悩滅却に至るまでの筋立てに無理があったが、アクションはそれなりに魅せた。なによりも前半の緩いコメディがバカバカしくて好みだったが、初心者にはお勧め出来ないように思う。ワタクシの観た回は子供がグズッテ立ち上がるは、歩き出すは、役者のセリフはお構いなしにしゃべりだすは、コイツを育ててる親も子供と同レベルだから、周りの迷惑を考えられないらしい。公演の3分の2、つまり半分以上、グズッテタにも関わらず退席しないのだ。「親の顔を見たい」と思って顔をみたらやっぱ弱そうだった。スタッフは他の常識のある観客のために最善の策を練って欲しかった。第一、チケットを渡す時点で対処すべきだ。なので星三つ。
『アタシが一番愛してる』

『アタシが一番愛してる』

バナナ学園純情乙女組

ART THEATER かもめ座(東京都)

2010/06/15 (火) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★★

Noisyな熱狂
これまでの公演同様、
もう、理屈抜きで惹かれました。

下世話できれいで、
シュールで・・・。

楽しかった♪

ネタバレBOX

今回の会場、かもめ座は
天井が低くて舞台の奥行きが作れていて・・・。

で、なにげにその場の使い方がうまいのですよ。
天井に仕掛けを施したり、ダンスの厚みを作ったり。
物語の空間として、ちょっとした奥行きがうまれたり。
おはぎライブでも、幾重にもラインを作って
客席に向かい押し出してくる迫力にぞくっときた。

その中でのバナナ学園は、
これまでのカオスの密度(ちょっと矛盾しているけれど)が
従前と比べても何割か増したように感じられて・・・。

降り注ぐような感覚に高揚するというか、
観ているだけでぐいぐいと引揚げられる。
シュールが織り込まれ、ラフさが勢いをつくり
混沌としていて、
でもぞくっとくるような極めもあって。

よしんば力技の部分があっても
ここまでやってくれると、
観る側としても、本当に気持ちよく突き抜けられる。
こう、血液の成分が変わったような心持ちになって・・・、
楽しい。

役者達に加えて
おはぎライブのゲスト二人も麗しく・・・。眼福。
細かい理屈なんてどこかにすっとんで、
本能で
どっぷり浸ることができました♪

★★

東仙台物語2010

東仙台物語2010

I.Q150

白鳥ホール(宮城県)

2010/06/11 (金) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しみました
戯曲が素晴らしい。丹野久美子さんの哲学がガッチリ組込まれた筋の通った戯曲。だから俳優の遊びを受け止められる包容力がある。楽しみました。

裂躯(ザックリ)

裂躯(ザックリ)

乞局

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/21 (月)公演終了

201006161930
201006161930@笹塚ファクトリー

クリスタル・ダスト 全公演終了!ご来場ありがとうございました。

クリスタル・ダスト 全公演終了!ご来場ありがとうございました。

現代能シアタープロジェクト

新宿眼科画廊(東京都)

2010/06/11 (金) ~ 2010/06/16 (水)公演終了

満足度★★★

能を扱うときは表現に要注意
「鉄輪」は能楽本曲においては私にとって特別な演目で、初めて聴いたとき、現代語のように地謡の古語がすんなり耳に入ってきて、血圧がスーッと下がるのがわかり、何とも言えない快感を味わうことができるのだ。これはなぜか他の曲のときには起こりえない現象なのでよほど相性がよい曲らしい。
こんな陰惨な怨念に満ちた曲がなぜこれほどまでに爽快感をもたらすのか不思議でならないが、能楽師のかたに聞くと謡曲とはそういうものらしい。さて、能楽を現代劇でという試みが昨今盛んなようである。これまで自分が観てきた現代能の戯曲は、自分のような能楽愛好家から観れば本歌どりといってもその多くが原曲からヒントを得ている程度でまったく別物の現代劇になっている作品が多い。
三島由紀夫の「近代能楽集」などは、三島に古典や謡曲の素養があるだけに、実に巧みに換骨奪胎の文字通り“近代劇”に作り変えられているが、そういう作品は稀で、中には原曲の名前を冠するのもいかがなものかという珍作もある。
三島の「近代能楽集」が優れているのは、原曲の骨子を崩さずに、時代感覚を生かしつつ現代劇に面白く置き換え、能の怨念=タブーを封じ込めている点にある。
本作も、三島の手法に近いものがあるが、ひとつだけ残念なのは現代劇に置き換えたことによる「生(なま)の表現」が強すぎて、不快感を高めてしまう箇所があることだ。それが個性と言えなくもないが、古典が忌み嫌う「表現が生になる」というタブーを犯して現代劇を作るのは、能の特殊な主題を扱うときにはとても注意しなければならない点である。
以下、ネタバレで。

ネタバレBOX

この「鉄輪」は陰陽師の役目を女性マッサージ師が引き受けた。深夜の歌舞伎町でキャリーカーを引き、紫陽花をみつめていた若い人妻にアロママッサージを施すうち、人妻が夫と愛人に抱いている嫉妬や怨念を揉みだし、人妻の中に宿る「鬼女(生霊)」とマッサージ師が対峙し、人妻を平安へと導こうとする。
能には怨霊のほか、無限地獄や修羅道の苦しみにあえぐ幽霊が多く登場するが、「鬼女(夜叉)」は女の本性でもあり、幽霊ではなく、生霊の一種でもある。
しかし、それが後味の悪いホラーに堕さず、芸術的感動を与えるのは、「様式化」により生々しさを抑えているからである。
能に限らず、狂言や歌舞伎も同様で、そこをはずすと、現代劇となんら変わらないものになってしまう。そして、ここが古典を現代劇化するときの難点でもある。
三島の近代能楽集もリアルなようで、そこをはずしていないし、昨年観た唐十郎の「唐版葵の上」でも、ギリギリのところで女の生霊のリアルさを抑えて優れた戯曲になっていたのはさすがだと思った。
このマッサージ師は陰陽師というより「イタコ」みたいで、「鬼女」のおどろおどろしい演技が古典用語のいわゆる「表現が生になる」域に達しており、長時間観ていると不快感のレベルになっていた。
能に近い演技はリアルに演じればよいと単純なものではない。
これは「現代能」を謳う劇団としては、今後、一考の余地があると思う。
丹波の濁り葡萄酒の澱に人間的な“毒素”を重ねたり、「鬼女」が紫陽花が鬼王神社の土で育つかどうか植え替えてみないとわからないと言うくだりなど、ドラマ的にはなかなか秀逸な部分だと思った。
自分は長時間の能に慣れているにもかかわらず、上演時間1時間20分が実際より長く感じられたのも、生霊の演技表現がリアルすぎて疲労感を覚えたためと思う。





裂躯(ザックリ)

裂躯(ザックリ)

乞局

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/21 (月)公演終了

満足度★★★★

局長にも家族が
ということがしみじみ(笑)伝わるなぁ。中島さんの衣装はすばらしいな

組曲「空想」

組曲「空想」

空想組曲

OFF OFFシアター(東京都)

2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了

満足度★★★★★

できれば全公演観たくなります
前回の公演で、新参ファンになったばかりですが、この公演を観て、早くも私の小劇場お気に入り劇団のベスト5にランクイン!!

どうして、こんなに全てにおいてセンス抜群なのかと、ただもう嬉しく、この年齢になって、また新たな恋心を感じられる劇団に出会えて幸せでした。

脚本、構成、演出、出演者、舞台セットに照明、音楽…この舞台を形成する全てが、秀逸極まりないトータル感で、コーデイネートされたとても素敵な作品でした。まるで、上等な翻訳物の小品集の趣。ほさかさんの才能と知的センスに完全ノックアウトされました。

初日の日替わり短編がとても面白かったので、これだけでも全日通って、制覇したくなってしまいます。今日のゲスト、狩野和馬さんの演技もとても素晴らしく、一目で好きな役者さんになりました。
キャストの皆さん、大好演の上、目の保養になるような美男、美女ばかり。おばさんでも、ずっとワクワクして見入ってしまいました。

ネタバレBOX

とにかくオープニングから、洒落ています。ワクワクします。
この間の青☆組がアラカルト料理なら、こちらは一見すると多国籍料理のようなのに、実は、すごくコーデイネートされたフルコース的な感じ。

中田さんの演じるレストランのウェィターがとても雰囲気があって、まるで、翻訳劇でも観るよう。初々しいカップルの食事風景の後は、一転、星新一張りのSFチックな作品。その後、奇想天外な日替わり短編があって、次は、オーバーアクションのカップル登場…
てな具合に、短編の色合いはバリエーション豊なのに、決して、ランダムに並べた感じは微塵もなく、流れるテーストは1本筋が通っている。この綿密な一貫性ある構成がお見事でした。

ニール・サイモン風味あり、オー・ヘンリー風味あり、そして、ファミレス・ランデブーの意外な3カップルは、思い切り笑わせられるコント風味。
ほさかさんて、どんな作風でも、どんと来いなスゴイ作家らしいと感嘆しきりのワクワク観劇体験。役者さん達も、皆さん、八面六臂の大活躍で、演出意図を見事に体現されて、どなたも演技賞ものでした。

オープニングも素敵なら、またエンディングが更に素敵、絶妙!!まさにこれぞ組曲。こういうエンディングが最高に好きです。

いやあ、ホントにいい物見せて頂きました。興奮して、眠れなくなりそうな程、素敵な時間を頂きました。

このページのQRコードです。

拡大