ハイ・ライフ
花組芝居
ザ・スズナリ(東京都)
2010/05/25 (火) ~ 2010/05/30 (日)公演終了
う〜ん
早くから期待しすぎたのかもしれません。
面白い所も確かにありました。が、以前観た作品が私の中では、すごかったので誠に残念でしょうがありません。
次も行きたいと思いますが、そこで同じような思いをしたら、さようならだと思います。
想い出はドンドン美化されるのか、はたまた・・・。
CM TIME II
劇団キリン食堂
俳優座劇場(東京都)
2010/06/12 (土) ~ 2010/06/20 (日)公演終了
書き込みが遅くなりました。
見てきました。
確かに舞台での殺陣は、難しいと思います。
10回やって、10回成功させないといけないので・・・。
ただ、殺陣は普段からやってる得意分野だと思います。
割と見れました。
・・・笑いのシーンが残念な事になっていました。
折角のお笑いの人も可哀想だな・・・。
日本の劇場が高いかもしれないが、あの内容で¥4500-は高い。
だったら映画館に映画を三本観に行った方がお得ですね。
もう観に行く事はないと思います。
改善される事を心から願います。
ホテル・カリフォルニア ~私戯曲 県立厚木高校物語~
Theatre MERCURY
駒場小空間(東京大学多目的ホール)(東京都)
2010/06/18 (金) ~ 2010/06/21 (月)公演終了
満足度★★★★
青春のほろ苦さ
この劇団がオリジナル作品を上演しないのはやはり異例なことらしく、就活の3年生が自分たちの想いを託しての本作上演らしい。
1977年(昭和52年)に県立厚木高校に入学し、シラケ世代と言われた少年少女の学園ドラマ。
劇作家の横内謙介の自伝的作品。自分より少し下の年代ですが、イーグルスの「ホテルカリフォルニア」がテーマ曲として流れ、インベーダーゲームや、ダンス音楽「ジンギスカン」、清涼飲料のチェリオなど、懐かしいものがたくさん出てくる。
学生運動が終息したのちの世代は、お隣韓国でも「無気力、シラケ」現象が出たらしく、いまの高校生たちとはまた違う気質の若者を振り返りつつ、楽しく観せてもらいました。
そうか、横内謙介さんはこの世代なんですね。厚木高校と言えば、職場の後輩が厚木高校出身で、女優の名取裕子さんと同級だったとかよく母校の話を聞かせてもらった。
そのころは横内氏はまだ無名だったので、話題に出なかったが。
ネタバレBOX
48歳だという横山(辻貴大)がルーズソックスの女子高生(永井理沙)とカラオケボックスに来て、「ホテルカリフォルニア」を歌っていると、同級生のシュウケイ(佐藤圭)が語り部として現れる。
最初はなぜ白衣を着てるのか、化学部か何かなのかと思ったら、どうやら亡くなっているかららしい。学生で白衣着てると実験かと思ってしまうんですよね。
文化祭が終わったあと、みんなで河原に行かなかったことを後悔する横山。大学受験は大人になるための通過儀礼だという話になって、命がけのバンジージャンプが通過儀礼の国もあるということを聞いたシュウケイが「オレはそういう通過儀礼のほうが羨ましい」と言う。卒業後、シュウケイがマンションから飛び降り自殺したことで、「あいつにとってバンジージャンプのつもりだったのかな」と言う横山。
お互い、憎からず思いながらも、何も言わずに別れていく横山とハッパ(小林香菜)。そのときは親や先生に叱られても、二度とない時間、みんなで河原で夜明かしすべきだったと横山は悔やむ。
あるよね、そういうことって。青春のほろ苦さが身にしみる一作。
宮城次郎を演じた巨体の金澤周太朗が、「帰れソレントへ」を朗々と歌うかと思えば、ジンギスカンダンスを熱演する、非常に存在感あふれる生徒ぶりで印象に残った。
現役東大生が演じているだけに、会話で東大のことが出てくると客席に失笑がもれる。
自分たちの知らない世代を演じてるのに、すごく自然でよかったと、この世代より少し後の世代の連れが感心していた。
恋する剥製
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
大好きになりました!
最高に楽しかったです、面白かったです。それ二時間があっという間でした。
水×ブリキの町で彼女は海を見つけられたか【ご来場ありがとうございました!!】
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2010/06/25 (金) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
『水』
冒頭で「ハッピーエンドの1つ前」を見せておき、以降でそこまでを埋めて行くスタイル。
最初は悲劇では?と思われたが「ある視点」では確かにハッピーなことに目からウロコ状態。
また、切なさたっぷりの余韻にリピートまでした『プラスチック・レモン』と共通する匂いを嗅ぐ。
ネタバレBOX
また、「人が湖になる」シーンをそれらしく見せた演出も見事。
寒い国から来た魔女
羽生一家玉組
ザ・ポケット(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
よく判りませんでした
最後尾の席で観劇しましたが、台詞がよく判らず、最後まで興味が湧きませんでした。
まだまだ、観劇者として修行が足りませんね。
魔法のベルが聞こえたら
劇団Radish
東京大学駒場Ⅰキャンパス(東京都)
2010/06/26 (土) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★
若者らしいすがすがしさ
東大駒場で練習公演というのは初めて観る形式。秋公演へ向けたウォーミンブアップといったところだろうか。
この劇団を観るのも久しぶりだが、東大駒場の劇団のよいところは学年が代わっても劇団のイメージ・カラーがはっきりしており、以前に観た芝居の雰囲気と変わらない点。
練習公演とはいえ、本作も「Radish」らしくすがすがしい精神世界の芝居だった。
ネタバレBOX
キョウカ(黒木許子)とハヤカワカコ(古俣めぐみ)、ユキマサ(前田知温)は仲良し3人組の高校生で、優等生のカコが2人に勉強を教えていた。
テニス部の下級生カタセコウキ(川口達也)に片思いをしていた内気なカコだが、やっと初めて言葉を交わすことができ、キョウカとユキマサは好意的に見守っていた。
同じころ、不思議な格好をしたモリー(遠山龍)という少年に会ったキョウカ。モリーは不思議なベルを持っていて、ベルが故障してしまったので修理に出すと言う。
モリーはベルを鳴らして人の記憶を消すメモリーキラーという係で、ベルが故障すると修理が終わるまで、記憶が消えない。修理が完了したら、モリーとの再契約が必要だと言う。
キョウカは記憶が消えないのでテストの成績もよくなり、好都合だと喜ぶが、ある日、カコは交通事故で死んでしまう。モリーの説明では、人は未来に向かって時の道を進んでいくが、逆走防止のため「時の壁」が設けられていて、この壁を乗り越えるには肉体の更新が必要で、乗り越えるにはかなりのエネルギー負荷がかかる。カコは時の壁が乗り越えられずに死んだのだ。記憶を消さないままにしておくと、ライフアップデータに狂いが生じて命が危うくなるのだが、このライフアップデータをつかさどるのがイブ(石川友梨)で、モリーとイブは2人1組で仕事をしているが、モリーにとってイブはとても恐ろしい存在だという。
カコは最初から18歳でベルが壊れる運命にあったからしかたないとイブは言う。キョウカはモリーのベルの修理が終わっても、カコの思い出を消さないために再契約に同意しない。カコの死の悲しみが薄れていくユキマサのことも非難する。
キョウカの身を案じたモリーは時の壁のところでキョウカとカコを会わせようとする。
「自分の時の道はここで終わったから、もう前には進めないが、あなたは未来に向かって進んで」とカコは言う。2人の間には乗り越えられない壁が存在していた。カコに別れを告げるキョウカ。
記憶は薄れても、自分の中にカコの思い出は生きていると、キョウカやユキマサ、コウキは確認する。
学生らしくなかなか面白いストーリーだと思った。演技レベルは学芸会並みと言ってよい幼さだが、中で、マゾっぽいイブを演じた石川友梨だけは堂々とした演技で口跡もよく、長身で舞台栄えがし、目を引いた。
秋公演までに、きょうのメンバーがどんな成長をみせてくれるかとても楽しみだ。5段階評価のアンケート用紙が配られたが、考え込みながらペンを走らせ、余白にぎっしり感想を書いてる学生が多く、東大の劇団ならではの光景で好感がもてる。
風変わりなロマンス / 悲しみ
劇團旅藝人
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/06/24 (木) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
贅沢な2本立て
初見の劇団です。テネシー・ウィリアムズとチェーホフの短篇2本立てなんて珍しい企画と思いましたが、大人向けのとても素敵な趣向でした。休憩10分挟んでの2時間。贅沢な内容でとっても得した気分です。
ネタバレBOX
テネシー・ ウィリアムズの「風変わりなロマンス」。
幕開きにアパートの女主人(山下夕佳)がカーテンを開けるしぐさ、それだけで、テネシー・ ウィリアムズらしいけだるい空気が漂うのを感じた。
鉄工の街にやってきた男(久野壱弘)は安アパートの1室を格安家賃で借りることになる。ラテン系の血を引くという女主人は、バラライカをかき鳴らしながら、男と少しだけ話をしていく。寝たきりの夫(劇には登場しない)と年老いた目の不自由な舅(嶋隆静)との暮らしに飽きている風情だ。男は人前ではカツラをかぶって別人格を装っていたが、女主人は男の正体を見破り、一人寝のさみしさを訴え、男を誘惑する。
旅を続けてきた男は孤独で人間不信なのか、前の借主になついていた野良猫ニチボを可愛がり、一生懸命、ニチボーに話しかけていた。部屋をいったん解約した男がふたたび戻ってくると、新しい住人のボクサー(中山真)がいた。女主人はボクサーと関係を結んでいるらしく、2人は男を冷たく愚弄する。
猫のニチボーの姿を探し求める男。外へ出て行くと舅が一緒に探している様子。窓から2人の様子をながめている女主人とボクサー。「目の見えない舅に探してもらっても、見つかりっこない」と冷笑していたが、男たちは猫をみつけたらしく、女主人の顔に笑みが浮かぶ。
旅を続けた男と女のゆきずりの関係ははっきりとは描かれないが、閉塞感のある街での内に傷を秘めた人間同士の交わらない関係性が浮き彫りになる息苦しさがいかにもテネシー・ウィリアムズの世界。
偶然にも最近カツラの出てくる芝居を3本立て続けに観たので、とても不思議な気分だった(笑)。髪の毛があるとないとでは、男性は本当に印象が変わるんだなぁと改めて感心(そういう芝居ではないでしょうが)。
チェーホフの「悲しみ」。ベッド状のそりのような舞台装置。そりに病気で瀕死の女房マトリョーナ(横尾香代子)をくくりつけて医者のところに向かう初老の夫グリーシカ(石坂重二)。40年間、女房には苦労のかけどおしの悪い夫だった。
もし、40年前に戻ってもう一度女房との人生をやり直せたら・・・。「幸せにしてやろう」と誓って結婚したはずの若き日の二人。それは回想であり、もう一度やり直したとしたらのシミュレーンドラマにも見える。
結局、夫は妻を幸せにはしてやれず、妻は病死する。後悔しても遅い。妻は生き返ったりしない(旦那族必見!奥さんは大事にしましょう)。
コロス(関根好香、志賀聖子、清水理沙、小笠原游大、田邊佳祐)が吹雪の効果音や、台詞、アカペラで歌唱などを担当し、すばらしい演出効果だった(脚本・演出・作曲は前嶋のの)。
清水理沙の美しい歌声。電動夏子安置システムへの客演でよく観ていた志賀の別の一面も発見できた。
アウト・オブ・オーダー
ファルスシアター
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/06/25 (金) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しませてもらいました
前回、初見で番外公演から入ったため、今回は劇団の本領発揮ということで
レイ・クーニー原作も楽しみだったし、シチュエーション・コメディを楽しませてもらいました。
こういうストーリーのものを見ていつも思うのは、勇気がいるけど最初に本当のことを話すのが一番いいんですよね。取りつくろおうとするとどんどんまずいことになってきて・・・・(笑)。
こういうファルス(笑劇)を気軽に楽しめる専門の劇団があるということはコメディ好きには嬉しい限りです。
ネタバレBOX
チューインガム税法案の審議が連日、深夜まで行われているというのに、ホテルで野党の美人秘書ジェーン(石川唯)と逢引をしている与党の若手議員リチャード(白土裕也)。部屋のスライディング・ウィンドーに見知らぬ男がはさまっているのを発見。もう死んでいると判断したので、スキャンダルにならぬよう、別の部屋に死体を移動させようと秘書のピグデン(川村雅人)を呼んで手伝わせようとするところからグチャグチャの騒動が始まる。
このスライディング・ウィンドーが壊れていて上げてもすぐにストンと落ちてしまうのがミソで、いろんな人物がはさまれたりして、事態はあらぬ方向に進んでいく。
挟まっていた男は気を失っていただけで、ジェーンの浮気を疑う夫ロニー(前村圭亮)が雇った探偵ジャック(藤田健司)。このジャックが、リチャードの都合でジェイソン、ブッシュなど次々適当な嘘の名前をつけられ、ピグデンもジャックの精神科主治医Dr.プーチンに化けさせられる。メイド(原田麗可)の名前はレンホウにさせられる(笑)。ロニーはジャックが帰ってこないので探しに来るし、リチャードの妻パメラ(神谷はつき)もリチャードを訪ねてくる。ピグデンは老母を抱えているので、早く帰宅しなければならない。介護ヘルパーのグラディス(堀米忍)がホテルに催促の再三電話をかけてくるが、らちがあかず、ホテルまでやってきたのでよけいにややこしくなる。
最後は無事に騒動が収まり、ピグデンとグラディスも結ばれてメデタシメデタシで終わる。
「窓からの眺めがいい」というから、最初は高層ホテルのスライディング・ウィンドーに男が宙ぶらりんではさまってるのかと驚いたが、この窓はベランダの窓という設定。部屋は648号室で、リチャードが別にとった部屋が650号室。人々は2つの部屋をベランダづたいに簡単に移動してくるが、違う部屋のベランダって普通は防犯上つながってませんよね。外国のホテルはつながってるんでしょうか。ちょっとこの点が引っかかった。
原作の台詞がそうなってるのだろうが、ジェーンがロニーを夫と言ってるのに、別の場面では「私の恋人よ」と言ってるのも気になった。「ハニー」とでも訳したほうが自然だと思うが。
支配人(矢吹ジャンプ)と中国人(?)ウェイターのチャウ・リー(石塚潤平)がそれらしいキャラクターで笑わせる。特にチャウ・リーは、少し鈍いふりをして、けっこうしたたかでがめつい。
終盤で活躍する「ベッドメイキング!」を連発する老女のメイドの原田が、ジパングステージのおばあちゃん役女優の滝沢久美そっくりの演技で驚いた。
リチャードは「童顔王子」というニックネームがつくほどのベビー・フェイスという設定だが、白土の風貌やしぐさはやはり議員には見えず、いかにも日本人の坊やっぽい。ピグデンの川村は長身、色白なので適役。宝塚の男役出身のような雰囲気の堀米のボーイッシュでシャープな持ち味が光る。
ロニーの前村は安岡力也ふうのコワモテ役で、短髪にリーゼントカツラをピンで留めつけている。カツラのフィッティングが浮き気味で出てきたときからとても不自然に見えたが、案の定、演技中にはずれて客席は爆笑。髪型が別にリーゼントでなくてもよかったと思うが。本来笑う場面以外で不必要な笑いが出るのはドタバタコントとは違うので見苦しい。
お互い汗グッショリで白土の股間に前村が顔を埋める抱擁場面が多く、役者も大変だと思うが、観ていて暑苦しく気持ち悪かった(笑)。
パメラの神谷が議員夫人らしい上品なファッションだが、黄色に黒のトリミングのスーツなので、靴は白より黒のほうが良かったと思う。メークも眉が薄くてオリエンタル調すぎる。さらに「一泊のつもりで来た」と持っているバッグが日本の中高年女性に多く見られるハンドクラフト風彫刻の革バッグだが服と釣り合わないことはなはだしく、黒のミニボストンなどを調達してほしかった。素人の余興とは違うので、予算との兼ね合いもあるだろうがこういう小道具も大切にしてほしい。
Reverberate【御好評頂き終了いたしました☆】
岩☆ロック座
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/06/26 (土) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★
サヨウナラとアリガトウ
初見の劇団です。2バージョン制と知らないで観ました。各バージョン共通の台詞があったりしてこういうコラボもあるんだなと新鮮に思いました。
今後、通常スタイルのお芝居も観てみたいと思います。
ネタバレBOX
「BeBe(ビビ)バージョン」
最初に赤白プリントのドレスで踊りながら女性ダンサーが登場。でも、このダンスは以後の展開とは無関係なようでどういう意味だったのかよくわからない。「ダンス芝居」であることをお知らせしただけ?
人工芝に造花をたくさん飾ったポップな広告写真のような舞台美術。おかもちを持ってうめ(黄々野エチカ)が登場。おかもちをあけると中には花弁が入っている。うな(小椎尾久美子)が出て2人でリズミカルに踊る。
「結婚しましょう」と2人は結婚する。同性結婚ということでしょうか。「早く帰ったほうがごはんを作り、午後7時に夕食をとって、12時までに寝る」など2人の間に生活ルールを決め、単調な生活が毎日続く。
ある日、2人はカーテンを作り始め、うなは足に針を刺してしまい、血流に乗って針はからだの上へとのぼるが、耳の穴から無事針は出てくる(昔、自分も足に針を突き刺した経験があるが、意外にも針は折れず、足の裏に突き通ってしまった。ものすごく驚いた。すごく痛いものです!)。
セックスレスをめぐって2人が口論になり、いざセックスで一戦交えようとなるが、プラスチックの人形をピコピコ動かして表現するのが微笑ましい。
喧嘩して2人はお互いの悪口を言い合い、うめは家を出ていく。タンスの引き出しから無数の「サヨウナラ」と書いた紙片が出てきて、うなは泣き明かす(このあたり、寺山修司風)。突然、うめ(?)が帰ってくる。スパンコールで飾った真紅のドレスを着ているが顔は見えない。「もいう帰ってこないかと思ってた」。うなは喜ぶ。うめは赤と白の花束を抱え、「あげる」と1本1本うなに花を差し出し、そのたびにうなは「ありがとう」と花を受け取っていく。すべての花を渡したうめは隅に倒れて動かなくなる。
たくさんのサヨウナラとアリガトウをうなに残して、うめは死んでしまったのだろうか。
「岩☆ロック座バージョン」
荷造りをほぼ終えた女(堀奈津美)がワインを飲んでいると男(菅野貴夫)が現れて、一緒に飲み始め、結婚生活への互いの不満をぶちまける。
2人は夫婦らしい。しかし、夫は既に交通事故で亡くなっていたのだ。妻が好きだったくまのプーさんのぬいぐるみにプロポーズのときと同じ言葉を書いたカードが添えられていた。そしてプレゼントの指輪も。妻は離婚を決意したが、離婚届を出す前に夫は亡くなってしまった。夫は改めて新しい指輪を用意し、妻に2度目のプロポーズをするつもりだったのだ。
夫への「サヨウナラ」そして「アリガトウ」。流産した娘(吉永雪乃)を抱いて夫は去っていく。この芝居を観て、夫を亡くしたあるベテラン女優さんがTVで語っていた言葉を思い出した。
「配偶者に対してどんなことを想っていたとしても、言葉にして伝えなければ伝わらないんです。死んでから伝えられないでしょう。だからこそ、生きているうちにお互い向き合って後悔しないようにいろいろお話をしておくべきなんですよ」
なるほどねぇ。生きているうちにね。
日本人は欧米のように面と向かって配偶者に感謝や褒め言葉は言わない傾向があるが、最近の若い世代はそんなことないのかな。
DULL-COLLEREDーPOPの堀さんを生で観たのは初めてだが、広末涼子みたいでなかなかチャーミングな人ですね。
浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
コメディでしょ、ねえ、そうでしょ。
って言いたくなるほど、面白い!個々のキャラクターらの癖というか、相手をなぶったり、ボケかましちゃったりとコメディにも色々あるけれど、ダークコメディみたいなナリ。
舞台のセットにも工夫があって、違う場所で起こってる場面を襖からの出入りで見せる。実に楽しい舞台だった。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
犯人の元カノを、きちゃない昭和初期風のアパートで張り込む刑事らの物語。ここで登場する刑事らの癖のある人間像が愉快千万!アクションもないし、大げさな笑の渦もないが、ほとんど会話だけで成り立ってしまうようなコミカルさ。刑事らは大真面目に会話してるのだけれど、一つ一つのセリフが絶妙に面白いんだよねー。
見返りを求めるジュニア刑事の十勝とその上司・澤木との人間関係にも笑えたし、大村とその上司との関係の描写も見事だった。場面はアパートの中の刑事らの情景と県警での情景、十勝が助けなかった被害者とそこに勤める「亀の恩返し」風な女子との絡みを織り交ぜながら、押入れの襖を一つのコマの違う場面の入り口にして展開させていた。上手い!と思う。
終盤、十勝が駅構内で助けなかった事案について上司から「警官にむいてないんじゃないか?」と休暇をだされてしまうシーンがあるが、これを被害者のせいと責任転嫁し、己の非を認めたくない十勝は被害者に会いに行った場面で幕を引くが、この部分の後の展開を想像すると、本当に恐ろしいと思った。
以前、観た公演「空気正常」でも鉱山の穴をキーワードにして穴の外と中を巧みに表現していたが、板垣はこういった展開の仕方は群を抜いてると思う。脚本も面白いが、その巧みな演出にはいつ見ても、ニヤリ!としてしまうのだ。
ハイスクールはダンステリア
ナルペクト
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2008/09/04 (木) ~ 2008/09/08 (月)公演終了
満足度★★★
ミュージカルのようでミュージカルでない
歌、コント、ダンス、涙、甘酸っぱい恋愛
あまりにもベタすぎる要素満載で、それでも一生懸命やってる大人達を見て、
思わずほろりときてしまう自分に完敗、いや乾杯。
ただちょっと長いかな。
もっとコンパクトにまとめてくれれば良いのに…
欲張りすぎていつも惜しいところが必ずあるナルペクトです。
恋する剥製
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
テンポとパワー
演出はもちろん一人一人の役者さんの力が結集した舞台でした。
ラストは圧巻!!。色の使い方(衣裳)も素敵でした。
ネバーランド
少年社中
青山円形劇場(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★
かつては子供だった大人たち。等身大の少年社中。
社中はいろんな意味で「いつも同じテーマ」を描いている気がする。
それがいささか食傷気味で、もうしばらくいいかな、と思っていたのだけど、
円形ならまだ社中のよさが出ると思ったし、比較的評判がいいので観てきた。
ネタバレBOX
私は、少年社中は円形で一番輝く劇団だと思っている。
それは、ただのハコだとエネルギーが抑圧された感じがしてしまったり、
客席との温度差が如実に感じられてしまうような気がするからだ。
円形は、走り回る彼らお得意の「チェイス」が一番生きる。
客席を良い意味で丸め込める、彼らのホームだと思っている。
さて、今回の題目はピーターパン。
正直、チラシは全然好みでない。少年少女のための演劇ならまだしも、
(またはこれが20代の、若さキラキラ!!みたいな人ばかりの劇団なら、
まだ許されるかもしれないが)彼らは結成して10年以上経つ、
30代の役者が主軸の劇団だ。うううう、っと、恥ずかしさてんこ盛りである。
この、身の丈にあっていない感じがとても不安だった。
ところが蓋を開けてみればどうだろう。歳をとること、
大人になることの意味、子供でいたいキモチ、などがテーマにあり、
彼らは彼らの等身大の役柄(でも子供のキモチを忘れない)キャラクターが
とても魅力的に描かれていた。無理の無い、いまの少年社中そのままの姿。
この作品を通して、その向こう側に、早稲田からここまで走ってきた
劇団としての彼らの今の姿を垣間見、とても豊かな気持ちになった。
ストーリーの中では、フック船長の「死にたいする恐怖」が見えたとき、
さすがに涙腺が緩んだ。どんな人間でも死ぬのは怖い。母が恋しい。
ピーターパンのフックに対する想い(宿敵とて失いたくない存在だということ)
人にとっての必要な存在とは、大人になる責任と覚悟とは、みたいな感じで
日常我々がなんとなく見過ごしてきたものを露呈されて心がざわざわした。
私としては、もう一歩前にきて欲しかった気もして、
でも、”大人になった彼ら”に焦点を当てれるようになったことに対しては、
ちょっと今後の少年社中としての展開に期待できるような気もして。
うん、でも、良かったと思います。
組曲「空想」
空想組曲
OFF OFFシアター(東京都)
2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了
満足度★★★★★
やばい。
あゆむです。
めっちゃおもろい。
めっちゃおもろい。
ほさかよう恐るべし。
たまらん。
これはたまらん。
男性女性どちらも気兼ねなく見れて、好きな作品もきっとそれぞれで、十人十色それぞれお気に入りの作品は絶対あるんじゃないかってくらい良かった。
寒い国から来た魔女
羽生一家玉組
ザ・ポケット(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★
アネット、かっこいい!
よく言えばそれで十分、悪く言えばそれだけ。。。
風変わりなロマンス / 悲しみ
劇團旅藝人
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/06/24 (木) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★
2作に共通点がありましたね。
見た人はわかります。「悲しみ」の演出&出演者がすばらしかった。語り&合唱のコロス5人を配したことで、演出家のいう「原作のスピード感」が表現できたと思う。
Seventies Boogie
YANKEE STADIUM 20XX
シアターサンモール(東京都)
2010/06/26 (土) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
長かったけど・・・
長かったけど退屈はしません。いや,面白かったです。でも,いろいろなものが満載である分だけ,ストーリーが薄められてしまったような感が。シンプルに削ぎ落とせばもっと感動できる話になるんだろうけど,劇団の方向性としてあえてそうはしないんでしょうね。楽しく観劇,それだけで十分な時間でした。
Reverberate【御好評頂き終了いたしました☆】
岩☆ロック座
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/06/26 (土) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
思わず涙が・・・
こんなに感動できた芝居も久しぶりだ。涙が溢れてくるのを止められない。ホントいい芝居だった。多分今年の観劇ベスト10にはいるんだろうな。キャスティングもいい。堀奈津美にはすっかりやられてしまった。ファンになって追っかけます。リミックス版の方は最初はよく分らなかったけど,Ceremony観て,最後になってなるほどと思った。Ceremonyを一度観ていればもっと違うように感じたのかもしれないが,あの感動の後にリミックスを見せられてもなぁ。やはり,あの構成で最高なんでしょうね。あと,暑い中,冷たいお茶のサービスが嬉しかったです。なお,☆はCeremonyだけの評価です。
『春、桜に象徴される様々な・・・』
楽園王
タイニイアリス(東京都)
2010/06/26 (土) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★
長堀ワールド健在
このシリーズではお馴染みの30分ほどのウォーミングアッブパートに導かれて語られるのは桜にまつわる5つの短篇。
1編目の「不眠症」というキーワードに暗示されたこともあってか漱石の「夢十夜」的に感じられ、いわば「櫻五夜」な印象。
白日夢を見ているように幻想性とリアルさが同居し、時にユーモラスでもある長堀ワールド健在。