一定物語
忍びこみ
OFF OFFシアター(東京都)
2010/06/24 (木) ~ 2010/06/28 (月)公演終了
満足度★★★★
初見の劇団だったけれど
とんでもなくふざけた劇団だな、って思った!(^0^)
その世界観はアニメ的。だからワタクシ好みの作品だったけれど、笑いのスパイスはどちらかというと、わははははwwww---という笑いではなく、思わずブハァアーー・・っと噴き出してしまうような笑い。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
本宮が経営する治療院「夢工船」は本宮が開発したという、体にゴムチューブを巻いて病気を治すという。のっけから手や身体にチューブを巻いて登場した本宮は少女漫画に登場するような芸術風のソース顔のおっさん。かと思えば、そのあとに上等のフロックコートに山高帽子、ステッキ姿で忽然と現われた慇懃な紳士風の兼良。そして忘れてはならないのが、佳代ことオバQみたいな種族の雑種。笑)
もうこれだけのキャラクターを確認しただけで、ワタクシの脳みその中にあると思われる磁場が完全に狂いだして、クルクル、クルクル・・と右に左に回転しながら、時には一回転も二回転もしながら、めくるめく回ってしまったわけさ。
その後に登場するキャラクターらも、殆どがアニメ風で、ゴムを巻いたりアイロンを背中に押されたりしながら、治療というよりも、虐待みたいな風情になっちゃってるのだから、いやはや、まさに脳内磁場は樹海レベル。
更に宇佐美が登場すると、本来なら本宮の弟子になるはずの宇佐美が、その強引なまでの話術と独特の教祖のようなしゃべり口調で他を制するというか、圧倒されて、本宮が完全に狂いだして自ら弟子になってしまうという、ヘンテコで可笑しな芝居だった。
でもって観ているワタクシたちは、あれよあれよと言ううちに、「オバQ」を観てたんだか、「パタリロ」を観てたんだか、はたまた、「お蝶夫人」を観てたんだか、解らなくなって、「え?ここはどこ?」なんて気が付くと、シシ神さまの森に迷い込んで、この空間からは脱出できない。なんて世界に連れていかれちゃう訳よね。
夢のような世界。
夢だけど、夢じゃなかったぁ。笑
水×ブリキの町で彼女は海を見つけられたか【ご来場ありがとうございました!!】
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2010/06/25 (金) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
どっちも観ました
「ブリキ~」のほうは極彩色の迷彩柄。「水」は透明。って感じです。
やっぱりダンスが素敵!!
リズム感の良い詩的なセリフや役者の体の見せ方が大好きなのですごい満足。衣装も綺麗だしシンプルな装置も良いです。
新作はちょっとストーリーというかまとめ方が粗いかな~という気もしますけど、来週も観るのでそこに期待。
ネタバレBOX
「ブリキ~」のエコ(笠井さん)のトラコスプレ、必見です。
それ以上に「水」のあやめさん(中村さん)の自意識過剰な負の存在感が大爆発してるのが必見ですっ!
浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
棘のある言葉
話の端々に出てくる棘のある言葉で笑わせてもらいました。
ネタバレBOX
あまり浦島伝説という感じはしませんでしたが、張り込みとか、縄張り争いとか、警察の内情を垣間見ることもでき楽しめました。
逆に、亀にこだわり過ぎない方が良かったのではないですか。
若い刑事十勝の損得勘定、それで給料貰っているのに勤務時間外だってよく言うよって思いますが、服務規程にはどう書かれているのかな。
最後、凄いけんまくでクリーニング店を訪ねた十勝、意味不明でした。
障子の使い方、良かったですね。横開きの障子がドアのように開閉する不思議さ…、それでもってドアと看做すと畳敷きなのに即座に場面展開が自然に受け入れられる不思議さ…。
ネバーランド
少年社中
青山円形劇場(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
何回見ても・・・
円形ということで複数回でいろんな視点から観ることができてとても面白かったです!
やばい泣く!と思った次の瞬間にすぐに笑いになっていて顔の筋肉が忙しかったですw
そのおかげかメッセージ性が強い作品なのにとても楽しく観ることが出来ました^^
千秋楽ではずっと観ていたいな・・・と思ってしまいました。
恋する剥製
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しい!!
占いのいい加減さを真面目に取り上げていて好感が持てました。
ネタバレBOX
数個の壁というか、ついたてをリズミカルに左右に移動させ、それに伴い人が消えたり出現したり、見ていてホントに小気味よく楽しかったです。
でたらめが通用してしまう世界、組織化するとそれらしく新興宗教っぽくなったしまう世界…、ああ大っ嫌い!
テレビから占いコーナーが消えないかな!
アウェーインザライフ
プロペラ犬
赤坂BLITZ(東京都)
2010/06/04 (金) ~ 2010/06/18 (金)公演終了
満足度★★★★
ロック!!
筋肉少女帯の大ファンなもので、これは観なければと思い、チケットをとりました。
いやあ、大変楽しかったですね。舞台を見ながらヘドバンしたり、コールアンドレスポンスをしたりしたのは生まれて初めての経験でした。
純粋に一つの芝居として見るなら、演技面、脚本面、演出面、それぞれにおいてそれぞれ思うところは数ありましたが、そんなことは全く問題にならない!!これぞロック!
水×ブリキの町で彼女は海を見つけられたか【ご来場ありがとうございました!!】
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2010/06/25 (金) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
『ブリキの町で…』
エコとピースの会話を筆頭にしゃべくり漫才のようなあるいは「あーいえばこーゆー」的な軽妙な台詞のやりとりが小気味よく、かつ大いに笑う。
そんなことに乱舞の度合いも加えて『水』と好対照を成しており、この2作のカップリングの意図にニヤリ。
…とさ!
2番目、或いは3番目
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2010/06/21 (月) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
満足度★★★
不条理なりの説得力というかパワーが欲しかった
今回、
「差別とエゴ」をテーマに書くということで爆発を期待してたんだけど
休憩込みで3時間20分と長いだけで結局なんだったんだろう?って感じ。
確かにやりとりは面白くて笑わせてもらったし
飽きはしないが
どうもストーリー自体にいまひとつ力がない。
「差別とエゴ」も盛り込まれてはいたけど
物語を引っ張っていくほどのインパクトはなし。
(単に自分が気付かなかっただけかも)
不条理ものだけど
不条理なりの説得力というかパワーが欲しかった。
そこまでつまらなくはなかったが、
期待していただけにガッカリ度は大きい。
あと、やはりナイロンメンバーは演技うまい。
スタア
劇団昴
俳優座劇場(東京都)
2010/06/26 (土) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
筒井康隆か
原作は数十年前に読んだような記憶があり、それで観にいくことにしました。しかし冒頭はさっぱり思えだせず、新作を見るような感じで芝居を観ていました。が、話が進むにつれだんだんと気持ちが乗ってき、後半になるとまさに筒井康隆ならではのスラップショットな猛烈な展開となり、ターザンはでるは白熊はでるはののなんでもありのもうお祭り騒ぎでした。イアや参りました。
水×ブリキの町で彼女は海を見つけられたか【ご来場ありがとうございました!!】
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2010/06/25 (金) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
『ブリキの町〜』ひょっとこ乱舞は、ついに「笑い」も手に入れてしまったのか?
私は、この最近の数作から(プラスチックレモンから)しか観ていないのだが、ひょっとこ乱舞は、その「ひょっとこ」などという一見ひょうきんな劇団名の印象とは、やや異なり、ある意味ハードな佇まいに、センチメンタリズムを内在している舞台を行っていると感じていた。
しかし、今回は、ついに「笑い」をも手に入れてしまった。
今回も、フォーメーションとも言えるような役者の動きが美しい。
物語を牽引する力も強い。
もう1本の『水』との関係も意味深。
ネタバレBOX
リリー(KEKEさん)が想像するブリキの町の設定のようなものを、ノゾム(平館広大さん)が勝手に公開し、それを見ず知らずの人が広げていく。
ブリキの町は、この町かもしれないし、そうではないかもしれない。
物語は、人の手を経て、どんどん溢れ出してくる。
もう1本の『水』のように、恋愛も語られるのだが、『水』ほど重くはない。軽みがある。ただし、『水』は、人の中に深く入っていくような物語だったのだが、こちらは、広がっていくような印象を受けた。
しかし、広がっていくと言っても、世界の外に広がっていくのではなく、インナー部分への広がりである。
頭の中で考えたブリキの町は、いろんな人の頭の中を通して広がっていくのだが、それはあくまでも「頭の中」であり、さらに言えば、最初に「0から1」を創り上げたリリーの手のひらの中に存在した宇宙だった。
だから、いつでもリリーはこの物語を収束できるし、破壊することもできる。
そして、さらに言えば、「自分の意志でそうした」と言うリリーの潜在意識の中にラクの物語が静かに吹き込まれ、それの中に存在したのかもしれない。
そうした、物語 in 物語 in 物語 in ・・・・という、入れ子状態がまるで続くように。
物語の構造だけでなく、ラストの、「雨の最初の一滴が目の粘膜に落ちていき身体の海に広がっていく」ような展開は、極小の中への無限の広がりをも感じさせる。
そして、このセンチメンタリズムとも言える展開に、気がつくとやられていた。
この感じが好きだから、ひょっとこ乱舞が好きなのかもしれないとも思ったり。
今回に限らず、ひょっとこの舞台は、必ずと言っていいほど、ファーストシーンにフィードバックしていく。今回も2重にフィードバックして、閉じていった。
この形式は、今回は特に活きているのではないかとも思った。
フィードバックしていく形式は、クセみたいなものかもしれないが、ファーストシーンとラストシーンが、くるっと向かい合って、閉じていくラストは、美しいと思ってしまう。
また、深読みすれば、「0から1」を創るのは、「大変ではないか」とノゾムが言う。それは、作・演の広田さんのホンネの言葉ではないだろうか。そして「それを5とか10」にしていくのは、役者やスタッフなのだろう。
あるいは、「0から1」にしていくのは劇団で、それを「5や10にする」のは、観客なのかもしれない。
すべてを閉じて、あるいは破壊することができるのは、創造者(たち)だけかもしれないのだが、そう思っていても、実のところ、「何かに」そうさせられているということがあると、(広田さんは)考えているのではないか、とも思った。
とにかく、今回も台詞がいい。まるで強いエンジンを積んだ前輪駆動車のように、観客をぐいぐいひっぱっていく。
それも力業ではなく、「笑い」という潤滑油が見事に効いているので、ぐいぐいいくのだ。
『水』でも笑いが起こったのだが、私は最近の数本しか観ていないものの、これまでこんなに「笑い」が起こったひょっとこ乱舞の舞台はあったのだろうか。
最近の数本では、いくつかのピースに細かく分かれた物語が、みるみる見事なフォーメーションで構築されていく様が、気持ち良かったのだが、今回の「笑い」という新たな武器も素晴らしい。すぅーっと入ってきやすいのだ。
エコ役の笠井里美さんがとにかく素晴らしい。あっけらかんとして、どこかに突き抜けていくような感じが、舞台の雰囲気を醸し出していた。その突き抜け方が、どこかけなげにさえ思えてくる。
そしての、555(伊藤今人さん)の「間」がいいのだ。さらに、ガラム(板橋駿谷さん・当パン名前誤植では)との絡みがナイス!
彼らが物語の足場をきちんと構築していたのではないだろうか。それは、「現実」という足場である。
また、ラスト近くのラク(松下仁さん)の独白は、ひょっとこ乱舞ならではの熱を帯び、物語を幕引きに見事に導いた。
「笑い」を手に入れたひょっとこ乱舞は、今後、どういう方向に進んでいくのか、とても楽しみだ。
Seventies Boogie
YANKEE STADIUM 20XX
シアターサンモール(東京都)
2010/06/26 (土) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
感動の嵐!!
友達に誘われて初めて行って来ました。
友人からは3時間の公演だと聞いていて長いな…飽きないかなと不安だったのですが、あっという間に公演が終了してしまいました。
途中にアドリブもあり、ギャグもありでお腹から凄く笑ったり、役者さんの心情を表すのをダンスで表現したりしていてキレイだなと感心したりしたのですが、それ以上にストーリーに心から感動しました。
現代社会の高齢化問題という内容での皮切りでしたが、決して「悲しい」「辛い」ということではなく「明るく前向きに生きる老人達」を爽やかに表現していて、気持ちの良い感動の涙を流しました。また明日から元気に頑張ろうという気持ちになりましたよ。
ハンカチは絶対に必需品ですね。
スタッフさんたちも皆さん丁寧で元気よく接客をされれていて、こんな劇団があったんだなと初めて知り、また絶対に次回も観たいと思いました。
組曲「空想」
空想組曲
OFF OFFシアター(東京都)
2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了
満足度★★★★★
満足感
千秋楽に滑り込みセーフで観にいきましたが、パソコンが壊れてネットカフェの細切れ作業が続き、諸事情もあってUPが遅くなってしまいました。
皆さんの賛辞の嵐で、いまさらもう書くことなんてないって感じですね。
「全公演通い詰めて観た」という熱心なファンのかたもいらして、世の中には1回足を運ばせるのにも苦労している公演もあるというのに、改めてほさかさんの人気の凄まじさを知りました。
お芝居の雰囲気もよかったですが、出演者全員が同一劇団員のように心をひとつにした感じの良い客送り出しで、知人と歓談中の人気俳優のかたが一般客が傍を通ると話を中断して、そのお客のところに進み出て挨拶されているのが印象的でした。
相対的に小劇場系のお芝居の観客は知人・友人が多いので、終演後はみな歓談に夢中で、面識のない客には目もくれないという光景があたりまえになっているなか、この日の客応対はとても心に残りました。
ネタバレBOX
短編集ということでしたが、どれも楽しめる作品で、構成も素晴らしく、俳優さんたちも粒ぞろい。
「晩餐」シリーズが個別にも楽しめるけど、実は1組のカップルに流れた歳月も暗示しているところが心憎い。
1点細かいことだが、斉藤陽介と林田沙希絵が場面によって衣装のボトムスを変えているが、ワインリストのあるようなフレンチ・ディナーに半ズボンとスニーカー、ショートパンツで入店するのはいくら若者でもちょっと違和感があり、もうひとつのズボン、ミニスカートの衣装でよかったのではと思う。
全編通して中田顕史郎のギャルソンがとても雰囲気があり、若き日の白井晃を思わせる。最後の「連弾」でこのギャルソンにも素敵なパートナーがいたことにホッとさせられた。
男2人芝居の「彼に似合う職業」の銃撃戦は異質な作品に思えたが、次の「ありがちベリー」へのつなぎ方がこれまたマッチしていて驚いた。いじめっ子を狙い撃ちする保坂エマがにしおかすみこ風で面白かった。
日替わりゲストはゲキバカの石黒圭一郎。
「今から会って」と言う恋人(ハマカワフミエ)に「パジャマに着替えたから今夜は会いに行けないよ」と断った男(石黒)が思い直し、雨の中、全力疾走して恋人のもとに向かう「ランナー」。石黒の熱演とともに映像をも超える躍動感あふれる舞台演出に唖然とした。ミラーボールや霧吹きの使い方も巧い。月に向かって自転車が飛ぶ「E.T」を連想した。
「ロマンチック主義者のためのささやかな演奏」も、1人だけわざと音をはずす男(斉藤陽介)に惹かれる指揮者(林田沙希絵)が恋の実情を表しており、きちんと返して得意げな優等生の男(石黒)には指揮者がムッとするのがおかしかった。
大塚秀記の大人の落ち着き、こいけけいこの生活感も捨てがたい。
浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
意味はよくわからないけど・・・
「浦島太郎」の現代版みたいな話を想像していたが、そういう単純な芝居ではなく、浦島の話は出てくるけれど、微妙に絡み仕掛けられている感じで、頭が悪いので「教訓」が何なのかはっきりとは理解できない。ただ、登場人物の会話が面白いので、芝居としては楽しめた。
ネタバレBOX
取り壊し寸前の古アパートの一室を借りて、張り込みにやってきた山下(服部弘敏)ら刑事の一団。
退出時の「原状復帰」をめぐって、ブルーシートを敷くかどうかで揉める。
先乗りでシートを敷き、写メを撮っておいた武田(杉岡阿希子)。その写メを報告用に利用するが時刻差から工作がばれ、上司(加藤弘子)に叱責される大村(足立信彦)は毛髪の植毛のお試し期間中。上司は部下・大村の昇進をとても気にしているそぶり。
山下と別の捜査ルートから星をマークしている鍋島(板垣雄亮)、澤木(平塚正信)、十勝(高島桂介)らとの合同捜査のようだが、主導権をめぐって対立する。結局、鍋島ルートで星は逮捕され、事件は一件落着。
板垣の自然な演技、まじめに話しているが可笑しみがあって引き込まれる。
事件の星は元クリ-ニング店に勤務していたというが、その事件とはまったく別の駅前で起きた暴行事件の被害者・当麻(小久保剛志)もクリーニング店の店長。山下らが薬物ルートで犯人を追っていたが、「当麻」は「たいま」とも読むので、事件に無関係ではあっても符合させる点を作っているのが面白い。十勝は暴行現場を目撃していながら、勤務時間ではなかったという理由で黙認したことが澤木の耳に入る。十勝は警察幹部のジュニアということから澤木には遠慮がある。
当麻は女店員(中嶋さとみ)と郷里に帰って一緒になろうかと言う話になっていたが、十勝がやってきて、暴行現場の黙認を認めながらも「あなたをあのとき助けた場合の見返りは何だったんでしょうね」などと唐突な質問をして当麻は当惑する。当麻は「遅くなるから夕飯は先に食べていて」と家に電話していたので、一人暮らしではなく所帯もちなのかと思ったが、女店員との結婚話になるのがよくわからなかった。
アパートから撤収する際に、組み立て式テーブルをまたバラしてダンボールにしまおうとして緒方(小笠原佳秀)が手間取る場面は一度開けると収拾がつかなくなる「玉手箱」を暗示しているようでもある。
田舎に帰るという当麻の話のあとで、田舎の友達と携帯電話で方言で会話していた緒方が同僚の気配に急に標準語に変えたり、場面、場面が微妙につながっている芝居。
ひとつの空間で、障子がドアになって別の場面が展開するのも、浦島の異次元の逸話を思わせる。終幕近くで大村の頭髪が元の薄毛に戻るのも浦島の白髪を連想させる。
当麻と女店員が浦島太郎の話について会話する場面がある。御伽噺では「家に帰るまで絶対に中身を開けないで」と乙姫が浦島に約束させるが途中で開けてしまって煙が出て白髪になってしまうのだが、家に持って帰ってから開けたら煙以外のものが出てきたのだろうか。太郎が地上とはまったく別の長い時間を竜宮城で過ごしてきた事実は変わらなかったと思うのだが。浦島太郎が乙姫との約束を守っていたら、地上の時間は止まってくれて、お爺さんにならずにすんだのだろうか。2人の会話を聞いていて改めて、浦島太郎の教訓ってはたして何だったのだろうと考えてしまった。ちなみに子供のころは「約束を守らずせっかちなことをすると後悔する」と解釈していた(笑)。
恋する剥製
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/06/22 (火) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
6月27日(日)S
中身なくないよ。上質な社会風刺劇だと思うが。面白かった。
ネバーランド
少年社中
青山円形劇場(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
6月27日(日)M
珠玉のエンターテイメント。本来、ファンタジーは好まない体質だが、これは面白いと素直に言える作品。
風変わりなロマンス / 悲しみ
劇團旅藝人
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/06/24 (木) ~ 2010/06/27 (日)公演終了
満足度★★★★
声の力
声の力を感じるとともに、そこから生み出される空間と情景に感動した。
君といつまでも
バジリコFバジオ
駅前劇場(東京都)
2010/06/17 (木) ~ 2010/06/21 (月)公演終了
むむ
前説からOP、それだけで最初からのめりこめました。
アクションがあったりと、期待や想像をいい意味で裏切られたと思います!
すごく楽しめました!お疲れ様です。
水×ブリキの町で彼女は海を見つけられたか【ご来場ありがとうございました!!】
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2010/06/25 (金) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
「水」美しいおとぎ話
頭の中で、街の風景だったり、部屋の光景だったり、花の色・形、水の中の光景なんかが鮮明に浮かび上がるのです。
色鮮やかで、光がきらきらしているような。
不思議な体験。
ネタバレBOX
シトラとお母さんのやりとりが切なくて特に印象的でした。
ツイッター割とアンケート100円バック、ありがたかったです。
2番目、或いは3番目
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2010/06/21 (月) ~ 2010/07/19 (月)公演終了
満足度★★★★
長いけど長くない
ナイロンでは退屈感とともに寝てしまうことも少なくないのだけど、今回は、時間を長く感じなかった。お尻も痛くない。
はじまりからして不毛な感じ。ケラさんが何を言いたいのか、わたしには分からないけど、直感的にこの作品はおもしろいです。笑いという意味でも。いつものことながら、大倉さんが可笑しいです。
浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2010/06/23 (水) ~ 2010/07/04 (日)公演終了
満足度★★★★
真面目で深いコメディ。
張り込み中の刑事達の物語。ネタバレになるのであまり書けないが、犯人逮捕に重きがあるのではなく、その中での刑事のやりとりこそがメインドラマ。最初から最後まで笑いがたえず、コメディに間違いないが、演じている役者は笑わせようというそぶりは少しもない。それどころか、それぞれの役を真剣に演じている。こういうコメディを見るとうれしくなってしまう。
役者は全員さすがにうまいが、中でも服部弘敏の味のある演技に感心。人間味を感じさせる名優である。