浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼 公演情報 殿様ランチ「浦島氏の教訓 公演終了 ご来場御礼」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    意味はよくわからないけど・・・
    「浦島太郎」の現代版みたいな話を想像していたが、そういう単純な芝居ではなく、浦島の話は出てくるけれど、微妙に絡み仕掛けられている感じで、頭が悪いので「教訓」が何なのかはっきりとは理解できない。ただ、登場人物の会話が面白いので、芝居としては楽しめた。

    ネタバレBOX

    取り壊し寸前の古アパートの一室を借りて、張り込みにやってきた山下(服部弘敏)ら刑事の一団。
    退出時の「原状復帰」をめぐって、ブルーシートを敷くかどうかで揉める。
    先乗りでシートを敷き、写メを撮っておいた武田(杉岡阿希子)。その写メを報告用に利用するが時刻差から工作がばれ、上司(加藤弘子)に叱責される大村(足立信彦)は毛髪の植毛のお試し期間中。上司は部下・大村の昇進をとても気にしているそぶり。
    山下と別の捜査ルートから星をマークしている鍋島(板垣雄亮)、澤木(平塚正信)、十勝(高島桂介)らとの合同捜査のようだが、主導権をめぐって対立する。結局、鍋島ルートで星は逮捕され、事件は一件落着。
    板垣の自然な演技、まじめに話しているが可笑しみがあって引き込まれる。
    事件の星は元クリ-ニング店に勤務していたというが、その事件とはまったく別の駅前で起きた暴行事件の被害者・当麻(小久保剛志)もクリーニング店の店長。山下らが薬物ルートで犯人を追っていたが、「当麻」は「たいま」とも読むので、事件に無関係ではあっても符合させる点を作っているのが面白い。十勝は暴行現場を目撃していながら、勤務時間ではなかったという理由で黙認したことが澤木の耳に入る。十勝は警察幹部のジュニアということから澤木には遠慮がある。
    当麻は女店員(中嶋さとみ)と郷里に帰って一緒になろうかと言う話になっていたが、十勝がやってきて、暴行現場の黙認を認めながらも「あなたをあのとき助けた場合の見返りは何だったんでしょうね」などと唐突な質問をして当麻は当惑する。当麻は「遅くなるから夕飯は先に食べていて」と家に電話していたので、一人暮らしではなく所帯もちなのかと思ったが、女店員との結婚話になるのがよくわからなかった。
    アパートから撤収する際に、組み立て式テーブルをまたバラしてダンボールにしまおうとして緒方(小笠原佳秀)が手間取る場面は一度開けると収拾がつかなくなる「玉手箱」を暗示しているようでもある。
    田舎に帰るという当麻の話のあとで、田舎の友達と携帯電話で方言で会話していた緒方が同僚の気配に急に標準語に変えたり、場面、場面が微妙につながっている芝居。
    ひとつの空間で、障子がドアになって別の場面が展開するのも、浦島の異次元の逸話を思わせる。終幕近くで大村の頭髪が元の薄毛に戻るのも浦島の白髪を連想させる。
    当麻と女店員が浦島太郎の話について会話する場面がある。御伽噺では「家に帰るまで絶対に中身を開けないで」と乙姫が浦島に約束させるが途中で開けてしまって煙が出て白髪になってしまうのだが、家に持って帰ってから開けたら煙以外のものが出てきたのだろうか。太郎が地上とはまったく別の長い時間を竜宮城で過ごしてきた事実は変わらなかったと思うのだが。浦島太郎が乙姫との約束を守っていたら、地上の時間は止まってくれて、お爺さんにならずにすんだのだろうか。2人の会話を聞いていて改めて、浦島太郎の教訓ってはたして何だったのだろうと考えてしまった。ちなみに子供のころは「約束を守らずせっかちなことをすると後悔する」と解釈していた(笑)。

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    2010/06/29 05:49

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