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今宵、宇宙エレベーターの厨房で【ご来場誠にありがとうございました。】

今宵、宇宙エレベーターの厨房で【ご来場誠にありがとうございました。】

隕石少年トースター

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

観てきました
ここでの評判がとてもよくて期待しすぎたせいか、観劇後はちょっと物足りなさを感じました。
面白いことは面白いのですが、もっと面白くできたはずです。

大阪拠点の劇団なのに東京公演で客席がほぼ埋まっていたことにはさすがだなと思いました。

ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール

ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール

ロロ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

堂々のK点越え!
一つの事件であって、これはもう演劇とかそういうものではない。例えばあまりにすごい物をみたあとに感じるあの打ちのめされた感じだけがばりばりと。
 人生に退屈してる人がいるなら見るべき

 話の筋はめちゃくちゃで、宇宙にもフランスにも平然といってかえってくるけれど、あっけらかんとした出来事や雰囲気の怒濤野中で、猛烈にどうしようもないほど悲しくなる。でも何で悲しいのかぜんぜん分からない。
 圧倒的な俳優の技量と、演出力と身体性。そんなことも人の体でできるのか! なんてね。なんだかわけがわからない祝祭と、踊りの渦中に巻き込まれて、椅子から立った瞬間にまたへたり込んでしまいそうになるよ!

ネタバレBOX

僕が見に行ったときに俳優さんはかなり疲れ果てていた。
だからまあ、星一つ減らしました。
Ryoma

Ryoma

ミュージカルカンパニーOZmate

六行会ホール(東京都)

2010/08/07 (土) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★

龍馬伝はよかった
オリジナルミュージカルとしての龍馬伝の部分はよい。よくわからない劇団話はとってつけたような感じ。それもそのはず。初演には無かったというのだから。劇団話を入れるなら入れるで独立したストーリーとして観られるものにしないと。主宰がなぜ劇団員と対立するのかも、それがなぜ解消したのかも何も語られていない。主宰が演出家なら団員の演技にあれこれ言うのって当然でしょ?主宰と他の団員との対立が薩長同盟を演じて解消したなんていうことはありえない。

ネコ目 HYPHY!! 鎮魂歌【ご来場ありがとうございました】

ネコ目 HYPHY!! 鎮魂歌【ご来場ありがとうございました】

桃尻犬

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

白く高くぶちまけて
予想外に根本的な話で、予想外に笑った。
なんと言ったらいいのか、笑いか失笑かどちらに転ぶかギリギリな平均台上でなぜか三点倒立をして、何ごともなかったように前者に向かってしれっと降り立ったような作品。
下ネタ、というよりシモの話を題材にしている舞台で、しかも歌やアングラといった要素を取り入れた上で笑わようというのは個人的には背水の陣同然なのだけれど、
スピーディな間のセンス、無駄すぎる動作群のあまりの静かで自然すぎる過剰さ、なによりシモの話への真剣な取り組みが、いろんな意味で「イヤラシさ」を感じさせず、むしろ清々しくさえあった。

男優がのびのび演技をしていていいリズムを作ってた印象。特にまめ太?の人の、どう動いても笑わせる抜群の笑いセンスと、ごん太?の人の飛び道具加減は観ているだけで楽しい。

吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

APOCシアター(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

傑作です
一人のストーリーテラー。それが主人公でもある。そしてそのストーリーを一人二役ならぬ多人数多役で演じていく。それも舞台に吊り下げられた衣装を次々と着替えながら。観た人にはわかるが、観てない人にはどういう感じの舞台かを説明するのがむずかしい。この舞台を観た人たちは幸運である。作家演出家の才能に舌を巻く。

十六夜-いざよい-【全日程終了!ご来場ありがとうございました】

十六夜-いざよい-【全日程終了!ご来場ありがとうございました】

劇団5本指ソックス

ART THEATER かもめ座(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

泣かせる芝居
いい舞台でした。戯曲の選択眼がいい。好演でした。

マジュヌーンの祝祭

マジュヌーンの祝祭

劇団リベラトリックス

d-倉庫(東京都)

2010/08/06 (金) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★★★

群舞はすごい
登場人物が覚えきれない。名前もそうだがキャラクターが似たり寄ったりで区別がつかなくなってしまった。ストーリーは追えなかったがすばらしい舞台でした。

結婚と共に去りぬ

結婚と共に去りぬ

東京ポトラッチダンディーズ

タイニイアリス(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

上質なコメディ
新郎代行業なんて物があるのだろうかという疑問すら挟めない。結婚式場を舞台に次から次に起こるちょっとした事件の数々。結末がちょっと物足りなかったかな。

ぼくの好きな先生

ぼくの好きな先生

enji

小劇場 楽園(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/24 (火)公演終了

満足度★★★★★

好演でした
胸が熱くなりました。

「臭う女~におうひと~」終了しました、抽選会も終了!ありがとうございました、また次で

「臭う女~におうひと~」終了しました、抽選会も終了!ありがとうございました、また次で

劇団野の上

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

土とことばのパワー
冒頭、津軽弁おしゃべりのテンションとスピードがすごくて、「やばい、話がわからない!」と思いましたが、実は大丈夫でよかったです。

『ふすまとぐち』は、ちょっと特殊な一家という感じがしましたが、今回は、もっとずっと「あるある」感満載で、それがこれだけのドラマになってるのがすごいです。
モモジさん、おばさんが好きなんだなあと、爆笑しながらおばさんへの愛情たっぷり感じて観てました。
次作もすごく楽しみです。
方言芝居が東京にあふれるといいなあ。

ネタバレBOX

はじめの頃出た犬のエピソード、びっくりしたけどそれが最後につながってた。すごく「捨てる」ことも「探しに行く」ことも、どちらにもある重たさがちゃんと感じられた芝居でした。
それぞれのひとのやりきれなさもせつなさも嫌みさも、それこそ「臭う」芝居でした。
文今さんがんばれ、八十助さん、ほんとは優しいんだ、と、うれしくなりました。
でも、モモジさんの演じる子どもって、いつも強烈に「いやな子」ですよねー。けとばしたいくらい。芋久保のお母さんはちょっと救いがなかった。
キヨさん、もう一回出てきて欲しかったな。
女性がそれぞれに魅力的でした。
吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

APOCシアター(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★

上質な演劇作りに、快感を覚える
まず、この劇団、この暑い中、遠くまで、足を運ぶ観客の思いに立って、いろいろと心配りが行き届く、制作さんの態度からして、大変好感が持てました。
前日に、詳細な道順案内をメールで頂いた上、何と、この暑い中、最後の、劇場に曲がる道の端に、看板を持った女性が立って下さっていました。
受付を済ませ、まだ開場まで時間があるので、外で、待とうとしたら、「開場はまだですが、お暑いので、ロビーにどうぞ」と声は掛けて下さるし、座席の座布団を背もたれと思い込み、座っていると、「これは座布団ですので、どうぞ敷いてお座り下さい」と教えて下さるし、最近、あるまじき、ある劇団の話を聞いたばかりの私は、それだけで、この劇団への期待感が更に高まりました。

さて、芝居の方は、女性だけの出演が、実に効果的な、脚本構成、演出で、また改めて、舘さんの類稀な才気に感嘆しました。
ほぼ、全てが、非の打ち所のない出来栄えで、演劇としての、完成された職人芸さえ感じます。

感想は、驚く程、アキラさんに酷似していますので、ここで、自分が補足する必要さえ感じない程ですが、ネタバレで、若干自分なりの感想を書いておこうと思います。

ネタバレBOX

何かいわくありげな主人公のモノローグで始まる芝居。
この主人公の語り口が、カウンセリングルームで、実際耳にしそうな、抑揚、内容、話の持って行き方なので、まだ何があったかも知らない内から、既に、観客はすっかり、このストーリーの中に、気持ちが取り込まれて行きます。

アキラさんが書いていらっしゃるように、一人の役を、誰もが入れ替わり立ち代り演じるのに、何の違和感もなく、観ている気持ちが一瞬も、現実に引き戻される隙がないのは、驚嘆します。

誰の役は誰と、当パンに書きようがないので、私も、どなたのお名前もわからないのですが、子供時代の主人公を演じた女優さんと、アキラさん同様、結婚式で祝辞を述べたり、付き合ったたくさんの男達とのエピソードを、どんどん、服を脱ぐ中で、表現して行く、女優さんの演技は、特に心に残りました。
もちろん、モノローグを一人語りする女優さんの技量は、特筆ものです。

父と兄以外の男性が、全てお面をつけているのも、この作品の表現方法として、実に名案な上、その面が、西洋の芝居の仮面ではなく、ひょっとこや、大黒天など、純和風のお面なのも、気が利いています。

私自身、演劇部の仲間と、もう40年以上の付き合いで、家族以上にお互いの心の内を知り尽くしている友人がいるので、この芝居のブラスバンド部のメンバーの様々なエピソードが、まるで、自分の体験のように、感じられ、何度も、胸熱くなるシーンがありました。

一応プロの喋り手だったのに、その友人の祝辞を読む時、ぼろ泣きして、話が支離滅裂になった経験もあれば、前半部分の、兄と妹のストーリーは、自分が23歳で書いた佳作を頂いたシナリオに酷似していて、まさにかつて自分が創り上げた主人公に重なる部分が多くて、その作品を追体験するような感覚もあったりで、どこかしこに、見覚えのある感情の波が、観る側の心の襞に吸い付くような、擬似体感がありました。

人間、自分の思うようにはなかなか生きられず、家族への思いも、自分なりにはたくさんあるのに、それが相手にはうまく伝わらずに、平凡な筈の普通の家庭にも、少しづつ、歯車のずれて行くような、悲劇の種が芽を伸ばし始めて行く…。その、哀しい家族の有り様が、実にリアルに、気持ちを侵食して行きました。

でも、それだけに、アキラさんも書いていらっしゃるように、あのラストだけは、納得が行かない気がしました。
作品としての不備と感じたのではないのですが、自分的には残念な感じ…。
それまで、数々のエピソードや台詞に、自分の過去の想いを、様々投影して、観ていただけに、あそこで、あー、これ、虚構のお話だったわと、一気に、気持ちが現実の客席に引き戻されてしまったような、不思議な残念感がありました。


それと、個人的に思ったのは、先日の次男の結婚式の後、次男が、優しい兄に車で荷物を運んでもらえないかと言った時、「寝不足でお兄ちゃんが、事故を起こしたら、あなたは、一生後悔するよ」と、次男を説き伏せて、辞めさせて良かった!!ということでした。

本当に、いつどこに不幸の種が転がっているかわからない、人間の世の常。それが、巧みな作劇で、観客の心を鷲づかみにするような、素敵な舞台作品として、映し出されていて、お見事でした。
メリッサのゆりかご ジルの監獄

メリッサのゆりかご ジルの監獄

メガバックスコレクション

あうるすぽっと(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/23 (月)公演終了

満足度★★★

手つくり感のあったミューシカル
最初はこども向けの内容かなとおもいましたが、前説や、休憩時間にもたのしいトークもあっておもしろかったです。

ガラパゴス

ガラパゴス

少年王者舘

ザ・スズナリ(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/24 (火)公演終了

満足度★★★

ほへー。
物語への導入や全体に散りばめられているアクセントが面白く、アングラ的アンサンブルもとても好意をもって観た。繋ぎきれないいくつかのエアポケットがもったいない。制作的慣習のいくつかにむむむと思った。

キセキの人

キセキの人

スーパーグラップラー

時事通信ホール(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

鬼~のパンツは強いぞー、強いぞ-♪
「キセキの人」というタイトルからすると、主役は酒天童子なのだが、主役が何人もいるような錯覚に囚われるのは、やはり、個々のキャストらの存在感だと思う。舞台のセットが美しく、あの世とこの世の狭間のような・・。

もののけとか、妖怪とか、アヤカシの世界。どちらかというとアニメチックなキャラクターの宝庫で、メープルフィギアも登場させ、好みの芝居だった。

笑は失笑・苦笑!の種類。笑)

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

一条天皇(帝)の2人の婚約者が妖怪にさらわれた事件で源頼光以下、4人は妖怪を捕まえる為の特殊部隊を組まされる。この時代はもののけやら、妖怪やら鬼やらが頻繁に現われる物騒な時代でもあった。

彼らはゴーストバスターじゃあないけれど、妖怪らを退治するために、いざ、大江山(天狗島)の鬼のところに向かうのだが・・。

一方で天狗島では人として未完成のままの酒天童子が現われる。彼は閻魔によって、魂だけが浮遊していた酒天童子を、とりあえず、と未完成の体にその魂を吹き込んで出来上がったのだった。だから死んでも居ない、生きても居ない魂だったのだ。

彼は未完成の身体を完成させるために、死んだ身体や死にそうな身体から必要な部分だけを奪って自分の身体の一部に加えてしまうと言うおぞましい力も持っていた。鬼の頂点に位置する天狗は鬼の長・茨木から、新たな長としての称号を与えられるも、彼はその茨木の身体さえも欲しがるようになる。

物語は4人の部隊と鬼、酒天童子の本当の両親のいくえを絡めながら、戦いとなるも、酒天童子の両親が源頼光と道子とわかると、安心して浄化するという奇跡の物語。

親子の絆を謳った物語りで人間の原点を見つめ直した美しい物語だった。茨木の鍛えられた二の腕が萌え!
のるもの案内

のるもの案内

スミカ

MODeL T(東京都)

2010/08/21 (土) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

旅の終わりはいつもちょっぴり切ない
1時間に満たない芝居の後は旅の終わりに似ていた。
そして、原田優理子のおもてなしの心に触れた気持ちのいい時間だった。
愛だな愛。
俳優陣の顔触れが豪華で勿体ないなぁ。この面子でガツンとしたものも観たい。
これから観る方、
宿題はちゃんと持って行った方がいいですよ〜。
とても良い使い方をしていた。
カフェ公演としては5つ星。

ネタバレBOX

「池袋から日暮里まで」
2組のうち一方が必ず背を向ける形になるのはやはりマイナスだと思う。
「真ん中から少し浮く」
この人の演出はいつも一工夫で終わらないので感心する。
夜も昼も -Night and Day-

夜も昼も -Night and Day-

文月堂

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/08/14 (土) ~ 2010/08/17 (火)公演終了

満足度★★★★★

なんだか遅くなってしまいました。
すごく良かったです。
はっきりと覚えています。

その良さをどう伝えたら良いのかあれやこれや考えていたらいつの間にやら時が経っていました。

いやまぁそんな話どうでもいいでしょうけど。
なにしろ良かったんです。

ネタバレBOX

主役の方、三十路感たっぷりでまさに適役でしたね。

主役の彼女が他の男と結婚すると決めたところはドキっとしました。僕にもそんな経験ありますから。別に夢を追ってる訳じゃないですけど、なんとなくタイミングを逃してしまうことってありますよね。

ところで僕の席の前方に少々髪の薄い方や、少々どころじゃなく髪の薄い方なんかがいまして、そんなところに芝居の内容がハゲを扱うお話で、なんだかドキドキしていましたが、見たところ彼らも大いに笑いながら観劇していたようなのでなんだかホッとしました。

そういうのって難しいですよね。
絢爛とか爛漫とか

絢爛とか爛漫とか

傑作を遊ぼう。rorian55?

テアトルBONBON(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

良い時代ですね。
昭和の初め頃ですか・・・

戦争前の、日本で一番良い時代のうちのひとつですね。

だからですかね。
そんな感じがよく出ていました。その服装に、台詞の端々に。

それにしても四人の感じ、バランスがとれてていい感じでした。で、ああいう夢を純粋に語る若者達がいたんですよね、あの時代は・・・懐かしいです。

いや、もちろんまだ生まれていませんが・・・。

キセキの人

キセキの人

スーパーグラップラー

時事通信ホール(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

「キセキの人」から奇跡の人々になれたら・・・
「悪がテーマのスリリング御伽草子」。
この解説から、多少の恐怖は覚悟して座席に着きました。

幕が開くまでの間、美しい装丁のプログラムをゆっくり読み込むことに・・・

すると、

突然、底の見えない群青色の滝壺に飛び込み、
夢中で水面を目指せども、身体が浮いていかない混乱。

または、

ふいに、藪の中に迷い込み、行けども行けども
闇ばかりまとわりついて、逃れられないあせり。

そんな混沌の中で、突然現れる人間(?)たちの、不思議な不思議な魅力。

このプログラムは、御伽草子の世界への扉。
その中へ進んでいくと、あっという間に幽玄な中世代に迷い込んでしまいました。

(武田和香さんのデザインによるプログラム、素晴らしいです!
 皆様も、幕開け前に是非一読を!)

ここからは、作家さんのこの作品に向ける想いや、現在の心境、
このカンパニーのみなさん、スタッフのみなさんに結ばれた
熱い絆も読み取ることができます。

また、見逃してしまうかもしれない、この作品の根幹になるテーマへと導く、
まるで母体と赤子とをつなぐ「へその緒」のような繋がりも得られるように想いました。

こんな、「ちょっぴり予習」をしているうちに、いよいよ、開幕です。
つづきは、「ネタバレ」にて。

ネタバレBOX

観劇後、自宅にて「酒呑童子」について調べ、改めて、この作品の深さを知りました。

酒呑童子が置かれた「キセキ」という立ち位置には、三つの意味があるように思いました。

一つは、鬼籍=キセキ(死んだ人の名前が記される帳面)に載せようにも、
     名前も(その存在さえも)確認されていない、ある魂が、
二つめ、自分は何者であるかを訪ねる旅の軌跡=キセキを通じて、
三つめ、ついにその存在を知る奇跡=キセキを起こす。
     いくつもの悲しみを生み出しながら。

そう表現すると、とても重たい印象をうけますが、

舞台は、幽玄でありながら、お笑い好きな現代人に優しく、

目に見えないものへの恐怖を、突然投げつけながらも、
「これも有りなのさ・・・」と、頼もしく、

人間の心深くに潜む、「悪」について、
えぐり出すような痛みを与えておきながらも、
「みんな、一緒さ・・・」と、フォローしてみたり、

全編を通して、善も悪も受け入れていく、
深い人間愛が、脈々と流れているように感じました。

だから、人間界に強い恨みがあるために、鬼にならざるを得なかった者たちが、
やたらとチャーミングで、むしろ、登場する他の人間達よりもずっと、
観る者の心に近づいてくる。
鬼を、受け入れ、同情してしまっている自分に、驚く。

その心境になると、妖怪退治四天王の統括を命じられた、源頼光がラストにて、

突然命を奪われた妻道子と、
その胎内に存在しながら、生まれ出づることのかなわなかった、
赤子(酒呑童子)の無念さに、狂うほど、哀しみ、
それでも、愛する二人が、鬼となりゆく前に、
自分の手で、その魂さえも、切り裂かねばならなかった、
想像を絶する苦しみを、ともに知ることができる。

辛かったです、耐えられない痛みでした。

ただ、ひとつの救いは、
その純粋さゆえに、自分がどんな存在か知らぬまま、
人を喰い、命を奪う悪事を重ね、「鬼」へと変幻してゆく赤子、酒呑童子が、
すんでのところで、
長く苦しい旅の中で探し求め、何よりも知りたかった、
自分の母と父を、その目で見ることができたこと・・・

けれども、それもほんの一瞬のことで、幻のようでもあった。

切ないです。ほんとに、悲しかった。心が、痛かった。

でも、「キセキの人」を観た観客が、この心の痛みを持ち帰ることは、
とっても、大事なことなのでしょうね。

最近の、子どもや、お年寄りなど、社会的弱者が巻き込まれる事件の
なんと、陰惨なこと・・・

「こんな悲しい思いを、してもさせてもいけない!」
そんな決意と、

でも、やっぱり、どんなに苦しくても、力強く笑って生きる人間って、美しいよね!
そんな、人間愛を胸に、これからを共に生きて行けたら、素晴らしいですね!

「キセキの人」を創り上げた人々と、それを魅せていただいた人々が、そんな
絆で結ばれたら、それも、ひとつの奇跡ですね。

[ty.]

[ty.]

コメディユニット磯川家

こった創作空間(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

メンバーのキャラクターがわかった
初見です。
島岡亮丞、岡洋志、信原久美子、斉藤コータ、菊池祐太、物延結、木畑バタ子、二宮瑠美、川面千晶が繰り広げるコント集。メンバーそれぞれの持ち味がわかって、今度、磯川家の芝居を観る上で、よき入門編になったと思う。
コントとコメディの差について、「答えはない。楽しかったら、なんでもいいじゃない」と言い切る作・演出家、保木本の潔さに好感が持てる。
カーテンコールのときの出演者の、演技ではない明るい笑顔が印象的。

ネタバレBOX

自分が面白かった順に内容を紹介すると、

「おにごっこ」
順番ではラストのコント。
子どもたち(岡、斉藤、菊池、木畑、物延、信原)が集まって鬼ごっこしようとすると、本物の赤鬼(川面)が現れる。
あまりの怪力で子どもたちが死んでしまう。悲しんだ赤鬼は、夢を叶える象の女神(二宮)の力で、子どもたちを生き返らせることができたのだが・・・。
童話の「泣いた赤鬼」がモチーフで、川面の赤鬼が力演。犬のハゲマル(島岡)も面白い。

「王様ゲーム」
4人の男女(島岡、菊池、川面、二宮)が王様ゲームを始めようとすると、そこには王冠をかぶった本物の王様(斉藤)がいて・・・。
この王様がとにかく可笑しい。ゆっくりした話し方と目の動きに注目。

「名探偵ドコナン」
名探偵コナンのパロディだが、無表情のドコナン(信原)が発する関西弁の疑問形「・・・・なん?」、語呂合わせの言葉遊びで笑わせる。このコントには、「名探偵ドコナン予告」の短編2つが付く。

「舎弟と兄貴」
やくざの姐さんが漫才コンクール予選に落ちて失踪。その敵をとろうと、兄貴(島岡)と舎弟(岡)が「ペロン・プリン」というコンビを組み、予選に出場するが、漫才がどういうものかまったく理解していない兄貴のおかげでボケとツッコミがうまくいかず、話が前に進まない。本物のハジキや麻薬をポケットから取り出したり、一人になると俄然心細くなり、ハケることもできずに、舎弟を呼ぶ兄貴。舎弟の岡の、やけに甲高い作り声が印象的。


「イスのない教室」
イスのない教室で、中腰の姿勢のまま、2人の女生徒(物延、木畑)と男子生徒(菊池)が女教師(川面)の生物の「受精」の授業を受けている。
4パターンあり、状況が変化していくが、ムリな姿勢の生徒役の俳優たちの体力勝負コント。「立たされる」という体罰が「解放」であるという逆説(笑)。

「打順発表」
野球部の監督(岡)が、選手(島岡)と女子マネ(信原)を前に、ボードとマグネットを使い、打順(=守備ポジション)を説明していくが、選手名が大リーガーや、野球に無関係な名詞で、ポジションもサッカーのだったりしてメチャクチャ。2パターンある。

「擬音エロ小噺」
男女(斉藤、二宮)が、状況とはまったく関係ないHな擬音で会話する思わせぶりコント。
終演後、「擬音が生々しすぎて笑うに笑えない。あそこで笑ったら女子に品性疑われる気がして笑えなかった」という男性客の声。
関西では気にせず笑う客が多いのでしょうか?
「せめて、またあの花が香るまで」

「せめて、またあの花が香るまで」

PocketSheepS

TACCS1179(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

香る舞台
少しセリフを噛んだりするのが多いように感じましたが、面白かったです。

ネタバレBOX

亡くなった彦馬が物語に絡んできてからは、面白かったです。
(彦馬自身を演じる役者はいませんが、他の役者がいるように見せる演出)
で、その彦馬が憑依する紅葉役を演じた鈴木寿枝さん、紅葉である部分と、彦馬である部分の演じ分けはお見事でした。

また殺陣も、別の場面で起こっている戦いを、同じ舞台上で見せる演出は迫力がありました。
それと、殺陣をしそうにないキャラがお見事な殺陣を披露してたのはビックリでした。

後、クライマックスである匂いが香ってくる演出はなかなかニクイ演出でした。

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