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十六夜-いざよい-【全日程終了!ご来場ありがとうございました】

十六夜-いざよい-【全日程終了!ご来場ありがとうございました】

劇団5本指ソックス

ART THEATER かもめ座(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

好演でした
とても丁寧なつくりのお芝居でした。特に奇をてらった演出もなく淡々と進む感じでしたが、退屈に陥ることも無く最後まで楽しめました。

ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール

ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール

ロロ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

モテナイ男も錯覚するっっ
千秋楽に感激。誤字ではないです、感激。頭じゃなくて心に直接訴えてくるバラエティィィィ!!!!頭が物語を整理するより先に目の前に、見たことないような楽しい空間が広がるワクワクするような舞台。話のあらすじなんて「ボーイ」が「ガール」と「ミーツ」する話としか言えないけど。こういうのだよ、見たかったやつって思いました。何より楽しいのは、コリッチに書き込んでいる人達の評価がイロイロなこと。いろんな見方が出来るって嬉しいなぁ。

ネタバレBOX

劇場に入るといつも舞台がある方に客席があって、客席がある方に舞台がある。白いでっかいパネルのみのシンプルな舞台にドキドキする。非言語で訴えてくる部分がすごく魅力的な舞台だなぁと思った。抽象的なシーンや前衛的なダンスも観客を置いていかないレベルで心地よい。頭に残るのは、過激なシーン。風船はどんどん割れるし、乱闘シーンは本当に殴ってるし、踊るシーンは力の限り踊るし、空から色々降ってくるし、女優さんは最後空を飛ぶし、猪木や寅さんもいたこと。だけど、心に残るのは「当たり前だけど人は生まれて死ぬ。でもあぁ、人を好きになるって良いな。」って気持ち。

100回女の子との別れを経験した主人公が、生まれたばかりの女の子と恋に落ちて。でも世間は大量殺人鬼で騒然としていて。その殺人鬼も恋に落ちて。物語の拡大解釈かもしれないけれど私見を言えば。生まれたばかりの女の子が「生」の存在で、メタファな存在の殺人鬼が「死」の存在だとすれば。僕たちは死ぬために恋愛してドキドキしてるのかな、死んでもドキドキしたいのかなって思わせてくれる。2人でいると、世界中どころか宇宙にも行けるし、雷も落とせるし、時間も止められる。殺人鬼だって恋するし、でもどんな人にも死は訪れる。当たり前の事だけど、何か当たり前ってステキって思わせるからスゲーです。
悪役志願

悪役志願

黒色綺譚カナリア派

座・高円寺1(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度

がっかり
戦後日本を売春宿を軸に描くというなら、井上ひさしのように、とまではいかないにしても、もう少し歴史をしっかり「勉強」することが必要なのではないでしょうか。おとぎばなしにも、しっかりした背景がないと、単なる空想、妄想のレベル。ストーリーもありきたりで、すっかりしらけてしまいました。役者の方は頑張っておられたと思います。

今宵、宇宙エレベーターの厨房で【ご来場誠にありがとうございました。】

今宵、宇宙エレベーターの厨房で【ご来場誠にありがとうございました。】

隕石少年トースター

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★

おいしいゴハン~♪
コリッチのチケットプレゼントで招待いただき、喜んで見に行きました。千秋楽
の日のソネマでした。普段芝居は一人で見る事が多いですが、オソレオオクも、ペアで招待していただき、職場の友人誘って池袋へゴー!!
広報に「ピクニック演劇」って書いてあって、どんなかなぁと思ったけど「演劇
初心者でも置いていかれない丁寧で優しいコメディ」かなと感じました、観劇後にです。普段芝居を見ない友人も、すごく喜んでました。これってすごく大事なことだと思います。ただでさえ演劇人口はまだまだ少ないのに、間口を狭める演劇も多いですもんね。敢えて難を言えば、「お昼食べずに昼公演を見たら、作品中の料理が旨そう(あれ本当に食べてましたよね??)見てる最中にお腹が鳴った」ことかな。ごちそうさまでした~☆

ネタバレBOX

「宇宙である必要性」とか「会議の賛成・反対」とか、話の軸になってる部分に
もっと触れて欲しくて残念。あと、これは完全に好みの問題だけど丁寧過ぎて前フリ長いなぁと思った所は幾つか…。今作品見て、「笑いって人を元気にする」なって思いました。時には「笑いは人の不幸を面白がる、悪趣味」なのかなって思うこともあるけど。でもやっぱり笑うことって幸せです。「食べるも笑うも人の喜び」、これを奇をてらわず、自然な笑いを目指して表現されてて好感触です。また関西からきてほしいなぁ。
今宵、宇宙エレベーターの厨房で【ご来場誠にありがとうございました。】

今宵、宇宙エレベーターの厨房で【ご来場誠にありがとうございました。】

隕石少年トースター

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★

なんとなく前評判とズレ感じました
結構舞台セットがしっかり出来ていて驚かされました。
ちゃんと蛇口から水出るし!
愉しいキャラクター達が織り成すシチュエーションコメディでしたが、
芝居の進行テンポが、やや遅く感じられ。
登場人物達が、状況にあわせての行動するだけで。
自立行動して、観客納得させる自主行動が無かった気がします。
唯一マイペースで行動していた、テンパリオーナーが自然に思えた位です。
各人の性格設定などは上手で納得いくものがありました。
それを突き詰めて、
話の進行で作られた状況に即対応する行動力を見せていけば、
上演時間も短くなり。メリハリ付いた気がしました。

ネタバレBOX

厨房がメインで料理作っている割には、
それほど美味しそうなもの出来てる気がしないのは、
なぜだったんでしょうか?

説明で「月へ向かう厨房」となっていましたが、
実際は月に向かうシャトルの中継点:ターミナル行きと表記するほうが
正確だと思う。(SFマニアは細かいぞー)

観客席側に大型モニターあるという設定はいいのだが。
Dayスケジュールの時間進行表なんぞを壁に張って、
時間押してるからとか、やってるシーンも入ったら、
緊張感UPしたかもしれませんね。

SPさんに何度も抱えられるオーナーは楽しめました。

月土産の特殊合金キーホルダーは結構、サラッと流したワープのSF話に
深く関わっている割に、伏線のはり方が甘く感じたし、
宇宙人くんの恋心の説明時間が小さく、共感・納得がしにくかった。
人のワープについての説明も、殆ど無かったし・・・。
宇宙人くんの行動が、またトロイ!
科学者とは思えない設定です、
オーナーなみに使える設定の人物でしたのに、性格の煮詰め方が弱すぎ。

SPさんは存在感、行動共に納得で。
格好も相応しい方が、なさっていましたね。

大気圏突入時、一分間の高温時間あるのに。
非常灯に切り替わるという科白あったと思ったけど、
舞台での表現無かったし、シュチュエーション的に、
なんかあるべきだったのでは?と感じました。

うーん・・・まとめると 
高級食材を、あまり料理が得意でない人が、
仕方なくレシピ見ながら、ダラダラ作った感じがしましたです、ハイ。
悪役志願

悪役志願

黒色綺譚カナリア派

座・高円寺1(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★

後半の高まりは大好物だ!
なんと言っても、劇団名がカッコいい!(笑)
その劇団名と、このフライヤーである。
「濃さ」を期待せずにはいられない。

しかし、思ったほどの濃さはなかったかもしれない。
もちろん、味は濃いので、ソースで言えば、とんかつソースとウースターソースの中間の、中濃というところか。
……それはさすがに違うか(笑)。

ネタバレBOX

舞台の上のセットがとても素晴らしい。高低差や左右、そしてブランコまで。
しかし、意外にあっさり風味だった。特に前半が。
なぜそう感じたるのかと思いつつ見ていたら、思い当たったのが「人間臭さ」。
娼館が舞台であり、それなりの雰囲気を持つ役者たちが揃って、艶を競っているのだが、彼女たちやお客の男たちの「人間臭さ」が臭ってこないのだ。

すっきりときれいな印象だ。
ドロ臭さのようなものが感じられれば、主人公であろうテコの境遇がもっと鮮明になったような気がするし、それに対するハシの無表情な雰囲気も際立ったような気がする。

いろんな要素が解け合った前半は、それなりに面白いと思ったのだが、残念ながらもうひとつ乗れなかったのはそういうことかもしれない。

ただし、テコの独白から始まるラストへの進行と、ラストの雰囲気は、「大好物」(!)と叫んでもいい空気感があり、これが全編であったならなあと、思ってしまった。
最後に盛り上げるという意図もあろうが、この空気感で全編を覆い、さらにラストを盛り上げてくれたならば、最高だったと思う。

仇の娘ネルバ(中里順子さん)の背筋の伸びた堂々とした感じと、ハシ(市川勇さん)の不気味さ(ラストの結婚式での笑いは恐ろしい)が特に印象に残る。また、テコ(牛水里美さん)の衣装を替えながらのながらの、気持ちの変化はなかなかだった。あの独白シーンは特に好きだ。

そうそう、男女の睦みごとをベッドを回す、という行為で見せるのは実に面白い。男が汗を流してベッドを回すのだ。
それと、お客の男たち(だけ)の衣装に施された、アノ造形物はお下品でとってもいい。

期待値が大きかったので、ちょっと厳しめの☆の数になった。
また観たいかも。
悪役志願

悪役志願

黒色綺譚カナリア派

座・高円寺1(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

カナリア戦後風刺劇
掃除役として娼館に侵入した外交官が、1人の女を貶めて育てて妻にする。逆マイフェアレディ。女の美しさ汚さ、男の滑稽さを楽しく観て、なるほどと思ってるうちに、背筋が寒くなりました。牛水さん熱演、可愛いし綺麗だしぶっ飛んでるし。華やかで煌びやかな世界のうちに、流れてるのは戦後の日本の悲しさ逞しさ。歴史を勉強し直してから行けばよかった!っていうかカナリアが社会派劇だなんて、それに1番驚きました。

ネタバレBOX

キャデラック=アメリカへの復讐。ラスト、息子が語る後日談で、一気に構図がみえました。テコの変な英語と、笑って食べるハンバーガーは、敗戦した日本の復讐の仕方!なるほど。日本て、たとえ憎むべき相手でも、取り込んでしまう国という解釈。もしかしたら日米安保条約の風刺劇かもしれません。
「死んじゃった奥さんと同じ観音様はここにある!」松崎さんのセリフが逞しかった。あと、オープニングとラストの市川さんが、びっくりするぐらい怖かった!夢に見そう!好きな女を、財布を捨ててまで貶める気持ちは理解できませんがww
[ty.]

[ty.]

コメディユニット磯川家

こった創作空間(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

流石、名人の域に達している!
物延結さん、もののべって如何にも関西っぽい名前ですね。可愛い女子高生も今回は…。

ネタバレBOX

体は大人、頭は子供、ドコナン、笑いました!!

顔をくっつけてしゃべる、大笑いしました!!!

禿も話題に……、前回の3本立てのときに気付いていましたが、言ってはいけないと認識していました。元々、おおっぴらなんですね。

立たされて喜ぶ授業、エアー椅子、お疲れさん!!
吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

APOCシアター(東京都)

2010/08/19 (木) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★★

哀しくてやりきれない。
ガレキの太鼓第4回公演、「吐くほどに眠る」を観る。この作品を25歳(くらい?)の子が書いたということにまず衝撃を受ける。仮題では確か「女の一生」というタイトルだったと思うが、まさにひとりの哀しい女の一生の物語だ。

今回チラシが衝撃的なほどにエロい。(褒め言葉)そして「ひざまずいて許しを乞えば、どこから始められるだろう」というコピーが付いている。今日の芝居を観ながら、主人公がもし許しを乞えば、どこからやり直すことが出来たのだろうと思った。全ての人間が幸せになりたいと思っている。それにも関わらず、不幸へ向かってどんどん突き進むタイプの人間がいる。今日の登場人物もそんな感じ。ラストシーン、ああなるしかなかったのかと思うと、涙が流れた。

※観てから二日たったが、印象が薄れるどころか、ますます心に染みてきた。この素晴らしい作品をなんで4星にしたのか、自分で自分がわからない。ということで、5星に訂正する。申し訳ない。

『CHORIKO』 チョリ子

『CHORIKO』 チョリ子

anarchy film

新宿アシベ会館B1(東京都)

2010/08/12 (木) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★

個性?
暑さより、ライブハウスの雑音の方が、気になりました。最後列のソファー、舞台に向かい中央やや右側に、座っていたのですが、私の前列、通路のパイプ椅子に、ガタイの大きい男性2人・・ソファー側の床と通路の床で、段差は、あるものの、ソファー自体が、低い作りなので、見え辛かったです。ソファーに座ってからでないと、通路に椅子出せないので、仕方ないと思いますが、椅子の高さは、配慮頂きたかったです。
私の左隣の女性は、暑さに耐えきれないらしく、パンフレットで、始終パタパタと、顔の前で、扇ぎ、又、私の前の列で、2つ左隣(左斜め前)に座った女の子が、カンカン帽被りっぱなし・・で、青木社長のゴルフの練習シーン等左側が、見えづらかったです。カンカン帽は、トレンドだけど!可愛いんだけど!つば幅10㌢位なんだけど、・・結構な障害物でした。私も開演迄、パンフレット見ていて、気付かなかったのですが・・・本人の自覚の問題ですが、スタッフの方も、ご注意お願い致します。

ネタバレBOX

健常者だから、まともだとも、限らないーーーーー私も、そう思う
1+1が2とも、限らない         ーーーーー私も、そう思う
大多数、意見が、正しいとも限らない ーーーーー私も、そう思う


等等を表現する方法が、特殊し過ぎで、不気味な不快感を、強く感じた。体勢も顔つきも、あそこまで徹底し、各々違う動きをしながらも、妙な一体感を醸し出す役者さん達には、ひたすら敬服致します。それでも、不気味と感じる私に、心がないのかと、自問自答を繰り返したが・・やはり自分の好みでないと痛感。メッセージ性も独自の世界観もあると思うが、私は苦手です。勝手な個人的趣味で、申し訳ありませんが、これも、個性として、お許し下さいませ。
かすかに、UFO

かすかに、UFO

りゃんめんにゅーろん

ヌーヴォースタシオン(大阪府)

2010/08/21 (土) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

良い。良いが、客足が。
二度目の観劇。期待通り面白かった。
役者は皆上手いが、特に劇団の主宰が演じる課長が良い。
笑いの中に突然投げ込まれる、冗談臭いのに志の高い台詞と、
ラスト、突然現実の世界ににつきはなされる演出が素敵だった。
音響も控えめで心地よく、笑いもあり、涙もあり、真面目で好印象。

しかし、それにしても、客が少ない。単館映画の感じは良いが・・・
あまりの少なさに、こちらが気を使ってしまう。
ホームページからしかチケットの入手もできないし、
もうすこしきちんとしたほうがいいと思う。余計なお世話かもしれませんが。

express

express

PLAT-formance

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/13 (金) ~ 2010/08/15 (日)公演終了

満足度★★★

今後に期待
15mm vol 8 では圧倒的な面白さを披露してくれてました。構成&緊密感。

今作については、どうなのかしら?という感覚。そんな文みたくない方も居られることと思いますのでネタバレに。

凄いと思ったのは、わりと前半のシーンで流れた音楽。こんなのオリジナルでしかあり得ない!と思ったら、やはり御自身で作られたものだと。

ネタバレBOX

『express』では、ところどころ笑いの刺激はありましたが、"ところどころ"であって、それで集中を維持できるものではなく、わたしは途中で脱落。最後まできちんと観れていれば構成も楽しむことができたのかもしれません。
15mm を観て、ポテンシャルはあると信じているので今後に期待です。
宝塚BOYS

宝塚BOYS

東宝

シアタークリエ(東京都)

2010/08/06 (金) ~ 2010/09/01 (水)公演終了

満足度★★★★

夢のレビューシーンにはやはり涙が…
この作品、私にとっては、生涯の忘れ得ぬ佳作舞台の一つです。
初演から、再演、今回の再々演と、たぶん10回以上は観たのですが、涙なしに観た記憶がありません。

ある芝居においては大酷評させて頂いた中島さんの脚本、こちらは、何回拝見しても、名作だと思います。
そして、また感心したのが、鈴木裕美さんの演出力の凄さ!!
今回のキャストは、御本人の役者さんの力量如何より、キャスティングそのものに無理がかなり感じられるのにも関わらず、今回のキャストに見合った、新たな演出工夫が随所に感じられ、驚きました。

初演があまりにもベストキャストだったので、再演、再々演と、舞台の出来栄えにおいては、相対的評価は、どうしても下降せざるを得ないのですが、それでも、この作品が、類稀な名作であることには疑いの余地がなく、初演に比べたら、星は少なくなる実情ながら、やはり、最大評価したい名作舞台には違いありません。

そして、今回の舞台で一番驚いたのは、赤ペン先生こと、瀧川さん!私は、どういう経歴の方か、全く存知上げないのですが、以前、みきかせの、こゆび侍のお芝居に出ていらっしゃいました。小劇場の役者さんなんでしょうか?
そうだとしたら、あっぱれ!本当に、皆さんと互角に渡り合い、キャクターのユーモアとペーソスを見事に、感じさせて下さいました。

ネタバレBOX

戦後間もなく、宝塚が男性劇団員を加入させていた頃の実話に基づく、青春ヒューマン・コメディ。
実際の宝塚BOYSに取材できるだけあって、中島さんの脚本にも説得力があり、そこに、ちょうど良い塩梅のコメディテイストの加わった、笑って泣けるハートウオーミングな芝居です。

宝塚の女子生徒との交際や会話も一切禁止される中で、いつの日か、宝塚の舞台に立てる日が来ることを信じ、何度期待を裏切られても、地道にレッスンに明け暮れる、宝塚BOYSの熱意が、哀れで、笑いながらも、時々、胸の奥が切なさで、苦しくなったりします。

初演時の、出自の異なる役者さん達の共演舞台は、そのまま、この宝塚BOYSの情況に酷似していた効果もあり、まるで、ドキュメンタリーを観るような、リアリティに満ちた舞台でした。
戦後間もなくの、生きかたに戸惑う当時の若者の苦悩も、よく表現されていました。皆、戦争体験者に見えました。

ところが、今回の再々演は、ミュージカル畑と、映像タレント出身者にほぼ2分され、ストレートの舞台で、役者力を培ったBOYSがいなかったのは、この舞台の説得性を薄める原因になっていて、その部分は大変残念でした。
皆さん、どこからどう見ても、現代青年にしか見えず、彼らが戦争体験を語る度に、どんどん気持ちが舞台から遊離して行くようでした。

と言っても、個々の役者さんの、演技者としての力量は、かなりアップしていて、そのことは、彼らの初舞台から観ている私には、何よりの嬉しい贈り物ではありました。特に、ミュージカル俳優の4人の役者さんは、演技力がとみに増して、心境著しく感じました。

ただ、この作品、皆、それぞれの役に、日舞の師匠の息子とか、大衆演劇の家の息子等、生まれながらに身についた所作が必要で、またその生来の特徴が、笑いのネタになっているので、日頃、そういう演劇訓練が全くない役者には、元来無理な役どころが多いのです。
皆さん、懸命に演じはいましたが、どうもそのキャスティング時点での無理が多すぎて、残念ながら、過去の相対評価は最悪にならざる得ないのが、ファンとしても残念でした。


でも、そうであっても、この作品の持つ得難い魅力は、健在で、何と言っても、とうとう10年近くも憧れ続けながら、ついぞ一度も、宝塚の舞台に立つことの叶わなかった、彼らの、幻のレビューシーンには、感動しない観客はいないだろうと断言できます。
あのシーンは、何回観ても、涙で舞台が見えなくなります。
ダンスや歌のレッスンなど、たぶんしたことのない役者さんも、見事なレビューを見せて下さり、心から驚嘆と尊敬の思いで、心が破裂しそうになります。

幻のレビューで、大きな羽根をつけて踊っていた、BOYSが、一瞬の内に早替えをして、団員の別れのシーンに登場した時は、客席にどよめきが起こりました。

最後の別れのシーンで流れるトランペット。今回も、演奏は、山路さんでしょうか?この曲、何回観ても、この場面に猛烈フィットで、泣かされます。

演劇を心底愛する家庭に育った身としては、こういう芝居が一番苦手です。(これ、最大の賛辞)だって、必ず泣いてしまいますから…。


初演、再演では吉野さんが演じた星野役の東山さん。ダンスの巧さを嫌がおうにも見せ付けて下さり、コメディセンスも抜群で、この役に関しては、初演と甲乙つけ難い印象でした。
浦井さんは、家禄さんの苦悩ぶりには遠く及ばないものの、人の良さと、可愛らしい性格描写はピカイチでした。

初演、再演をご覧になっていない方には、十中八九、気に入って頂ける作品の筈です。
悪役志願

悪役志願

黒色綺譚カナリア派

座・高円寺1(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/26 (木)公演終了

満足度★★★★

華を見せるセンスの卓越
娼館の風情を、広い舞台に作りあげて、がっつりと魅せる。
それだけでも、わくわくものなのですが、
内に織り込んだ、ほろ苦くシニカルなテイストが
また良くて・・・。

序盤から中盤までの舞台に色に
目を奪われ、
終盤の物語の流れに
目を見開き、満たされて・・・。

作り手の色の醸し方の手練と
描き方の懐の深さに
どっぷりと浸ってしまいました。

ネタバレBOX

骨格がしっかりした舞台なのだと思います。
冒頭のシーンで引き込んで、
ストーリーの外枠をあっという間につくると
娼館の雰囲気で舞台を満たし、
兄妹の行く末や、その娼館の顛末で
伏線たちを心地よく回収していきます。

作・演出の手練から、
キャラクターがそれぞれに持つ
感触が見事に引き出されて・・・。
役者のひとりずつから
個々のロールの香りがが
確かな質感とともにあふれてくる・・・。
特に女優達の美しさというか舞台栄えには瞠目。
役柄をまとって、美しさが際立つ感じ。

娼館ですから、
華こそが物語の説得力につながる。
ちょっとビターなテイストも
女性たちの華があるからコントラストを醸し、
陰陽それぞれの世界に、
観客をくぎ付けにしていきます。

さらには、主人公が、
その世界を背負い、
あがき、
抜け出していく後半にも
前半の輝きがしっかりと効いていて・・・。、
物語にたっぷりの落差があるからこそ、
見えるものがある。
妹が闇からから抜ける終盤にも
前半とは異なったまばゆさがあって・・・。
どこか貧しいなかで、
あだ花の香りとともにある前半の輝きと
豊かさに満ちた終盤を照らす光。
それがすっと昭和という時代の流れを
観る側にしなやかに刷り込んでいく。

幅広の大きな舞台なのですが、
場面ごとに見事に密度が作りだされていて瞠目。
舞台の広さが、
きちんとテイストを醸す力になっているのが凄い。

その時代の風情を残しつつ、
時間をしなやかに動かしていく・・・。

観終わって
よく、ここまで物語を運びきったなぁと
感心。

時間を忘れて見入ってしまいました。

○○●●☆☆







対岸の花火

対岸の花火

年年有魚

OFF OFFシアター(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/24 (火)公演終了

満足度★★★

うん。
作・演出・役者の若さがにじみ出ていた。
本的にも役者的にも、頑張って喋らなくてもいいのになぁと思った。
地に足が・・・ついた方がいいのか、このままの路線の方がいいのか。
もっとコメディ路線狙ったのも観てみたいかも。

対岸の花火

対岸の花火

年年有魚

OFF OFFシアター(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/24 (火)公演終了

満足度★★★★★

情趣にあふれた夏芝居
初見です。「ああ、いい気分だなぁ~」、劇場を出るとき、思わずそう声に出したくなる、久々素敵な芝居だった。東京から兄弟の一人が実家に帰省してきて、家族、友人に起こるひと夏の出来事を描いた秀作。「特別なことは何も起こらない、普通のことを普通に書いている」が、にじみ出てくるような情趣があった。つい最近、同じようなうたい文句とよく似た設定の芝居を観に行ったら、ありえないことだらけで正反対の失望する内容だっただけに、本作の感動もひとしおでした。
若い人には古臭く感じるかもしれないし、いい人ばかり出てくるという批判もあるかもしれないが、私は安心して観ていられるこういう芝居が好きだ。たまにはこういう芝居があってもいい。昔の「東芝日曜劇場」みたいだけど。
開演前の空調の説明や、終演後、アンケートを書いている間の作・演出家のトークにも、温かでユーモラスな人柄が表れていて、場内、笑いに包まれていた。森下さんは人情を知ってる人だと思うなぁ。「次回もぜひ、拝見したいです!」と声をかけて、劇場を出ました。

ネタバレBOX

両親が亡くなり、次男・裕二(南場四呂右)が跡を継いだ地方都市の和菓子屋。ネット通販のお取り寄せ商品として、予約3カ月待ちの1個200円の塩大福が人気だという。
東京からカリスマ美容師の長男・一博(安東桂吾)が久しぶりに帰省。「有名人の御取り寄せの店」として一博の実家を取材しに、女性編集者(松下知世)が先乗りでやってくるが、裕二はにべもなく取材を断り、気まずい空気が流れる。
やはり東京から離婚した麻琴(平田暁子)が一博と一緒の列車で酒に酔って帰ってきて、出迎えた和菓子屋の店員で母親の登紀子(安原葉子)と大喧嘩になる。
宅配便の仕事をしている三男の拓海(山下豪)は、幼馴染の秀美(小谷美裕)と恋仲だが、独身の兄2人に遠慮して結婚を言い出せず、秀美はヘソを曲げている。
麻琴は、高校時代、裕二と付き合っていた。デキ婚して別れた夫も顔や雰囲気が裕二に似ていたという。互いに憎からず思っている麻琴と裕二の男女の感情が出る場面が控えめで品がよく、昔の邦画を観ているようでとてもよい。
母の登紀子がいきさつを察してそれとはなしに、麻琴を裕二に近づけるのが心憎い。平田は、大正時代の歌舞伎の人気女形、二世市川松蔦を思わせる古風な容貌。
和菓子職人・江原(上出勇一)と隣で床屋をしている女房の真知代(トツカユミコ)の夫婦が照れながら手をつなぐときに、中年の夫婦の情愛が自然に出る(まちがっても、どこかの芝居にあったようにキャバクラみたいに妻の体を触りまくるなんて恥ずかしいことはしない)。
向こう岸にあるスーパーの4個200円の大福を食べながら店員がする会話や、裕二のネット通販を始めた理由などに、現代の流通業界の実情がさりげなく語られる。
店を継がず美容師になった一博と、店を継いだ裕二が本音をぶつけ合い、それぞれの事情が明らかになる終盤は、俳優の熱演で盛り上がる。三兄弟の俳優がそれぞれ魅力的。麻琴と裕二が結ばれそうな予感を残して終わる。
嘘臭い人物が一人も出てこないし、みな演技がとても自然で台詞の間がよく、役になりきっているところに好感が持てた。拓海にほのかな思いを寄せる女店員梨々花役の前有佳や、ポーカーフェースで女優・麻実れいに似たはっきりした目鼻立ちの編集者の松下も存在感を残す。
和菓子屋の店先の舞台美術が細部も凝っていて、実にセンスがいい。花火や金魚を描いた季節感あふれる額の絵は、切り絵かと思いきや、あとで聞くと、ちょっと値の張る絵手拭いだそうだ。花火を表す照明が臨場感たっぷりに客席を染めたのが感動もの。
のるもの案内

のるもの案内

スミカ

MODeL T(東京都)

2010/08/21 (土) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

素敵空間。
事前に郵送で届いた宿題は「今までで一番印象的な旅」。思い出しながら書いてるうちにとても幸せな気分になり、劇場に向かう電車の中も小さな旅に出るような気分で過ごせました。

そして、カフェに着くと、ギャルソン姿の菅野さん・金丸さん・鈴木さんのお出迎え。どこのイケメンカフェかとドキドキしてしまいました(笑)この演出も、確りとした舞台芸術に根を降ろした方達だからこそ成り立つのだなと思います。

もちろん肝心のお芝居も、カフェならではの素敵な空気感に溢れた珠玉のようで。身の回りの品物の擬人化や宿題を使った即興芝居など、遊び心たっぷりの演出も面白く。観客としてではなくカフェの客としてその空間に馴染んでいるような気にもなり、夏の一つの思い出としてとても印象的な1時間を過ごさせていただきました。

夏真っ盛りでしたが、「暑い」ではなく「あたたかい」。こんな優しい気持ちにさせてくれるのは、さすが時間堂+スミカさん。帰りの電車でももちろん笑顔。楽しかったです☆

のるもの案内

のるもの案内

スミカ

MODeL T(東京都)

2010/08/21 (土) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

すげぇ!
あの空中前転はすげえ。力技だね。あれを観ただけで元をとったような気がする。出演者の名前を見ただけでもう十分期待しちゃっていたが,劇場(店)に入るとあらあらウエイターをやってたりドリンクを作ったりしているではないの。床に寝ている役者さんもいるし。始まる前から楽しませていただきました。2作品とも珠玉の出来。そしてクライマックスの空中前転。面白かったし,おみやげも付いて大満足です。舞台と客席の境界線のないこういう公演。芝居をあまり観ない人も病みつきになってしまうはずです。

悪名高き治助の恋

悪名高き治助の恋

劇団芋屋

萬劇場(東京都)

2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了

満足度★★★★

やられた^^;
タイトルだけですっかりシリアスな恋愛の話と思っていたら・・・なるほどパワーコメディですね。ちょっと盛り込みぎみで治助はどこ行ったんだくらいの部分もありましたが,ご愛嬌ですね。笑わせていただきました。治助シリーズ第一弾も観たかったなぁ。次の第三弾はどんなものになるんでしょうか。

宇宙ダイヤモンド

宇宙ダイヤモンド

劇団TipTap

中目黒キンケロ・シアター(東京都)

2010/08/20 (金) ~ 2010/08/23 (月)公演終了

満足度★★★

スペクタクルに相応しい。
はじまりからおわりまで沸点で駆け抜ける何も難しいことを考えずに楽しめる作品でした。
ミュージカルの場合、役者の歌、ダンス、演技のスキルがすべてクリアーしていないとその世界に入り込むことが難しいのですが、ひとつひとつのキャラクターの表情が微妙に変化するダンスがすばらしく、圧倒されました。
歌唱力、演技については、役者によって力の差異が浮き彫りになった場面も見受けられましたが、オリジナル楽曲の良さと舞台効果の工夫とで乗り越えているように思えました。
スターウォーズの主題を踏襲した物語の構成は、賛否両論がありそうですが、個人的には許容の範囲内でした。

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