最新の観てきた!クチコミ一覧

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ザ・ベストマンションシリーズVol.3F

ザ・ベストマンションシリーズVol.3F

コメディユニット磯川家

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/07/14 (水) ~ 2010/07/18 (日)公演終了

満足度★★★★

「HELP」を観劇
ある人気作家の最新作の発売が近づいてきているが、書けていないため、あるマンションの1室に缶詰状態(設定は、缶詰より監禁状態ですがww)にされ、そこから逃げ出そうとして編集者が仕掛けたトラップに引っかかったり、何故かいろいろな人が訪ねてきて、その場をごまかす為に嘘をついて、その嘘が嘘を呼んだりして、ラストはこの部屋で起こってる事を小説にしてしまうという、コメディータッチの物語になってました。

物語の展開もなかなかテンポよく面白く、また笑わせてもらいました。
また、物語上非常に重要になってくるトラップですが、鉄球(若干危なそうではあったがww)と落とし穴は、役者の演技と効果音のタイミングがなかなかバッチリで非常に笑わせてもらいました。

しかし、予想外に面白かったので、もう2本がどのような感じであったのか、非常に気になるところ。

ネタバレBOX

最初の場面で、本棚の下敷になって抜け出せない状態になっているのに、本棚が軽すぎて浮いてしまったり(これは役者が抜け出せないような演技をもっとしないと)、ラスト逃げ回っていたのに、状態を収拾せずに終わらした(まあ、よくある描き方ですが)などはちょっと残念であったかな。
Wannabe

Wannabe

柿喰う客

アトリエ春風舎(東京都)

2010/06/29 (火) ~ 2010/07/19 (月)公演終了

満足度★★★★

英語が苦手でも
日中韓の役者が集まっての舞台だったので、セリフがどうなるかな?と思っていましたが、基本は英語(というより日本語英語や単語英語と言ったほうがあってるかな)でした。ただ、ジェスチャーなども交えたりしてたので、英語が苦手なオイラでもなんとなくわかるような感じになってました。

若干一部のキャラの関連性が判りにくいかなはありましたが、面白かったです。
ロングラン公演だったので、早めに1度観ておけばよかたと思える舞台でした。
しかし、七味さん怖いです(笑)

ダミーサークル

ダミーサークル

花まる学習会王子小劇場

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★

もう一度観たかった
あまりにも無防備な様と劇中劇で急にもっともらしい演技をする彼たち。冒頭歩くシーンではマジマジと身体を見てしまいました。近頃の子ってヒョロっとしてるな、警戒心がないようで、それでいてピリリと緊張感が漂う歩き方をしてるなと。現代っ子を感じました。それも中屋敷氏の仕掛けか?アフタートークでは何を演っているのか分からない戸惑いと繰り返し演技する中で芽生えていく演者としての自覚の芽生えが見て取れ、時間の余裕さえあれば、もう一度観たかったです。確かに変化しているハズの彼たちを。また、こういう試みお願いします。若者たちだけではなく、色んな年代の人との組み合わせも面白いと思います。

『刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ』 再演

『刻め、我ガ肌ニ君ノ息吹ヲ』 再演

ACTOR’S TRASH ASSH

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

初々しい!
主役二人の持ち味か?なんとも初々しい雰囲気がありました。
ストーリーとしてはかなり面白かったけど、登場人物の感情や心の動きが早い!?のが気になりました。それ以外は殺陣も迫力タップリで後半かなり気持ちが引っ張られました。今日は『我』のほうを観たのですが、ダフルキャスト『刻』のほうも観たかったですね。

ペン

ペン

劇団NLT

俳優座劇場(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/08 (水)公演終了

満足度★★★★

最後の新たな展開で
盛り上がりました。とても良くできた海外コメディでした。

ネタバレBOX

詩を書いたのは誰かというとき、正直私も忘れていました、弟の存在を!

それだけに新鮮で、そこから一気に作家一族の誕生という、…ったらもう、…なんだからあ、という感じで大団円。

父親がマネージャー的になってうだうだする件では中だるみも感じましたが、トータル大満足でした。

10代の新人女流作家の作品といえば官能小説っぽいという発想はどこも同じのような。途中で思いましたが、時代背景からも、モデルというか着想はサガンですね。

才女を娘に持つのは嬉しいことですが、妻に持つのは大変ですかね、井上さん。
『野球狂の詩子』

『野球狂の詩子』

石原正一ショー

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2010/08/27 (金) ~ 2010/09/01 (水)公演終了

満足度★★★★★

おもしろかった!!
初めての石原正一ショーでした。
あの狭い空間をコロシアムスタイルで使っていて、とても驚きました!
始まってみると、最初から最後まで濃ゆいキャラクターが次から次へと登場して。
お話の展開は一瞬たりとも気を抜けない、すべてが笑いどころみたいなネタ満載なお話で。
めちゃくちゃ笑わせていただきました!
終わった後、笑いすぎて疲れ果てたくらいに(笑)
役者さんおひとりおひとり、みなさん印象深く心に残ってます。
役を全力投球で演じきっているその姿、しかと目に焼き付けました♪
最高~~におもしろかったです!まさしくハラショー!!

ゆめのまたゆめ

ゆめのまたゆめ

劇団五期会

A&Hホール(大阪府)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

ヨカッタよお~!!!
期待通り!!!!
ずーっと引き込まれて、あっという間に時間が過ぎ去りました。
みんなが素晴らしかったです!!!!
モーッ、みんな観てきて!
言葉で言い表せないッ。

マカロニ・ウェスタン・ほうれん荘

マカロニ・ウェスタン・ほうれん荘

劇団阿佐ヶ谷南南京小僧

明石スタジオ(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

古めかしくて微笑ましい。
ふとした瞬間にメーターの針が振り切れてしまったひとたちを戯画化したような、強烈な個性をもったキャラクターが盛りだくさんで、成熟した大人のハイテンションぶりに恐怖を覚えた・・・。笑
ふとんがふっとんだ的なギャグにはちょっとした疎外感を抱いたけれど、昭和の生んだ大衆文化のひとつの轍としてみると、なるほど、分かりやすかった。
さりげなく社会問題にも触れていていたことも興味深い。
『古きよき日本』を記録でしかしらない私には物語の響きが新鮮に映ったけれど、リアルタイムで『あの時代』を過ごしたひとたちがこの作品をみたら、劇中繰り出される往年のヒットソングや小ネタに共感したり『あの頃』を思い出したりするのかな。

ライフパスファインダー2010

ライフパスファインダー2010

パスファインダ制作室

吉祥寺シアター(東京都)

2010/08/27 (金) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

受け入れの態勢にちょっとドキドキ
素敵なメンバーがスマートにエスコート。期待が高まり・・・でも、歌とバンドが最後までずーっと喧嘩していてどちらも主役の座を主張しすぎ。乗りたいのに煩くてどっちか受け入れようよ、と叫びたいくらいだった。企画も団員もいいのに自滅、って感じでとっても残念。ソロの時はバンドも休憩したりしてもいいんじゃないかな。

とろける魚

とろける魚

東京のくも

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

随所にきらめきあり
開演前から激しいビートとちかちかする照明で、まるでライブハウスのようだ。その延長線上で始まった舞台は、あちこちシーンが飛びながらも、ちょっと危なっかしい若者の生態を見事に描写している。象徴的な舞台装置が刺激をそそる。ステージをうまく立体的に使いながら、わざと雑然とした雰囲気を作り出している。

全てに魅力と才能を感じるのだが、1時間という時間が短すぎた。魅力的な登場人物、気になるエピソードが放り出されたまま突然終ってしまったという感じ。そのもやもや感が狙いと言われればされまでだが。

役者は全員水準が高い。自然な演技が出来ている。何人かは学生の水準を超えてこちらの胸に響いてきた。

瀕死の王さま Le Roi se meurt

瀕死の王さま Le Roi se meurt

東京演劇集団風

レパートリーシアターKAZE(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

権力を握った者の往生際の悪さよ!
まるで箱にあいた穴の中に手を入れて、餌を握り締めてけっして離さずに手を抜こうとしてジタバタする猿の如きである。ジタバタすればするほど見苦しい。国家元首ほどの大物でなくても小物でもその辺にウヨウヨしているではないか。この辺りがイヨネスコが現代でも繰り返し上演される理由かもしれない。ちょっと横長の舞台(演技場?)は、座席が端の方だと向こう端での演技が見えにくかった。衣装やヘアスタイルをすぐ近くで見られたのが楽しかった。第一王妃の衣装が色は地味だけど生地に凝ったものを使っていて美しいです。第二王妃の衣装のデザインは若々しくて素敵だが、水色のマントはちょっとピラピラで安っぽい。衛兵の侍スタイルもおもしろかったし、王様、小間使いもそれぞれ良く出来てます。

【ご来場ありがとうございました!】蜻蛉玉遊戯

【ご来場ありがとうございました!】蜻蛉玉遊戯

趣向

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

絶品!
この日はスケジュールにぽっかり穴が空いて、破格の料金ということもあり、急きょ当日券で観に行った公演だった。しかし予想に反して素晴らしいものを観て、ものすっごく感激しちゃったよ。霊験あらかたな気持ちで真摯に観劇。
今回の演目は「キョウダイ」「Sky Burial 天葬」「CARNIVALカーニヴァル」。前2つがオノマリコ、最後がモスクワカヌの戯曲。二人の共通点は繊細で美しい世界観だ。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

「キョウダイ」
二人の兄弟は小さなころから仲良しで2人で一つみたいにいつもくっついて楽天的にバカをやりながら遊んでいた。小学生になっても、中学生になっても、こうしてくっついて離れることはないのだと思っていた。先生にはもっと広い視野で友達を作らなくちゃダメだよ。なんて指導されたけれど、兄弟がいれば私は十分だと思っていた。だけれどやがて、兄弟は、なんだか少しずつ私から逃れようとしているようだった。その兄弟との境界は曖昧で安定していなかった。遠くの大学に行った兄弟はやがて音信不通になり、生きてるのか死んでるのか解らなくなった。かつて私には兄弟がいました。



「Sky Burial 天葬」
父親が仕事で多忙な一つの家族は姉と弟と母さんの3人家族みたいだ。姉は特殊な才能を持った自閉症だ。このことが父を仕事にのめり込ませ、母は姉に普通の娘になってほしいと思い悩む。それでも偏差値88の姉の日本語はオカシイのだ。姉は昔から人間嫌いだった。そんな家族が嫌で弟・洋司は家を出てしまっていたが、チベットで死んだ父が鳥葬をしたという話を聞いた洋司は家に帰ってくる。

鳥に食べられた父と、姉を普通に結婚させて生きさせたい母、自閉症の姉、父にもっと家にいて欲しかった弟の家族の情景を表現した舞台。ワタクシは個人的にこういった物語が好みだ。父の気持ちも母の気持ちも、姉の気持ちも、弟の気持ちも解るからだ。それぞれの気持ちは痛いほど心に響いて、なんだか悲しくなってチクチクした。そしてじんわりと静かに泣いた。みんな、好きなように生きたらいい。そんな風に思えた美しい物語だった。



「CARNIVALカーニヴァル」
女は肉屋を営む。ちっさな町には楽しみなんてない。年に一回のカーニヴァルくらいだ。女は過去にカーニバルのサーカスの男に恋をした。カーニヴァルが終わると男は来年も必ず来るからと言って去って行ったのだった。カーニヴァルは幸せも不幸も持ってやってくる。

あれからカーニヴァルは来てないが女には子供が出来た。しかし女は子供に、「貴女のママはカーニヴァルの歌手だから、貴女を育てられないの。だから私が預かった」と嘘をついて育て、その子は美しい少女となる。女は生きるために馬を殺し馬肉として売るが、少女はそんな仕事が嫌でたまらない。カーニヴァルがもう一度この町を訪れ、歌手のママがいつか自分を迎えに来てくれると信じ夢を見る少女。

オルゴールの箱を開けると音楽を奏でピエロにマジシャン、カーニヴァルの歌手が歌い回転木馬は踊りだす。しかしその夢もカーニヴァルが来ればすべてが終わってしまうのだ。そのカーニヴァルが今年はやってくる。待ちわびる少女。しかし女は少女に本当の事を打ち明けるも、少女は「私がず~っと生かし続けてきた夢をおばさんが壊した。」と詰る。カーニヴァルは幸せも不幸も持ってやってくる。



総括・・どの戯曲も素晴らしい。近すぎる「キョウダイ」の存在から離れたいと感じる心。墨絵を想像させるチベットの山々での優美な情景と現実を帯びた世界観の格差の「Sky Burial 天葬」。幻想の世界で生きる少女の「CARNIVALカーニヴァル」。、特に4人のカーニヴァル団が登場するさまは実に楽しい。

この日は丸尾聡さん(世の中と演劇するオフィスプロジェクトM主宰)のトークの日だった。なんでも、モスクワカヌは丸尾の弟子らしいが、弟子のほうが師匠を上回る本を書くというのは珍しくない。
ヴィジョン

ヴィジョン

ミームの心臓

神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/06 (月)公演終了

満足度★★★★

澄んだ瞳&魂
時間と空間の使い方の巧さ
澄んだ瞳
澄んだセリフ
…がある。

余分な装飾
過度の毒

…はない。

青い、固い部分もあるけれど、
それを超えた魅力を感じる。

次回作も、私は観に行く。

気になる方は、まずはご覧あれ。

生のひと 生いがいのひと

生のひと 生いがいのひと

元東京バンビ

OFF OFFシアター(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

満足度★★★★

あー面白かった!
個性豊かな人たちがたくさん出てきて楽しいひとときでした。

ネタバレBOX

女優のひーっと言ったときや、顔をふぎゃーっとするときの崩し方が素敵でした。

はやしさんのぶっ飛んでいる割にはシャイなところも人柄が表れていました。

バーテンのシラーっとごまかすところ、顔が大きくて距離感が掴めないと言って顔をぴちゃぴちゃやるところ、面白かったです!

付き合っているのに決断しないだらしなさ、楽しかったです!
Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

悪くはなかったんですが・・・
音響や照明の演出がとてもよかったです。
舞台装置も良く考えられていたと思います。
ストーリーは冒頭からとても惹きつけられました。
ですが、何の説明もないまま、投げっぱなしになる中心人物のエピソードなど、
どうもうまく纏まっていない様に感じてしまいました。

初めの印象が良く、期待も高まってしまった為に、
終わってみたらなんだか消化不良な感じがしてしまったので、
評価が厳しくなってしまったかもしれません。

ネタバレBOX

冒頭の暗闇に顔だけが浮かびあがり、独白するシーンがとても印象深かったです。
かなり惹きこまれました。

主人公は嘘をついて【救い手】となったが、その嘘についても
海にとけてしまった人々についても、何の説明もなく
ただ『嘘をついて救い手となった』『皆、海にとけてなくなった』と言うだけ。
【つづき】であるはずの現在の本筋である原発の話には、何も深くは関わってこない。
主人公に”そんな過去があった”だたそれだけになってしまった印象。
”唯一の生き残り”の【救い手】だった彼女をもう少し料理して欲しかった。
せっかく良い材料があるのに勿体無い!と思ってしまいました。

それぞれのキャラクターも、一人の人物のはずなのに、その場その場で急に印象が変わったように感じられる台詞を喋りだして、とても違和感を感じることが多く、
”こんな場面を見せたい””こんな台詞を喋らせたい”と継ぎ接ぎな感じがして、
その人物がその台詞を話すに至る気持ちの過程が読み取れなかった。

あと、台詞が客席まで届かない事が多かったのがかなり残念。

とても良かったと評価されている方もいらっしゃるので、
私の感受性が鈍いだけなのかもしれません。
はじめの掴みが良かっただけに、おしいなぁ・・・残念だなぁ・・・との印象が強く残ってしまいました。
スリー・ベルズ

スリー・ベルズ

パルコ・プロデュース

札幌市教育文化会館(北海道)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/02 (木)公演終了

満足度★★★★

観ました☆
やっぱりイイ!!

パルコ劇場で観たかった☆

Sea on a Spoon

Sea on a Spoon

こゆび侍

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★★

王子小劇場
説明には生と死の贖罪の物語とあり、いかにも観念的な芝居のように思われるが、決して難解な話ではない。面白いという話ではないが、芝居に引き込まれていった。この劇団は今後も見ていくつもり

ただ、座席が窮屈で尻が痛いのにはまいった。

ログログ

ログログ

キリンバズウカ

シアタートラム(東京都)

2010/08/26 (木) ~ 2010/08/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

おもしろかったです。
素直に堪能しました。多少のダレた感じはあったりそういうのはあるんだけど、なんというか自分の腑に落ちる感じ。よかった。

ピープル・ゲット・レディ【公演写真アップしました!】

ピープル・ゲット・レディ【公演写真アップしました!】

Minami Produce

小劇場 楽園(東京都)

2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了

満足度★★★

BVer.鑑賞
夢と認識された世界と現実世界とが、繋がるための少しづつの歩み寄り。
自己の思い込みや願望通りに現われる夢の中の人々と、現実でのギャップ。
夢も、案内人男女2名で。切り替えとか上手でした。
ただ調子というか、テンションの上下。メリハリの幅がもっと欲しかった。
かな。

渡り鳥の信号待ち

渡り鳥の信号待ち

世田谷シルク

サンモールスタジオ(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了

満足度★★

牛と乳と鳥
意図はいろいろわかるのだ。演出家はこういうことがやりたいんだろうなということは。そしてそれにはものすごく共感できる。

が...以下、おもいっきり違和感をかきます。そのあとでネタバレBoxの中ではよかったところを褒めます。誰かにけなされたからって観にいかないようなお客さんはたぶん行かなくていい。そんな尖ったことをやろうとしてる集団だと思うので。(コメントタイトルはネタバレBox内の分についてのタイトルです。)

...しかしあまりにも音響がずさんすぎる。空間は音をつくる。演者の声とかぶる楽曲を流すことを前提に、そして演者の声を掻き消すことが主眼ではないはずの演出で、なぜ演者と観客の間にスピーカをおくのだろうか?もちろんそこにおいてそれを感じさせないエフェクトを用意することはできるがそのような配慮はない。
それだけでなく音楽がこれだけ流れ続ける作品で、なおかつ、抽象美術というかほぼ空の小屋そのまんまであれば、音の響き方でいくらでも場面の差、空間の差をつくれる。それを全くしていない。
さらに音楽のかけ方としてあまりに調整がずさん。ライブで残響と各音域帯のバランスの調整までしろとは言わないが(ほんとはするべき演出プランに思えるが)コンクリートの壁かつ地下室という劇場の特性にあったEQをほどこしていないため、ダンスに対して拍がものすごくぼやけているし、会話の場面に戻っても中音域が無駄に響く。いい選曲をしていると思うし、終盤でかかっていたUnderworldの二つの楽曲のmixはこの作品のために施したremixならばとてもうまい編集だと思うが、それが空間に落ちていない。
その結果として、演者の声も含めた音の流れに緩急がない、リズムがない。ものすごく平板な一定の音圧を観客に与え続けるなら、観客の耳と肌はだんだん麻痺してきて終盤でどんなに大きな刺激を与えられようと感受しがたい。

演者の身体について。たぶん演出家が人間の身体の構造に詳しくない。軸をどうつくるのか、重心を落とす/浮くに関わる制御がものすごく甘い。なのでふだん小劇場の舞台で活躍する演者たちは無駄に腰が落ちているし、おそらく古典バレエをやっていたことのある演者は無駄に胸の位置が高いままで安定している。それがいい場面もあるが全体を通すと全員両方できるべき作品にみえる。みたい絵をみたいといってなげるのならば演出家ではなくて観客である。これだけ身体表現の多い作品なのに残念でしかたがない。

ネタバレBOX

宮沢賢治の原作から、ここまで牛乳をフィーチャーした翻案もいままでかつてなかったかもしれない。生き別れの(?と言えばいいのかな)母と娘の幾度もすれ違いながらの、クライマックスでのほぼ唯一の交流が、父のための牛乳を買いそびれた娘に母が持っていた瓶詰めの牛乳を渡す、そしてその父への渡し方を教え諭す、という場面にもっていくまでの牛乳や乳牛に関わる断片の配置が実にうまい。母と娘は互いに母と娘であることを知らないままでそのやりとりをおこなうが、背景にいる父の存在も含めてものすごくリアルな母娘像をその瞬間、突然にして舞台に提示し、それまでの全てが伏線だったと気づかされる。

鳥をモチーフとした動きが、踊りと各所での演者の仕草にうまくちりばめられていたのが美しい。おそらくはカーテンコールの演者の整列が静止したままに渡り鳥の姿にみえればよいのだろうと思った。冒頭、演者紹介の字幕のでるなかで主人公の女が、舞台が転換していくのに合わせずに、客入れ時から円状に並んだ椅子の外周を回る姿の浮遊観。それと終幕での静止の絵、どちらもが宙を舞う何かであり、それが舞台上では描かれない鍾乳洞の湖の中に落ちていったであろう現実の死に様と対比されて、銀河鉄道の時空を描写するのに成功していたと思う。原作者がどこまで中心においていたかとは別に、日本では古来、銀河は、川である以上に生と死を結ぶカササギたちの群である。

野村 美樹はもっと注目されてよい俳優だと思う。出演機会が少ないからしょうがないが。いくつかの制作としての姿で予測していた以上のものが観れた。

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