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三億円少女

三億円少女

劇団ゲキハロ

サンシャイン劇場(東京都)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

思わぬ展開に驚き!!
Berryz工房の7人が毎回主役を交替するということは他の役にも影響が出るわけで、なにがしかの役も毎回交替するということになり、それは結構大変なことです。

私が観たのは須藤茉麻さんが主役の回、本人の言うとおり目力があって、三億円事件に至るまでぐいぐい引っ張っていく少女役にピッタリでした!

ネタバレBOX

演劇だからできるタイムスリップ。そして、旧式のヘルメットをかぶった白バイ姿の少女が旅館まほろばを探している。少女は失踪したときと同じ年格好で旧札を持っている、三億円事件の犯人が現れたと思います。未来に行ったのなら、そりゃあ捕まるはずはないや…。

事件の経緯は…、旅館の女中さんとして働いていた少女が三億円強奪計画を偶然聞いてしまい、いいなずけの番頭がなんとなく悪の道に進もうとする首謀者のことに気付いて出掛けられないように拘束したものの、首謀者が行かないとそのグループには凶暴な仲間がいて輸送車の人間が殺される恐れがあったため、説明する時間的余裕もなく、いいなずけよりもバイクの運転が上手だった少女が三億円強奪計画を実行してしまったというものでした。

42年振りに現れた少女…、実は女中さんの孫だったとは!!!

事件後、仲間割れで目が見えなくなってしまった首謀者とともに北海道へ逃走して暮らしていたというのです。祖母が亡くなり、日記を読んだ孫がいいなずけの番頭さんに知らせるために一芝居打ったという展開にはしてやられました!

タイムスリップと思いこませる運びの上手さに脱帽でした。すっかり騙され、とてもいい気分です。

Berryz工房やハロプロエッグの面々はみな可愛く、芸達者でした!!

最後の舞台挨拶に走って出てくるとき、須藤茉麻さんはお札に足を取られ転んで肘をすりむいてしまいましたが、アドリブの利く対応に大物感を感じました。
ラチカン

ラチカン

黒薔薇少女地獄

中野スタジオあくとれ(東京都)

2010/09/17 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★

強烈な印象
エムキチビートの太田守信が「作りたいものを作る」というプロデュースユニット。あまりにも公演内容に合致しているので、こういうシリーズのためのユニット名なのかと思ったら、今回はたまたまであって、前作は違う内容の作品を上演したのだそうだ。ラチカン、拉致監禁された女性たちの物語。女優10人を集めての話題の公演なだけに、小劇場の女優マニアにはたまらない作品だろう。ふだんの小劇場より男性客の姿が目立ったし、スタッフがメイド喫茶のウェイトレスの扮装で「いらっしゃいませ、ご主人様」と出迎え、男性客も嬉しそうに後に付いて入場していた(笑)。PVをネット公開したり、会場で女優の写真物販があったり、かなりそのへんのファンを意識していたようだ。
個人的には好きな系統の作品ではないけれど、強烈な印象が残った。俳優としての仕事しか知らなかったが太田守信は作・演出家としてもなかなか手腕のある人だと思った。
狭い会場で、チラシも簡素なコピー、大道具もないシンプルな平舞台、衣裳も女優の私物だろうし、入場料はもう少し安くできたのではないかと思う(前売り2300円、当日2500円くらいが妥当に感じた)。
小劇場の常連向けなのか、役名がついているが名前で呼び合う場面はほとんどないので、知らない女優はPVで照合確認しなければならない(それでもわかりにくい人もいた)。カーテンコールで役者紹介するか、もしくは、パンフに写真を載せてほしかった。

ネタバレBOX

全員黒い衣裳に、包帯姿、その種のマニア垂涎物で、ビジュアル的には危ないイメージ(笑)。
収監部屋での会話が映画の「女囚」ものみたいな雰囲気。“性奴”にされた女性たちが脱出をめぐって話し合う場面は、今年観た角角ストロガノフの「精跡」とも共通している。人物の背景がほとんど描かれず、「脱出」に会話の重点があるので、単調に感じて途中、少々退屈した。
ただ一人抵抗を続けるヒロインの藤村あさみは独房に入れられるが、殺されずに生きながらえる。ここへさらわれるまでの少女たちは、「生」に意味を見出すことができず、漫然と日々を生きてきたようで、すぐに生活に順応し、ここを出ても戻る場所がないという現実が重く胸に迫る。犯人が警察に逮捕され、建物が火事になるが、ヒロインの説得も空しく、少女たちは手をつないで建物から飛び降りて死んでしまう。
1人生き残った藤村が、事件後、何年かして、現場を訪れるという場面。蝉しぐれの真夏、トレンチコートというのが不自然に見え、「暑い」と言って脱ぐのだがあまり意味を感じない。日記に声を出して心情を書きとめる場面、手元がもたついて声と合わず、不自然に感じた。ヒロインを出すとしても、本人の独白ナレーションをかぶせたほうがよかったのではと思った。
全員が「美少女」であるとは言いがたいが(笑)、とにかく贅沢な布陣。鈴木由里は女性でハムレットを演じたほど演技に定評があるだけに、今回はちょっと役不足の感もあり、もったいない。人形のようなすずきぺこが不気味な存在感。監禁犯人役が登場しなくても、太田守信を思い浮かべてしまう(笑)ほど、彼は存在感のある俳優だ。
照明との兼ね合いで、ファンデーションの明度をある程度そろえたほうがよかったと思う。角田紗里の肌色がほかの女優に比べてかなり地肌に近く、素顔にゴスロリの衣裳を着たみたいに見え、違和感があった。
俺が彼女を好きなことを神にすらきづかせない‏【公演終了】

俺が彼女を好きなことを神にすらきづかせない‏【公演終了】

劇団鋼鉄村松

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★

期待値の方がちょっと大きかったかな…
バブルムラマツさんの作品は、個人的には「ハズレがない」という印象です。基本的に、面白い。自分の中でもはや「面白いのが当り前」で、面白いレベルを超えた“超”面白いレベルを勝手ながら期待してしまいます。前作『スーパーホーク1号の着陸』の時は“超”面白かったのですが、今回は普通に面白かった、という感想でした。面白かった事には変わりないのにやや消化不良という、妙な気分に。

物語としては大変良く出来ていたと思いました。ただ、以前は男と男が戦うシーンなどでは舞台装置までもを破壊するような芝居をしていた鋼鉄村松さんにしては、チョット決闘とかが大人しかったかな~という印象も。

良い言い方をすれば「質が上がった」とかそういう事なのかもわかりませんが、あの「大人がバカな事をする姿」、そのチープさ?個人的にはどうしても期待してしまいます。

ビリーバー

ビリーバー

シーエイティプロデュース

世田谷パブリックシアター(東京都)

2010/09/03 (金) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★★

期待値を大きく上回りました!
なんでこの時期にサンタクロースの話なんだ!?とか色々と疑問を感じながら劇場に行ったのですが、期待を大きく上回る満足度で帰る事が出来ました。正直、物語としては中盤にだれる様な気もしなくはないのですが、役者さんが活き活きと演じてらして好印象。お客さんがあまり入っていなくてもったいなかった…。

SKY with DIAMONDS

SKY with DIAMONDS

コンドルズ

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2010/09/17 (金) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★

イケメンヨガの青田潤一さん大活躍
「大いなる幻影」以来2年ぶりの コンドルズ 観賞。

もちろん今回の「SKY with DIAMONDS」も
学ラン姿でのダンスメイン。
新しい美しいフォーメーションものも。
毎回、群舞の迫力は圧巻!他では味わえない特別な感覚。

いつも以上に今回は映像をたくさん使っていたかんじが。
いろいろな趣向の映像。これだけでも楽しいくらい。

今回のお気に入りは、
近藤良平さんのギター生演奏でのダンスコント。
年長組(石渕聡さん鎌倉道彦さん山本光二郎さん)が
かなり近藤さんのおもちゃに。

小林顕作さんのコントパワーアップしてました。
もちろん人形劇も健在。こちらもパワーアップ!

石渕聡さん毎回超濃厚でSEXY!サイコーでした!

今回イケメンヨガの青田潤一さん大活躍でした。

前見た時より人数が増えた気が。
それから長髪率がかなりUP。

舞台終演後の速報7連発も楽しい。
続けて追伸…たくさんあったな。今後も楽しみ!


ネタバレBOX

全体を通して今回は、
橋爪利博さん&オクダサトシさんカップルのウエディングコントが。
近所の子供役の石渕聡さんがなにしろおもしろい!独特の間が最高。

今回の人形劇。
ブレアウィッチ、シャイニング、エクソシスト、オーメン、
13日の金曜日風のホラー仕立て。
子供には怖かったみたいで(大人には爆笑)号泣してるのが
チラホラ。本当はおもしろいんだけどね。

イケメンヨガの青田潤一さん、ヨガのポーズすごかった。

長髪メンの藤田さん、鎌倉さんの髪が
色も長さもボリュームもかなりすごいことに。

ぎっちり濃厚な2時間でした!

「SKY with DIAMONDS」のタイトルを見て
THE BEATLESの[ Lucy in the Sky with Diamonds ]を聞きたくなった。

秀山祭九月大歌舞伎

秀山祭九月大歌舞伎

松竹

新橋演舞場(東京都)

2010/09/02 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

満喫
昼夜通しで贅沢な演目揃い。
昼夜ともお目出度い舞踊で始まって「沼津」「荒川の佐吉」「俊寛」「引窓」。これだけで国立劇場歌舞伎鑑賞教室2年分です。
ここに昼夜、藤十郎丈、芝翫丈、富十郎丈と、3人の人間国宝の舞踊がおまけのように観られるなんて、今(歌舞伎座休場中)ならではかもしれません。
もちろん、座頭として吉右衛門さんは大活躍ですが、しっかりと寄り添うように修行する染五郎丈に嬉しくなりました。
それと、このところめっきり老け役が増えた歌六さんですが、「佐吉」の成川のようなお役、ぴったりだと思うので、これからももっと観たいものです。

トロイアの女たち

トロイアの女たち

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2010/09/07 (火) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★

新しいビル
古めかしいアトリエはそのままに、新しいビルが建っていて、びっくりするやら安心するやら。
アトリエを十二分に活用したセット(舞台機構)が印象的でした。
膨大な台詞に1時間25分、緊張感が途切れることなく、圧倒されました。

エゴ・サーチ

エゴ・サーチ

虚構の劇団

紀伊國屋ホール(東京都)

2010/09/10 (金) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

今回もよかった
この劇団を見るのが2回目であったが、やはりよかった。これは鴻上尚史さんの脚本、演出がいいのは無論であるが、役者一人ひとりが力があり実力を全快しているせいもあると思う。大久保綾乃さんは特に光って見えた。

聖地

聖地

さいたまゴールド・シアター

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)

2010/09/14 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

ラストシーンのために…
18:30開演で、21:50終演。…都心で働く人間には、とても向いていない上演スケジュールです。

プロンプター付きで、やはり素人的な演技が気になることもあることは否定できません。

人数を消化するためだけに挿入したんじゃないか・・・と疑うようなシーンも、正直あるといえばありました。

ただ、それでも、ラストシーンに到達すれば、そういった気分は雲散霧消してしまいます。まるで「必然」であったかのうように!これは、すごかった・・・そう言わざるを得ない舞台。そうなってしまいます。

これは、松井台本のおかげか?やはり、蜷川マジックなのか?それとも・・・あの年配者たちの魔力か?・・・いずれにしても、3千円出して、埼京線に乗っていくだけの価値は十分にありました。

自慢の息子

自慢の息子

サンプル

アトリエヘリコプター(東京都)

2010/09/15 (水) ~ 2010/09/21 (火)公演終了

満足度★★★★★

「私たち」の喪失
何を書いても「ネタバレ」と言われてしまいそうなので、感想は「ネタバレ」に記載します。…、自分のいまの状況に、ストレートで投げ込まれた球でした!…そういう個人的なバイアスがかかりつつ・・・ラストシーンにしばし鳥肌。

ネタバレBOX

ラストシーンに鳥肌。

裸で立ちつくす国王、ナイフを握りしめる王妃、風を眺める聖母、やっと手に入れた幻想の幸福に浸るヒーローとヒロイン。そんなバラバラの人たちが、なんだかよく分からない布に絡みとられて、ひとつの王国を構成してしまう。

私たちのガイドは、この王国が「どこにでもある物語」を持っていると解説してみせる。それが、歴史であると。これが「国家」なのだと。それぞれの事情と妄想が独立して紡ぎだした物語など無視して。現代の人間が作り出す共同体というのは、こういうものなのだと。

この作品は、芸術的というよりも哲学的だ。現代においては「私たち」という言葉がもはや意味を失いつつあること、もしその言葉が成立するならば、それは共通の物語ではなく、たった一枚の絡みつく布切れのような何かによってであること。そんなことを、この作品は頭からではなく体で感じさせてくれた。時に、官能的に、下半身にも作用させて。

(それにしても、同時上演中の『聖地』との極度のシンクロ度合い(布・ヘリコプターなど)は、戦略なのだろうか?もし、これが蜷川演出と松井本人演出の偶然なる邂逅であるなら、それは、まさに奇跡というべきものだという気もするが・・・)
アイツは世界を変えるらしい

アイツは世界を変えるらしい

けったマシーン

しもきた空間リバティ(東京都)

2010/09/17 (金) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★

変わったのだろうか
静に話が展開していく。でもタイトルは何を意味しているのか。それがわからなかった。サスペンスとしてはうまく出来ているが、十分に咀嚼できなかった

井上芳雄 10周年記念コンサート

井上芳雄 10周年記念コンサート

日本テレビ

青山劇場(東京都)

2010/09/11 (土) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

完全無欠のショーでした
一部の小池さん演出のミュージカルショーの構成演出が、とにかく素晴らしい!!
こんなに満足できる、ミュージカルショーは生まれて初めて観た気がしました。

デビュー間もなく観た草月ホールでのコンサートでは、まだ井上さんの自己陶酔の雰囲気が見えていましたが、さすが10周年!!

数々の多種多様な演技経験をされて、井上さんが、歌のうまさだけでなく、演技表現者としても、格段の進化を遂げた、実証のような、申し分ないコンサートでした。

ネタバレは、後日追記するかもしれません。

聖地

聖地

さいたまゴールド・シアター

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)

2010/09/14 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

老俳優の身体と架空の物語との二重性
一般市民と言っていい老俳優らの生々しい身体と、松井周氏の描く近未来の架空の物語。強靭なその2つの世界が並存する状態が、すでに演劇的な面白さになっている。それを前提に演出しているのが凄いと思う。

ネタバレBOX

どんな事件も闘争も、すべて地中にうずもれていく。布を使った演出など、多くがサンプル「自慢の息子」とシンクロしていた。
心の余白にわずかな涙を

心の余白にわずかな涙を

elePHANTMoon

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★

どうなんでしょうか
教会を舞台に、登場人物の生への生々しい営みが描かれている。自分には重かった。

ハーパー・リーガン

ハーパー・リーガン

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2010/09/04 (土) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

長塚演出の新境地を観た
とても、新鮮な演出でした。
アカデミー賞外国映画賞候補になるような味わいのある作品でした。

小林聡美さんも良かったけれど、今回もまた、山崎さんの深い演技表現力に魅了されっぱなしでした。

家族の愛情や感情のもつれは、万国共通のテーマなんだなと、痛感!

ネタバレは、後日追記するかもしれません。

伝説との距離

伝説との距離

シャチキス(少年社中×ホチキス)

シアタートラム(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★

キャスト陣は健闘ながら
どうも、脚本に創意工夫が足りない印象を受けました。
後半の10分ぐらいは、ようやく、やや血湧き、肉踊る雰囲気になりましたが…。

とても期待していただけに、かなり消化不良でした。

Help Our Stage

Help Our Stage

演劇研究会(慶應義塾大学公認学生団体)

慶應義塾大学日吉キャンパス塾生会館(神奈川県)

2010/09/17 (金) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい舞台でしたよ~o(^-^)o
今回で二回目の観劇なんですけど~
役者さん達のレベルの高さに驚かされるますよ~o(^-^)o

ストーリーも解りやすくて凄く楽しかったです

是非とも次回も観劇したいですね~\(^ー^)/

伝説との距離

伝説との距離

シャチキス(少年社中×ホチキス)

シアタートラム(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/19 (日)公演終了

満足度★★★★

ばかばかしいまでに素朴なテーマの奥に隠された愛!
宇宙という壮大なイメージで繰り広げられた物語なのだが、テーマはもの凄くシンプルなモノ。

悪く言えばばかばかしいまでに素朴なテーマに心を許し、無警戒に大笑いしていたはずなのに、いつの間にか頬を涙がつたっているという秀逸なストーリーだった。

この芝居の魅力は、何と言っても個性が強い俳優達のぶつかり合い。しかも、それぞれの俳優達がホームグランドではあまりやらないキャラクターを演じているところ。

そしてこの公演では、少年社中から11名、ホチキスから8名の俳優が参加し、総勢19名という大所帯の舞台となっていた。

そんな個性の強い俳優達の芝居を見事にコントロールし、観る方が気持ちよくなるバランスでまとめた毛利さんの演出は、本当に見事だった。

個性の強い俳優達の共演は本当に刺激的で、俳優と作家、そして演出家の熱い思いがバンバン客席に伝わってきていた。

ネタバレBOX

私のオススメはオープニングで出演者が演奏する生演奏と、ストーリーに重要なイメージを与える歌唱シーン。本当に圧巻だった。ちょっと告白してしまうが、私はもともと人間の声のパワーとか、生の演奏とか、劇空間の空気を実際に揺さぶる演出は大好き。だから、そのシーンはむちゃくちゃ涙腺がゆるんだ。

そして、この芝居を観て私が強く受け取ったメッセージは、彼らの「愛」だった。

「食」という誰もが身近なテーマを通して、人と人とのふれあいや、今の世の中で何となく否定されている空気がある「個性」の大切さ、そして本当の協調性の意味など、お客様の誰かが抱えているであろう葛藤に、まっすぐ語りかけくるような台詞と演技の数々。

誰もが心の隅に抱えている寂しさに、少し遠慮がち優しくに、だけど力強く語りかけてくるメッセージには、観ているお客様の心を暖めようとする彼らの気持ちがあふれていた。

宇宙船のコンピューターホログラムを演じていた、ホチキスの女優・齊藤美和子さん。脚本が描く彼女の設定や、彼女のかわいらしさには本当にやられてしまった。

そして、身内びいき承知の上パート1的に言えば(笑)、「ほほえみ」をとある理由で追いかける男を演じていた長谷川太郎さん。

彼は冒頭のシーンで、彼の容姿と声のトーン、そして、行き過ぎを感じるまでの(笑)大げさな芝居で、一気に観客を「日常」から、虚構のファンタジーに引き込んでくれた。

彼の情熱的な芝居と声の質は本当に魅力的だと思った。太郎君の声は、以外とアニメでもいけるんじゃないかという錯覚さえ感じさせてくれた(笑)。

最後に身内びいき承知の上パート2!(笑)

「ほほえみ」の艦長を演じていた岩田有民の芝居が本当によかった。

ちょっととぼけた感じで登場する艦長が、次第に物語の中心人物として描かれ、次第に物語のテーマを背負った重要な人物に変わっていく。そんな少し難しい役どころを、岩田有民は本当に丁寧に、そして情熱的に演じていた。本当に格好良かった。

私はこれまで、彼がちょっと尖ったヒールを演じるのがはまっているし、彼らしい芝居が出来ると考えていた。事実、私がプロデュースした芝居ではそうしたヒールの役で出演して頂いていた。

そして彼もそうした役が好きで、そうしたヒールみたいな演技を望んでいたように見えた。

だけど、前作の「ネバーランド」で彼が演じていたトゥートルズを観て以来、もしかしたらその私の考え方が間違っているのではないかと考えていた。

今回の艦長を演じる彼を観て、その間違いが正しかったことに気がついた。そして、彼の俳優としての才能に改めて驚かされた。

「伝説との距離」で彼があんな芝居をするとは全然思っていなかったけど、私は、彼の今回の役は後世に残るあたり役なんじゃないかと感じた。
ミス・ダンデライオン

ミス・ダンデライオン

K-BOX company

遊空間がざびぃ(東京都)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

とっても・・・
素晴らしい!

最後は泣けて泣けてしょうがなかった・・。

ネタバレBOX

何と言っても、主演の女優さんの存在感が圧倒的。

本もファンタスティック。

自然に涙が溢れ来ると言うのは、やっぱり素敵な作品だと思います。

こういう作品に巡り合うと、劇場に足を運んで良かったな、と思います。

次の作品も楽しみにしています。
心の余白にわずかな涙を

心の余白にわずかな涙を

elePHANTMoon

インディペンデントシアターOji(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★

色んな風景があり・・・
良い雰囲気のお芝居だったと思います。

ネタバレBOX

ただ、個人的には、少し盛り上がりに欠けるような、その、訴えかけてくるメッセージみたいなものが、自分には余り汲み取れなかったのが少し残念。


色んな要素が込められていたようには思うのですが、そのいずれも、こうなんだ!、これだよ!、という程の主張ではなく、さりげなく察せよ、と言うスタンスだったように思いました。


ストレートにわかり易い作風が好きな自分には、少々ハードルが高いようにも思いました。

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