
トキワ荘の夏
劇団俳小
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2010/09/29 (水) ~ 2010/10/04 (月)公演終了
満足度★★
演出家のための育成公演
日本演劇協議会「次世代を担う演劇人育成公演」が背景とのことで、
それ以上でもそれ以下でもなかった。
題材は非常に興味深かったが、脚本自体で魅力半減。
更には、抑圧され過ぎている(と感じる)俳優の演技に、
俳優の育成公演というより、演出家のそれにあたる練習台と感じられてしまったのが残念。演出家は誰に対して何を媚びたかったのだろうか。
藤本&愛甲役のペア、駒形亘昭と大庭光皓が好演。
島本役の手塚耕一もアクセントとして全体をしめた。
2役こなした岩岡光美の漫画的なキャラも好感度有り。
キラキラとした原石を垣間見れたのが唯一の救いだった。

カエサル
松竹
日生劇場(東京都)
2010/10/03 (日) ~ 2010/10/27 (水)公演終了
満足度★★★★
松本幸四郎渾身の演技でシーザーの半生に挑む.水野美紀も大活躍!(ゲネプロ観劇)
松本幸四郎が渾身の演技で挑む、英雄ユリウス・カエサル(英語名ではジュリアス・シーザー)の半生。
ユリウス歴(太陽暦)をはじめ、7月の英語名ジュライの語源でもあったり、ルビコン河、「賽は投げられた」、「ブルータスお前もか」など、現在に至るまで様々な事柄にその存在を残した英雄カエサルの物語。
まず目についたのが、通路に敷き詰められた、当時の服装をイメージしたような白い木綿か麻の絨毯。
幕も同じ素材が素朴な感じで縫い合わされ吊るされている。
冒頭、行き交う多数の民衆の影がシルエットが、幕に映されて効果的なビジュアルから始まる。
そして、カエサルが戦士たちを鼓舞する演説の場面に。
この演説が戦士の心をとらえる様子から、人心掌握に長けた英雄の一面をのぞかせ、この後も、政治家としての策略ぶり、愛人との関係では英雄色を好む姿など、様々なエピソードを通じて、カエサルの人間性を描いていきます。
しかし、誰もが知っている有名なその最期は、終始影を落としています。
これに並行して、政敵のキケロと、愛人の子であり側近となるブルータスが逐次登場し、やがて観ている者の興味は「その時」に向かって、カエサルに対する心情がそう変わっていくのか、なぜ「そうなった」かに収束していきます。
共和制が揺らぎだしていたローマ。
カエサルは民衆の絶大な支持を得ていたが、その独裁がゆえに暗殺に至る。
それでも後継者によって「ローマ帝国」が築かれたという歴史の大きな流れを改めて認識。
松本幸四郎さん演じるカエサルは、幸四郎さん自身の人格がにじみ出て、人種を越えた人物として感じさせてくれます。
いくつかの場面だけで、人間カエサルを描くにはもう少しエピソードが厚いほうが良かったかも。
そこを本人の人間が埋めている。
瑳川哲朗さん、勝部演之さん、ご両人はさすがの存在感。
あの短時間のみ、主に一幕のみの出番では非常にもったいない。
そして、小島聖さんがクレオパトラだったとは!
美しさと存在感とその貫録に、勝気でありながら憂いを持ち、王でもあった姿を好演。
高橋惠子さんはいつになく、ふくよかで穏やか、でも芯は強く。
全編いかつい話の中で、ユーモラスで気が抜けるのは、渡辺いっけいさんと、水野美紀さん。
特に水野美紀さんが大活躍!
これまで延々と「踊る大捜査線」の雪乃役の大人しいイメージの役ばかりでしたが、今回ばかりは、自身が立ち上げたユニット・プロペラ犬公演での役に近いコメディエンヌぶり。
本作での笑いの部分を、ほとんど一人で背負っているのではないか。
それだけにともすると浮いてしまいそう。
しかも笑いだけではなくて、メインキャストではほとんど唯一、市民以下の奴隷の立場から、カエサルとローマ社会を見ている、観客の目線に最も近いとっても重要な役です。
その真価は、本公演で大勢の観客がいてこそ、わかるものだと思う。
第一幕1時間5分、休憩20分、第二幕1時間5分、計2時間30分。

蒼の組曲
劇団ジャブジャブサーキット
ザ・スズナリ(東京都)
2010/09/30 (木) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★★
じんわり楽しめます。
捨てられた「チョイ未来」の人が、行き場のない人々の微妙な距離のあるシェアハウスの住人と織りなす、少し笑えて少し暖かいお話し。結構、裏・表が色々見れて納得できるお芝居です。

「Floor in Attic 屋根裏の床を掻き毟る男たち」ご来場ありがとうございました!
演戯団コリペ
タイニイアリス(東京都)
2010/10/02 (土) ~ 2010/10/04 (月)公演終了
満足度★★★
言葉の壁…
韓国で賞を取るなど話題になった作品とのことで観に行ったのですが、字幕もイヤホンガイドもなく、当日パンフにもあらすじが載ってないため物語を追うのは諦めて、役者たちのパフォーマンスとして観ました。
台詞(たぶん皮肉っぽいことを言っていたのだと思います)がわかれば、深みを感じられる作品なのだとは思いますが、視覚的情報だけだとドタバタのコントにしか見えず、残念でした。
役者たちは脱いだり、本当に殴ったりと体当たりの演技で、生き生きとした表情も良かったです。終盤、出前の配達人がお金がないことに怒って、ラーメン(?)をぶちまけて、セットを破壊して行く場面の勢いは爽快でした。

Project BUNGAKU 太宰治
Project BUNGAKU
ワーサルシアター(東京都)
2010/09/30 (木) ~ 2010/10/10 (日)公演終了
満足度★★★★
いいですよ、ゼヒ見に行ましょう。
4者4様それぞれ個性のある作品で、
順位を付けはしましたが底辺は高いです。
三田佳子さんと主催さんのトークはとても楽しかった!
三田さんの回でも半分程度の入りなのが残念、
悩んでる方はぜひ平日昼公演がオススメですよ!
これから見る方の順位に影響はないかと思いますが、
感想ブログは週末UPする予定です。
原作を知ってるのと、知らないので別の楽しみ方になりそう。
理想は知らずに見て、原作読んで、また見る。なんてね。
10・10ブログUPしました(リンク済み)
ここまでの投票を見てヒューマンロストの評価が
毎回4位なんでなんか寂しいですね。

柔らかいモザイクの街
サラダボール
アトリエ春風舎(東京都)
2010/09/23 (木) ~ 2010/10/06 (水)公演終了
満足度★★
プレビュー公演を
観てからの本公演観劇。照明、音響がハッキリすると印象が変わりますね。特にラストでそれを感じた。鈴木さん好演!

箱入り彼女博覧会
NICE STALKER
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★
もっと秋葉系が
濃いかと思っていたけどそうでも無かった。ストーリーも、秋葉系の乗りでくるかと思っていたら案外おとなしい。でもこれはこれで楽しめた。石澤さんがアニメ声っぽかった。

ヂャンバラッ!
劇団SE・TSU・NA
AI・HALL(兵庫県)
2010/10/01 (金) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★★★
楽しめました。
劇団SE・TSU・NAさん初めて観にいきました。
殺し合いを楽しむという死の現実味のない少年漫画的なお話、過剰に懲りすぎでテーマパークjのアトラクションのようになってしまっている衣装などが、ちょっとわたしにはいまいちな点でしたが。
堀江さんの足まで使った華麗かつダイナミックな殺陣アクション、扱いにくい鎖鎌や布を使ったアクション、カーテンコール後のパート分けされた殺陣など、殺陣も全体的にはゆるめでありつつ見ごたえのあるものがあり。
舞台装置などははそれまで見たことなかったような大掛かりなもので、とてもがんばっていて。
全体的なお話はおもしろく、最後まで時間を忘れて楽しむことができました。

箱入り彼女博覧会
NICE STALKER
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★★★
ライトで、シニカル
フライヤーを見て、奇をてらった作品かと思っていたが、なかなかどうして。
4話のオムニバスながら、シニカルなトーンで描かれる小気味よい作品郡であった。

トキワ荘の夏
劇団俳小
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2010/09/29 (水) ~ 2010/10/04 (月)公演終了
ねじれ荘な夏?
学校で観に行った演劇を思い出したのは何故だろう? 演技が硬いせい? まあ、それはともかく、観ている間ずっと不思議な違和感がつきまとっていました。物語はすべてフィクションといい、登場人物は手塚治虫、石森章太郎、赤塚不二夫ではなく木塚修身であり、秋森良太郎であり、赤坂不二朗らです。実在の人物・団体とは何の関係もないと断っています。しかし、肝心なトキワ荘がトキワ荘のままなんですね。トキワ荘に居るのはやっぱり手塚治虫であり石森章太郎であり赤塚不二夫なんですよ。他の漫画家がいたら、そこはトキワ荘ではないんですね。トキワ荘なのに手塚ではなく木塚という漫画家が居るというダッチロール状態というかねじれというか、立ち位置の中途半端さが、ある意味、私とってこの芝居の全てでした。せめて「トキオ荘」や「タオレ荘」だったら、何があってもいいし、また違った感じがしたのだろうなあ……(宣伝効果を考えると変えられなかったとか?)。

ジーンズ -gene(s)-
劇団銀石
ザムザ阿佐谷(東京都)
2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

Empty Kingdom
Island
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/09/30 (木) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★★
葡萄クッキー100円
頑張っている。一生懸命やっている。葡萄クッキー(役者さんのメッセージ付き)を販売するなど親しみを感じる。ストーリーは中世のレジスタンスを彷彿させ,ドラマとロマンを含みよくできたものだとは思う。ただ,この手の話って演技が難しい。どうしても日常から乖離しているだけに,芝居もリアルには感じられなかった。惜しい。もったいない。初見の劇団であったため,そう思ってしまう。次はどんな物語を作るのだろう。期待したい。

buzz
studio salt
相鉄本多劇場(神奈川県)
2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
重くとても痛い
怒りに震える陰残な事件を救いと癒しの悲しみに震える芝居に昇華させてくれてありがとうございました。素晴らしかったです。

Project BUNGAKU 太宰治
Project BUNGAKU
ワーサルシアター(東京都)
2010/09/30 (木) ~ 2010/10/10 (日)公演終了
満足度★★★
特に太宰を知らなくても
充分楽しめると思うし、かえって知らないで観るのも今の演劇かと。この日のアフタートーク永井愛さんの感想、解説は聴き応え有って良かった。

Root Beers-ルートビアーズ-
劇団東京ヴォードヴィルショー
ザ・ポケット(東京都)
2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
今年のベストアクト出ました
非常に、非常に面白かったです!!
前作「ビデオスターの悲劇」も良作で、でもちょっと色々地味に出来上がっていたかな?と。
KAKUTA桑原さんのホンは、いつも私のココロを掴んで離さないです。
まいどさんがあんなに素敵な役者さんだって、再発見いたしました。
京極さんが、あんなにキラキラ楽しそうに演じているのを初めて観たかもしれません。
櫻井さんの一挙一動が、もう目を引いて堪らないです。
本当に幸せな時間でした。

カラムとセフィーの物語
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2010/10/01 (金) ~ 2010/10/14 (木)公演終了
満足度★★★★
長いけれど長くは感じない舞台
上演時間:10分の休憩込みで2時間45分と聞いて、長いと思ったが、体感時間としてはちっとも長いと感じない舞台だった。幼馴染のカラムとセフィー。子供のころは人種の違いなど簡単に乗り越えられると信じていたのに、学校に通うことになって「社会ではそうでない」ことを思い知らされる。カラムとセフィーを演じる亀田さん・渋谷さん以外の15人のキャストは、早変りでそれぞれ何役もこなしながら、物語を進行させます。生演奏や机や床の使い方など、演劇ならではの空間ができていて、「この先どうなってしまうんだろう」という気持ちとともに、観客をあきさせない舞台に仕上がっていたと感じました。

柔らかいモザイクの街
サラダボール
アトリエ春風舎(東京都)
2010/09/23 (木) ~ 2010/10/06 (水)公演終了
満足度★
うーん・・・
第1幕は面白いと思いましたが、第2幕以降が自分はダメでした。役者さん、特に主演の鈴木智香子さんは、とてもよかったです(負荷のかかる役を、見事に演じていたと思います) あと島田曜蔵さんも、相変わらずいい味を出してました。

蒼の組曲
劇団ジャブジャブサーキット
ザ・スズナリ(東京都)
2010/09/30 (木) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★★★
(公開ゲネです)
はせさんのSFっぽい作品を観るのは久しぶりかも。今回は公開ゲネ1回のみしか観られなかったのが残念だが、緻密に構成された推理小説のようなお芝居、私は好きですね。

九月の遠い海
菅間馬鈴薯堂
インディペンデントシアターOji(東京都)
2010/09/30 (木) ~ 2010/10/06 (水)公演終了
満足度★★★
オトナのちからワザ・・・
この劇団はけっこう観ている。今回は、金杉忠男さんへのオマージュの意味合いもあるようだ。観ていて、懐かしさを感じた(自分がこの世代というわけではないが、金杉氏/中村座の最後のころの公演は観ていたので)。たあだ、かなりのちからワザ公演(それをいいオトナが演るのが面白いのだが)であり、そういうのがだめな人にはだめだろうな。

砂と兵隊/Sables & Soldats
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2010/09/16 (木) ~ 2010/10/06 (水)公演終了
満足度★★★★
再演されたのは意外でした
初演も観ています。オリザさんの作品としては、異色なものだと思っていました。実験的なのかなと思っていましたが、数年ぶりにこの作品を観て、あぁ、これもオリザ作品の一つの形なのだと感じました。