
かもめ
MODE
あうるすぽっと(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★
ストレートなチェーホフ
置き換えや大胆な再構成などのない、戯曲に忠実な演出でした。
舞台の袖や裏が剥き出しの中、一段上がったステージがあり、演技はそこで行われ、出番でないときはステージの周りに座って待機という空間の使い方をしていました。
終盤、理想と現実に折り合いをつけ、忍耐の必要性を語るニーナがそれまでと異なるトーンで演じられるシーンがとても印象に残りました。
この物語で描かれている内容がどこにでもありえるということを象徴する様な、最初と最後の役者たちの出捌けのシーンが美しかったです。

起て、飢えたる者よ
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
時代が起こした事件か
当時、新左翼は追い詰められ、先鋭化していた。総括、敗北死などの言葉の意味も判らず、テレビのニュースで見た記憶がある。
本作も、革命を志向していた若者が隘路に陥り、内部崩壊していくさまを描いていた。
山小屋に追い詰められ、そのなかでの狂気を役者さんが渾身の演技で魅せてくれた。観ていてどきどきしっぱなしであった。あの時代ははなんだったのであろうか

どうじょう
コマツ企画
OFF OFFシアター(東京都)
2010/10/23 (土) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
くっきりと深く
男も女も
その内に抱えたものが
くっきりと伝わってきます。
作り手の、一気に表皮を剥いでみせるような
人間描写に瞠目、
そこからのさらなる広がりにも
稀にみるおもしろさがありました。

どんぐりシンフォニー
春の日ボタン
小劇場 楽園(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/11/03 (水)公演終了
満足度★★★★
大変素敵なメルヘン
大人のメルヘン。とても暖かくとても優しい物語。今回もまた素敵だった。
ただ、少しいつもより笑いが少なめだった。もっと笑わせてほしいかも。

カエサル
松竹
日生劇場(東京都)
2010/10/03 (日) ~ 2010/10/27 (水)公演終了
満足度★★★★★
「2000年以上前に起きた」うねるような人間ドラマ。
松本幸四郎が渾身の演技で挑む、英雄ユリウス・カエサル(英語名ではジュリアス・シーザー)の半生。
ユリウス歴(太陽暦)をはじめ、7月の英語名ジュライの語源でもあったり、ルビコン河、「賽は投げられた」、「ブルータスお前もか」など、現在に至るまで様々な事柄にその存在を残した英雄カエサルの物語。
10月2日のゲネプロ観劇以来、いよいよ本公演の観劇です。
その時から公演回数を重ねてきているので、当然かもしれませんが、幸四郎さんをはじめ、みなさん役がしっくりきている感じがします。
中でも、瑳川哲朗さん演じるポンペイウス、勝部演之さんのクラッススとの三者会談での幸四郎さんが生き生きしてて良かったですね。
瑳川さんも、勝部さんもグレーの髪と衣装が実にしっくりきていて、そのまんまローマ人になってます。
特に瑳川さんの髪と立派なひげの自然な貫禄が印象的です。
さて、今回あらためて観ると、カエサルも英雄ではあれど、最善を尽くした普通のローマ人の一人にすぎない。
彼を暗殺する側にも一理があって、双方とも悪意があるわけではない。
キケロもブルータスも、誰もがカエサルの人間の大きさ、寛容さの前では、自分の矮小さをまざまざと突き付けられているように感じてしまう。
そのことが怖くなり、焦り、その結果、反発や否定してしまう。
しかし、その「独裁を許さず共和制を守るため」だったはずの暗殺が、結果的にはローマ帝国とローマ皇帝による真の独裁を生むことになったともとれるこの皮肉。
民衆の圧倒的な支持を得た、善意の優秀な英雄であっても、独裁は許されないのか。
能力や意識が低く社会が良くなくても、話し合いと合意による政治のほうが良いのか。
月並みな表現ですが、大きな時代の波に流されながら翻弄される人間の姿は、2000年以上前から変わっていないのだなぁと、しみじみ感じたのでした。
類型的な「ブルータスお前もか。」の名場面が無いのは、そんな陳腐なことでは、とても表現できないからだろう。
…深い。

起て、飢えたる者よ
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
その時代に生きていた
別段共感はしませんが、その時代にそのようにして生きていたと感じる事が出来る舞台でした。
よい舞台でした。

ジーンズ -gene(s)-
劇団銀石
ザムザ阿佐谷(東京都)
2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★
今回は合わなかった
うーん、なんか説明台詞オンパレードっぽく聞こえて、どうも物語の中に入っていけず。
今回は合わなかった感じ。

夢落ち
こちらスーパーうさぎ帝国
萬劇場(東京都)
2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かった
ギャクも程よく散りばめられており(個人的にはもう少し欲しかったが)、また夢の中だからといって、登場人物が力持ちや超能力を持ったヒーローなどの非現実的世界の設定にせずに、舞台の現実世界に近い設定にしていたのはよかった。
面白かったです。

起て、飢えたる者よ
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
体験するものだ
今、観なきゃいけない芝居。
芝居は観るものではなく、
体験するものだという当たり前の事実を、
痛感させる。
何故?
今?
澁谷で?
ルデコで?
自己批判できる人なら、
観に行って間違いなしだよ。
日本人なら、
現代人なら、
涙があふれてどうしようもない。

転転転校(千秋楽・当日券ございます)
水素74%
アトリエ春風舎(東京都)
2010/10/26 (火) ~ 2010/10/31 (日)公演終了

転転転校(千秋楽・当日券ございます)
水素74%
アトリエ春風舎(東京都)
2010/10/26 (火) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
同調しすぎるティーンエイジャー。
個人的な意見や感情がひとつの巨大な『わたしたちの気持ち』として集約された日常によって浸食されていく私という固体。集団における絶対的な歪みや不穏さに対して疑問を持たず、馴染み、正当化し、またスルーできるか?みたいな賭け事は、学校という場所が外的要因の多くを占め、まるでこの世のすべてであるかのように認識せざるを得ないある特定の時期を通過した大人ならば少なからず当時と重ねて観ることができるような類の光景が断片的に提示されるが、それによって胸に熱いものがこみ上げてきたり感傷的になったりするようなことはなく、ひたすら行動原理を追っていくミニマルな状態が続いた。
それに反して登場人物たちのあっけらかーんとした妙にファンキーな振る舞いだったり、残酷なまでにポップな台詞だったりに時折クスリとすることはあったのだけれど、それが作品のバランスを若干崩してしまったような気もした。
とはいえ、事あるごとに集団と個を使い分け、更に共感、傍観、客観的立ち位置までをも活用することは、大人の階段を上るためのトレーニングであると同時に、人間の本質は悪だ!という認識を擦り込んでいるようでなんだかおかしかった。
ティーン特有繊細な心の揺れやエモーショナルな何かを期待していくと肩透かしを喰らう恐れがあるが、私を含め感情移入をすることに疑問を感じているようなひとには何となく腑に落ちる点が見つかるかもしれない。

神様さん
MCR
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2010/10/22 (金) ~ 2010/10/31 (日)公演終了

起て、飢えたる者よ
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
すっごい、迫力!
危機迫る空間と、迫真の演技に、圧倒され、引き込まれました。物語には、緊張しっぱなしでした。単純な私は、なんだか全身、軽く、筋肉痛???

おそるべき親たち
TPT
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2010/10/21 (木) ~ 2010/11/03 (水)公演終了
満足度★★★★
一流の俳優の演技をしっかり堪能
5人の俳優が感情の振れ幅が大きい、創造性豊かな演技を見せます。特に佐藤オリエと中嶋朋子が秀逸。初舞台の満島真之介はやはり力不足。これから精進してほしいと思います。演出もウィットに富んでいて楽しくて良い。誰かを愛するとはどういうことか、そして家族とは・・・。人と人が交わって生きることの意味を考えさせられる舞台だと思います。

ホームズ・ホームズ
劇団ガバメンツ
一心寺シアター倶楽(大阪府)
2010/10/23 (土) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
マニアックでユニークな舞台でした♪
初ガバメンツさんでした。
最初から最後まで、舞台設定はずっと部屋の中。
部屋間を移動することはあっても、ずっと部屋の中。
その代わり映えのない舞台の上で繰り広げられる会話劇でした。
なのに・・・いささかも退屈することがなく、めちゃくちゃおもしろかったです!
台詞も言い回しも立ち振る舞いも、巧みにコミカルでハイセンス。
とてもよく原作を研究してあって結構な度合いでマニアックなんですけども。
親切な解説付なので、たぶん読んだことない人でも充分楽しめたのではないでしょうか。
しかも、豪華なことにバイオリンの生演奏でした。
ホームズといえば、バイオリン。素晴らしき演出です。
バイオリニストさんが、演奏するだけでなく演技までされているあたりがこだわりですね。
ひじょうに楽しめました!とってもおもしろかったです!

神様さん
MCR
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2010/10/22 (金) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★
揺れた・・・
若干高所恐怖症の気がある身からすると
客席の揺れが怖くて怖くて・・・。
30数本の鉄骨で支えてるから大丈夫ですよと
説明されていましたが、隣の人がよく、もぞもぞと動く方で
その人が動く度に揺れるので冷や汗ものでした
そのせいか、ちょっと集中できず・・・。
客席が暑いとか寒いとか狭いとかは我慢出来るのですが
怖いのはちょっと無理でした。
内容は楽しめたんですが、そこが残念な所。

転転転校(千秋楽・当日券ございます)
水素74%
アトリエ春風舎(東京都)
2010/10/26 (火) ~ 2010/10/31 (日)公演終了

神様さん
MCR
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2010/10/22 (金) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
構造の明確さを支える力
セットといい、キャラクターの設定といい
あからさまなほどに明確。
わかりやすいのに、
残る想いに掴みきれないほどの広がりがあって・・。
その世界観にどっぷりと浸りこんでしまいました。

劇団劇場〜Act In Rule〜vol.3
劇団劇場製作委員会
morph-tokyo(東京都)
2010/10/24 (日) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★★
配球の妙で四球四振(!)にとられる
野球の配球で言えばストレートの速球、チェンジアップ、大リーグボール級の変化球()、ビーンボール紛いの内角をえぐるストライク(爆)で四球四振(←おい!)な構成が絶妙。
個別では共に既知の+1と江古田のガールズが一歩リードしていたか?
また、最初の一言が「ぜ〜んぶウソ!」や、「いきなりキスシーン」な始まり方もアリでは?と思っていたら、実際にあってニヤリ。
なお、オールスタンディングでの2時間弱も、かつてライブハウス通いをしていた上に今は1日平均8km以上歩いている身にとっては全く問題ナシ。

パティおばさんの大切なトランジスタラジオ
colorchild
LIVE HOUSE GRAFFITI(東京都)
2010/10/23 (土) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★★
独特な手法で見せる佳作
草野球の面白さ、笑い、ファンタジー、感動要素などをバランス良く組み込み、ピスタチオ系の独自の手法で仕上げた佳作。
反則ギリギリのムチャ振りもありつつ、度をわきまえており、出演者の半分素の反応が可笑しい。
また、人物のキャラクターの表現として、本来の姿にユニフォームを羽織らせた衣装のアイデアも◎。