『狼少年 ニ 星屑 ヲ』
おぼんろ
スペースTRE(東京都)
2010/10/30 (土) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
どこか切ない物語。
客入れからいろいろと盛り上げるキャスト達。衣装、メイクそのままで。それを見つつどういう内容になるのか思いを馳せつつも、帰りの足が心配だったけど。舞台が始まればそんな事も忘れるほど魅入った。末原さんの想いは充分伝わったと感じています。
ネタバレBOX
人形劇が良かった。笑どころでありながら3人の関係を上手く表現していたかと。
演劇ってこう言うものかと、原点を見たように思いました。
起て、飢えたる者よ
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
緊迫感
圧倒的な緊張感と迫力でした。時代の思想と狂気を見事に見せてくれました。感服です。特に蒻崎今日子の演技が凄かった。人格の変貌はまるで女性闘士が乗移ったようで恐ろしいほど。劇団チョコレートケーキ,初見でしたが,良いです。あと,菅野佐知子さんもこの劇団員だったんですね。受付にいてビックリ。今日一番のドキドキだったかも^^;
起て、飢えたる者よ
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
見応え充分。
ルデコのサイズが山荘の閉塞空間を感じさせた。フィクションとは言えあの時代に生きた学生をただの狂気と抹殺できるほど、世の中を憂いたことが無い自分にとっては重い内容ながらも面白く観劇。それは康子(蒻崎さん)の存在による処かも。
ネタバレBOX
吸い寄せられるように逃げ込んだ山荘。5人はどう決着をつけるのか?康子は5人にとって悪魔か天使か。総括の名のもと康子がとる行動は?
役者さん皆良かった。
タイトルは康子のことかも。かものはし(蒻)さん好演!
どうじょう
コマツ企画
OFF OFFシアター(東京都)
2010/10/23 (土) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
お見事です
すばらしい、だれもかれもが。これだけそろえば、とはいえ。OFFOFFで見られる幸せでした。
フジツボ・ファイヤースター
いれずみベービー
高田馬場ラビネスト(東京都)
2010/10/23 (土) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしい公演でした。
この公演を待ちわびてました。最前列の中央に鎮座して、堪能しました。軽快でスピード感があり、随所に盛り込まれた笑いにキレキレのダンス、そして涙をそそるラストなど盛りだくさんで素晴らしい公演でした。
『狼少年 ニ 星屑 ヲ』
おぼんろ
スペースTRE(東京都)
2010/10/30 (土) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
大人に捧げる悲しい童話
この物語は観客の想像力に委ねる、といった嗜好。それは物語の殆どがセットが簡素な語り口によるものだからだ。しかしながら、キャストらの衣装、演技力、その他の強引なまでの引っ張りによって、観客の想像の中にしっかりと根付く。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
孤児の少年ら三人は孤児院で育ち、孤独と暴力と空腹に耐えながら大きくなった。彼らはそんな幼少期の中、「ぼくらが25になる年の、収穫祭の晩海のむこうから、舟がむかえにくるのだって。」という幸せになれる為の呪文を何度となく呟きながら、過ごしていたのだった。
愛情にも食べ物にも飢えていた彼らはそれぞれ少しずつの秘密の悪巧みをしながら生き延びていた。拓馬は狂った老婆から宝石を盗もうとし、諒一は人を殺し、倫平は盗賊をする。そんな三人三様の生き様だったが、彼らは遥かかなたの夢を見ている頃が一番幸せだったのだ。
そんなある日、諒一はキンキラキンのお星さまめがけて村を飛び出し海を渡ったものの、キンキラキンのラブなんてものは何処にもなかった。そんなことも知らない拓馬は諒一の跡に継ぐべく現在の不幸から逃げ出そうと考え親友を裏切ってしまう。
しかし親友の倫平は拓馬が負った傷に効くという薬草を求めて村に帰ったところに拓馬の発言によって無実の罪をきせられた倫平は村中の人々から石を投げられて血まみれになってしまうのだった。
星屑をポケットに詰め込んで幸せに暮らしてるはずの諒一は結局、村に帰って人殺しをしてしまう。その光景を見た倫平は「夢を抱いている拓馬にだけは知られたくない。」と思いやり、拓馬を庇い、その拓馬に裏切られる倫平。
三人の数奇なまでの運命をあるときは人形劇で、あるときは観客の想像力で、あるときはキャストらの演技力で魅せた芝居だった。
人は皆、しあわせになりたいと願う。しかしその幸せは足元に必ずあって、普通に生きるその時々が、幸せなのだと思う。いくらかの不幸があるからこそ、いくらかの幸せを感じることが出来るのだ。
ならば、私たちは現状を受け入れながら、少しの夢を持って生きるのが幸せなのかもしれない。だとしたら・・・夢は叶わない方が幸せなのだろうか・・。
そんな事を考えながら歩く道々で考えた。
キラキラ光る~夜空の星よ~♪
音楽導入もGOOD、時間軸の交錯もGOODな芝居。
『狼少年 ニ 星屑 ヲ』
おぼんろ
スペースTRE(東京都)
2010/10/30 (土) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
本当に狭い空間に、主宰の気持ちが一杯!
30人弱の客と4人の俳優。俳優たちは奇抜なメイクに奇抜な衣装でお接待。そして、お芝居へと進んで行きました。
ネタバレBOX
開演前からトークパフォーマンスが始まっていて、てらいのないところは路上パフォーマンスなどで鍛えた所以でしょうか。
25歳のある一日だけ船に乗って新天地へ出奔できるチャンスがあるという村の若者の話。条件は、村人の推薦と渡し(船)のブローカーに払うお金を持っていること。
若者は時々一人暮らしのおばあさんの世話をすることで村人の推薦を得ようとし、資金は村の資産家から出してもらうことによって外へ出ようと考えています。
おばあさんは少しぼけていて、亡くなった息子が年に一度赤いマントとかぼちゃのお面で訪ねてくることを楽しみにしています。若者は、点数稼ぎのために世話しているだけですから、そんなおばあさんを邪険に扱っています。
船が来る当日、資産家の家が盗賊に焼かれてしまい、資金を出してもらえなくなってしまったので、おばあさんの家に入って宝石を盗もうとします。そこへ幼なじみが現れ、自分が盗賊だと名乗ります。
争い、追いかけて洞窟へ行くと幼なじみは息絶えていて、そこには赤いマントとかぼちゃのお面がありました。幼なじみが毎年おばあさんを喜ばせていたことを知り、そんな人間が盗賊であるはずがないと悟り、代わりに衣装を付けておばあさんを喜ばせに戻って行きました。
無国籍な活劇話ですが、衣装や盗賊が出るところはアラビアンナイトのような、おばあさんを襲って金を盗もうとするところは自分を正当化する罪と罰のような感じでした。
狭い空間の中で可能な限りのアクションを取り入れていましたが、話の進行が少し説明っぽく、朗読劇にアクションを加えたような構成に思えました。
おばあさんは本当はぼけていませんでした。犯罪行為は許さないものの、打算からだろうが、真心からだろうが、若者との交流は心底嬉しかったようです。一枚上手です。
外へ出たいという若者気質は、将来シアターコクーンで芝居を打ちたいという主宰の気持ちに通じます。
利用できるものは何でも利用して成り上ろうとすることを、私は、あのおばあさんのような気持ちで見守りたいと思います。
ぼくんち
“STRAYDOG”
テアトルBONBON(東京都)
2010/09/28 (火) ~ 2010/10/03 (日)公演終了
満足度★★★★
西原理恵子原作
貧乏な海沿いの田舎町の人たちが泥臭く生きていく中で愛とか幸せとかを求めてもままならない様子を描いた作品。
なかなかいい舞台でした。
『狼少年 ニ 星屑 ヲ』
おぼんろ
スペースTRE(東京都)
2010/10/30 (土) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
冷たい雨だったけど。
観に行って良かったとおもいました。主宰の書く話が、良く纏まっていて前回作品の反省や新しい工夫もしたんだろうなと思える、心に残る作品でした。役者さんが皆とても素晴らしく、大人になったおぼんろを観た気がしました。佐東さんの美しく通る声やあらゆる表現も、さすがに立体落語で鍛えていらっしゃるのだろうなと。倫ペイさんの気張らない素直な声と素直な表現。物語の人物に感情移入してうっかり涙が流れました。高橋さんの声もソフトからハードまで自由自在で、あの狭い空間が完全に物語の村になっているような、不思議な時間でした。
ネタバレBOX
結局の所、一番幸せだったのは、ハロウィンの度に現れる死んだ息子と、打算的であるかもしれないけれど世話してくれる若者を、受け入れて待ち続けた老婆だったのかもしれません。愛情にしろ何にしろ、人から与えて貰うより、人に与える人生の方がよほど幸せなのかもしれないと、そんな事を思いました。
はい、すたーと。
THE♥フォービーズ
Geki地下Liberty(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★
バックステージもの
前半はかなり笑わせてもらった。後半からははっきり申し上げて笑える箇所はない。
だから、出来たら、あのまま民宿での出来事を描写する形の方が良かったと思う。コメディなのだから、あまりこねくりまわさなくても面白ければそれでいいのだと思う。
以下はネタばれBOXにて。。
ネタバレBOX
まず、勝山と岡田のタッグがいい。二人のそこはかとない「壊れかけたレヂオ~♪」でも歌いたくなるような雰囲気が良い。更にどんだけ濃いんだよ!と言いたくなる様な人間離れしたメイクもいい。「君たち唐十郎劇団からやってきたのかい?」みたいな・・。笑
全体的に関西系のノリ。観客も関西人が多いらしく関西弁が飛び交う。そんな妖しくも不思議な世界の中、男は元劇団員で今は民宿経営者。女はそこの従業員という設定。民宿は自殺で有名な東尋坊の近くに建ってることから、ここに宿泊する客は自殺願望が強いらしい。
そんな状況の中、客は「今から自殺します!」と顔に書いてあるような輩が訪れる。それらの客はとにかくオモロイ!笑
ここまではかなり愉快で笑える。
しかし、ここから物語は一変してしまう。つまりこの民宿芝居をしていた劇団の悩みや劇団が構成されるまでのストーリーやバックステージのさまを描写する形に変貌するのだが、この辺りから笑い事ではなくなる情景に変わってしまう。内輪もめの様子や劇団員の悩みなどに視点が置かれてしまうので、笑えないのだ。滑稽さを露呈するならそれが笑いの引き金にもなるのに、リアルさだけが露呈される。結果、笑えない。
コメディなら観客を笑わせてナンボの世界なのだから、自分たちが楽しんじゃダメだよね。ちなみにいぐちしおりのおっさんはウケナカッタ。
次回はとことん笑わせて欲しいな~(^0^)
Politics! Politics! Politics and Political animals!
エイチエムピー・シアターカンパニー(一般社団法人HMP)
エル・パーク仙台 スタジオホール(宮城県)
2010/10/23 (土) ~ 2010/10/24 (日)公演終了
満足度★★★★
徹底した美意識
私が観た土曜夜の回もほぼ満席で、正直驚きました。すごく美しくて、ちょっと残酷な作品に感じましたが、見る人によって感想が全然変わるんだろうなと思いました。シーンによってはユーモラスな場面もあり、声をあげて笑ってしまいました。美術・照明・音楽と俳優の相乗効果で、常に空間が美意識に支えられていて、演出の揺るぎなさを受け取りました。3人の大阪の俳優さんも、7人の仙台の俳優さんも、皆さん素敵でした!また仙台公演があれば、友達を誘って行きたいです。
起て、飢えたる者よ
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしかった!
役者さんの熱演もあって2時間飽きずに、というかあの当時の緊迫感を疑似体験しながら観ていました。これほど芝居に入り込んで観劇したのは久しぶりかも。狭くて客席と近い舞台、無駄のないセットもこのお芝居にぴったりだったと思います。
あとから考えてみるとこれほどクオリティーの高い舞台になった一番の要因はしっかりと練り上げられた脚本だと思う。実際にあった事件、設定をうまく生かして新しい魅力的なストーリーを作り上げたことに脱帽しました。
次回も楽しみにしています。
ネタバレBOX
一貫して重い雰囲気が漂っていたし、やはり悲劇的な結末ではあるのだけれど、ラストでなんとも言えない希望、救いのようなものが感じられたことがうれしかった。
起て、飢えたる者よ
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★
事件の後の砂漠。
僕が初めて、
「オルグ」
という言葉に出会ったのは、
16歳の時、
この演劇の参考文献の一つを読んだ時だった。
その時は、
残存部隊の最年少と同い年だったということが、
僕には衝撃的だった。
20歳になった今、
この演劇を観て、
やっとオルグを理解できたような気がする。
簡単に言うと「オルグする」とは、
左派同盟に勧誘することである。
ただ、その説明では補えないほどの、
とりこぼしている意味がたくさん存在していた。
あさま山荘事件をテーマにする上で、
特殊な言葉が存在する。
「殲滅戦」、
「共産主義化」、
「自己批判」、
そして「オルグ」。
そんな言葉に違和感をもつのは、
当たり前のことである。
僕たちは日常的に使わない言葉を、
言葉として認めていないからだ。
本公演冒頭から出てくる、そんな言葉達も、
ギャラリールデコという山荘に閉じ込められてしまった僕は、
上演時間110分の後半には、
何の違和感もなく受け入れていた。
これこそがオルグなのだと思った。
その世界に閉じ込められた人間は、
その世界の言葉、信念を受け入れなければならないのだ。
その世界がねじれているかは別にして。
そういう意味で、
僕にとって、
チョコレートケーキは、
甘すぎて、苦すぎた。
『狼少年 ニ 星屑 ヲ』
おぼんろ
スペースTRE(東京都)
2010/10/30 (土) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
素敵なおぼんろ世界
今回初観劇です。20時の回。
言葉遣いの巧みさと、狭い会場を縦横無尽に駆け巡る身体。
音や光、セットや小道具、俳優たち自身もすべてがおぼんろ。
おぼんろって、こんな劇団なんだということが伝わってくるお芝居。
いや、お芝居というくくりでは説明できないような・・・
パフォーマンス?作品?アート?
とにかく素敵な世界を堪能させていただきました。
これからのますますの活躍を期待しています!
主催の末原さんのブログを読んできた私としては、最近のアルバイト経験からきた言葉なのかな?とか、色々想像が膨らむ部分があり、見るたびに感じることが違うのではないかと思うような想像を掻き立てられる面白さのある作品でした。
ネタバレBOX
キンキラキンのラブというものは、青い鳥のようなものなんでしょうか。
そういうものを誰もが求め、彷徨う現代を、末原さん流のやり方で、興味深く表現していました。幸せはすぐそばにある?狼少年たちの幸せへの憧れを語る場面では、涙が溢れました。
自分の勝手な期待ですが、登場人物すべてがハッピーになって欲しかったので、☆4つ。
すみません。夢のような世界を見たかったというわがままです。
起て、飢えたる者よ
劇団チョコレートケーキ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
娯楽性と批判を両立させて見事
あの題材をモチーフにしている作品をこんなにも楽しんでしまうのは不謹慎ではないかと自己批判するほどに娯楽性もありながら、当時の彼らを美化するのではなく、矛盾点を指摘し**(ネタバレ自粛)まで与える描き方で娯楽性と批判を両立させており、非常に見事。
どうじょう
コマツ企画
OFF OFFシアター(東京都)
2010/10/23 (土) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
それぞれの寂しさが滲み出る
ココロにスキマを持った登場人物それぞれの寂しさがじわじわと滲み出て来る感覚。
妙にリアリティのある設定と、心情が表出したような演技が心に響くからか?
また、敢えて描かなくてもワカるであろう場面を省く潔さもイイ。
ジゼル・ヴィエンヌ『こうしておまえは消え去る』
フェスティバル/トーキョー実行委員会
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2010/10/30 (土) ~ 2010/11/03 (水)公演終了
満足度★★★★
良質のミュージックPVを観た感じとでも言うか
F/Tの海外勢には前回もとても刺激を受けた(日本勢も凄かったけど)。
今回も刺激的。
音(音楽)とビジュアルの融合が気持ちいい。
トリップしちゃうよ(笑)。
(これからご覧になる方へ>字幕の数はそれほど多くないですが、舞台の一番上の黒いところに出ます。また、どんなものにせよスモークが嫌いな方は一番前(あるいは前方)の席はお勧めしません)
ネタバレBOX
舞台には、なんだか本格的な森が鎮座していた。うっすらとスモーク感もある。
そして、開幕と同時に大量のスモーク、さらに轟音(音量は小さいがイメージとしての轟音)。
ん? これって、まるで SUN O))) じゃないか、と思ったら、とたんに楽しめそうな気がしてきた。
本来は緊迫した空気の中で進行する物語なのだが、音楽のライブのような感覚で楽しめた。
後半の女性の歌もとてもいい。それは舞台の上のビジュアルとセットとして、いいのだ。
結果、長いミュージックPVを観た、という印象。どこのどの場面を切り取っても「画」になる作り込みがされていた。
このまま映像で観ても十分楽しめるのではないかと思う。
もちろん、ライブ感は「肉体」があることと、台詞との関係による緊縛感が醸し出されているところにあり(沈黙も)、そこはヒリヒリしながら楽しんだと言ってもいい。
冒頭の体操女子のシークエンスは、一瞬「?」と思ったのだが、見ていると、これってもっともっと同じパターンを繰り返してもいいんじゃないかと、思ってくる。轟音には、うんざりするほどのリピートがお似合いではないかと思ったのだ。
それによって、さらに絶望感が高まったのではないだろうか。
もっとも「絶望感」というには、あまりにもカジュアルな印象で現代的であり、逆に根源的でもあろう。それが「死」に結びつくという図式は短絡的ではあるが、「そんなものかな」というようなドライな感覚で受け止めてもいいのではないかと思ったのだ。
そして、森(で)は求めるものを返してくれるし、隠してくれる。
ラストの猛禽類の演技には驚いた。
大量のスモークは、前に座る観客もきれいなシルエットになっていて、ライティングの妙技とも言え、美しいものだった。
スモークは、薬品系ではなかったようなので安心した(水蒸気のものか?)。
これだけ大量のスモークが、あのイヤな匂いのするヤツだったら、確実に外に出ていた。
……夏だったら、涼しげでなお良かったかも(笑)。
で、帰宅して、当パンを見て驚いたのだが、音楽には SUN O))) のスティーブン・オマリー氏がかかわっていたのだ。な~るほど、と言うか、な~んだ(笑)。
しかも、ジム・オルーク氏やメルツバウの秋田昌美氏も関係したとなると、音楽的な気持ち良さは当然とも言えた。
そして、それらプラス、音響効果なのか、実際の外の音なのかが判然としないところが、また素敵なのだ。
「ライブ演奏」のクレジットにも、スティーブン・オマリー(!!)の名前があるのだが、最後に出て来てもよかったんじゃないかな。
ちなみにyoutubeにあったSUN O)))のライブ映像。まさにネタバレか?
http://www.youtube.com/watch?v=VSoal5Zegpo&feature=relatedv=VSoal5Zegpo&feature=related
飛ぶ劇場『睡稿(すいこう)、銀河鉄道の夜』
NPO法人FPAP
ぽんプラザホール(福岡県)
2010/09/03 (金) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
初
初めて観て ハマった!
個人的な意見で参加席のほうが好きだった♪
マンガマン
スクエア
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/10/28 (木) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★★★
手堅く面白い
前回はどうしても日程が合わず断念したのだが、スクエアは『泊、』以来の2回目。
2回しか観てない私が言うのもナンではあるが、スクエアはいつも手堅く面白いのだ。
きっちり作り込まれていて、嫌みなところなどは微塵もなく、のんびりと楽しめるという感じ。
ネタバレBOX
バイトから正社員になった市原は、正社員になったのに浮かない顔をしている。
隣に住む大家さんが、物干し台から勝手に市原の部屋に入り込み、心配している。
市原は、マンガ家志望だったのだが、30歳までに芽が出なければ、マンガ家を諦めると妻に言っていたのだ。
そんな中、東京の出版社から市原のマンガを掲載したいという依頼が来る。
妻は、それを聞き、市原がマンガ家を諦めると約束したことを守っていないことに激怒する。
市原は、それでもマンガのほうをとってしまう。
東京の編集者・梶尾は、文芸誌から左遷されてマンガ雑誌にやってきており、市原のマンガを当てて、文芸誌に返り咲きたいと思っている。
そこで、市原のマンガの原作はすべて自分が考えると言い、市原には絵のみ描かせることにしした。
市原は会社勤めをしながらマンガを描く決意をする。同僚でマンガ好きの星野が、仕事上の手助けをしてくれることにもなった。
実際にマンガが出版されたものの、梶尾のストーリーは、学生の主人公が教室に入るまで連載4回分もかかり、常に悩んでいるばかりなど、つまらない内容だった。
その結果、読者アンケートではビリになっていた。
一方、市原の妻は、妊娠し、市原とは不仲のまま実家に帰ってしまった。
窮地に立たされた市原は…。
こういうストーリー。
今回も作り込まれたセットで、夢を追う男とその妻、そして彼らを取り巻く人々という構成で、鬱陶しい人はいるものの、基本、普通のいい人たちばかりが出てくる。
強い葛藤や、大きな盛り上がりには縁遠いかも。だけど、いいな、と思ってしまう。
次も観たいと思うのだ。
物語は、すべて丸く収まる大団円になる。
それはそれでいいのだが、本当は応援したかった妻が、やっぱり夫である市原に戻ってくるあたりの描き方については、もう少し深さがほしかったというのが本音ではある。
妻の気持ちはわかるけど、あっさりすぎるんだよね。
むしろ、市原のマンガが失敗して、連載を打ち切られてしまい、さらに会社もクビになって、という展開のほうが、市原と妻の関係がもっと浮き彫りになってきたのではないかと思うのだ。
もっとベタな人情コメディになってしまうかもしれないのだが。
夢が適ってしまうというのは、メルヘン的であり、イヤな感じはしないんだけれどね。
スクエアの4人ともがいい味を出していた。妻役の阪本麻紀さんの丁寧に感情を追っていく姿は、スクエアにマッチしていてとても良かった。
アームストロング・コンプレックス
劇団ショーマンシップ
甘棠館show劇場(福岡県)
2010/07/22 (木) ~ 2010/07/29 (木)公演終了
満足度★★★★★
楽☆
言葉遊びとか入ってて かなり楽しかった♪
それに キャストが豪華!チラシもかっこいい☆