ジゼル・ヴィエンヌ『こうしておまえは消え去る』 公演情報 フェスティバル/トーキョー実行委員会「ジゼル・ヴィエンヌ『こうしておまえは消え去る』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    良質のミュージックPVを観た感じとでも言うか
    F/Tの海外勢には前回もとても刺激を受けた(日本勢も凄かったけど)。
    今回も刺激的。
    音(音楽)とビジュアルの融合が気持ちいい。
    トリップしちゃうよ(笑)。



    (これからご覧になる方へ>字幕の数はそれほど多くないですが、舞台の一番上の黒いところに出ます。また、どんなものにせよスモークが嫌いな方は一番前(あるいは前方)の席はお勧めしません)

    ネタバレBOX

    舞台には、なんだか本格的な森が鎮座していた。うっすらとスモーク感もある。
    そして、開幕と同時に大量のスモーク、さらに轟音(音量は小さいがイメージとしての轟音)。
    ん? これって、まるで SUN O))) じゃないか、と思ったら、とたんに楽しめそうな気がしてきた。

    本来は緊迫した空気の中で進行する物語なのだが、音楽のライブのような感覚で楽しめた。
    後半の女性の歌もとてもいい。それは舞台の上のビジュアルとセットとして、いいのだ。

    結果、長いミュージックPVを観た、という印象。どこのどの場面を切り取っても「画」になる作り込みがされていた。
    このまま映像で観ても十分楽しめるのではないかと思う。

    もちろん、ライブ感は「肉体」があることと、台詞との関係による緊縛感が醸し出されているところにあり(沈黙も)、そこはヒリヒリしながら楽しんだと言ってもいい。

    冒頭の体操女子のシークエンスは、一瞬「?」と思ったのだが、見ていると、これってもっともっと同じパターンを繰り返してもいいんじゃないかと、思ってくる。轟音には、うんざりするほどのリピートがお似合いではないかと思ったのだ。
    それによって、さらに絶望感が高まったのではないだろうか。

    もっとも「絶望感」というには、あまりにもカジュアルな印象で現代的であり、逆に根源的でもあろう。それが「死」に結びつくという図式は短絡的ではあるが、「そんなものかな」というようなドライな感覚で受け止めてもいいのではないかと思ったのだ。

    そして、森(で)は求めるものを返してくれるし、隠してくれる。

    ラストの猛禽類の演技には驚いた。

    大量のスモークは、前に座る観客もきれいなシルエットになっていて、ライティングの妙技とも言え、美しいものだった。
    スモークは、薬品系ではなかったようなので安心した(水蒸気のものか?)。
    これだけ大量のスモークが、あのイヤな匂いのするヤツだったら、確実に外に出ていた。
    ……夏だったら、涼しげでなお良かったかも(笑)。

    で、帰宅して、当パンを見て驚いたのだが、音楽には SUN O))) のスティーブン・オマリー氏がかかわっていたのだ。な~るほど、と言うか、な~んだ(笑)。
    しかも、ジム・オルーク氏やメルツバウの秋田昌美氏も関係したとなると、音楽的な気持ち良さは当然とも言えた。
    そして、それらプラス、音響効果なのか、実際の外の音なのかが判然としないところが、また素敵なのだ。

    「ライブ演奏」のクレジットにも、スティーブン・オマリー(!!)の名前があるのだが、最後に出て来てもよかったんじゃないかな。

    ちなみにyoutubeにあったSUN O)))のライブ映像。まさにネタバレか?
    http://www.youtube.com/watch?v=VSoal5Zegpo&feature=relatedv=VSoal5Zegpo&feature=related

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    2010/10/31 07:05

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