アフターサービス【月1WS開催中!】
プロデュースユニット四方八方
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/01/20 (木) ~ 2011/01/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
生ききるぞぉ
本当に最高だった!私にも同じ死後の世界が待ってるなら、その前に精一杯生ききりたいって本気で思える、すごくパワーを貰える舞台でした。舞台を見て泣きそうになったのも初めてです。
エモーショナルレイバー【ご来場ありがとうございました!】
ミナモザ
シアタートラム(東京都)
2011/01/20 (木) ~ 2011/01/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
きっちり演劇でした
メインビジュアルのイメージから勝手にPOPなものを想像していたが、
しっかりした会話劇で好みの芝居だった。
対称的なハマカワさんと井上カオリさんの佇まい、
エレガントに脇を固める中田顕史郎さんが良かった。
ネタバレBOX
トラムを狭く使った芝居は観た記憶がないので新鮮。
圧迫感を出すのにも成功していたと思う。
母性に着地させたラストは意外だったがいい幕切れだ。
アフタートークで瀬戸山さんの美人度の高さを再認識したので、
エレファントムーンが楽しみになった。
アフターサービス【月1WS開催中!】
プロデュースユニット四方八方
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/01/20 (木) ~ 2011/01/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
スイッチが入るカッチて!
転生があることを確信してる人がもしかしたら居るのかもしれないけど、僕は普通に前世とかまったく感知できなくて、爬虫類は嫌いだけどこれはDNAの記憶だろうし、焼き魚が苦手なのは母親がめんどくさかったのか作らなかった所為、バターピーナッツが好きなのは?何故かな?
ギリシャ神話に出てくる神様のように人間ぽい黄泉の国の役所の大晦日から新年の数時間の物語。
性善説が正しいんだと生まれる前の物語の再生ボタンが押された気がしました。
住吉さんの儚げな声好きですよ。
飯島さんの淡々とした台詞回し、句読点のようで舞台にメリハリを付けてました。
関さん、三宅さん、高野さん、商業演劇のような演技、プロです。
忘れちゃいけない石田麻織恵さん、目覚まし時計の声に録音したいです。
楽しめた舞台でした。
水飲み鳥+溺愛
ユニークポイント
「劇」小劇場(東京都)
2011/01/18 (火) ~ 2011/01/23 (日)公演終了
満足度★★★★
事件の予習が必要
「劇」小劇場に初めて行った。
椅子がとても良かった。ぜんぜん腰がいたくならない!
間口も広いし駅から離れてないしとても良かったです。
溺愛のほうは、もとになっている事件の予習が必要だと思いました。
ネタバレBOX
まずは一本目の「溺愛」。
久留米で起こった、看護師による保険金連続殺人事件を
もとに作られた猟奇的な作品。
舞台そのものが主犯格の女、看護婦ジュンコの世界。
そこへ弱みをつけ込まれ、揺さぶられ、次々と
共犯者となる女性が搦めとられ、犯罪に手を染めていく。
この舞台、
事件と、異常な女の思考回路と一般人の苦悩と人間心理を
演劇的手法で描いたのだという事を理解しないと
ハテナマークがいっぱい浮かぶ。予習が必要。
がんじがらめの日々生活を、
本当に裸になる(衣服を脱ぐ)ことにすり替えられ、
脱ぎすてた不自由の代わりに裸の自由(結局不自由)を与えられる。
理解が追いつかないと単に
「官能的な表現を売りにした舞台」みたいに思える。
物語の進行役を名乗る男は、存在が中途半端。
"観客に見られている”という認識を役が持っており、
それが役の感情と行為の理解をさらに妨げている気がする。
インパクトはあったのだけど、
個人的にはこの事件のどこをクローズアップしたかったのか
どこを一般化したかったのか、明確に感じることができなかった。
演出、効果は素晴らしかった。
舞台の上に舞台を作ったのもよかったし
前説からいきなり芝居に入るところも、服を脱がせ方も、隠し方も
その後、体に白い布が巻き付いて
綺麗な衣装になったのも素晴らしかった。
一番最後にすべてを搦め捕る白いリボンも世界を現していて良かった。
だから全体的に、難解だけど、良いものを見たという感想。
事件の概要をパンフレットに載せてみてもいいかも。
そこはこだわりでお好みだとは思いますが…。
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「水飲み鳥」の感想。
同級生の葬式で久々に集まる同級生の話。
限りなく日常の、片田舎の、どこにでもありそうな風景。
特に派手な展開もなく、
一本目の「溺愛」とはまったく違うテンションで進行する。
4人の登場人物が、それぞれの「日常」を持って再会。
久しぶりの出会いに付随する喜びと興味、
環境の違いと考え方の違いによる戸惑いがとてもよく出ていて、
舞台を見ている内に、知らずと自分に重ねてしまう。
あの頃と同じだと思っていても
長く暮らしていくと、年月の分だけいろんなものがひっついて
昔のように何も考えずには付き合えない。
郷愁と現実の違いが物悲しい。
特に何かのメッセージがあるわけではないけど
役の設定のバランスがとても良く、演技も上質で、
いろんなことを味わう事ができる良い舞台でした。
カルナバリート伯爵の約束
メガバックスコレクション
荻窪メガバックスシアター(東京都)
2011/01/15 (土) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
満足度★★★★
集中!
約2時間の上演中、展開への興味が途切れることなく集中して、劇中の世界観にひきつけられました。作りこまれたリアルなセットが素晴らしい。配役も適材適所で、呼吸も合っていて、じっくりと練り上げられた作品だなと。出会えてよかった、今後も注目します!
ネタバレBOX
どこでもないどこか、な世界観が良かっただけに、冒頭で語られ、パンフレットにも書かれている「1953年」という具体的な年の設定が唯一不可解でした。何か、歴史的な出来事と絡むのかと思いながら観ていたけれど、私には読み取れなかったので。いつでもないいつか、で、良かったような気が、個人的好みとしては感じました。
アフターサービス【月1WS開催中!】
プロデュースユニット四方八方
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/01/20 (木) ~ 2011/01/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
アフターサービス!!
誰が見ても面白い舞台!
切なさあり、笑いあり、スピード感あり。
ぜひ、若い人もお芝居を見た事がない人にもおすすめ!
『OLと魔王』 ご来場ありがとうございました◎さよなら魔王!また会おう!!
舞台芸術集団 地下空港
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2011/01/19 (水) ~ 2011/01/23 (日)公演終了
満足度★★★★
キリスト教の七つの大罪
を主軸に巻き起こすリビングコメディ。
2007年に初演されたらしいが、ワタクシは初見。で、今回の衣装は今までとかなり毛色の違う可愛いらしいデザインで、がちゃぴんとムックを観ているよう。つまり子供が観ても喜びそうなキャラクター達だった。
ネタバレBOX
七つの大罪の中のそれぞれ一つを持った悪魔たちの衣装というのはワタクシの中ではもっとドロドロしたイメージだったから、こうしたコミカルな、くるくる巻き毛の羊を皮を被ったキャラクターたちが可愛いすぎて、どうしたって馴染めない。しかし、コメディなのだから、仕方がないと言えばそうなのだけれど。
個人的には衣装は悪魔らしく、内容は恐そうな悪魔なのに「人の良いダメ悪魔」的な舞台の方が好みだった。
物語は、ミサに呼びよせられた魔王は泡野家のリビングに突如、現われる。魔王の仕事は人間の魂を頂くことだ。早速、魔王は泡野家の主婦・倫子の魂を頂こうと契約を交わすが、どうしたことか倫子の勘違いによって、泡野家の間借り人として契約させられてしまう。
勘違いから始った魔王と倫子と周りの人たちが織り成す物語だが、魔王の悪巧みを止めようとする維持派の悪魔たちのコミカルさがバカバカしい。そして魔界の王の魔王が始終、たかが人間の倫子やミサに振り回されてしまうキャラクターはペットのようだった。笑
ただ、マモルという死に切れない魂の浮遊度がいまいち弱かったように感じた。別居中の夫に憎悪を抱いていた倫子の魂は悪魔を呼び寄せてしまうきっかけにもなり悪魔にのっとられてしまいそうになりながら、終盤、自ら生き方を変える展開は素敵だった。
大道具の数々が素晴らしい。
そうして手塚けだまが今回もきっちり自らのキャラクターを演じ魅了した。けだま・・、素晴らしい女優だとつくづく思う。
そして倫子こと川根有子が悪魔とリンクしながら吐くセリフのド迫力には毎回、ヤラレル。もっと悪魔的な川根を観たかったが、まあ、仕方がない。笑
エモーショナルレイバー【ご来場ありがとうございました!】
ミナモザ
シアタートラム(東京都)
2011/01/20 (木) ~ 2011/01/23 (日)公演終了
満足度★★★★
「ポツドールっぽい」ちゃぁ
ぽいけど。落とし処に「ほぅ」と唸る。ハマカワ、印宮、顕史郎3氏の飛び道具っぷりがとても効果的に舞台を引き締めてるのが評価高し。
ネタバレBOX
特にハマカワの×××っぷりは、この2年位の彼女の出演作の中ではMAXの面白さ!
23分後
innocentsphere
吉祥寺シアター(東京都)
2011/01/15 (土) ~ 2011/01/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
見て良かった
初めて見たのが、5年前のZION(再演)で、3公演程見たのだが、多忙過ぎて、暫く観劇してませんでした。昨年から又、観劇が増え、お目当ての役者さんができたので、久しぶりに拝見して、感動しました。以前より解りやすく、幅広い層に受け入れ易くなっているが、より洗練された感じです。客層も以前は20代中心だったのが、30代以上の方や50前後の方も増えてました。コミカルな場面も、程良く散りばめられながら、丁寧な心理描写からラストの疾走感に向かう、素敵な作品でした。
ネタバレBOX
いつでもどこでも、人々の生活は様々で、みんなそれぞれ葛藤を抱え、自らそれを大きくしてしまう事もある。
交わる事が無いようでも、何処かで何かを、支えている素敵な奇跡もある。と思えました。
相変わらず、美術の美しさと、映像の使い方が、効果的だと思いました。特にオープニングの、役者さんが登場しながら、映像で名前が出るのは、他の劇団でも真似てるが、イノセントさんが、一番格好良いと思った。
パントマイム的表現が、ところどころ使われ、良かったです。根岸つかささんと久野壱弘さんは、さすがの演技力で、情景を連れてきてくれました。
新宿の雑踏のスローモーション的な世界は、その時は交わる事は無いが、別々の世界が、いつか何処かで、繋がる予感として楽しめました。それまでの役と違う空気感で登場してた、こうのゆかさんと支倉潤一郎さんが、見事でした。
挫折もあったが、夢や家族愛の話も素敵で、ベートーヴェンの曲と駆け抜けるシーンは、素敵でした。
全役者さん魅力的でしたが、特に久野さんの凄さは、絶品でした。
カウントダウンが始まったのは気付いたが、舞台上の物語に引き込まれていて、カウントいつ終わったのか、気付きませんでした。
アレルギー【公演終了!!!ご来場誠にありがとうございました!!!!】
ギグル
インディペンデントシアターOji(東京都)
2011/01/19 (水) ~ 2011/01/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
もう1回!
楽しかった。ずっとニヤニヤしながら観てた感じがします。
もう1回観たいけどタイミングが合わない...
#002を早く観たい!
『OLと魔王』 ご来場ありがとうございました◎さよなら魔王!また会おう!!
舞台芸術集団 地下空港
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2011/01/19 (水) ~ 2011/01/23 (日)公演終了
満足度★★★★
いやー、想像以上でしたねえ・・・
面白かった!ほんと、滑稽だし、マンガチックなんだけどせりふ回しは超一流、動きも独創的、目まぐるしく舞台が回っている錯覚を観客に堪能させたのでは・・
魔王と倫子さんのかみ合わない会話の中に人間の寂しさがにじみ出て、魔人達のメイキャップの透明感に見とれ、乗り移った時の重なるせりふの厚み、いいですね。隣人の動きも超人的、でも、おばあちゃんにもう少しいじわるかわいい感じが欲しかったかな、だって乗り移ると超怖くなるんです。
とにかく満足しました。ありがとう、熱延の皆さんお疲れ様!
アフターサービス【月1WS開催中!】
プロデュースユニット四方八方
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/01/20 (木) ~ 2011/01/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
やっと!
観に行くことができました!
楽しくてちょっと切なくて・・・あっという間でした
でも・・・今でもじんわり残るほっこりとした感じ・・・。
不思議です☆
リーマン兄弟と嫁 【公演終了!ご来場ありがとうございました!!】
劇団鋼鉄村松
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/01/14 (金) ~ 2011/01/18 (火)公演終了
満足度★★★
難解でシュール?
好きな表現ではないのですが、面白くないわけでは無かったです。ただ、自分には波長が合わなかったです。
大縄跳びで入りたいけど入っていけないもどかしさと同様な感覚を感じました。
ネタバレBOX
フォローではなく自分は、役者ボス村松は圧倒的に好みです。前作でも思いましたが、得も言われぬ存在感を感じます。
TAKE IT EASY!×末満健一「千年女優」
TAKE IT EASY!
HEP HALL(大阪府)
2009/01/16 (金) ~ 2009/01/18 (日)公演終了
満足度★★★★
シンプルな
セットでしたが、それがかえって想像力を刺激してくれて『千年女優』の世界に浸る事が出来ました。一人の女性の素敵な生き方、どうしたらあんなに純になれるのか、、、アニメ版を観た事がないので今度観ます。素敵な時間をありますございましたm(_ _)m
水飲み鳥+溺愛
ユニークポイント
「劇」小劇場(東京都)
2011/01/18 (火) ~ 2011/01/23 (日)公演終了
満足度★★★★
変化していくことを現わす統一感
しなやかなデフォルメに事実を託した「溺愛」、その場の肌合いを舞台に表した「水飲み鳥」、全く異なるテイストの作品でありながら、そこに横たわる時間の経過と感覚の変化のようなものが、ともに舞台上からまっすぐに伝わってきました。
ネタバレBOX
「溺愛」は主犯の女性によって、
共犯者たちのモラルが剥がされていく感覚が
エッセンスを舞台上に抽出するような感じで
描かれていきます。
劇場の日常の説明をしているキャラクターが
すっと物語側の世界に引き込まれる冒頭が秀逸。
そのループに取り込まれて
キャラクター達が次第に何かを失い
染まっていく過程が
とても丁寧に描かれていて。
観る側の知っている事実(福岡の事件)との
リンクが明らかになるに従って
舞台上は抽象的な表現にも関わらず
次第に絡めとられていく看護師たちの
感覚のリアリティに観る側までもが染められていく。
解放を求める気持ちが失せて
不自由の「楽」さに籠ってしまう感覚に至るころには
観る側までもが浸されてしまう。
現実の判決が文字によって表されるのも
上手いなぁと感じました。
一方「水飲み鳥」は
とても実直にその部屋の時間を切り取る感じ。
人物たちが醸し出すそれぞれの今が
とてもしっかりと観る側にやってきて。
同じサークルの仲間の
時間をまきもどしたような距離感が凄くわかる。
次第にお酒に酔って騒ぐ姿の表現がとても秀逸。
でも、高揚の潮を引いた後
観る側に残るのは
友人たちが再び集った刹那の高揚より
むしろそこから浮かび上がってくる
互いがそれぞれに過ごした時間の滓のようなもの。
それぞれのビターな生きざまに
質感が降りてきて・・。
ラストのモラルハザードの浅ましさも
すっとその色に取り込まれていく。
まったく風合いの異なる2作品だったのですが
今の視点から俯瞰した
キャラクターたちの経年変化の様には
どこか共通する色合いがあって。
不思議なくらいに違和感なく
両作品を楽しむことができました。
ともに解像度をしっかりと持った佳品だったと思います。
『OLと魔王』 ご来場ありがとうございました◎さよなら魔王!また会おう!!
舞台芸術集団 地下空港
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2011/01/19 (水) ~ 2011/01/23 (日)公演終了
満足度★★★★
最後まであきない
まさに評判通りでパワーあふれる舞台と迫力ある舞台装置でした。
観たかった作品なので見れてよかった。
ネタバレBOX
最初座ろうとした最前列を回避したので、みかんGETならず・・・・・いや、別に欲しいわけじゃないんだけどもね。
花頭
13月のエレファント
明石スタジオ(東京都)
2011/01/14 (金) ~ 2011/01/16 (日)公演終了
満足度★★★
楽しめた
彼女の中のもう一人の彼女とのせつない恋のおはなし
最近多い、心が病んだ人の話か!と思ったけど後味は悪くはなかったな。
投げられやすい石
ハイバイ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/01/19 (水) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
「今あそこにいるのは自分だ」と思ってしまうと、笑えなくなるのではなく、笑うしかなくなる
つい、と言うか、思わず笑ってしまうけど、ヒリヒリして笑えない、でも笑ってしまおうと思う、とても辛い(はずの)喜(悲)劇。
4人の役者さんたちが本当に素晴らしい。
「間」と「タイミング」と「愛想笑い」と。
ネタバレBOX
画家を目指していて、たぶんその才能らしきものがあった山田。そして、一種の時流に乗ったために脚光を浴び、天才と言われていた佐藤の2人の学生。さらに佐藤の恋人でそれほど才能はなかったが、絵を描いていた美紀。
彼らは数年後再会する。山田も美紀もすでに絵を描いていない。佐藤はまだ描いている。
山田や美紀の行動は、いかにもありがちだ。学生時分の無責任な状況では、自由に絵を描いていけたが、状況が変われば、あっさりとそれをやめてしまう。絵でも音楽でも何でも。それは非難されることではない。
しかし、今も続けている佐藤が現れることで山田の気持ちはざわつくのだが、佐藤の有様を見てしまうと続けたほうがよかったのかどうか疑問に思えてくる。
続けることは、(たぶん)みっともない。つまり、その世界で成功したのであればそんなことはないが、ただ続けているだけの姿は、みっともないと思っているのだろう。それは病魔に冒された佐藤が具体的に見せてくれる。
たぶん、それは本当に作者自身の姿とダブるのかもしれない。
まさにその役(続けている佐藤の役)を、作者自身が演じている。
病魔に冒されて、見た目も精神もボロボロになっているし、描き上げた絵も不気味で何だかわからない(昼間っから布団に入ってテレビを見ているような絵)。本人にしかわからないレベルながら、日常の辛さが全面に溢れているような絵だ。しかしその絵は、本人にとっては「完成」してはいない。キャンバスの上から次々に絵を描いていくという佐藤。それでは完成するはずもない。それは、自分の精神状態の行き着く先が見えていないということであり、まだ自分の本来の力が発揮できていないということなのだ。「続けていくこと」への迷路にある佐藤。
こういう言い方は失礼かもしれないのだが、今、インディーズでモノを創り上げようとしている人たち、例えば音楽をやっている人、例えば演劇をやっている人、そういう人々の多くは、本業は「音楽」「演劇」と言いながら、バイトで生活をしている。
そういう状況には、いろいろ理由があるだろう。いろいろ理由があるにせよ、それは本来の自分ではない、という思いがしているのは当然だ。「完成」してないと。
つまり、この舞台は、そうした人々への(作者自身へも)メッセージが込められているように感じた。
それは「続けることは、みっともないことである」というメッセージだ。そして「それでも続ける」というメッセージも同時にあるのだ。
と同時に、もちろん、モノを創ることを生業としている(としたい)人だけへのメッセージではないことは明らかだ。それは「夢」のようなものを持っていた(いる)人々にも同じメッセージを送っている。
すなわち、「続けることは、みっともない」そして「それでも続ける」ということ。
続けることをやめてしまった山田と美紀は、自分のことだ。そして「続けて、みっともない」のも自分のことだ。
つまり、「今、舞台の上にいるのは、この自分」なのだ。そう思ってしまうと笑えなくなるのではなく、逆に笑うしかなくなる。思い切り笑えるか、力なく笑うかの差はあるにせよ。
佐藤は、自分で編み出した変な石の投げ方を山田に伝授することで、なんかそういうことも伝えたかったというのは、深読みしすぎか。
山田を演じた松井さんの「普通さ」がいい。そして佐藤を演じた岩井さんは、凄すぎる。さらに美紀を演じた内田さんの(佐藤の恋人だったことの)哀しさ、コンビニの店員を演じた平原さんの重圧がとてもいいコントラストを描いていた。
彼らの作り上げる、なんとも言えぬ「間」と「(台詞などの)タイミング」の凄さを体感した。そして、知らず知らずのうちに、誰もがやってしまう「愛想笑い」と。
友だちとか男女間の微妙さもナイス。
シンプルな装置も効果的。
本当に素晴らしい作品だ。
23分後
innocentsphere
吉祥寺シアター(東京都)
2011/01/15 (土) ~ 2011/01/23 (日)公演終了
ちょっと長い・・・
話が長すぎかな。アフタートーク満喫
アフターサービス【月1WS開催中!】
プロデュースユニット四方八方
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/01/20 (木) ~ 2011/01/24 (月)公演終了
満足度★★★★
初・四方八方
世界観がとても優しく感じられました。
また、OPもとても引き込まれる演出でワクワクさせられました。