最新の観てきた!クチコミ一覧

146481-146500件 / 191525件中
六月大歌舞伎

六月大歌舞伎

松竹

新橋演舞場(東京都)

2011/06/02 (木) ~ 2011/06/26 (日)公演終了

満足度★★★

夜の部は、かなり残念な出来映え
歌舞伎を見始めて半世紀以上経つので、同じ演目を何度も違う演じ手で観ているわけで、どうしても、先人や、名役者の場合と比較してしまう自分がいます。

歌舞伎公演は、同じ時に、世話物、時代物、狂言、舞踊等、ありとあらゆる種類の演目の、これまた全く異質な役を演じなければならないのですから、同じ役者さんでも、その公演の役で、向き不向きや、任に合う合わないの差が出るのは致し方ないことだと思いますが、今月の公演は、昼の部も含め、そういったことを顕著に感じた舞台でした。

それにしても、自宅の茶の間での懇親会さながらにずっと私語を取り交わしてるおばさん達、「必殺仕置き人」のように、睡眠薬入りの吹き矢で、眠らせて、黙らせたくなりました。
後ろの席の外人の同時通訳は、まだ外国語だから、ましだったのですが…。

ネタバレBOX

「吹雪峠」…吹雪の中、足元も覚束無く、フラフラしながらの出が、孝太郎さんお見事な演技。孝太郎さんの愛欲に生きるおえん、おえんに翻弄され、兄貴分を裏切る助蔵の愛之助のコンビは、共に手堅く演じていて、秀逸。ですが、最後に登場する、染五郎の直吉の演技に工夫がなく、女房と弟分に裏切られた渡世人の悲哀が感じられず、私は、そんなことありえないけど、誰か無名役者が大抜擢でもされての初舞台かと目を疑いました。
昔、また旅物の島田正吾さんの名演や、孝夫さんの渡世人の立ち姿の美しさ等、あまりにも、名役者の舞台が目に焼きついているので、もうベテランの域にある染五郎さんのこの出来には驚きを禁じえませんでした。
昼の頼家はあんなに良かったのに…。

「夏祭浪花鑑」…これも、両手に余る程の団七九郎兵衛を観ています。吉右衛門さんは、昔はそうではなかったと思うのですが、最近、どうも、段取り芝居になってしまっているようで気になります。一場、二場は良かったのですが、大詰めの殺しの場面の演技が、気持ちがなおざりにされた演技に感じて残念でした。久しぶりに演じられる義平次役者さんだっただけに、これは大変惜しいと思いました。釣船三婦の歌六さんが圧倒的な存在感で、舞台を引き締めました。仁左衛門さんの一寸徳兵衛は、登場するだけで舞台が華やぎ、嬉しくなります。

「かさね」…こちらの染五郎さんはとてもいいです。彼の踊りは、所作が大雑把なので、美しく踊るタイプの舞踊より、こういう芝居舞踊の方が向いていると思います。むしろ、かつて観た与右衛門では、孝夫さんの次に好きかも。
時蔵さんのかさねは、台詞や所作は巧いのですが、柄が、こういう儚げなタイプの女性役には不向きなので、損をされているなと感じます。
でも、いつもは眠くなる「かさね」、今日は、じっくり堪能させて頂けました。

幕間に、舞台上で、俳優協会の表彰式があり、芝かんさんが、賞の授与をされていたのですが、ご高齢なんだなと痛感し、大変心配になりました。
父の友人の鈴木治彦さんは、相変わらずお元気そうで、安心しましたが…。
gift

gift

CAPRI

ベスト電器福岡本店・天神ベストホール(福岡県)

2011/06/17 (金) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

二重の重み
ある数学者が過去と現在から天才数学少女が残した暗号をひも解く愛の話。数式・天文・ロマンチック講義・オープニング映像・光絵なども面白く、芝居を見ながら学問と芸術まで楽しめた舞台。
二つの時代がリンクすることでストーリーや台詞に重みが感じられました。
脚本もさることながら、役者一人一人の演技が素晴らしく開演から終演まで魅了されました。平義隆さんの曲も作品の世界観にぴったりで感動しました。

漱石小遣帖

漱石小遣帖

菅間馬鈴薯堂

インディペンデントシアターOji(東京都)

2011/03/02 (水) ~ 2011/03/07 (月)公演終了

満足度★★★★

漱石にビートルズ
所見の団体さん。なんとなく想像していたものとかなり雰囲気は違っていましたがとても面白かったです。漱石とビートルズの組み合わせが以外にもハマっていました。曲名を考えるとかなり意味深でした。

とりどりの咲く歌

とりどりの咲く歌

スミカ

APOCシアター(東京都)

2011/03/03 (木) ~ 2011/03/06 (日)公演終了

満足度★★★★

お花畑
じっくりじんわりと心にしみてくるあたたかい芝居でした。菊池美里さんがとても素敵。大川翔子さんの驚いた顔がとても印象的。ラストは予想できたけど鮮やか。

ペノザネオッタ

ペノザネオッタ

ONEOR8

赤坂RED/THEATER(東京都)

2011/06/18 (土) ~ 2011/06/26 (日)公演終了

満足度★★★

良かった。けどもう少し深みがほしかった。
存在の不在や、懐かしい「あの頃」の空気感や、心を震わす些細なやりとりや。終始ゲーム音楽が流れていて、当時ファミコンをやった人なら郷愁に駆られる雰囲気。でも、あのお芝居であそこまで登場人物が必要だったのか、ちょっと疑問。物語の進行に必要な人数だけを残して、その分関係性や人物像を掘り下げたほうが、もっと物語に深みが出たのでは?
あと、個人的なことですが座席トラブル(同じ席にチケットが2枚発行されていた)に見舞われたので、主催者にはしっかりしてほしいと思った。

確率論 【コロブチカ「2」は、6/28~7/3@SPACE雑遊にて】

確率論 【コロブチカ「2」は、6/28~7/3@SPACE雑遊にて】

岡田あがさ×須貝英

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2011/06/21 (火) ~ 2011/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

すばらしかった★
須貝英さんがほんとに素敵でした。

確率論 【コロブチカ「2」は、6/28~7/3@SPACE雑遊にて】

確率論 【コロブチカ「2」は、6/28~7/3@SPACE雑遊にて】

岡田あがさ×須貝英

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2011/06/21 (火) ~ 2011/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★

役者の力量を堪能できる公演!!
初日観劇。とても良い時間を過ごせた!!
公演時間65分。あっという間であり、目を離さず観劇できた!!
まさに、小劇場を代表する2人の役者の力量を堪能できる公演!!
演出や音響も役者を引き立てるものであった。
この公演は一般の方は勿論のこと、役者の方にもぜひ観て欲しいと思う。
それにしても初日とは思えないほどの完成度であった!!
座席情報としては、背もたれのない席の中央あたりがオススメ。
岡田あがささんをよく観たいなら、入り口入って右側の席側の中央あたりか。
最後に、私がこの芝居を観劇したのは、偶然?必然?(笑)
あとはネタバレで。

ネタバレBOX

スウェーデンのストックホルムの空港での物語。
空港でアクシデント発生のアナウンスがあるが、スウェーデン語に堪能ではない小説家(岡田あがさ)が、数学者(実際は銀行のデリバティブ研究者:須貝英)に話かけるところから始まる。
アクシデントは墜落事故と推測する数学者。
確率論を展開し全ての出来事は必然とする数学者に対し、小説家はそれを否定する。
結局、墜落事故ではなく、噴火による影響で、飛行機がレーダーから消えたということが判明。最後には数学者は自論を捨て、小説家の考えに賛同するという話。
要約するとこんな感じであるが、細かい話もあり、楽しめた!
ちなみに、場面展開の時に、「キーン」とした音が鳴り、それが空港のアナウンスの合図となり、話が進展する。
なお、私は物語に感動し、もう1回観劇したい時に星5つにしている。
なので、星4つではあるが、普通の方の星5つに値すると思う。
そう、みじかよ

そう、みじかよ

green flowers

荻窪小劇場(東京都)

2011/06/18 (土) ~ 2011/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

無題20
南口を線路沿いに歩きます。天沼陸橋には見覚えがあるのですが、いつどんな理由でここに来たのか思い出せません。見上げると青い空に夏の雲が流れています。そうか、明日は夏至か、短い夜が来る。

早くついてしまいました。受付していただき少し待ちます。初めての劇場、劇団。お芝居が初めての方でも十分楽しめます。

ネタバレBOX

開場、舞台は日本間、お葬式。

ここにはお母さんは出てきません(声だけです)。父親、長女、次女...、家族と家族ではない者がひとつ屋根の上で一晩を過ごします。語られるお話、自分が振り返ってみて、同じように思い出すのはひとつやふたつではありません。家族との思い出、親になってようやくわかること。それを伝えたい人がもういないことも。

舞台は決して広くありませんが、家族の距離感(個性)を出すのにちょうどよいと思いました。仕草が自然(そうだ、お茶は「廻し注ぎ」するんだった)で、話のつなげ方が上手、ホントに時間を忘れてしまいました。

だれでも小さい頃お母さんを困らせたことがあると思います。ちょっと後悔している人、ぜひご観劇を。もう一回見たいけど日程...無理だ
『宇宙の旅、セミが鳴いて』

『宇宙の旅、セミが鳴いて』

THE TRICKTOPS

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2011/06/17 (金) ~ 2011/06/20 (月)公演終了

満足度★★★

そういえば鳴いていたね
誰かは誰かにとって所詮セミに過ぎません。

ネタバレBOX

セミが鳴く…、自分とは関係のないどうでもいい人たちが存在していたことをふと気付くこともあるという程度の些細な出来事。セミは樹液を吸っているだけだからあまり気に止めない。ふと気付くとセミが鳴いていない。あんなにうるさく鳴いていたのにどうしたんだろう、恐らく死んじゃったんだろうなと思う。さて今晩何食べようか。

宇宙船にはちょっと変わった人たちばかりが乗っていました。

作品的には、潔癖症の医者なんてそもそも不適任ではないか、11人中きょうだい4人が搭乗するというのもバランス的にどうだろうかなどと思ってしまいます。

役者的には、宇宙船にはイケメンと美人女医が乗っているらしいのですが、どうも見当たりませんでした。

へらへらした牧師、宣教師みたいな顔をした船長は、入れ替えても面白いように思いました。

酸欠前の集団自決で牧師が死にきれないということはごく普通にありうることだと思います。人間ですから。そして、地球からみたら所詮セミに過ぎません。

しかし、セミにとっては、自分が死ねばやはり世界はそれでお終いなのです。
きょうの日は

きょうの日は

コメディユニット磯川家

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2011/06/15 (水) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★

良くなってた
千秋楽、見させて貰いましたが、進化してましたね〜。
台詞や動きがより良くなってました。テンポも良くなってたし。
東京公演、さらに期待できますね!

かもめ

かもめ

オクムラ宅

ゆうど(東京都)

2011/06/17 (金) ~ 2011/06/21 (火)公演終了

満足度★★★

風流さはありましたが、
「観てきた」の評価の高さにちょっとびっくり!
とにかく長い、蒸し暑い、お尻が痛いというのが最初の感想です。
”観劇の環境は条件の1つになりうる”というのが私の感想。特に椅子。
それにしても自然の庭を背景にしたのは趣があり好きです。どんな背景も自然に勝るものないですね。

吹雪の中でワルツ

吹雪の中でワルツ

さるしげろっく

ワーサルシアター(東京都)

2011/06/07 (火) ~ 2011/06/12 (日)公演終了

満足度★★★

徐々に分かってくる面白さ
コメディ色の強い前半から、胸を打つ後半と変わりゆくさまが良い。

残念なのがセリフの大きさがうるさく感じたところです。

「13日間の罪と罰」

「13日間の罪と罰」

劇団アニマル王子

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2011/06/16 (木) ~ 2011/06/20 (月)公演終了

満足度★★★

意欲作
内容はおおかた良かったと思います。 古代の革命とリンクさせることでわかりやすくなっていたし、多少の単調さも薄らいだと思うし・・・

全体的なセリフの早口は、聴き取れないことも多く、こちらとしても多少あきらめて流し気味にしてしまった。 これは改善すべきだと思う。

リミックス2

リミックス2

国分寺大人倶楽部

インディペンデントシアターOji(東京都)

2011/06/14 (火) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★

連作短編集
各短編、それぞれ微妙な関係性の危うさが浮き彫りにされていて刺激的だった。

ちょっとした部分を関連づけることで連作っぽさが出て観やすかった。

ベッジ・パードン

ベッジ・パードン

シス・カンパニー

世田谷パブリックシアター(東京都)

2011/06/06 (月) ~ 2011/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

よかったです。
三谷さんのコメディーがやっと舞台でみれました。
とても味のある役者さんが勢ぞろい。
よき時間を過ごしました。いやぁいいっす。

メェメと鳴くのは動物だからそうさ

メェメと鳴くのは動物だからそうさ

コトバグリ

浄土宗應典院 本堂(大阪府)

2011/06/03 (金) ~ 2011/06/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

8時30分
急激に面白くなる8時30分くらいから…
アフタートークで飛び出た言葉です。

まさに、同じことを考えていました。
観客にエンジンかかってきたというか、一体感が出てきたというか、
話の中への飲みこまれ感がすごかったです。

そのっま、一期にラストを迎えられたのが、とってもよかったです!

きょうの日は

きょうの日は

コメディユニット磯川家

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2011/06/15 (水) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

楽しかったぁ♪♪♪
めちゃくちゃ面白かったぁ(≧∇≦)ほっこりやしっとりもあり、大満足♪♪最高でした(=^m^)

『flying stage!』

『flying stage!』

風凛華斬

シアター風姿花伝(東京都)

2011/06/17 (金) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

後半の数度の盛り上がりに感動!
いわゆる「ベタ」な話ですが、素直に感動できました。

子供世界を中心に描いた作品で、そこには子供社会ならではの純真さ、
不正への疑問、大いなる将来への夢、それを実現しようとする情熱、
そして、もちろん良いことばかりではなく、いじめ、心無い言葉も含んでいる。
さらに、そこに大人社会の決め事が加わり、
階級・身分・権力・貧富・教育・教養(いい意味ばかりでなく)の差が絡み合ってくる。

ネタバレBOX

女性冒険飛行家アメリア(”めん”が当たり役で好演♪)は師匠夫妻と共に、
未来の飛行の夢を語り合う。
しかし、舞台は一転、子供社会へ。

孤児院に住む主人公ミラは、ふとしたきっかけで上流階級の子供たちと付き合うようになる。
そこで、前述したようないじめや差別も体験するのだが、
あるとき、隠れ家の倉庫に飛行機があるのを見つけ、
何と子供たちだけで、それを飛ばすことを計画する。

いじめられっ子だが機械に強いナイルが整備し、もちろん、パイロットはミラ。
まあこの辺、ミラの「兄」が大学へ、という話があるので、
最大限年長としても高校生の物語であり、
いくら機械好きでもいきなり飛行機の整備はできないだろ、とか、
孤児院暮らしで、勉強好きでもないミラが、いきなり飛行機の操縦など無理だろ、とか、
まあ理屈で考えればおかしいことだらけなのだが(笑)、
ある意味、そんな屁理屈(?)を吹き飛ばすだけの推進力と感動がこの芝居にはあった。

実はアメリアは、事故死した師匠夫妻の子を探していて、
ミラこそがその子であることを知る。

途中で飛行機の整備がいじめっ子に見つかり、
しかも燃料のガソリンも「拝借」してくるので、
はたしてこの計画が実現するか?ではらはらさせ、
何度も臆病ゆえに、友人を置いて逃げ出していたナイルが、
最後の土壇場で、ついに逆切れ(?)し、いじめっ子の暴力に対峙し、勝利する。
また、ミラの友人であるアルやティコも、強圧的な兄の呪縛からついに逃れる。
そして、これらの困難をすべて克服し、ついに飛行へ。

さらには、子供たちが夢を叶えていくのと、アメリアと亡き師匠夫妻との想い出と夢が交錯していく。
ラストは、離陸後、ミラと、その父とが一緒に教え、教わりながら飛行する・・・。

このように、いくつもヤマを作り、そしてそれを乗り越えさせ、夢と希望を実現させていくことで、
観る者に感動を与えていく手法はさすがである。

また、以上のように、上流階級の子供たちも、
素直な子供や、バカ娘、そしていじめっ子などさまざまで、
そして、その家族も、差別意識の強いもの、過去の飛行機事故のトラウマがあるもの、
ミーハーなものなどこちらもさまざま。
こういう役ごとの個性の違いもしっかり表現できていたと思う。

ベタであっても演劇的にしっかり作られている秀作は好きだ。
オバケの太陽

オバケの太陽

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2011/06/15 (水) ~ 2011/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

人は苦しみと悲しみを燃やして生きていく
桟敷童子らしい、時代と九州へのこだわりに、郷愁とセンチメンタリズムが溢れ出す。
戯曲・演出・役者・セット等が一体となった素晴らしい舞台。

ネタバレBOX

70年代の九州にある、元炭鉱町の話。
町の土建屋の女性社長・時子と幼なじみの女性・嘉穂が、遠縁の子ども・範一を連れて、夏の間だけ住むということで、元炭鉱住宅だった古い家にやって来る。
時子は、従業員たちにその古い家を人が住めるように修理させる。

範一は親を亡くし、親戚の間をたらい回しにされていた。そのためか、言葉を話さず、風呂も入らない。洋服を与えてもすぐに泥まみれにしてしまう。
範一は、夏休み明けに、施設に入ることになっていて、それまでの間、嘉穂が面倒を見ることになり、この町に帰ってきたのだった。
範一は、誰にも懐かず、咲いているヒマワリに唾を吐きかけるだけだった。

嘉穂と範一が入るために家を修理していた職人の中に、元という男がいた。彼も範一と同じように両親、姉たちを次々と亡くしてしまいひとりぼっちになってしまったという過去がある。

範一は、不思議と同じ境遇だった元だけには懐く。女社長は元に範一の面倒を見るように言う。
範一はやがて「オバケの太陽」という言葉を言う。

元にはその言葉を知っているような気がしてならない。しかし、なかなか思い出せない。

元に打ち解けてきた範一は、「いい子にしていたらいつまでもここにいていいか」と元に尋ねるのだった。元は思わず、「そうだ」と答えてしまう。
範一は、周囲の大人を感心させるほど、みるみる「いい子」になっていく。
ところが予定よりも早く範一が施設に行く日が来てしまう。

そんなストーリー。

これに元の幼なじみ茂通の妻である、呉紫と元の関係などが絡んでくる。

現代の元と範一、元と呉紫と話と並行して、両親をなくし散り散りになっていく、元の子どもの頃の姉たちとの話が進む。
元は徐々に「オバケの太陽」とは何かを思い出し、なぜ範一はヒマワリに唾を吐くのかがわかってくる。

劇場に入ると、舞台には桟敷童子らしいヒマワリの花が咲いている。そして炭鉱の労働争議の檄文。炭鉱の町の終焉から物語は始まり、瞬時に現代にやって来る。
セットの早変わりが見事。

70年代と九州へのこだわりは今回も濃厚で、ノスタルジックな設定にセンチメンタリズムが溢れ出す。
まさに桟敷童子の世界だ。
劇中に何度も出てくる、まるで何かを悟ったような、ミシェル・ポルナレフの歌『ホリデー』(別の人が歌っている)が、とても効果的。

まぶしいほどに咲くヒマワリも、地中に残った、経済発展の落とし子、負の遺産の汚染物質を除去するために植えられている。
「死」と隣り合わせの、この世界。闇の中に光る「オバケの太陽」。それは時には地中から顔を出して、魂を吸い取りにやって来る。「死」の象徴。
しかし、それだけではなかった。それは明るいヒマワリと同様に、一面からだけの見方であることがわかってくる。
そこにあるのは「死」だけではないということが。

「石炭は人の苦しみ悲しみでできている」「人はそれを燃やして生きていく」という台詞が何度も登場するが、物語のラストはまさにそれであった。
炭鉱町の忘れられてしまった「石炭」が見事に物語と結びつく。
その石炭を燃やして力強く走る蒸気機関車がどーんと舞台に現れる。
そこには子どもの頃の元と姉たちがにこやかに乗っている。あの時の元もそうだったのだ。

その力強さに重なるように、範一は施設へ旅立つ。
誰かが、単なる同情で手を差し伸べたりすることなく、必要以上に悲劇になるわけでもなく、範一は元に別れを告げ、「1人で生きていく」ことを強く決意したのだった。
彼は、苦しみと悲しみを燃やし、機関車のように進むことを決意したと言ってもいいだろう。
さらに範一は、元に線路がない、つまり、その場から動くことのできない蒸気機関車の絵を残していったのはとても象徴的であった。

元もその絵を手に、自分の子どものときにしたはずの決意を、範一の背中に見たのだろう。

ぐっとくるラストだった。

桟敷童子の良さは、若手の役者たちを、それぞれのスポットライトの当たる場所に押し出し、もりちえさんや原口健太郎さんなどのベテランたちが、彼ら若手を丁寧に支えているところではないだろうか。各々が持っているポテンシャルが高いのにもかかわらず、必要以上に前に出ないところがいいのだ。
だから、舞台が締まって見える。物語もくっきりと立ち上がってくる。

それにしても子どもの頃の元を演じた外山博美さんは、公演によって、子どもとおばちゃんを演じられる希有な存在だ。
範一を演じた大手忍さんは、ラストの表情が忘れられない。力が顔にみなぎって来る表情。
時子を演じた山本あさみさんの女社長然とした姑感はたまらない。その息子の嫁・呉紫(椎名りおさん)の抑圧され爆発しそうな雰囲気もいい。嘉穂の娘・妙子を演じた中井理恵さんの屈託のない明るさは沈んでいきそうな物語を明るくしていた。

毎回のことだが、客入れ時から役者全員が入口に立ち、座席への案内やトイレへの案内、荷物の預かり等々をこなす(終演後も)。
本番前の緊張のときであろうが、にこやかに観客に声を掛け、テキパキと仕事を行う。
これは制作だけを担当している人にもなかなかできないことであろう。逆に俳優だから、これから公演を見る観客に接しているという気持ちからできることなのかもしれない。
とにかく、観客としては、とてもうれしいのだ。

この日は、上演後、ステージツアーがあり、セットの裏側まで見ることができた。舞台セットはいつも丸太が組んであるので、そんな雰囲気なのかと思っていたら、とてもすっきりしていて(よく考えればあたり前なのだが)、情念が噴出している舞台側は、「演劇」なんだな、と普通のことを思ってしまった。
出演者がとても丁寧に説明してくれて満足。
キラル

キラル

Holiday Junction

ART THEATER かもめ座(東京都)

2011/06/18 (土) ~ 2011/06/19 (日)公演終了

満足度★★

台本・キャストとも、努力と、もう一工夫がほしい
50分ほどの短編。

それぞれ彼氏のいる女性2人だが、
それぞれ彼氏に煮え切らない思いをしている・・・・・・

ネタバレBOX

ある日、女主人公は雷に打たれ、どうも2人に分離してしまったらしい。
そして、分離したもう1人は、なんと、友人(ぽっちゃり系)女性の彼氏を奪ってしまう。
その誤解もほとんど解けそうになるが、しかし、スタンガンを普段から所持していた彼氏を奪われた女性は、女主人公にそれを使ってしまう・・・そして幕。

・・・なのですが、最初の女性同士のよくある他愛もない会話の部分など
(特にぽっちゃり系(悪い意味ではありません・・・私、結構好みなので)の方はそうなのだが)、
台詞がよく聞こえてきません!もっと、お客に聞こえるように、はっきり、ゆっくり(演出の必要で早くしゃべる部分はもちろん別ですよ)話す訓練から始めないと・・・。

それから、何気ない対話の部分でも、それなりに気の利いた台詞がほしいし、
本当に雑談っぽい話が結構長く続くのは、観る側としては退屈。

それと、スタンガンは最初に登場して「えっ、持ってて良いの?」なんて会話もあるのだが、
持っていて良いものなら殺傷能力は無いはずで、
そうであれば、「誤解の解けぬまま、これを使用してしまって幕」というのも、
効果的なエンディングとは言えないのではないか?

そういうわけで、何気ない日常と、雷による分離を取り上げる着想自体は面白いが、
しかし、台本・キャストとも、さらに努力と、もう一工夫がほしい、と思った。

このページのQRコードです。

拡大