最新の観てきた!クチコミ一覧

142741-142760件 / 190274件中
【八神蓮、安里勇哉、玉城裕規出演!】in the blue

【八神蓮、安里勇哉、玉城裕規出演!】in the blue

CLIE

SPACE107(東京都)

2011/08/16 (火) ~ 2011/08/22 (月)公演終了

満足度★★★

山のもやの中
ずっと山のもやの中にいるようで、目、耳、その他の感覚への刺激が少なく、地味なシーンの連続でトロトロとストーリーが進んでしまい、濃いコーヒーを飲んで頭を冴えた状態にしておかなかったことを後悔。

KUNIO08『椅子』

KUNIO08『椅子』

KUNIO

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/02/17 (木) ~ 2011/02/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

無茶ぶり上等
これに行くにはそれなりの覚悟を要していたようにおもう。なぜってその状況を飲みこめたとしてもかなり戸惑うような無茶ぶりを振られるかもしれないし、そうかといって逃げ腰になるのも気が引ける。どちらにせよ、はじめからさいごまで安心して観させてはくれないのだ。
はじめてkUNIOワールドに触れるひとは、こんな風に人を舞台に釘付けにする方法もあるものか、ときっと驚くことだろう。
突き抜けたパワフルな演出でとにかくめちゃくちゃ楽しかった。

ネタバレBOX

ほんとうはきっとすばらしい才能があるはずだ、なんてずいぶん長い間自分が非凡であることに焦がれつづけた老人が死期を目の前にほんの一瞬だけ願いを叶える青臭いロマンティシズムに満ちた話。

序盤では、厭世的な老夫婦のなんともつかみどころのない会話がぐだぐだと続くのだけれど、劇中いきなりKUNIO氏が乱入した後、今から指名された人(観客)が老夫婦のゲスト(来訪者)役として出演しなければならないことが告げられると会場はこれから死のロシアンルーレットがはじまるかのように一瞬にして凍りついた。笑
するとこの空気感を見越したKUNIO氏が「誰も目をあわせてくれませんね・・・」とややにやつきながらマイクを片手にまるでテレビのクイズ番組の司会者のように観客に役を振っていく。
なんつー無茶ぶり!!
なんておもいながら、幸いなことに(?)役を振られなかったわたしは、指名され、舞台で来客として役を演じることになった観客のひとたちを固唾をのんで見守った。

最初のアクションは、老夫婦と来訪者が出会うところからはじまる。
挨拶ひとつするにしても、会釈をするだけではすまされず、老夫婦は来訪者に質問を投げかける。
その時、来訪者は演じる役相応の受け答えをしなければならないのだが、
リアルでは初対面であるために、なかなか状況は複雑だ。
微妙な距離感が生まれたり、気まずい沈黙が流れたりもする。
そんな中でも適当に話をあわせて踊りましょう・・・なんて老人に言われるとノリノリでチークダンスをはじめるひともいれば、老夫婦に差し出された『椅子』に坐っているだけで冷や汗ダラダラで緊張感がこちらまで苦しいほどに伝わってくるようなひともいる。

それぞれのひとたちの、枠にはまらない生のリアクションを発起するこのスリリングな演出方法は、普段なかなか意識しない対人関係の素性を見つめ直す契機にもなり、非常に優れていると感じた。

後半は、死に絶えた老人に成り替わり、かねてより老夫婦に招かれていた弁士が老人の言葉を皆の衆の前で演説をするのだけれど、この時、プレミアムシートなる椅子が舞台に設けられ、そこでは弁士の話を真正面から浴びることができるという仕組みになっていて、KUNIO氏が煽るというのもあって、前半ではシャイだった観客陣もこの時ばかりは我先にとプレミアムシートへ続々と向かっていった。(勿論わたしも)

で、この時の演説の内容っていうのはぼくはみんなを愛しています、みたいななかば厨二病的体裁で失笑寸前って感じでもあるんだけど、弁士がBen-Cなんつーナンセンスな名前のラッパーとして思いのたけをライム刻んでリズミカルに言っちゃったりするもんだから、こっちは爆笑しつづけているしかなくて。

だけど、老夫婦は天国で幸せに暮らしていてみんなの幸せを願ってるよーなんてちゃちな指人形でいわれちゃったり、フィナーレをエグザイルのビクトリーで飾られちゃったりなんかした折にはやっぱりこちらは笑顔でいるしかありません。

そしてほっこりした気持ちで家路を急ぐほかなかったのでした。
増殖にんげん

増殖にんげん

ぬいぐるみハンター

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/08/16 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

客いじりは前回以上
前回は、役者の動線上にいて邪魔になってる時に「すみません」と声をかけられたくらいだったと思いますが、今回は自己紹介をされたり、名刺をもらったり、言葉の意味を聞かれたり、お手伝いをさせられたりと、交流度はかなりアップ!夏バテしてる脳味噌&体に良い刺激になりました。再演なので、見る方も慣れていたようですね。
作品の性質上、劇団の皆さんのほうもどういう反応をする客がくるかわからず、緊張すると思いますが、こんな人がいて面白かったとか、こんな反応で対応に苦慮したとか、機会があったら聞きたいなあ。

増殖にんげん

増殖にんげん

ぬいぐるみハンター

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/08/16 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

「歩き見演劇」、とってもよかったです!!
舞台が始まると、役者さんは自由に動き回りながら、時には観客と会話をしつつも、ストーリーが進んで行く。
観客は役者のじゃまにならない範囲で、自由に動き回って見てよし。俯瞰するような位置から全体を見るもよし、気になる役者さんに近づいて、ピンポイントで演技を見るもよし。
上演時間は60分。歩き見公演としてはほどよい時間でした。
こういう演劇の上演、もっと増えてもいいと思いました。

愛・王子博

愛・王子博

INUTOKUSHI

インディペンデントシアターOji(東京都)

2011/07/27 (水) ~ 2011/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

犬と串による宣戦布告
ほんとうのことを言ったら排訴されかねない社会においてあらゆる事象やニンゲンの真実とやらに深く切り込んだ勇気ある演劇だとおもった。

ネタバレBOX

誰も信じることができず世界が灰色にしかみえないという少女・マリアの閉ざされた心を改善するためにキレイなおねえさんに連れて行かれたとある村。
そこは反則技をつかったために場外追放されたボクサーや、過激な思想を持った者、性的犯罪者など、薄汚い野郎どもが送り込まれる牢獄のような吐き溜めで、イカサマの神父とシスターに懺悔を繰り返し、許しを請い、一定の価値観を植え付けつけられても尚染まらぬ者たちを廃人化させる日本政府公認の特殊機関であった。
彼らは無事、そこから抜け出すことができるのか?
それとも感化されてしまうのか?
愛と偽善と性の戦いが今はじまる・・・。みたいな。そんな感じの話で、退屈なリアリズム演劇とは真逆をいく虚構性の強い芝居。

だけど、登場人物の名前が亀田三兄弟ならぬ亀頭三兄弟だったり、村の名前がDASH村だったり、村長の名前がJ社長(J事務所の)だったり、時には4号機がメルトダウンしそうな原発の光景を模倣したり、マリアの心象風景に金子みすゞのこだまでしょうかをはめこんだり、ちょっとしたひとことのなかに竹島問題がさりげなく言及されていたり・・・。そんなタブー視されがちな時事ネタだったり週刊誌ネタだったりをちょいちょい挟んでくるとこが強かで、苦笑した後、恐怖感に青ざめたりもした。

ふざけているようにみせかけてその実、観客ひとりひとりに問題意識を喚起している。馬鹿だな、こいつらとフェイクをかぶって中指つきたて本音をぶちまけている。
そのすべてが格好いい。
トロンプ・ルイユ

トロンプ・ルイユ

パラドックス定数

劇場HOPE(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

競馬。。
予想屋のくせにオシャレな衣装?!と思いきや、馬だったのですね。びっくり。
中央と地方とでオッズが違うのか。
乗馬はあれど競馬さっぱり経験ないので一度行ってみたくなりました。
足のくせがあるのが馬っぽかった。

一心寺恐怖百物語2011

一心寺恐怖百物語2011

ファントマ

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2011/08/13 (土) ~ 2011/08/15 (月)公演終了

満足度★★★★

恐かった
関西小劇場のお盆の時期の風物詩。
お芝居はここ数年で一番怖かったかも。
もう、延命さんが恐すぎです。
何もしないのが余計恐かったです。
後、、、日替わりゲストの猫ひろしさんに弄られて、汗を掻きました(苦笑)

さよなら また逢う日まで

さよなら また逢う日まで

ブラジル

紀伊國屋ホール(東京都)

2011/08/14 (日) ~ 2011/08/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

初ブラジル
念願の初ブラジルでした。
前半は笑いどころ満載で面白くて、
後半はドキドキハラハラのサスペンスで、
ホント、見応えがありました。
みんなかっこ良かったです。
大満足でした。

マッチ・アップ・ポンプ

マッチ・アップ・ポンプ

キリンバズウカ

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2011/08/06 (土) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

期待通り
時間に余裕は無かったけど、見に行って良かったです。
凄く、面白かった。
素直に楽しめました。

チャイムが鳴り終わるとき

チャイムが鳴り終わるとき

オーストラ・マコンドー

吉祥寺シアター(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

滅入った
舞台としては見応えもありました。
でも、、、出てくる登場人物に陰湿な人が多く、
見ているとどんどん、気が滅入ってしまいました。
やっぱり、、、上演時間はちょっと長いなって思いました。

3年B組地獄学級

3年B組地獄学級

ネコ脱出

Geki地下Liberty(東京都)

2011/08/13 (土) ~ 2011/08/18 (木)公演終了

満足度★★★★

笑えた
Aを見ました。
今回はショートコント集って事でしたが、
最初はガッツリ芝居。
なので、あんまりコントは重視してないのかと思いきや、
途中からめっちゃツボでした。
凄く面白くて、笑っちゃいました。

いつか / タルチュフ

いつか / タルチュフ

こゆび侍

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

見入った
「タルチュフ」を見ました。
古典って事でしたが、劇中のタルチュフや、
タルチュフを信じ込む男と翻弄される家族。
凄く感情移入して舞台を見てしまってました。

『ナツヤスミ語辞典』

『ナツヤスミ語辞典』

演劇集団キャラメルボックス

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2011/08/03 (水) ~ 2011/08/11 (木)公演終了

満足度★★★

キャラメルボックス×柿
おもしろかった!若いっていいことだ。しかしながら私は柿ならではの下品さを求めていた。きっと何かしてくれるだろうと。柿にしては綺麗すぎた、というのが期待値からのコメントだろうか。

幸せな孤独な薔薇

幸せな孤独な薔薇

旋風計画

テアトルBONBON(東京都)

2011/08/16 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

意外にこじんまり
キャラメルボックスを前面に押し出していたせいもあって、ワタクシ、かんなり期待してしまった。サンシャイン劇場で公演するストーリーとは違うことも重々承知なのだが、キャラメルボックスとはまったく毛色の違う小劇場向きの、あまりうねりのない舞台だった。

以下はネタばれBOXにて。。

ネタバレBOX

建築家になるために留学を望む女の子ルカ。彼女は留学費用を援助してもらう為に遠い親戚の裕福な老人を思いつく。貧しい自分が留学できるチャンスだと思い、老人の屋敷に行く決意をするも、自分の容姿や性格に大きなコンプレックスを抱いていたルカは、老人に気にいられるために、明るく美しい友人のミサを自分の身代わりにすることに思いつく。

ミサの付き添いとして老人を尋ねたルカの目の前に現れたのは、目の見えない老人と献身的に寄り添う婦人・エリカの姿だった。老人が目の見えないことを知ったルカはついた嘘を改めようとするも一度ついてしまった嘘を中々告白出来ないのであった。

「本当の自分」とは何なのか?自分のウソに苦しみ、徐々に自分自身に向き合いはじめるルカは、バラ園にまつわるエリカの過去とその思いを知って驚く。
「この人はわたしと同じ!」
エリカの心の中に蹲る羨望、嫉みなどの捻れた思い込みが何かに支配されて屈折していたのだった。

エリカと同じように観念に頭を押さえつけられていたルカは「本当の自分」と向き合うことで、心が解放されたのだ。

老婦人となったルカが、自分の若い頃の日記を孫に読んでもらうという形で進行するストーリー。現在と過去が交錯する舞台だったが、こういった物語はわりにありきたりで物語の結末まで容易に見えてしまう本はサスペンス的な要素は全くなく、ファミリー向けで大衆向だ。物語はこれといってインパクトがなかった分、ワタクシには物足りない舞台だった。主役の佐藤がきっちり。

何も考えず安心して観られる舞台ではある。想像力は必要としないベタで万人向け舞台。
ハッピー・ジャーニー

ハッピー・ジャーニー

劇団フライングステージ

OFF OFFシアター(東京都)

2011/08/17 (水) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★

良いお母さんと良い息子たち
鬼嫁が来て嫁姑のバトルになるよりずっと幸せかも~。優しそうな人みたいだし。もう一人息子ができたと思えば心強い。でも、息子とはいえ他人をありのままに受け入れるのはなかなか大変だなと、感じた。

ネタバレBOX

舞台で道中ものをやるのは難しいと思うが、電車の発着時刻をうまく使って時間の経過がよくわかっておもしろかった。元彼(おしりから足のラインがチョーかっこいい人)の個性が強すぎ、今彼の人となりがよくわからない(鉄男ってだけ?)。途中でカップルとお姑さんの3人連れのエピソードがあったが、あれは必要かな?
絆

劇団アルファー

座・高円寺2(東京都)

2011/08/08 (月) ~ 2011/08/11 (木)公演終了

満足度★★★

「届け 君の心に!」一度観ていたので
題名を見ても全く覚えていなかったが、始まってすぐ、
「あっ、あれか!」と気が付いた。一度観ていましたね。

HPと手帳を照合したら、2006.2.5に同じ会場で観ていましたので、5年ぶり。
まだ、それほど演劇には通っていなかった頃です。

それで、初めて見たときは結構感動したことも覚えているのですけど、
ベタなお芝居なので、先が分かってしまうとちょっとな、というのもあるし、
そんなわけで今回はそれほど面白くは感じませんでした。

ネタバレBOX

旅行先の不慮の自動車事故で、父・母・祖父の3人はあの世の住人に。
旅行に行かなかった主人公は1人残されることに。
そこに、難病で間もなく耳が聞こえなくなってしまう若い女性が現れる。

主人公は取り残されたこと、さらに父の保証人の問題や、
自分の今後の人生の悩み、さらには難病の女性のことなど、
悩みながら成長していくわけだが、
あの世に行った3人は、何とかコンタクトを取ろうとするが、
幽明境を異にしているため中々上手く行かない。

そこで、「特例的手段」で何度か連絡を取るのだが、
いざとなると緊張して上手く行かない
・・・ここは、本当は笑いを取るためのシーンなのだが、
ただ、このシーンが今回はいささかワザとらしく見えてしまって、
正直、かったるい気がしてしまいました。
というのは、大事なことを伝える気持ちが本当にあるのなら、
事前に何をどう話すかくらいは考えられるように思えてしまって…。
(理屈っぽいかな?)

結局、最後にはメッセージを伝えられるわけだが、
そうなると、それまでの失敗談は、
単に話を延ばす(終わらせない)ためだったのかな、
とも思えたりして・・・。

話は前後するが、彼女はいよいよ耳が聞こえなくなってしまう。
しかし、それらの困難を通り越してきた2人ならではの純愛成就、
と最後はなるわけで、
この部分は、やっぱりジーンときましたね。

今の世の中、物質的には豊かになったし、
男女交際も制約が無くなり(行き過ぎるほどかも)、
でもそれがかえって、こういう純愛を少なくしているというのは、
いささか皮肉なことですよね。
そんなことを思いながら帰りました。
リコリス ~夏水仙~

リコリス ~夏水仙~

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2011/08/17 (水) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★

とても丁寧な作品
人と人のかかわりを優しい目で、丁寧に描かれていた。

マスター役の牧島さんは、芝居全体をやわらかい雰囲気にまとめ上げているように見えとてもよかった。ほかの役者さんたちも持ち味を出してた様に思われた。

シアターKASSAI は初めての劇場であったが、満員ということもあり、ぎゅうぎゅうでお尻が痛かった。

おどくみ

おどくみ

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2011/06/27 (月) ~ 2011/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

「天皇制」を支える小さな「天皇制」−−まさに昭和が終わらんとする時代に、家族内の終わらない葛藤
ストレートプレイとしての完成度が高い。
役者たちのテンポのいいやり取りに魅了させられた。
2時間なのに「濃い」。
長いとかそういった時間感覚では表せない時間が流れている。

ネタバレBOX

面白い舞台というのは、脚本・演出・役者・舞台装置等々のバランスが良いものである、ということに今さらながら気づかされる。

登場人物のキャラクターがとてもいい。
「いかにも」「いそう」な人たちが「いかにも」「ありそう」で「言いそう」なことのオンパレード。その俗っぽさがたまらない。
たぶん、キャラクターが役者の身体にぴったりとしているので、そう感じてしまうのだろう。キャラ押しすぎる感じもあるにはあるけど。
もちろん、家族や親戚などの関係性など、ややステレオタイプにしたことで、観客の没入度が高まったのだとは思うのだが。
そういうところも「うまい」と言わざるを得ない。

弁当屋や学習院大学など、青木豪さんの実際の体験が活きているようでもある。

ナイーヴなテーマを扱うのだが、それへのアプローチはやや直截すぎるかもしれない。
「天皇制」「天皇」について語られ、キワドイ台詞が飛び交う(テレビサイズの自主規制に慣らされてしまった耳なので)。そのキワドさは、親しみから来るモノなのではあるのだが。

しかし、「天皇制」というものは、当たり前だけど、「小さな家庭の天皇制」すなわち「家長制度」が支えている。
それは、どちらがどちらを支えているのかは、今やわからないのだが、精神の根底にはそういったものが流れていた、ということなのだ。
「家長制度」が崩れつつある現代においての「天皇制」はその「象徴」であり、今も続く、一種「アイドル」的なとらえ方にもつながっていく。

「家」「家族」を長男たる自分が支えるのが当然と思っている弁当屋の主人と、それに耐えきれない妻と子どもたち。
まさに象徴たる昭和が終わらんとする時代に、昭和を引きずる、家族内の終わらない葛藤が続く。

弁当屋の息子は、天皇暗殺の映画を撮り上げることはできず、どこかで断ち切りたいと思っている、「家」との関係もそのままで、結局そうした見えない何がつながっていることを示唆しているような物語だったと思う。
TangPeng30

TangPeng30

TangPeng30【シアターグリーン学生芸術祭】

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/08/02 (火) ~ 2011/08/23 (火)公演終了

満足度★★★★

Bグループも観劇。
Aグループがとてもよかったので期待して観に行きました。
Aグループ同様にネタバレにならない程度に感想を。

<お菓子な家>
演出家のがんばりは見えるのだが演出要素を入れすぎて全部中途半端になってしまったか。一つに絞っても面白くなったと思う。高校演劇は抜けきらないと思ってしまったが、これからも雰囲気を大切にしてほしい。

<コント集団神と仏>
出落ち、身内受けを感じてしまったのは否めない。が、熱い思いは伝わった。コント集団なのに役者バリバリの舞台演技という危うさが面白い。

<白昼夢>
なにが起こるのかという期待感が冒頭から出せていて引きつけられた。モノローグ部分が早口で聴きとりづらく、お話冒頭がよくわからなかったが、全体を通しては非常に明快でこういう劇団にありがちなお話のわからなさはなくて好印象。ただ、もっといける!と思ってしまう。せっかく雰囲気出来ているのに、蹴るシーンなどが意外にもマイムでスカされた。多少でいいので当ててみてはいかがか。意外なところで変な真面目さが見えてしまって残念。長編が観たい。今後注目したい劇団だ。


ちょっと期待しすぎたが、Aグループとはまた違った雰囲気がよかった。今しかできない、それぞれの劇団の主張を感じた。
主張しすぎたせいか、転換がおざなりになってしまった部分はある。まったく雰囲気の違う劇団であれど「オムニバス」という言葉を私も考えながら帰った。
前が見えづらかったのがもったいない。客席づくりのときには制作さんだけでなく、演出家も役者も客席に座ってみるといい。

しかし、AグループBグループどちらもたくさんの若者が見れて予想に反してとても満足。
今後もこういった短編公演があれば嬉しい。
シアターグリーンさん、今後もがんばってください。

第15回王子落語会

第15回王子落語会

王子落語会

インディペンデントシアターOji(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/10 (水)公演終了

満足度★★★★

【爆笑ナイト】上方・米紫の話芸に爆笑
初日の爆笑ナイトの方に行きました。
実は、地元で隔月に行われている地域寄席には結構行っておりますが、
そちらは出囃子は録音なんですよね・・・
まあ、二つ目さんと真打さんだけでそれぞれ2席ずつで、
前座さんがいないせいかもしれませんが、
こちらは前座さんも来ていて、出囃子もライブ(?)。

初めは女流の前座・立川こはる「権助魚」で、
ボーイッシュな風貌で結構人気があるらしい。
前座の中では話の雰囲気も醸し出して、
結構上手いとも思ったが、時々噛んでいたのが残念かな?(2P)

次に二つ目の立川談奈が、割と律儀というか几帳面な語り口で
「だくだく」を披露(3P)。

中入り(休憩)を挟み、上方の桂米紫が登場。
パワフルかつ上方ならではのこてこての語り口で、会場大いに爆笑!
枕の東京で借りた狭いアパートの話から大うけで、
それから「義眼」を披露、もちろん笑いの渦に(5P)。

そしてこの日のトリは立川左談次で、こちらは米紫と全く違って温厚な語り口。
最初に「あんなに汗かいてやらないでいいのに・・・」と皮肉を一発、
それから、語り口は穏やかながら、師匠の性格を受け継いでか(笑)、
皮肉連発・・・ブログ(含CoRichか?)で悪口を書く奴の話も出て、
「そういうのはメモ取ってるんだよね」
(ちなみに私はあまりメモは取りません)。
そして演目は「幇間腹」・・・しかしこれは生々しいところがあって、
私としてはちょっと素直に笑えない話。
だっていくら太鼓持ち相手でも、素人の若旦那が鍼を刺しちゃうんだから(4P)。

さて、年功とか色々あるのかもしれないが、
純粋に効果という点だけ考えれば、
パワフル系の後に穏やか系だとやはり少々気が抜けるので、
米紫をトリにした方が面白かったかな、とは思った次第。

古典落語はクラシックと同様、同じ作品だが、
演(奏)者の個性を楽しめるし、
また巧拙も分かってしまうのが怖いところですね。

このページのQRコードです。

拡大