
われわれなりのロマンティック
いいへんじ
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2025/08/29 (金) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
社会の規範から外れた夫婦や家族や性愛をやりながら、その生きづらさとだるさとままならなさを彷徨いながら、私もまた"われわれなりの"関係を、ロマンティックを探し続けてるんだなと改めて。
"特定の人のことが好き"って、どんなかたちであっても対象が一人でも複数でも、たとえ簡単には人に言えない/説明できない関係でもうれしくて、そして時々とてもしんどい。だから、名前をつけてくれて/つけないでいてくれて、ありがとう。どちらでもいいって言ってくれてありがとう。人知れず暗闇を抱えながらつとめて明るく戦う理子の涙に涙を重ねた。ゆっくりあるいて、なるべく寄り道をして帰ったし、まだまだゆっくり、なるべく時間をかけて向き合って言葉にしたいし、向き合いたくない/言葉にしたくない自分も認めたい。きっとそうやって時に孤独に、時に人と繋がりながらつくられた作品だと思うから。思ってる以上にずっとずっとそうだと思うから。
いっしょのソファに座りながら別のこと思ったり、いっしょのソファには座れなくても同じこと考えたりするよね、われわれは。(あとファイルとステッカー迷って結局両方買ったりもするよ)

『タイムズ』
劇団不労社
京都芸術センター(京都府)
2025/08/22 (金) ~ 2025/08/25 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
戯曲の縁をキワキワに攻めつつもここぞ!の台詞を取り溢さぬ演出。帰る/帰れない話であり、還る/還らない話でもあった。我々は子宮≒宇宙に降り立ったその時から待つ↔︎待たれる≒おかえり↔︎ただいまを往来し、収束しては霧散し、アクセル、ブレーキ、パーキング。

七つ数えて
AOI Pro.
新宿シアタートップス(東京都)
2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
歌舞伎町すぐの劇場で、10年後の歌舞伎町を舞台に描かれる"元トー横キッズ"が抱える問題。そして、"元トー横キッズ"だけに抱えさせてはいけない問題。望まぬ妊娠、頼れぬ出産、行き場のない母性...祈りで、呪いで、叫びである表題が迫る。七つ数えるまでの切実、そして数えてからの虚脱。
不安定さを安定して体現する岡本ゆいさんの身体性と声色。『怪獣は襲ってくれない』から2年、娘が10代に突入した事もありその姿をより痛切に感じた。少女らの揺らぎを引き受けるデコラティブな衣裳。過剰な装飾は不安の象徴であり、孤独からの防衛であり、カモフラージュでもある。

ウルトラマリンたち
排気口
OFF・OFFシアター(東京都)
2025/08/07 (木) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
私はちゃんとひとりぼっちで、ちゃんとさびしい演劇がどうしたって好きで、信じていて、それはつまりこの世界で生きて死ぬことの果てしのない孤独や寂しさを目をつむらないで見つめる、ということなのだけど、排気口はいつもそうだし、この作品はまさに特にそうだった。描かれてない時間の雄弁さにも胸がギュッと。働く母と働けぬ娘、社会から孤立する母娘と微かな交点を築く人々、その全てを誰より知ってる柔らかなあの子たち。夕焼けに染まる部屋に不在が満ちていく。涙の海の向こうにウルトラさびしくて愛おしい残像が揺れていた。

『意味なしサチコ、三度目の朝』再演
かるがも団地
吉祥寺シアター(東京都)
2025/08/08 (金) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
忘れることと思い出せないこと。二つは似てるけどちがってその狭間を生きていく。演劇がしまわれていくことと人生がたたまれていくこと。二つはどちらともなく重なって、やがてまっさらな舞台が朝が訪れる。意味などなくてもたしかにあった夜を命を包んで。帰省シーズンにぴったりだと思ったし、願わくば劇場から自転車で帰りたかった。遥か遠くの友人の仕草や口癖を思い出しながら。荷台の重み、背中の温もり。隣でも対面でもなく前後だから言えた言葉があったな。それでも言えなかった言葉もあったな。

悠遠のNight Wedding
ムケイチョウコク
東京ドームホテル ウェディング(東京都)
2025/07/17 (木) ~ 2025/09/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
今宵は娘とおめかしして東京ドームホテルの結婚式へ。
とは言っても私達は新郎新婦の親類ではなく"ルーツ"として参列。ミステリーとロマンスが溶け合う物語の内側を泳ぎながら祈りを。人々の隙間から手をのばして祝福を。初イマーシブシアターに小6娘も大興奮でした。演劇に抵抗がある人も、こうした自分に起きる体験を通して興味を抱いてもらえるかも?などと感じました。

ほぐすとからむ
彩の国さいたま芸術劇場
彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)
2025/08/03 (日) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
身につけるものと身についているもの。「装備」というものが人々の心身にもたらす影響について考えた。強い服を着ると強気になる弱さについても。俳優陣はみな流石だけど玄人たちにからみつき、時にほぐし、バリバリ身体性を使い倒し大暴れする最若手端栞里さんにビリビリしました。

きみは一生だれかのバーター
浅草九劇
浅草九劇(東京都)
2025/07/31 (木) ~ 2025/08/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
劇団公演とは明白に違うしかし金子節健在。出ハケ等演劇の設えと物語を鮮やかに繋げる技巧、通常より汎用性高いサブカル、東野良平sの怪演...。シスターフッドではない。少なくとも私はそう感じつつ肉体が否応なく他者≒バーターと同期する当惑を知る経産婦の体が疼いた。『きみは一生だれかのバーター』のことを一晩考えた。
驚きと戸惑いがあった。それから、一人の劇作家に魅了され、その躍進を数年にわたって追い続ける意味を改めて感じた。ホームから場が変わることによる変化や挑戦、それでもなお貫かれるもの。色々感じた。色々感じすぎてすぐに言葉にはできなかった。

発表せよ!大本営!
アガリスクエンターテイメント
シアターサンモール(東京都)
2025/08/13 (水) ~ 2025/08/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
終戦の日に観ると決めていたアガリスクエンターテイメント『発表せよ!大本営!』。
本当にこんな事に命をかける必要があるのか。こんなところで死ぬな。戦果の発表=公式の嘘を巡るドタバタ喜劇だけど後の歴史を含めて観ると悲劇と相即不離。笑った瞬間刺さって抜けぬ言葉の数々、皮肉で痛切なラストだった。

ドリームタイム
melomys
マノマ(福岡県)
2025/11/02 (日) ~ 2025/11/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
横浜ワイキキでの上演を観劇。
田崎小春という人一人の人間史であり生活史でありそして人類史の一端でもあった。
世界の都合や要求に合わせられなくなった命から退場を余儀なくされる。そのことは今こんな風に立ち止まり、或いは動き続ける体で考える必要があるのかも。祈りと弔い、そして無常。月経カップが出てきた演劇を初めて見ました。重要なシーンだと感じました。
以下ネタバレBOXへ

蟹工船
劇団俳優難民組合
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2025/08/07 (木) ~ 2025/08/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
檻に閉じ込められた透明な蟹たち。その手足がもぎられていく様が不可視化される労働と搾取とシンクロする。
俳優の白塗りが徐々に浮いて素肌がみえてくることもまた過労によって剥がれ(あるいは目覚め)ていく精神を表象する様で。会話というより様相が際立つ演劇だった。空調の干渉もあり労働者同士の会話がやや聞き取りにくいのだが、それらが上に聞かれてはならない声であるがゆえにある種のリアリティにもなっていて前のめりで傾聴。多喜二の最期も含め胸糞悪さは織込み済みだが、野球部から国政に至るまで暴力と搾取の絶えぬ現代社会の再現にも見えて、背中が冷えた。個人の感覚的なことなのだが、ウエストエンドスタジオって完全暗転した時ちょっと怖くて毎回少しビビりながら向かうんだけど、『蟹工船』はめちゃくちゃハマってたと思う。ちなみに中野で言うと、テルプシコールも怖め。どちらもなんとなく怖くてドキドキってだけで決して嫌いじゃない。

ワイルド蛍をつかまえろ
岡本セキユ☆シングル芝居
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2025/08/01 (金) ~ 2025/08/04 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
演劇に奮闘する俳優と社会と格闘する社員が一つの身体で汗をかいて生きていた。
誰かに探されてるのか、誰かを探してるのかわからない。そんな"迷子"を私達は生きている。蛍の光が流れてもなお諦めがつかぬ人生を。点いては消えるその光を追いかけてチラシめちゃくちゃかっこいいけど、わりと本当にこのまんまのお芝居だった。世界や社会からはぐれても転がり続けて、それよりも立ち上がり続けて、腕まくりして敵へと向かう。終わりなきサバイブ、ラスボスは「己」。岡本セキユさんの俳優としての、そして人間としての覚悟が滲む、かっこいい上演だった。まだまだ拍手してたかった。

愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸
劇団扉座
座・高円寺1(東京都)
2026/05/20 (水) ~ 2026/05/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/05/30 (土) 13:00
座席1階
さまざまなプロットを最後に至るまでに回収できる、ユニークな作品だ。「裸の王様」「ドン・キホーテ」をベースにした物語で、現実と妄想の世界が溶けだして混ざってくる不思議な感覚を味わえる。
タイトルが象徴的だが、これもプロットの一つ。「愚者には見えない」というところが明かされるのだが、果たして本当にそうだろうかとも思う。ある意味「愚者だけが見ることができる」とも言えるのだと思うからだ。
5月中旬からの公演期間で、役者たちは3チームに分かれて舞台を支えた。自分が見たのはAチーム。主役の王様は、扉座主宰の劇作家横内謙介と高校の同窓生である岡森諦だった。2時間、ほぼ出ずっぱりの中で、年齢を感じさせない熱演でよかった。3チームでは、俳優が別の役をそれぞれのチームで演じており、扉座の俳優たちの高い力量を示していると思う。歌唱や踊りもたっぷりあって、熱量のこもった舞台である。
裸の王様とかドン・キホーテということで、現実とは別世界のような印象を持って劇場に入ったのだが、これが結構な現実味を帯びて表現されている物語に仕上がっていてさすがだと感じた。「校内暴力」が出てくるところには、劇作家が生きた青春時代を感じさせる。客席には若い人たちも多く、ひょっとしたら「校内暴力」と言われてもピンとこない人もいたのではないか。

朝日のような夕日をつれて
ヴェスペラ企画
アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)
2026/05/29 (金) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

東京物語(横浜公演)
チームラヴ・ガン
WAKABACHO WHARF 若葉町ウォーフ(神奈川県)
2026/05/29 (金) ~ 2026/05/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
暑い。若葉町ウォーフ、初めて来たがシネマ・ジャック&ベティの斜め前!元祖十八番もすぐそこ。良い立地だ。川沿いのちょんの間もなくなっちゃって黄金町も様変わり。
憲俊(けんしゅん)氏はちょっと真田広之っぽくてカッコイイ。八代将弥氏はかなり基礎のしっかりした俳優であることを感じさせた。
箱馬と平台を組み合わせたベッドが二つ。刑務所で同部屋のブレーキ(憲俊)とオリーブ(八代将弥氏)。ブレーキは左翼活動家でテロリスト。オリーブはオカマなのだが何の罪を犯したのかは不明。演出の佃典彦氏が刑務官として後方に座っている。寝付けないブレーキの為に毎晩オリーブはいろんな名作映画のストーリーを語り聞かせてあげている。今晩は『東京物語』だ。かなり丁寧にシーンごと事細かに語る。「節子原」という呼び方も良い。『東京物語』の劇空間を全身で撫で回して溶け込み、その中で泳ぐように語る。また『東京物語』観たくなった。
ブレーキは話を遮り、脱獄の決行を告げる。オリーブの母親は病気で長くない。ブレーキは組織に合流してやらなければならないことがある。
『蜘蛛女のキス』に着想を得たオマージュ作品なのだろう。映画の日本公開は1986年、今作は1987年初演。『蜘蛛女のキス』はゲイの囚人が刑務所長のスパイとなり、政治犯の囚人から組織の情報を聞き出す話。好きな映画の話を語ることが互いの心を通わす重要なファクターとなる。
八代将弥氏の語る『東京物語』が観客の心に投映される。人が好きな映画を熱心に語る姿は美しい。

『ZOO』
ウテン結構
インディペンデントシアターOji(東京都)
2026/05/28 (木) ~ 2026/05/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ユニバース25やジャージー動物園の話など、実際に起きた興味深い話が色々聞けて楽しかったです。人類の未来を考えさせられます。ZOOは奥深い世界ですね。

The Freak
劇団カルタ
RAFT(東京都)
2026/05/29 (金) ~ 2026/05/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
小さい劇場ですので本当に役者さんが目の前です。部屋にいる幽霊を成仏させる話。日常系のテイストで緩く進けど結構いい話。

ツイスト・アンド・対話
南京豆NAMENAME
シアター風姿花伝(東京都)
2026/05/27 (水) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

The Freak
劇団カルタ
RAFT(東京都)
2026/05/29 (金) ~ 2026/05/31 (日)公演終了

SHIROCK 〜ヴェニスの商人より〜
OuBaiTo-Ri
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2026/04/02 (木) ~ 2026/04/05 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/04/02 (木) 14:00
概要とキモの部分は知っていたもののちゃんと観るのが初めてなのでWikipediaで予習して正解、序盤で「そこからそこまで跳ぶの?」な部分も難なく理解。
そうして一件落着かと思った後の展開に驚愕。原典のハッピーエンドから現代の要素であるレイシズムなども加えてビターエンドにするとは畏れ入る。
90分という程よい尺も含めて上出来上出来♪