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バックギャモン・プレイヤード

バックギャモン・プレイヤード

カムヰヤッセン

京都芸術センター(京都府)

2012/02/24 (金) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

お見事!
石田1967さんから、面白かったとメールを戴き、急遽このサイトでチケットを予約しました。

3.11を描いているようで、描いていない。また描いていないようで、描いている。
人間と経済活動の普遍的な関わり合いを、ユニークな舞台設定で描いておりました。
大抵のアメリカの子ども達が読まされるという、レモネード経済の話(絵本のタイトル忘れました)を皮肉っているようなところが、とても愉快です。
いやぁ、京都まで見に行った甲斐が有りましたよ(^_^)v

ネタバレBOX

屋台崩し(壁面倒し)の演出は圧巻。
前日にチケットを予約したせいか、座席は最前列の端。
ぶつかってくるんじゃないかと、ドキドキしましたよ。
ちょっとラッキーでした。
昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしかったのだが、しかし重い・・・
これまでの公演も、ドロドロ要素を含みながらも高水準のものだったので、
今回も期待して行きましたが、やはり素晴らしいものでした。

角田さんお得意の手法で、
ステージ上をいくつかのブロックに曖昧ながら分割して、
それらでは、初めは無関係のような別個の話が進行させて行き、
やがてそれらが絡み合って、求心力を高めていく・・・
これが今回も成功しており、印象深いものとなっていたと思います。

そして、(見た目さわやか美人の?)角田さんの
もう1つの持ち味(?)のドロドロ(まあエロとグロです)は、
今回は非常にグロの要素が強く、
しかも、実話が題材ということで、
正直「やりきれない」感も強く残りました。

根っからの犯罪者のような主人公が、
ねちねちと周囲をいじめて行く、
いや、いじめるなんて生易しいものではないのですが、
そのやり口には嫌悪感や恐怖を覚えますし、
気が弱かったり、こういう世界が苦手な方だと、
本当に気分が悪くなってしまうかも。
そういう意味では本当に重い作品です。

そういうわけで、決して万人向けな作品ではないし、
「好み」は大きく分かれるところでしょうが、
例えば「サロメ」が(好みはともかく)芸術作品として認められているように、
この作品も、取り上げられた内容は相当ショッキングなものながら、
しかし、単なるワイドショー的伝達ではなくて、
芸術として表現されるべきものはしっかり表現されていたと思います。

ということで、角田さんの緻密な構成力と、
ドロドロの素材を用いながらも、そこから一段高い世界を創造していく力に、
今後も期待していきたいと思っています。

トリツカレ男

トリツカレ男

演劇集団キャラメルボックス

赤坂ACTシアター(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★

物語に入って行けなくて・・・
久々のキャラメルボックスで、
サービス精神と、分かりやすさと、
それでいて質の高い内容の演劇が見られるのではと、
それなりに期待していきました。

ただ、このお話、再演だそうですが、
(私は今回初めてでしたが)
物語がある意味荒唐無稽なもので、
しかし、演劇の作りはリアリスティックだったので、
正直、演劇のなかに没入できず、
結局冷やかに見ているままで終わってしまった・・・のがちょっと残念。

「そこまでやるかなあ?」「それはありえないでしょう・・・」みたいな。

これは私の勝手な「感じ方」と、それに基づく「考え」ですが、
ファンタジー的な(やや抽象的・象徴的な)表現にして、
話には少々矛盾があっても、
「雰囲気」で何かを観る者に伝えていくか、
それとも(ベタとも言われようが)リアリティーある感動的な話を作っていくか、
どちらかにした方が良いような気がしました。

今後への期待を込めて、少々辛口の投稿でした。。。

それでも、終演後に役者が客席に分け入って、
記念品を配っていくあたりの再ービス精神は中々のものです。

レイプの夜

レイプの夜

コマツ企画

小劇場 楽園(東京都)

2012/02/22 (水) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★

着想は面白かったが・・・
題名のとおり、冒頭、いきなりレイプシーンから始まる。
なので、悲しいお話が続いていくのかと思っていたら・・・、

ネタバレBOX

・・・(すでに他の方も御報告されている通り)
レイプストーリーのパロディというか、
喜劇仕立てだった。

そういう着想自体はとても面白いのだが、
では喜劇として成功していたかと言えば、
私的にはイマイチだった気がする。

すべっていた台詞も多かったし、
同じセリフの繰り返しも多く、くどく感じてしまった。

これは、観客に、すぐに「喜劇」と分からせないように、
サスペンス的趣向をも取り入れたのかな?
という気もしたのだが、そのためどっちつかずになってしまったと思う。

それから、役者の立ち位置など、演出面でももう一工夫あればと思った。

まあでも、ラストのどんでん返しはなかなかです!
それはネタバレとしても、うっかり読んで知ってしまうと、
興味半減となるので秘しておきます。
少しはみ出て殴られた

少しはみ出て殴られた

MONO

吉祥寺シアター(東京都)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★

目に見えない線
囚人男子の行動は小粒なイジメと国と国のわかり合えなさ加減が馬鹿みたいに繋がる。

ネタバレBOX

平和な架空の国の刑務所での話。ある日管轄の国が分断されて、それがキッカケでそこから出身国別にわかれ、良くも悪くも集団心理となってそれぞれまとまっていく。
小さいイジメが連日起こり、人間の嫌な部分の気持ちの移ろい易さがよく出て、自分もあの状況下ではああなってしまうかも、とつい思ってしまったり。
ベルが鳴る前に

ベルが鳴る前に

ペンギンプルペイルパイルズ

本多劇場(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/22 (水)公演終了

満足度★★★

ちょっと混乱
話の内容と登場人物の多さにちょっと混乱。
善人の行動やホムンクルスの活躍、片腕銃の暴発とか、印象に残るシーンは多々あったけど、異世界に放り込まれたまま終ってしまったような感じ。苦い寓話のような造形。以前見た「機械」を思い出した。

ネタバレBOX

選ばれた人、そうでない人という二分割に見え、何となく現世界の悲惨さを忘れて、未来を考えての行動と思いたい。
最後、全員が集合し旅立つ先を見つめる場面は写真に残してほしいくらい綺麗だった。
ロマンサー-夜明峠編-

ロマンサー-夜明峠編-

モダンスイマーズ

シアタートラム(東京都)

2012/02/23 (木) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★

三部作の第一弾
峠に暮らす人達の元へ、里から来た熊退治のマタギ一行。
凍てつく集落で暮らしていくルールと欲と変化への一歩。
オドとスズ夫婦の絶叫夫唱婦随ぷりが愛嬌あって良かった。
千葉さんのマタギ姿が妙にカッコ良い。
んーでも、松永さん贔屓派としてはちょっと出番少なくって物足りなさもあり。

ネタバレBOX

ヒグマは登場しないが、それを巡る里の人間、峠の人間、マタギ達の人間模様が静かに画策して金と人間のエゴと共に失われてしまう。
水墨画のように見える荒涼とした舞台セットがまた寒さを助長させるような印象。
犬井の静かで冷淡、それによって見ているこちらは容易に状況を想像することのできる語り部の口調がひたひたと迫って不気味に良い。

雪原の中、手ぬぐい一本で道筋を表す方法に、コロクとツグミの二人の強力な間柄が見えて、思わず見ているこちらも力が入ってしまった。
それだけで「完」って出てもいいような完成度なのに三部作の第一弾とは。
このままこの世界に浸っていたいが、次回も楽しみ。
女王の器

女王の器

サンプル

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2012/02/17 (金) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

201202231930
201202231930@アルテリオ小劇場

トリツカレ男

トリツカレ男

演劇集団キャラメルボックス

赤坂ACTシアター(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

201202241900
201202241900@赤坂ACTシアター/250万観客来場記念しおり配布有

昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

20120219
20120219@王子小劇場

君には頭がさがる

君には頭がさがる

電動夏子安置システム

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/02/23 (木) ~ 2012/02/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

あるところのおはなし
劇場に入ってから 出るまで 楽しませていただきました。

雰囲気が どんどん 変化していって おもしろかったです。

ネタバレBOX

細かいところも おもしろかったですし。

恐ろしい 一面を感じて 恐ろしいと 思いましたし。

パンフレットを 帰ってから読んでも、いろいろと 感じましたし。
家に帰ってからも 観劇の余波は、続くようです。
狂おしき怠惰

狂おしき怠惰

TRASHMASTERS

駅前劇場(東京都)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★★

緊張と集中
大学病院で繰広げられる人間模様。
仕事の倫理観は職種により様々だろうけど、今の日本を取り巻く濃い現場が痛い位伝わってくる。
女は嫉妬と逆風の断片を跳ね返したら、より一層強くなると実感。
一幕終了間際〜司の発言挿入シーンが一番響いて印象に残ったかな。

演じてる役者さんの年代が見事にその年代を生きて来たような造形で更に驚く。

ネタバレBOX

誰でもお世話になるであろう病院現場。
ストレスを溜めない為にいろいろ発散しなければと発言する医師の本音。あけすけな発言に聞こえず、ごく自然に言っているので、なんか妙な説得感があり、納得するやら感心するやら。

医療現場や製薬企業の倫理観、昨年の震災後からの甲状腺がん患者の増加を思わせる話が進む二幕より、翔と司兄弟の父親の看護・臨床実験、湊の仕事と心の逃避の仕方とかの一幕の方が入り込めやすかった。

終盤、司の行動は正しいとは思う。ただ現在からこの先の日本にかけて、そのメッセージは悲しいかな絵空事のように空しく聞こえる。
湊の行動から退職する行為は自業自得に寄るものだけど、仕事に対しては真面目に接していたと思いたい。
一幕で自己顕示欲が強いのかと思った(名誉)教授だけど、二幕の湊に「命の尊厳」を問いかけた場面は、医師と父親の両方の発言からなるものなんだろう、と思った。
ニトロ

ニトロ

ゲキバカ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2012/01/19 (木) ~ 2012/01/23 (月)公演終了

満足度★★★★

ゲキバカ!
まさしく「ゲキバカ!」です。正直言うと下ネタ系は控えてほしいのですが、首都圏の劇団なのに、関西で上演して、「ゲーキバカ!、 ゲーキバカ!」、のコールがかかるって嬉しすぎる劇団です♪

雪やこんこん

雪やこんこん

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2012/02/19 (日) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

お芝居
芝居・芝居・芝居。
どのシーンをとっても芝居が好きで、芝居がしたくて、また芝居を見るのがとても楽しい舞台でした。
話が二転三転するけど、驚かせるのを目的としているわけではないので、そうだったのかと驚くよりすんなり入ってきました。

女座長・中村梅子を演じる高畑淳子さんに惚れ惚れして、旅館女将のキムラ緑子さんがとても可愛らしかったです。

ただ、幕が開いてから入ってきた後ろの席の関係者らしき人がいつまでもごそごそうるさかったり、遅延客を案内する時のスタッフのドアの開け閉めのうるささ・足音の高さと、舞台を楽しんでもらいたくないような環境が非常に残念でした。

白球の記憶~STEAL DREAMS~

白球の記憶~STEAL DREAMS~

劇団カッコカリ

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2012/02/23 (木) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★

見に行ってよかったです
スピード感のある展開でした。映像がある演劇は初めてでした。慣れるといい感じでした。ただ、戦時中なのにちょっと緊張感がないかなという印象です。もっとピリピリしてたり言葉遣いがもっとびしっとしていたのではないかなと思いました。後半主人公が成長していくのを見れたのはよかったです。

百年の雪

百年の雪

十七戦地(2026年1月31日に解散)

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/02/23 (木) ~ 2012/02/27 (月)公演終了

満足度★★

反重力
人間相関図見ながら観たほうがよかったか。

ネタバレBOX

100年の流れの中、航空科学な話を絡めた人間関係を描く…。

相関図を見てないせいか、人間関係がよくわからんかった。栗本寛治(柳澤)が、光村がすべて奪っていくみたいなことを言っていたが、「栗本」と「光村」の関係性が際立っているように見えない。寛治はUFOの研究の場を奪われ、大正4年の栗本孝造(吉田)も反重力装置を光村翁次郎(北川)に隠されるので、そう見えるけどいまいち、家の間の軋轢みたいのが伝わらない。その光村も、大正4年では、宇一(宮本)と翁次郎の確執は、昭和40年の章太郎(松下)と輝夫(小林)の間にはとくにみられなく、つながっている感はない。同じく寛治と光村美和子(植木)の不倫的な意味も、平成15年には特に続いているような感じでない様子。100年という数字にどんな意味があったのだろうか。

こんなリアルっぽい状況に、「反重力装置」とかのSFな要素が入ってくるので、人物らが何に情熱を燃やしているの掴めず、舞台への興味が薄れてしまった。
また、人物の特徴が薄い気がする。大人数の舞台なので、もうちょっと強調してくれると助かる。神井睦月(鵜沼)のように、大正期の女性開放思想の女史みたいな。
わだつみのこえ

わだつみのこえ

ミュージカル座

博品館劇場(東京都)

2012/02/25 (土) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★

戦時中と現代の大学生
学徒出兵した大学生達の手紙や手記をまとめた本『きけ、わだつみのこえ』が原作のミュージカルで、戦場にて悩む若者の姿がドラマティックに描かれていました。

現代の大学生7人が読書会のサークルで『きけ、わだつみのこえ』を読むことにし、朗読から次第に再現ドラマに移行していく構成で、現在の大学生と過去の大学生を対比させることによって、戦争の悲惨さや「明日」のかけがえのなさを共感させながら伝える作品でした。

男性6人と女性1人のキャストは、現代の学生、当時の学生、現地の中国人、といくつもの役を次々に演じ分け、歌も熱唱でした。
テーブルを組み合わせて零戦に見立て、舞台奥から客席側に打たれる照明を用いて、空を飛んでいるのを表したシーンが美しかったです。

曲自体は悪くなかったのですが、打ち込み音源による伴奏がいかにも機械的なノリ・音色だったのが残念でした。打ち込みでオーケストラを模すよりも、ピアノ1台だけの生演奏の方が音楽的に盛り上がると思いました。

愛と平和。【ご来場ありがとうございました!!】

愛と平和。【ご来場ありがとうございました!!】

バジリコFバジオ

駅前劇場(東京都)

2012/01/19 (木) ~ 2012/01/23 (月)公演終了

満足度★★★★

初見
バジリコFバジオさん初見。人形が出るということで子供用人形劇みたいなのを想像してましたが全く違ってました。人形が出ることで異化を含む感じですかね。長尺を感じさせぬ面白さでした。次公演も観たいと思わせる出来。出会いの感謝。

君には頭がさがる

君には頭がさがる

電動夏子安置システム

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/02/23 (木) ~ 2012/02/28 (火)公演終了

満足度★★★★

わらたぁ
テンポとか、間とか、うまいねぇこのぉ!って楽しみました。なんか客席の雰囲気もアットホームでこういう舞台を求めているのかぁ、って感じたりもしました。

再/生

再/生

東京デスロック

ぽんプラザホール(福岡県)

2012/02/18 (土) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★

再生・再生・再生・再生・再生…・・・
 観劇に際しては、できるだけ先入観を持たずに見ようと心がけてはいるのだが、この『再/生』にはかなり意表を突かれた。
 最初にモノローグ、途中にちょっとした会話が行われはするものの、80分間、男二人、女四人の役者は、伴奏に合わせてただひたすら踊りまくるだけなのだ。しかしそれは決して無秩序というわけではなく、綿密に計算されていることに少しずつ気付かされていく。
 すると、最初は「踊っているだけ」に見えていた舞台が、俄然面白くなってくる。そこに演劇的な仕掛けがちゃんとあって、人間やら人生やら世界やらを象徴するものも見えてくるようになるのだ。
 実際、よくこんな変な演出を思い付いたものだ。客によっては「これは演劇なのか」と憤慨するのではないかと、余計な心配までしたくなってしまう。斬新と言うよりは「勇気がある」と呼んだ方がいいのではないか。
 この舞台には無駄な説明は一切無い。独白や会話は必要最小限に抑えられている。それはつまり客に媚びていないということである。だからと言って、前衛を気取って抽象的すぎる演出を施しているわけでもない。基本は単純なのだ。ただ「踊り続けること」。それだけで観客に伝わるものはきっとあると、演出の多田淳之介は信じているのだろう。それは、演出が「演劇の効力」を信じているということであり、またそれによって喚起される「観客の想像力」を信頼しているということでもある。
 我々は信頼されているのだ。これを愉悦と呼ばずして何と呼ぼうか。この舞台から何を受け取るか、あとは我々観客の側の問題である。

ネタバレBOX

 何もない舞台、背景は白いスクリーン(照明で俳優たちの影が映る)。
 舞台に散らばって佇む六人の男女。中央の女性が、おもむろに語り始める。
 「私は、自分が幸せでないことに気付いた」と。
 長い間があって、曲が流れ始める。
 サザンオールスターズの『TSUNAMI』。
 踊り出す六人。それぞれのダンスは全くバラバラで、統一性が全くない。コンテンポラリーなダンスを踊る女がいれば、軽やかにステップを踏む男もいる。器械体操的な振り付けの男や女もいる。
 見ているうちに、それらのダンスが、一人一人の生活と人生を象徴しているように感じられてくる。生真面目さや頑固さ、器用と不器用、軽快さと鈍重さ、人間は本当に様々だ。
 彼らは舞台を縦横に動き回る。しかし、交錯しても彼らが関わり合うことはない。二人で手を取り合ってダンスすることは決してない。そこに群衆の中の孤独を見出すことも可能だろう。あるいは逆に、集団の中にも埋もれることのない屹立した「個」を発見し、快哉を叫ぶことも可能だろう。
 解釈が観客に任されているのは、まさしくその部分だ。

 かかっている曲が『TSUNAMI』であることも、我々に様々な想像を誘う要素になっている。
 あの東日本大震災後、某音楽番組で、オリコン一位になった曲であるにもかかわらず、題名が呼ばれなかったという曰く付きの作品だ。
 もちろん、もともとの『TSUNAMI』は東日本大震災とは何の関係もないラブソングである。だからこの曲が使用されていることに何かの「意味」を見出そうとした場合、それは震災に関連付けるか付けないかで全く変わってくるだろう。
 「これは震災後の復興、人々の再生をテーマにしたいのだろう」と解釈するのももちろん観客の自由だが、そもそも『TSUNAMI』という題の曲であることを知らない観客なら、「解釈」のしようもない。普通に彼らは恋のダンスを踊っているのだろうと思うだけだろうし、その解釈が間違いであるということもない。

 ただ既にここで「再/生」というタイトルが示す通り、『TSUNAMI』は二度「再生(リピート)」されるのである。
 この「繰り返し」が重要な意味を持ってくるのは、次の曲だ。
 
 ザ・ビートルズ『オブラディ・オブラダ』。
 デズモンドとモリーの恋を歌った楽しい曲でありながら、解散寸前のビートルズにとっては何の愛着もない歌であり、アンチファンも少なくない。「ワースト・ソング」のアンケートを取ると、必ず上位に来るという歌でもある。
 「オブラディ・オブラダ」というフレーズには「人生は続く」という意味があるとされるが、実は適当な囃子ことばに過ぎない。
 これが実に8回、繰り返されるのである。アフタートークで多田氏が「5回くらいがちょうどいいんだろうが、あえて8回繰り返した」と述べていたが、実際には3、4回繰り返されたあたりで、ウンザリしてくる観客も少なくなかろうと思われる。もっとも私の場合は、その4回目あたりで「覚悟」を決めた。
 多田氏はご存じないようだが、アニメファンにはこの「8回繰り返し」は『涼宮ハルヒの憂鬱/エンドレスエイト』の八週連続放送というやつで「免疫」ができているのである。繰り返される理不尽な日常に無理やり付き合わされる、というのは、実は「現実世界」でも往々にして起こりうることなのだ。「エンドレスエイト」とは、まさしくそのメタファーであった。

 ここがこの『再/生』という舞台を評価するかしないかの分かれ目にもなるのだろう。
 人生は単調な毎日の繰り返しである。その永遠に続く牢獄のような世界に堪えうるかどうか、それに堪えた者だけが「超人」となりうると説いたのはニーチェだったが、さて多田氏がニーチェの永劫回帰の思想をこの舞台に持ち込むつもりで「八回繰り返し」などいう冒険に挑んだのかどうか、それは分からない。
 しかし少なくとも、実際の舞台で「見えてくる」のは、同じ曲に乗せて同じダンスを繰り返しながらも、少しずつ「疲れていく」、しかしそれでもなお「踊り続ける」俳優たちの姿である。
 たとえ単調で陳腐な毎日であっても、私たちはその平凡さに堪えてこの世界で生きている。「エンドレスエイト」の終了後に交わされる、俳優たちの「焼肉談義」。何の変哲もない会話が、ありふれた日常が、実は私たちの「平和」の象徴なのではないか。
 いつ果てるともしれない「オブラディ・オブラダ」の果てに投げかけられた、「カルビって、三人前ぐらい食べれません?」という腑抜けた言葉が、愛おしく感じられるようになるのだ。

 相対性理論の『ミス・パラレルワールド』、続いて『ラストダンスは私に』(歌い手は越路吹雪でないことは確かだが、誰がカバーしているかは分からなかった)が一回ずつ、これは「再生」なし。
 曲は「ラストダンス」なのに、これで終わりにならないところ人を食っている。クライマックスは次の曲。

 perfume『GLITTER』の三度リピート。
 最も激しいダンスを披露したあと、俳優たちは床に倒れ伏す。
 これまでも「立っては起き上がり」という「再生」を繰り返す動きを全員が繰り返していたが、今度は完全に力尽きたように、床に大の字になり、荒い息をして、そのまま身動きもできずにいる。
 しかし曲は繰り返されるのだ。立ち上がり、再び踊り始める六人。汗を飛ばし、服も乱し、それでも「再生」し続ける彼ら。歌詞の「なんでもきっとできるはず」というフレーズが、彼らを応援していると言うよりは、揶揄しているように聞こえてしまう。
 妥協のないその姿勢には、「ここまでやってこそ俳優」という言葉を捧げずにはいられなくなるのだ。「キラキラの夢の中」にいるのは彼らだ。

 ジョン・レノン『スターティング・オーバー』がかかり、彼らは舞台から去っていく。余韻と言うよりは、呆気に取られたまま、拍手をすることも忘れて彼らを見送ってしまったが、改めて俳優たちの「気力」と「体力」に惜しみない拍手を送りたい。

 公演を重ねるごとに、曲が変わり、台詞も変わり、ダンスも多彩になっていくようである。人生の数が人の数だけあるように、『再/生』の舞台も千変万化していくのであろう。数年後、また『再/生』が再生されることがあれば、それはどのような形を取るのか、観てみたいと思う。

 「“東京”デスロック」と言いつつ、多田氏は東京から拠点を埼玉県に移し、地方での演劇振興に力を入れてくれている。
 それは、かつてそれぞれの地方が「クニ」の文化として独自の発展をし続けていたにもかかわらず、明治以降の中央集権制で崩壊してしまったこと、そのことが日本文化全体の沈滞に繋がってしまったことを認識した上で、どうすれば「再生」は可能なのか、と多田氏が自問自答した結果なのだろう。
 我々観客は芝居を楽しんで観るだけだが、問題は、このような新劇の流れとも、多田氏が所属していた青年団「静かな演劇」の流れとも違う「面白さ」を受容できるキャパシティが、我々観客の中にどれだけ培われているか、その点に集約されるように思える。

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