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ゲキトーク

ゲキトーク

NPO法人FPAP

ぽんプラザホール(福岡県)

2012/03/10 (土) ~ 2012/03/10 (土)公演終了

満足度★★★

劇トークは激トークになったか
 「ゲキ(劇&激)トーク」というタイトルの割には、そんなに白熱した討議にはならなかった。むしろ話にフッと間が生じるくらいで、お互いに遠慮があるのか、激論したって仕方がないと考えているのか、単純に仲がいいだけなのか、いずれにせよ、全体的には、事前に期待していたほどには、現代の演劇シーンを鋭くえぐる、というところにまでは至らなかった印象である。
 演劇に対する思いの強さは伝わってくるのだが、そのための方法論、あるいは本質論、そういったものがなかなか具体的な形で議論されず、終始隔靴掻痒の感を覚えることになった。
 しかし、お三方とも地方発信の演劇活動を推奨する主張は共通していて、その点は地方在住者としては嬉しい発言であった。その割には福岡(主に博多)の演劇の話題が殆ど出てくることがなく、ああ、やはり福岡の演劇はプロの演劇人の眼中にはないのだなと、寂しいが厳然たる事実を確認するに至った。では福岡には、何が足りないのか、何が足を引っ張っているのか、もしもお三方が今後も福岡の演劇シーンに関わっていただけるのであれば、ぜひ障碍を乗り越えて、舞台の活性化に尽力していただけたらと願うばかりである。
 福岡の演劇人や劇団がどうあってほしいということではない。ただ面白い芝居が観たいというそれだけのことである。

ネタバレBOX

 多田淳之介、柴幸男、中屋敷法仁の三人が、現代日本の演劇界の最前線を走っている人たちの一員であることに、異論を唱える人はそう多くはないと思う。彼らの舞台を観たことがない人でも、一度実際にその眼で確認してみればよい。既存の演劇からどのような形で更なる一歩を踏み出そうとしているかが見えてくるはずだ。

 「ゲキトーク」はまず、各人の演劇活動の紹介から始まった。練習風景や実際の舞台のスチールを見せて、自己紹介する形である。

 多田氏はワークショップの写真と、自身が芸術監督を務める富士見市民文化会館の“水上”での舞台『冬の盆』の様子。ワークショップ中と言っても、練習風景ではなく、合間に参加者たちが団欒している様子を撮影している。手前ではお爺さんを囲んで数人が楽しげに喋っており、後ろでは誰かが盆踊りの振り付けを練習している。「ワークショップでは、みんなこんなに仲良くなっちゃうんですね」と多田氏。演劇の第一歩は、アマチュア、プロに関わらず、そこから始まる、という謂いらしい。『冬の盆』の方は夜景。「写真には写ってませんが、前方にウォーターフロントがあって、そこでお客さんたちは好き勝手に座ったり寝そべったり、芝居が退屈だったら星を観たりしてるんです」とのこと。
 柴氏は、先日北九州と東京で行われた『テトラポット』の練習風景と、昨年からツアー公演している『あゆみ』の舞台写真。練習中の柴氏、態度はかなり悪いらしい。写真ではイスの上に膝を抱えて座っているだけだったが、日ごろは寝そべったりしながら俳優たちの演技を観ているのだとか。柴氏はもちろん劇団「ままごと」の主宰だが、『あゆみ』の俳優たちは「準団員」のような地方在住の役者たちでツアーを行っているとのこと。「劇作家でありたいと思ってるんですが、演出家の仕事が多くなってますね」。
 中屋敷氏の写真は、最初の一枚は「企画の意図が分からず間違えて持ってきたトルコでの劇団員たちのスナップ写真」。これではどんな活動をしているのかは分からない(笑)。もう一枚は東京デスロック公演『悩殺ハムレット』の舞台写真。中屋敷氏も含め、けばけばしい衣装の男女(殆ど女性キャスト)が舞台でふんぞり返っている。「リアルな芝居が多い中で、圧倒的に非現実なフィクションを目指してます」と言う。女性キャストばかりにしたのも「日本の演劇って、女性が差別されてるじゃないですか。シェークスピアをやるにしても男ばかりでやるとか。そして『原典は男ばかりで演じられたから』と訳の分からないリクツを言う。だったら全員女性でやっちゃえと」。

 お三方とも20代、30代の若手劇作家・演出家であって、いずれも、既存の演劇に安住することをよしとしてはいない。しかしそこで「自分たちの演劇が受け入れられているのか」ということが問題になってくる。多田氏、柴氏は、観客動員のことはあまり気にしない(そもそも劇場の大きさと公演回数で動員数は自然に決まる)立場だが、中屋敷氏がどれだけの客に自分の芝居を観て貰えるかに拘った。
 「作品及び劇団の評価」とも関わってくるのだが、たとえば柴氏は『わが星』で岸田國士戯曲賞を受賞したことが「貰った瞬間は嬉しいと言うよりは、演劇やってていいよって言われた感じで」と淡々とした感想なのだが、中屋敷氏はデビュー以来、ともかく「上の人」(先輩の劇作家たちや演劇評論家を指すのだろう)に一切無視されてきたこと、にもかかわらず、客席には現実に何千人とお客さんが詰めかけてきてくれること、この乖離は何なのか、ということが「しこり」になっていたようだ。

 「いいものを作れば、お客さんは自然に集まってくると思う」と述べる柴氏に対して、中屋敷氏は、終始「演劇の客層が広がっていかない」ことに、危惧を述べていた。
 小劇場の観客は、小劇場演劇しか観に来ない。大劇場で公演される舞台を観る人は、逆に小劇場演劇に関心を持たなかったりする。演劇のジャンルは幅広いから、多田氏は、舞台で演じられるものは「何でも演劇」で整理されていないと言うが、実際には、観客の「好み」は歴然としてある。しかもそれが必ずしも舞台の「内容」に関わる好みだとは言えない面があって、それが客層の広がりを阻害している原因の一つになっているのは事実だ。
 中屋敷氏は言うのだ。「今のお客さんって、演劇が好きで観に来てるって感じじゃなくて、この演劇を、たとえばキャラメルボックスを観に来てる(評価できている)私ってなんてステキなの、って、そんなじゃないですか」。
 聞きながら、諸刃の剣なことを言ってるなあと思ったのは、つまり「柿喰う客」の観客もまた、「この劇団を評価できてる俺って凄いよな」という思い上がった人間ばかりだと告白しているも同然だからだった。しかしそれは中屋敷氏も先刻ご承知のことなのであろう。

 中屋敷「多田さんの台詞で、すごくかっこいいなって思ったのがあるんですよ。『いろんな芝居を観て、どうしても満足できる舞台に出遭わなかったら、最後に“東京デスロック”を観に来て下さい』っていう。最初に、じゃなくて、『演劇の最後の砦は俺が守る』ってのがすげえかっこよくて」
 多田「俺、そんなこと言ったかな?(笑)」
 多田氏はここで、私が一番気になった発言をしたのだが、それは「今の日本に演劇は必要だと思う」というものであった。
 具体的になぜ必要なのか、その根拠をきちんと語ってくれなかったことは残念だったが、話の流れからするなら、やはりコミュニケーションが喪失していると感じられる現在、「演劇に出来ること」は「人間」の回復であり、そのためには、自己充足に陥っている観客の「質の向上」を図らなければならない、と、そういうことなのだろうと思う。

 中屋敷「劇団☆新感線の『リチャード三世』を観た時に、ロビーのお客さんたちの声が聞こえたんですよ。『やっぱりシェークスピアはつまんないね』って。俺、その人たちに言ってやりたかった。この芝居をつまらないと思ったのは仕方がない。けれど、だからってシェークスピアを嫌いにならないでくれ。同じように、『柿喰う客』を観てつまらないと思ってもらっても構わない。でも、演劇を嫌いにはならないでくれって」
 多田「でも、『メタルマクベス』を観たら、そのお客さんもそうは言わなかったと思うよ」

 話題の全てをここで書ききれるわけもないし、中には司会が何を考えたのか、お三方の結婚観(聞きたい人がいるのかも知れないが個人的な場でやってくれよ)なんてのまで聞いていたから、後半はちょっと焦点が定まらない、散発的な印象の会話になってしまった嫌いがある。
 劇団かユニットか、という話題も、お三方に質問する意味があったのかどうか。双方の効果的な面を取り入れて活動されていることは、観れば分かるからだ。
 尻すぼみになりかけたディスカッションではあったが、やはり特筆しておきたいことは、お三方が「地方」に眼を向け続けているという事実である。

 多田氏の劇団「東京デスロック」は、「東京」と冠していながら現在は埼玉を中心に、全国の地方都市を廻って、ワークショップと公演を行っている。柴氏の「ままごと」も、中屋敷氏の劇団「柿喰う客」も同様だ。
 お三方、共通の認識は、東京には確かにたくさんの演劇がある。しかしそれは勝手に集まってきているものの集積で、じゃあ自分たちから地方に向けて何かを発信するとか、逆に地方のものを積極的に取り入れようとか、そういう動きがない。その意味で東京は逼塞している、というものだった。

 多田氏は、地方の演劇祭で最高の二つに、鳥取の「鳥の演劇祭」と、北九州の「えだみつ演劇フェスティバル」を挙げる。
 「えだみつアイアンシアターの市原幹也さんとお話ししていて、目から鱗が落ちたことがあるんです。彼は言うんですよ。『演劇を観て、それから演劇をしたいと思うようになるんじゃない。まずは学芸会でも何でも、演劇をすることから始める。それから演劇を観るようになるんです』って。なめほど、アイアンシアターのワークショップには、近所の子どもたちがともかく集まってくるんですね。それから、あそこで公演する芝居を観に行くようになるんです」
 中屋敷氏が「学芸会、中学、高校演劇と、ずっとやってきた自分には納得できます」と熱い賛同を寄せる。
 鳥の演劇祭はもちろんワークショップ、シンポジウムも盛んなら、海外作品の招聘、交流も盛んに行っている。地方密着、というのは、決して、その地域で完結するものではなく、そこから世界に発信するもの、逆に世界か関心を寄せる土壌を作るということなのだ。それが「コミュニケーション」の真の意味なのだろう。
 柴氏だけが「地方で2ヶ月かけて舞台を作って、そのまま放り出して帰っちゃうことの繰り返しなんで申し訳ないです」とちょっと気弱なことを仰っていたのが可愛らしかった。

 これらの一連の「地方」談義の中で、福岡(博多)の演劇シーンに触れられることは殆どなかった。以前、FPAPの主催で、福岡の若手演劇人を選抜して、ツアーを組んだようなことを司会から振られたが、お三方とも話題にすることなくスルー。
 「俺の芝居をまず観ろ」の演劇人と「私がこの劇団を支えているの」の身内客・常連客とで構成された福岡演劇村の惨状は、お三方にもはっきりと見えていたようだ。
 会場にはそこそこ福岡の演劇関係者も来場していたようだったが、お三方の話にいちいち感心したり頷いたりしているようでは、まあ、底は知れている。大筋においてはお三方の意見に賛同できることはあるとしても、そこから内面において何らかの化学反応を起こすように、お三方の「先を行く」発想が生まれなければ、その時点でその人が演劇をやることの意味は失われてしまうだろう。
 失ってくれた方が、演劇が好きでもない癖に、好きなフリをしている人が減ってくれてありがたいんだけどね。
アイ・アム・アン・エイリアン

アイ・アム・アン・エイリアン

ユニークポイント

シアター711(東京都)

2012/03/13 (火) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

良j質な会話劇でした。
繰り返され長引く「議論」には、(議論の必要性を感じつつも。)問題がそこにはないことが明白で。

あたりまえのできごと

あたりまえのできごと

パセリス

インディペンデントシアターOji(東京都)

2012/03/15 (木) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★★★★

無題331(12-074)
14:00の回(雨)。13:20受付、13:30開場。舞台正面には白いスクリーン、白い箱がいくつか。舞台と客席とには間があり(160㎝くらい?)ゆったりとして雰囲気。イス席3列で段差ありザブトンなし。右端、床部分にひとつ椅子があってどなたが座るのかな、と思っていたら劇中面白い使い方。下手、箱が4つ組み合わされ、その上にはノートPC、ビデオデッキ、DVDプレーヤー(プレステ?)。14:01開演~15:30終演。初めてみましたがオモシロイ。1話~5話まで「なるほどー」「そうかも」などと思いながら、客席からTVドラマへのツッコミ、キャットウォークからのカメラ映像、歌とダンスのシーン、どれもとっても楽しいものでした。昔、SFの短編集を読むと、日常とのちょっとしたズレに引きずり込まれたり、普段とは違う視点からみえる風景に目をしばたいたりしたものです...久しぶりの体感、役者さんたちの好演にもよるのだと思います。

昔の女

昔の女

七ツ寺共同スタジオ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

七ツ寺プロデュース「昔の女」観ました。
 戯曲も演出も、時間や空間、人物等の境界がじわじわと崩されていくような感覚。時折起きるシーンの繰り返しが、取り返しのつかない方向へ場の空気を練り上げ、人物がゆっくりと、身も心も絡め取られていくかのよう。プレリーディング企画「アラビアの女」以上に得体の知れない印象。客の入退場も、境界越えを体感させるようで面白かったです。大人の役者力も素敵。

ひもの男

ひもの男

劇団やみつきわさび

ナンジャーレ(愛知県)

2012/03/15 (木) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

やみつきわさび「ひもの男」観ました。
芝居の作為を取り除くことに神経を注いだ、スタンダードな若々しい舞台。実力巧者が両脇を固める印象。男性陣の、恋愛への微妙なスタンスの違いが要所要所に感じられるが、女性陣や時間の経過、ラストへの心理的流れの描写はややもの足りないかも。同世代ならかなり共感できそう。

火山島/太鼓

火山島/太鼓

劇団演奏舞台

門仲天井ホール<アート・キッチン>(東京都)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

そういうことが
戦中戦後の寂寥感溢れる実態が見えてきます。

ネタバレBOX

『火山島』 ミサイルが設置され演習場ともなる予定の火山島に住む三組の家族を通して、戦中戦後の様子が垣間見られる話。

風車守は幸せだった妻との暮らしを懐かしみ、演習の妨げになるという理由で発電用風車が取り壊されることを嘆く…、中華料理屋の夫は、役人や工事関係者などが来島して儲かっていることを喜んでいるが、妻は満州で生き延びるため、仲間を守るために、泣き止まない赤ちゃんを沼に浸けたことを思い出しては悔やむ…、祖母と少女は、台風の発生で漁船が沈没したニュースを聴き、小船で遠洋に出掛けた、出掛けざるを得ない少女の父の無事を願う…、悲喜こもごもの話が喜怒哀楽をあまり表に出さない手法で淡々と進行していきました。

大きめの声で喉の奥から搾り出すような発声法は特徴で、慣れてもきましたが、ソロバンはじいて喜ぶときくらいは普通に喜んでもいいのではとも思いました。

『太鼓』 少年兵とベテラン兵の話。初めて最前線で偵察に出た少年兵は恐怖と疲れから仮眠中に父の夢を見て太鼓の音を感じる。敵がこちらに向かって来ることを知ったベテラン兵は少年兵に照明弾を上げさせるが、その間に自分は逃げてしまい、標的となった少年兵は死亡する。

なぜベテランなのかというと、それは死なないからという殺伐とした話でした。
上手な想いの遺し方

上手な想いの遺し方

削除

北池袋 新生館シアター(東京都)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

独特のスタイルとセンス◎
今回は”恋愛”がテーマなのかなぁと思っていたんだけど、やっぱり社会の闇(病み?)に斬り込んだ作品でした。

キャスト陣は個性的な怪優(?)揃い。
キレイな女優さんも多いだけに、そのキレっぷりや見た目とのギャップが面白い♪

次々と切り替わっていく場面展開の妙、劇中で流れるBGMや照明の使い方なんかもとても良い感じ。

ただ、この作品の”真の狙い”は理解出来るけど、主人公が創作した”架空の物語”と”現実の世界”、"過去の世界"が入り乱れて展開されていくので、ちょっとわかりづらいかも。途中本題から逸れる”遊びのシーン”なんかも入るので余計そう感じてしまうのかも知れないけど。
基本的にこの劇団の持つ独特のスタイルとセンス、そして着眼点は好きなので、この路線で更にもっともっと突き抜けて行って欲しい。

ネタバレBOX

千秋楽に観た”アヴェ・マリア”と”お客さんいじり”がなんか良かった。
クロイツェル・ソナタ

クロイツェル・ソナタ

丸顔

表参道GROUND(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/15 (木)公演終了

満足度★★

疲れた
多分演出の狙いだったのだろうが、1人芝居の続く二人芝居。とにかく観ていて疲れた。何を観客に伝えたいのか?黒沢嬢のくせのある、絶えず同じ調子の台詞廻し、見えない登場人物を想像するのにホトホト疲れ果てた。

掏摸―スリ―

掏摸―スリ―

サイバー∴サイコロジック

OFF OFFシアター(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

掏摸師の哀しみ
フライヤーから立ち上る“ピカレスクの香り”に強く惹かれた。
荒川ユリエル演じる掏摸師は、繊細なたたずまいで14歳から29歳まで自然に見せる。
とてもナイーブでミステリアスな表現が出来る人だ。




ネタバレBOX

父親と木崎の台詞が重なり、呼応する演出に緊張感があって惹き込まれた。
この犯罪者サイドの勝手な論理を堂々と展開するのが原作の特徴かもしれない。
善悪を超えた、ある種の人間の、確かに存在するタイプの人間の黒い論理。
天才詐欺師の仕事ぶりをもう少しシーンや台詞で伝えてくれたら
彼がこの黒い論理に翻弄される哀しみが際立ったと思う。

原作の魅力的な言葉を忠実に再現しようとした結果か、
全体が饒舌でストーリーが時折立ち止まる。
ラップで犯行声明を出すところや首相を拉致したラームラのメンバーの仲間割れの場面、木崎の台詞とそれに伴う身ぶり手ぶりも、
もう少しコンパクトにメリハリつけたら
終盤なだれ込むような展開に勢いがついたかと思う。
大事な言葉を丁寧に言おうとするあまり、タメが長くなって
時折観る側の集中力が途切れがちなのが、とてももったいない気がした。

荒川ユリエルさん、名前と同様中性的で繊細な魅力があり、この役にぴったり。
「人を殺すな」と説得する悲痛な叫びは、彼自身が助けを求めているようにさえ聴こえた。

母親役の定塚ユリカさん、その絶妙な間や台詞にリアリティがあり
存在感抜群!

平平平平さん、絶対悪という父親の台詞に説得力があって
一体どうしてこんなオヤジになっちゃったんだ?とずっと思っていた。

ベッドのまん中に穴があいていて
そこからいろんな人が登場してくるというセットが面白い。
死んだはずの父親がはい出してきた時は「貞子」みたいで本当に怖かった。
会場のスタッフさん達が柔らかで快適な空間だった。



【耳のトンネル】満員御礼!ありがとうございました。

【耳のトンネル】満員御礼!ありがとうございました。

FUKAIPRODUCE羽衣

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/03/09 (金) ~ 2012/03/19 (月)公演終了

満足度★★★

だまされた
何だったんだろう?最後の約20分は。理解し難い。周りで渦巻く笑いとは裏腹に私の内部には怒りのようなものがこみあがる。(常連への媚びにはうんざり。)気を取り直してさあラストはいかに!と期したところで終幕。このエンディングにはただ唖然とするしかなく、ほとんど何の感慨も残らなかった。最後の二人コントとエンディングを除けばまあまあ面白くそこそこに楽しめたが、果たして「今年はこの作品一本に全力を注ぎ」「私たちの考える最も妥協なく心を揺さぶる作品作りを試み」たようにはまるで感じられない作品だった。ただの宣伝文句だったらしい。

ニンギョヒメ

ニンギョヒメ

ソラリネ。

上野ストアハウス(東京都)

2012/01/10 (火) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

せつなすぎる物語
人魚姫自体切ない話なのに、更に切ないお話でした。
男性の演出家とは思えない、繊細な演出。
男性とは思えないいしだ壱成さんの演技でした。

女性でも男性でも共感できる話だと思います。

希望的観測

希望的観測

デッドストックユニオン

ウッディシアター中目黒(東京都)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

不思議な人と人の縁
ありそうでなさそうな、でもあってほしい物語でした。
それぞれの人生にキーパーソンがいるのだろうけど、キーパーソンに出会って進む道をそれぞれ決めた瞬間を観られると思います。

それぞれ、味の濃い(笑)演者さんがそれぞれ濃いキャラクターを演じていますが、それがまた面白い。

相変わらず安定感のある役者さんとしっかりした脚本で安心して観ることのできるお芝居です。

ネタバレBOX

少しだけ震災のことが出てきます。
よくも悪くも心に残って出来事だけに、きっとぞれぞれ人生の岐路、だったといっても間違いないのかもしれません。

震災に関するリアルな表現は出てきませんので、ご安心を。

でもきっと、震災によって自分の人生を見直す人はいたはず。

いろいろな思いが交差して最後まで笑いあり涙あり。
ちょっといい話だったな、と思えます。
ワンダーガーデン

ワンダーガーデン

玉造小劇店

座・高円寺1(東京都)

2012/03/08 (木) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★

四獣バージョン観劇
時間の都合上、男優編のみ観劇。
あ、舞台転換時に四華の女優さん達出てたか。
洋館に住む三姉妹の生き方模様を、明治末期から大正期〜昭和初期にかけての時代背景を彼女達の庭を中心に舞台に話が進む。
舞台は庭のみ!
青春期から中年になってまでの生き様がその庭を通して、結構厳しい時代だったと思うが活き活きと明るく描かれている。
昨今の大阪版の朝ドラを見たような、後味良く気持ちのいい舞台でした。

ネタバレBOX

女性から男性へと切り替わりは自然過ぎて違和感なし。
三姉妹+義理妹でもカツラつけず、素のままでも乙女心がきゅんきゅん(笑)伝わってくる花組4人のチャーミングで艶っぽさのある事!
それに対して、相反するような終わり間際のグダグダさというかゆるゆる加減のやりとりの軽妙さに、それまでの話が飛んでしまったw。

最後の出会いの締め方に思わずジンときた。
きれいごと。なきごと。ねごと。

きれいごと。なきごと。ねごと。

Cui?

新宿眼科画廊(東京都)

2012/03/17 (土) ~ 2012/03/21 (水)公演終了

満足度★★★

初日ソワレ観劇
散文詩のような台詞の青春メッセージ、と思った。
約65分、座る場所によっては台詞の聞き取り辛さがあるかも。

ネタバレBOX

登場人物の大半はティーンエイジャー。彼女、彼らの台詞は冒頭から終盤まで一言半句のような絶叫、絶呼のキレキレの状態で突き進む。
音響と微々たる照明のみでメリハリをつけていくがリフレインが頻繁だったのと、個人的に人間関係の絡み方にあまり入り込めなかった。
着地する術を待たない終り方に、あの年代特有の時間の間隔の焦燥感や怒りが見え隠れしているようだった。
三好十郎戯曲を読む!

三好十郎戯曲を読む!

一般社団法人 日本演出者協会

「劇」小劇場(東京都)

2012/03/13 (火) ~ 2012/03/14 (水)公演終了

201203131900
201203131900@「劇」小劇場

清水の次郎長

清水の次郎長

TBSラジオ

博品館劇場(東京都)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

201203161900
201203161900@博品館劇場

囁く夜と飴玉のいくつか

囁く夜と飴玉のいくつか

スミカ

百想(re:tail別館)(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/19 (月)公演終了

201203141930
201203141930@百想(re:tail別館)

ジョルジュの木

ジョルジュの木

劇団 現代古典主義

北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/15 (木)公演終了

満足度★★★★★

ド迫力
最初はやはり絡み合う早口の台詞と、前後分かれた舞台になかなか付いていけませんでしたが、後半、慣れてきてからは舞台上の世界に入り込んでいました。膨大な台詞量、舞台を所狭しと動き回るアクション。かなりの稽古を積んでらっしゃるんだろうな、と感じました。圧巻でした。

『ひとり、たび』/『HAPPY JOURNEYS』【CAST紹介写真&アンケート公開しました!!】

『ひとり、たび』/『HAPPY JOURNEYS』【CAST紹介写真&アンケート公開しました!!】

トレモロ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★

HAPPY JOURNEYS
初トレモロ。
目を見張るものは無かった。
アレンジはもちろんあるけど古典だなぁという印象。
ただ、別の作品を観てみたいとは思う。
石丸香織は古典合うんだな。スタイルいいね。
加藤のえる、もっと観たかった。ちょっぴり発見。
座席は素直に正面が見やすいのではないかと。

掏摸―スリ―

掏摸―スリ―

サイバー∴サイコロジック

OFF OFFシアター(東京都)

2012/03/14 (水) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

引き込まれたまま2時間!
「いつものサイバーとは違う」らしいのですが初サイバーでした。

2時間以上もあったのにまったく集中が途切れないまま引き込まれっぱなしでした!
役者さんが特に素敵で、演出もあいまって…目が離せませんでした。

理不尽で絶対的な悪、非常に怖かったです。

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