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師匠の部屋(上演終了しました。ご来場、誠にありがとうございました。)

師匠の部屋(上演終了しました。ご来場、誠にありがとうございました。)

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/08/15 (水) ~ 2012/08/20 (月)公演終了

満足度★★★

Mrs.fictions『花柄八景』鑑賞
近未来における噺家不在の落語ブームという設定の中、濃い登場人物達が物語を織りなす王道的な作品でした。やや古臭いスタイルの作りながら、登場人物が魅力的で楽しめました。

落語の対コンピューター戦に負け、世間から相手をされなくなった落語家の元に転がりこんで来たパンクスのカップルと頭の弱いストリートチルドレン、一度は弟子を止めたものの未練があって毎日師匠の部屋へ来るようになった元弟子のコミカルなやりとりから師匠や落語への愛情が感じられました。
感動的なシーンを大袈裟にせず、さらっと描いていたところにセンスが感じられました。師匠が脱ぎ捨てていった羽織を丁寧に畳む元弟子の様子が印象に残りました。
落語の噺の引用と、攻殻機動隊や初音ミク等のサブカルチャーネタの笑いの取り方のバランスが良かったです。シド&ナンシーの話を落語で演じるのが楽しかったです。

今村圭佑さんと小見美幸さんパンクスのカップルのキャラは典型的な描き方でしたが、台詞回しや間の取り方が上手くて、笑えました。ストリートチルドレンを演じた北川未来さんはあまり台詞はなかったものの不思議な存在感があり魅力的でした。

未必の故意

未必の故意

激弾ショット

pit北/区域(東京都)

2012/08/16 (木) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

懐かしい感じがした。
終わった後の最初の感想は「懐かしいな」でした。
どっぷりと昭和の演劇に浸った感触。
昔の、携帯電話もネットもなく、嫌でも顔を突き合わせてつながらざるを
得なかった濃い人間関係。
いまのように、家の中にこもっていても生活できるような便利さはなく、
人はそれぞれが属するせまい集団の中で
どうにか自分の居場所を見つけなければ生きる事ができなかった。
登場人物たちの持つ障害が、さらにそれを歪め、卑屈にさせ、必死にさせる。
暑苦しくていびつな、発酵していそうな、なにかが臭ってきそうな、
そういうある種の、集団が発する独特の雰囲気が練り上げる狂気をはらんだ作品。

この脚本は、便利になってしまった現代人が演じるには非常に難しい上に
若い人の共感を呼ぶのも難しい題材。掘り下げるのに限界はないが、報われづらい。
「楽しむ事が優先」「観客に優しい提示」に傾いている
現代のエンターテイメントとしては成り立ちにくいかもしれません。
個人的にはそこが好きだし、それがこの舞台の良さでもあります。
ただもしかしたらもう少しだけ、
物理的に観客の眼を引く瞬間の演出が増えると
見やすかったのかもしれないと思いました。

人間の生態から生まれる濃厚な演劇。面白かったです。

劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』

劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』

こまばアゴラ劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/08/17 (金) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

熱い舞台、スタンディングで観劇
劇場に入ると「スタンディングで」と観客に勧めていた。
「それならばスタンディングで」と思い劇場内に立つ。
わくわくした。

ネタバレBOX

とても血なまぐさい物語。
「復讐」が「復讐」を呼ぶ「負の連鎖」の物語でもある。
今の日韓のこの時期に、この物語が示すものは大きいのではないか、と勝手に思ったりしながら劇場に入った。


劇場に入るととてもフレンドリーにワインなどを勧めてくる。
ローマ市民(スタンディング)として観劇。

しかし、いったん舞台が始まると、役者がとても熱い。
全員が全身で台詞を語るようだ。
なのに鬱陶しくはない。引き込まれた。

悪役が悪役然としているのもいい。
特に、ゴートの王女タモーラは、目の強さ、顔の上げ方が、強い信念に貫かれた女を感じ、とても印象に残った。また、タイタスの娘・ラヴィニアも韓国系の美人なだけに、血まみれの姿は痛々しさを通り越していた。

セットは大きな箱3つから成り立ち、それを動かすことで、形を変える。われわれローマ市民が役者が上に乗った、その箱が動かないように押さえたりする。

韓国語の上演で字幕はないのだが、それはほとんど障害にならなかったと言っていい。
もちろん、台詞そのものの内容はまったく理解できないのだが、『タイタス・アンドロニカス』のあらすじさえ知っていれば、特に問題なしだったと言っていい。

かつて、台湾の劇団を、やはり字幕なしで見たことがあったが、そのときもまったく問題はなかった。ちなみにそのときはオリジナルの作品なので、あらすじを知っていたわけではなかったのにだ。

時折、片言の日本語の台詞を交え、何が起こっているのかを告げてくれる。
役者さんたちの、伝えようという気持ちが前面に出ているように感じた。

とても血なまぐさいストーリーで、もしに日本の劇団が今上演したとしたら、「血」は血糊は使わないだろうと思うのだが、この劇団ではストレートに血糊が流れる。
想像させるのではなく、見せることを選択したのだ。

演技を舞台の上に立って見るということは、もの凄く役者が近い。思ったよりも、ビンビン来る。これはスタンディングで見て正解だったと思った。
座席に座り、舞台の上の出来事を眺めているだけでは味わえない感覚だ。

と、書いたのだが、スタンディングには、1つ誤算があった。

なぜこの感想の★がないのか、ということにつながる。
実は、あと17、8分で終了という頃、つまりこの物語のエンディング間際で、まさかの貧血!
壁に行って折り畳みの椅子を自分で出して座ったのだけど、座っていても倒れそうなほどの貧血なので、転げるように外に出た。

日頃の不摂生と寝不足が原因だ。無念。

受付の椅子に座りブラックアウトしてしまった。
青年団の方が親切に冷たい麦茶と冷たく濡らしたタオルを持ってきてくれた。
本当にありがたかった。この場を借りてお礼を言いたい。
結局、椅子に座りながらでもふらふらした頭で、ロビーにあったモニターでラストを観たので、最後まで観たことにならず、★は付けなかった(たぶん最後まできちんと観たら★★★★★だだったと思う)。

最終日に外に出た者がいたな、と思っている方に、演劇がつまらなくて出たのではない、ということは言っておきたい。
もちろん、劇団ハタンセの方たちにも、伝えてほしい。

できればもう一回観たかった。
see/saw

see/saw

Nibroll

ヨコハマ創造都市センター(YCC)(神奈川県)

2012/07/20 (金) ~ 2012/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい
非常に刺激的。直接観客の心に突き刺さってくる。矢内原美邦のダンス作品。

劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』

劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』

こまばアゴラ劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/08/17 (金) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

言葉の壁なんかねえよ
韓国ばんざい。韓国の若者たちが頑張ってくれた。非常に好感が持てた。
楽日はあらすじの紙なんかなかったよ。無くても伝わるんだよ。役者の演技には伝わるものがあるんだよ。

「累-かさね-」

「累-かさね-」

少年王者舘

ザ・スズナリ(東京都)

2012/08/16 (木) ~ 2012/08/22 (水)公演終了

満足度

今回は
超つまらなかった。男性出演者も多過ぎ。女性の高い声が良いんだよ。

レジスタンス

レジスタンス

サウザンドワークス

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2012/08/16 (木) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★

おもしろかった。
地球滅亡というすごい設定なのに、軽くておもしろい劇にする発想がいい。笑えました。よかったです。

劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』

劇団ハタンセ『タイタス・アンドロニカス』

こまばアゴラ劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/08/17 (金) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

최고예요(最高っ!)
イス席もありましたが、当然立って観劇しました、素晴らしかったっっ。舞台上にいる事への興奮がすごかったです。もう本当に目の前で役者が演じて、要所で観客が小道具の準備したり、舞台装置動かしたりして見てて楽しい、手伝えてなお楽しい。予習して行ったので物語に置いていかれること無く(台詞の機微はわかりませんでしたが)見れました。身体を張ったアクロバットなパフォーマンスも多いし、体の使い方も日本と違うなという印象でした。何より俳優の皆さんが、サービス精神旺盛で、言語の壁なんて関係ないんだなと実感しました。

ふくすけ

ふくすけ

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2012/08/01 (水) ~ 2012/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

休憩後、お隣は戻って来なかった
再再演。
その当時、グループ魂で雑誌ビックトゥモローの事ネタにしてたのに、今では看板役者がそれに紹介されるまでに出世?したもんなー。
予め題材の内容を知って見るという事や、国から表彰される役者を出演させる事とか、元々リスクあるわけで、当時とは違う劇場サイズの環境で見る舞台は新しくもあり、懐かしくもあり。

膨大な情報とスピード、最後の晩餐のようなエンディングはいつもながら痛烈。
あの当時と今の世の中はあまり進歩していないが、普通に目にしてたエロスはますます隠れた方向になっていき、普通の「はじらい」という行為は減退しつつあるような。
世の中を這いつくばって生きている者こそ見えるものがある道徳・倫理の強烈なメッセージ。

出演者さんは皆良かったです。
エスダマスさんは場面によっては、独り舞台の様だった。

ピグマリオン~人形たちの協奏曲~

ピグマリオン~人形たちの協奏曲~

旋風計画

劇場HOPE(東京都)

2012/08/09 (木) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★

人間になる
基となっている「ピグマリオン」も「マイフェアレディ」も知らずに観劇。でも、丁寧に物語を説明してくれるし、役者の発声も活舌も非常に良いので、置いていかれる事無く楽しめました。創世記のキャラメルボックスもこんな感じで小劇場でやってたのかな、と想起しました。ただ、丁寧すぎてちょっと長いなと思いました。

ネタバレBOX

あくまで、個人的な好みですが。キャラメルっぽい発声やテンポや見せ方は、やはり大きな劇場の方が馴染むなと思いました。既存のキャラメルの演劇メソッドをそのまま踏襲して物語に当てはめるだけなら、演出部の人は成井さんを超えられないんじゃないかな、と思いました。もっと冒険しても良いのに、などと勝手な想像をしながら観劇。舞台美術がこだわっていて、照明もすごいたくさん吊られていて、豪華。この感じもキャラメルっぽいなと思いました。よくあの空間に設営したなと思いました。

ようは月9の「リッチマンプアウーマン」がやりたかったのかな、という印象でした(いや、好きだけど。石原さとみも出てるしさ。)「マイフェアレディ」の19世紀のイギリスと、大正15年の日本では単純な比較は出来ないけれど、階級がわかりやすいテーマなだけに、この脚色はしっくりこなかったです。「人形だった自分が、自分の意志で未来を切り開く」行為が、あくまで小夜とアキの成長物語でしかなくて、社会とのつながりが感じられないのが物足りなかったんだと思います。この内容なら、ハーフタイムシアターのように60分位にまとめた方が楽しめるのかなと思いました。…でも、皆に平等に見せ場をと考えるとこの位の長さでも仕方ないのかな。
緑の指

緑の指

世田谷シルク

シアター711(東京都)

2012/08/15 (水) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

渦を巻く物語
お話がぐるぐるぐると渦を巻くように進んでいく。
進んでいると思ったらまた同じところに戻ってきて、でも全く同じ風景ではなくて、それは円運動ではなくて渦状になっているから。指紋のように。

前半がちょっと長く感じた。
が、後半は加速度的におもしろくなった。

世田谷シルクと言えば、わたしの中では「ダンス」ということになっているのだが、今回も気持ちの良いダンスが観れたのではあるが、今回についてはその他大勢の劇団のダンスと変わらないなあという印象だった。
もっとオリジナリティのあるダンスをみせてくれていたと思うのだけれど。
わたしがシルクのダンスに見慣れてしまったせいかなあ?

「ボイルド・シュリンプ&クラブ」(8月)

「ボイルド・シュリンプ&クラブ」(8月)

劇団6番シード

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/08/15 (水) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

さすが!面白かった!
やっぱり6番シードは面白かった!
魅力的な物語、個性溢れる味のある役者陣!
特に宇田川さん、土屋さんは笑えるなあ(笑)。
上演時間120分。

ネタバレBOX

流行らない探偵事務所に舞い込む2つの物語。
後で追記。
「僕と彼の彼女達」

「僕と彼の彼女達」

セロリの会 

「劇」小劇場(東京都)

2012/07/26 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★

優しい仕上がりで
必要以上の修羅場としてなかったのは見る側としてはよかった。面白かった。

ネタバレBOX

兄貴(と言っても実際には出てこずに、女性にモテル設定はある)が話に出てしくる程の魅力があるように感じられなかったり(まあ、実際出てきてないのである意味仕方ない部分はあるのだが)、家族間の問題部分での関係性のために、次女のキャラ位置付け(と言うか設定説明か?)をもう少し描いてもよかったのでは。
ダンス・ダンス・ダンス!?-点と点-

ダンス・ダンス・ダンス!?-点と点-

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』

パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)

2012/08/16 (木) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

無題448(12-191)
18:00の回(晴)、17:37受付開場。「ダンスがみたい!」を2日間みたのでこちらもと思い最終日にやって来ました。考えていたのとずいぶん違いましたが…パフォーマンスでしょうか。大きなBGM、映像、小道具。18:11シャッターがおりスタート、21:45終演。

ネタバレBOX

入ると上段の席を勧められました。最前列(左)は丸椅子、(右)には丸椅子がないので、背もたれのある椅子席にしたのですが、途中から前1列、丸椅子が追加されほとんど見えなくなってしまいました(段差がないので)、そういうことだったのですね、ならばハッキリ説明してくれればいいのに…。

開場、開演が大幅に遅れましたが説明あったのか、聞き漏らしたのか。

ポールダンスは初めて…鉄棒を縦にした演技、今夜一番の演目、ポール設置の様子や回転することなど「おーっ」と見惚れてしまいました。これはまたみたいです。

スペーストラベラー ~LOVE is in the Mother Ship!~

スペーストラベラー ~LOVE is in the Mother Ship!~

スーパーグラップラー

あうるすぽっと(東京都)

2012/07/25 (水) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

確かに宇宙旅行だな
少し、ボケ倒しが弱いかなと感じる部分はありましたが、面白かったです。

ネタバレBOX

宇宙移民の話かなと思わせておいて、実は生命の誕生の話だった模様(個人的な見解)。
確かに宇宙移民の話にしては、少し台詞と展開に違和感を感じていたが、わかれば今までの展開がそうだったのねと、繋がる。
MY SWEET BOOTLEG(ご来場ありがとうございました!御感想お待ちしています!次回は10月上旬、同劇場にて)

MY SWEET BOOTLEG(ご来場ありがとうございました!御感想お待ちしています!次回は10月上旬、同劇場にて)

MU

BAR COREDO(東京都)

2012/07/23 (月) ~ 2012/07/31 (火)公演終了

満足度★★★★

ありそう
前半のオタク要素満載(マニア過ぎるレベルではなく笑えるレベルのさじ加減が絶妙)からの、鋭い指摘の後半(ある意味多くの人に当てはまる??)。
時間経過がつかみにくいかな?とも思ったが、面白かったです。

今夜此処での一と殷盛り

今夜此処での一と殷盛り

風雷紡

サンモールスタジオ(東京都)

2012/08/11 (土) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

探偵は二階にいる
大正13年、長野県諏訪で謎の多い凄惨な事件が起こるまでと、
昭和22年東京大森の探偵事務所での謎解きが交互に照らし出される構成。
暗い歴史のリアルさとコミカルな探偵事務所のやり取りのバランスが素晴らしく
演出の妙を堪能した舞台だった。

ネタバレBOX

劇場に入るとまず囲炉裏を切った土間のある古い家が目に入る。
部屋の壁には柱時計が3つ、いずれも紐でぐるぐる巻きになっている。
上手2階の高さには御簾がかかっていて、その奥に部屋があるらしい。
庭の垣根の前に糸車が置いてあり、
この糸車が照明に浮かび上がってひとりでに回るところから舞台は始まった。

御簾の奥は探偵事務所、と言っても野崎(谷仲恵輔)が間借りしているささやかな部屋だ。
昭和22年、ここへ一人の少女(吉永雪乃)がやってきて
「先日亡くなった祖父のことを調べて欲しい」と依頼する。
謎の多い祖父の人生、大量殺人事件の噂、一夜にして地図から消えた村、残された遺書など観ている私たちも、事件の真相を知りたくなってくる。

古民家の囲炉裏端は大正13年の長野県姫淵村である。
養蚕業が成り立たなくなってからというもの、ここでは村の娘を売って生活していた。
「見目がよければ宿場町、手先が起用なら工場町」という言葉の通り
お婆様(横森文)の占いによって決められ、売られていく。

やがてこの村を支配する御子柴一族の複雑な人間関係や
それがもたらす歪んだ憎しみが明らかになっていく。
一族の言うままに娘を売ることになった一人の父親が絶望して首を括り、
母親は村と因習を呪ってついに凶行に及ぶ・・・。
そこに行き着くまでに、彼らを取り巻く人々の優しさと悲しみが丁寧に描かれているので
このおどろおどろしい出来事が本当に哀れに思われる。

片目のお婆様を演じた横森文さん、凄みがあって存在感ありまくり。
東京から戻った御子柴家の長男太一郎を演じた及川健さん、
育ちの良さが透ける涼やかな声と容姿ながら、母親への屈折した思いが滲んでいた。
この村の因習を断ち切ろうとするかのような壮絶なラストが強く印象に残る。
そして探偵野崎役の谷仲恵輔さん、表情がイマイチはっきり見えない御簾越しの演技だが
大仰な動きと声がコミカルな味を出して、暗い時代との対照が際立つ。
中原中也の詩の朗読も、次第に哀愁を帯びるように変化していってとても良かった。
大家のお駒(吉永恭子)との掛け合いも息が合っていて
“二階の探偵”シリーズになりそうな雰囲気。

ちょっと物足りなかったのは、
少女のお世話係としてついてきた、鍵を握る女性累(松葉祥子)が
情報を小出しにして真実へと探偵を導いたその真意がイマイチわからないこと。
“火サスの崖”じゃないけど、最後に累がその出自や本心を語ってくれたら
もっとわかりやすく、腑に落ちたんじゃないかなあという気がした。
私の理解力不足かもしれないけど・・・。

オープニングの音楽や舞台の作り、脚本構成すべてが厳選されていて
そこに役者がぴたりとはまりこんでいる。
御簾がかかると照明が柔らかくなり、悲惨な時代とのコントラストがより強くなる。
明と暗、軽と重、強と弱、その計算され尽くした対比の結果、時代と人の心が一層浮き彫りになった。
向日葵と夕凪

向日葵と夕凪

BASEプロデュース

BAR BASE(東京都)

2012/08/14 (火) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

無題447(12-190)
14:00の回(晴、猛暑)。13:30受付開場、BASEは2回目、入って右側に客席(2列)、前列はミニ椅子、後ろに座ります。カウンター、後方の棚にはボトルが隙間なく、下手、TVモニター、横にはCD、DVD(「狼たちの午後、」「ゴッドファーザー」「ブレードランナー」「時計じかけのオレンジ」…)、二人の教師、三人の生徒。ドアが開くたび強い日差しが薄暗い室内にも届いてきます、スピーカーからは波の音、いい雰囲気です。14:09開演〜15:09終演。

ネタバレBOX

ちょっと「結び目」っぽい話しかと思いましたがそうではありませんでした。役者さんはずっと立っての演技、「エビス」のお芝居では座るので少し違和感。物語は…(私の場合)普通でしたが、お芝居は面白かったです。
師匠の部屋(上演終了しました。ご来場、誠にありがとうございました。)

師匠の部屋(上演終了しました。ご来場、誠にありがとうございました。)

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/08/15 (水) ~ 2012/08/20 (月)公演終了

満足度★★★

ろりえ
意地悪な芝居だよ(笑)
堀越涼はどうも苦手だな。

ネタバレBOX

序盤テンポ良く笑かしといて、がっつり転調されても困っちゃうなぁ。
徳橋みのり、意外に着物が似合って艶っぽい。
向日葵と夕凪

向日葵と夕凪

BASEプロデュース

BAR BASE(東京都)

2012/08/14 (火) ~ 2012/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

満足度大
序盤で故人である「怪物先生」の人となりがまるで見えるようなのと後半で2人の女性の過去・想いがラップしつつ浮かび上がって来るのが良くできている脚本に設定通りバーで演じられる利点が加わり、満足度大。
なお、観ながら「あのバーで上演したら…」と考えてみて、そちらでは海が(多分)見えず、バーにも「特性」的なものがあることに気付く。

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